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本日(といっても既に日が変わったので、実際には9日だが)、神戸の裁判の第7回口頭弁論だったので、年休を取得して行ってきた。今回、冨永教授が提出した丁1号証が、活水器の検証という点で興味深いのでリンクしておく。
弁論が済んだので、情報解禁ということで……。
実は、冨永教授と折半で、磁気活水器マグローブを購入し、実際に水を通過させて、ラマン散乱や赤外吸収を測定し、表面張力と油の溶け方の測定も行った。
水素結合の振動ピークである3500cm-1附近のスペクトルの形状は、マグローブをを通した水と通さなかった水で、実験誤差の範囲でぴったり一致し、磁気活水器が、少なくとも、ラマンや赤外で検出可能な程に水素結合の状態を変えてはいないことがわかった。クラスターのサイズを変えるという巷での話を支持しない実験結果となった。
次に、マグローブを通した水とそうでない水で、表面張力の測定を行った。さらに、サラダ油を混合した場合でも測定した。いずれの測定も、マグローブを通した水とそうでない水で、表面張力には、測定誤差の範囲で差が無かった。この測定は、お茶の水大生活科学部の先生に全面的に協力していただいた。
実は、我々の実験でも、最初は、マグローブを通した水で表面張力が低下し、時間と共にマグローブを通過させなかった水に近付くという結果を得た。時間変化がゆるやかだったので、分子運動過程によるのではなく、もっと遅い、例えば物質の拡散などの現象だろうと見当をつけた。そこで、マグローブに水を通す時に使ったホースを外し、水道の蛇口から直接マグローブに水を流すようにしたところ、表面張力の差が出なくなった。表面張力は、装置を通過させるまでにどのような材料を使ったかに依存して変わり、うかつにホースを使うと、不明な揮発性の物質が溶出し、時間と共に抜けていくらしい現象を見てしまうことがあることがわかった。ホースからの溶出であれば、流速や流量に依存して物質の濃度が違ってくるはずである。巷に言われている、「磁気活水器を通した水の表面張力が変わる」という話の根拠は、実は、器具を接続するチューブ類からの不明な物質の溶出と揮発の過程を観測したことによる可能性がある。どのような配置で実験したか、接続チューブに何を使ったかまで押さえないと、活水器で表面張力が変わるかどうかを判定することはできない。我々は、ホースやチューブ類をサンプル調整の流路から除くことで、表面張力が活水器の有無に依存しないことを検証した。
磁気活水器のビリーバーであれば、表面張力が低下するという、巷で流れている話の通りの結果を得たら、それで安心して、そこから先の追求をしないのではないか。我々は懐疑的な立場であったので、変化の原因が何によるかを調べることになった。
クラスターの違いのようなものを仮定したとして、そのような分子的過程の速度は速いので、ゆっくり表面張力が変化するような現象とは結びつかないこと、揮発にしても溶解にしても、物質が異なる2相の間を移動するような場合の変化は総じてゆっくりであること、といった科学の知識に基づき、何かはわからないが(物理的な変化ではなく)物質の移動が原因、と考えて、疑わしいものを排除した。これまでの知見と違った結果になった時は、より慎重に考えないと間違ったままになりかねない、という例である。
【追記】
裁判掲示板の方の議論によると、微量な成分の分析をしている人にとっては、うかつにチューブを使わないというのは常識らしい。しかし、測定方法によって何に敏感かは大きく変わる。
たとえば、水の誘電緩和の測定であれば、わずかな不純物では感度が悪くて測定にかからないため、ホースの有無くらいでは結果に違いは出ない。ラマン散乱は、不純物がわずかに混じっても影響されないが、不純物が蛍光を発すれば大きく影響される。一方、赤外吸収なら、多分、同じ試料を測っても影響は無い。ほとんどの分光実験の結果に影響しない溶存酸素は、NMRの測定では酸素の常磁性が問題になるので影響が出る。
もし、どこかの分析センターに磁気活水を持ち込んで測定してもらう際に、取水の時にホースの有無に違いがあるものを持ち込んでしまったり、「違いだけ見てくれ、表面張力が変わるはずだ」などと強く言われた担当者があまり考えずにホースを使って結果をだしてそこで実験を止めたりすると、巷に流れている話が裏付けられてしまうに違いない。
posted at 2008/07/10 01:49:00
lastupdate at 2008/07/11 01:52:14
こういう科学的な水の特性評価が出てくるのを待ってました。
次は、導電率の測定があるとさらに面白くなりそうな予感、
磁場のかけかたによっては、水の導電率が変わると
言ってた先生もおられますから。
でも、裁判に関係ないからこりゃ無理か。
ちなみに、今回の測定では、マグローブ内の磁界の向きと地磁気の向きはどの程度考慮されていたんでしょうか?
まさか、地磁気のことなんか全く考えていなかったなんてことはないですよね?
当初は導電率に変化があるという話でしたが、導電率計のプローブ部分を共洗いするようし、温度コントロールをしっかりやったら変化が出なくなったという……。その後、もっと溶液の入れ替わりの早いプローブを使う、新しい導電率計で測定してやっぱり差がないとわかりました。
8Tの磁場でやってるわけで、そこいらの磁気活水器とは比較にならない磁場をかけていたわけですが、意味がありませんでした。
これからやるとしたら、磁気活水器自体から金属が溶け出していないか確認しつつやることになるでしょうね。元素分析とセットでやらないと意味がないだろうと考えています。
マグローブの内部に地磁気は進入しそうにありません。内部の磁石による磁場もほとんど漏れない程度に遮蔽されていますので。考慮の必要は無いかと。
なお、鉄筋の建物では、地磁気というか何もしないでも発生している磁場がどっちに向いているかわかったもんじゃないです。以前、エレベーターシャフトの柱に沿って磁化したことが原因で、地磁気程度の大きさの磁場がエレベーターホールでは上向きだったことがありましたし。















おもろい。
(わし、こうゆうの好き