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書くことは考えること
【業務連絡】
ここの運営方針は、私との職務関係を示唆する投稿内容を原則として削除するというものです。私との職務関係が無い他大学の方であれば、大学名や立場が分かる状況での投稿は差し支え有りません。
ここの管理者は、apj@水商売ウォッチングの中の人、です。引用部分を除く著作権及び内容についての法的責任はapj個人にあります。 広い意味での研究・教育活動の一環として運営しています。一応学外なので、以前のblogよりは雑談の割合が高くなる見込みです。
apj_yamagataを名乗る私の偽者が出没していますが、こいつは「ふま」「比ヤング」という有名な荒らしで、私とは全く無関係です。ご注意ください。「ふま」っぽい投稿は削除します。また、他人のハンドル詐称を平気でやるので、他所様のblogや掲示板でapjを騙っている可能性もあります。
○研究室のサイト
○冨永研究室びじたー案内(水商売ウォッチング入り口)
○「事象の地平線」過去ログ倉庫
○裁判専用サイトと専用掲示板
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○「事象の地平線」過去ログ倉庫
○裁判専用サイトと専用掲示板
by apj
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2008/11/05
何が必要になるかわからないよ
[大学の周辺など]
先週、共通教育の内容へのコメントとして、学生さんから「学部でやる専門と違う内容なので、勉強して将来役立つことがあるでしょうか?」というのをもらった。多分、全国各地でそう思っている学生さんはたくさんいるんじゃないか。それで、年長者としてちょっとだけ説得を試みた。
けちなことを言わずに、何でも勉強した方が良いよ。
私の経験からすると、「勉強してなかったことが必要になる」ことの連続だった(でも、きっと、勉強して知っている知識を使う時は、それと意識しないで使うから印象に残らないのだろうね)。
紆余曲折を言うと……物理出身なのに就職先は化学になった。趣味で触ったコンピュータは、卒業研究や修士の研究で実験装置の制御プログラムを組むのに役だった後、博士課程の間のバイトに役立ち、その後数年、職が無かった期間、食べていくための手段になった。航空機の制御やら航空管制のしくみが内容の、「航空電子工学」なんてものを高専で教えたこともある。これは電磁気学や、物理の実験で出会った簡単な制御理論の知識を動員してこなした。
その後、水のニセ科学批判をやったら、いろいろ揉めることになって、これまでに裁判をやったし、今でも係争中である。自分で訴状を書いて本人訴訟をやったりもしたし、弁護士とも楽しくやっている。実は、数年前から法律を独学することにした。しかし、最初に法律を学んだのは、みんなと同じくらいの年齢の時に、大学の教養教育で法学をとったことがきっかけだった。その後10年ほどしてからまた自分で勉強することになったけど、その際の敷居を、教養教育の時の勉強がだいぶ下げてくれた。全くゼロというのと、多少やったことがあるというのは、だいぶ違う。
大学4年間は専門をやるとしても、社会に出たって勉強は継続しないといけないし、きっと、どんどん、これまでやってなかったことが必要になる。人生、この先何が必要になるかはまだわからない。そんなことは誰にも予測できない。だから、いろいろ経験しておくと、その時は浅く知っているだけでも、次に必要になって勉強するときの、心理的な敷居はかなり低くなる。何でも貪欲に吸収するように心がけておくと、後で役立つこともあるよ。
こんな話をざっくばらんにしてみた。
どこかの分野の知識を完全に捨ててしまうのはもったいないし、将来そのことが足を引っ張るかもしれない。せっかくいろいろ勉強できるチャンスなのだから、ぜひ活かしてほしい。
まあ、私だって、知らないことの方が多いのだけど、専門外の分野だからといって、頭から拒否したりしないように心がけるつもり。
けちなことを言わずに、何でも勉強した方が良いよ。
私の経験からすると、「勉強してなかったことが必要になる」ことの連続だった(でも、きっと、勉強して知っている知識を使う時は、それと意識しないで使うから印象に残らないのだろうね)。
紆余曲折を言うと……物理出身なのに就職先は化学になった。趣味で触ったコンピュータは、卒業研究や修士の研究で実験装置の制御プログラムを組むのに役だった後、博士課程の間のバイトに役立ち、その後数年、職が無かった期間、食べていくための手段になった。航空機の制御やら航空管制のしくみが内容の、「航空電子工学」なんてものを高専で教えたこともある。これは電磁気学や、物理の実験で出会った簡単な制御理論の知識を動員してこなした。
その後、水のニセ科学批判をやったら、いろいろ揉めることになって、これまでに裁判をやったし、今でも係争中である。自分で訴状を書いて本人訴訟をやったりもしたし、弁護士とも楽しくやっている。実は、数年前から法律を独学することにした。しかし、最初に法律を学んだのは、みんなと同じくらいの年齢の時に、大学の教養教育で法学をとったことがきっかけだった。その後10年ほどしてからまた自分で勉強することになったけど、その際の敷居を、教養教育の時の勉強がだいぶ下げてくれた。全くゼロというのと、多少やったことがあるというのは、だいぶ違う。
大学4年間は専門をやるとしても、社会に出たって勉強は継続しないといけないし、きっと、どんどん、これまでやってなかったことが必要になる。人生、この先何が必要になるかはまだわからない。そんなことは誰にも予測できない。だから、いろいろ経験しておくと、その時は浅く知っているだけでも、次に必要になって勉強するときの、心理的な敷居はかなり低くなる。何でも貪欲に吸収するように心がけておくと、後で役立つこともあるよ。
こんな話をざっくばらんにしてみた。
どこかの分野の知識を完全に捨ててしまうのはもったいないし、将来そのことが足を引っ張るかもしれない。せっかくいろいろ勉強できるチャンスなのだから、ぜひ活かしてほしい。
まあ、私だって、知らないことの方が多いのだけど、専門外の分野だからといって、頭から拒否したりしないように心がけるつもり。
posted by apj (apj's web)
【修正】
24 cool
posted at 2008/11/06 01:05:41
lastupdate at 2008/11/06 01:05:41
lastupdate at 2008/11/06 01:05:41
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Comments
全国の学生に読ませたい名文かも。自分の経験で語っているところがポイント高いと思います。
さっそく、娘(大1)と息子(高専1)に読ませることにします。
さっそく、娘(大1)と息子(高専1)に読ませることにします。
at 2008/11/06 06:39:17
いろいろな分野を知ることは人脈を広げることにつながるでしょうし、その人脈の方がビジネスを運んでくるということもあるでしょう。そして、その出会いが「金の卵」か「トンデモ」なのか、判断するために、「トンデモ」関連知識は直接必要でしょう。いろいろ学ぶことで人にだまされないようになる。それは、基本的なことであり、誰もにあてはまることでしょうね。
at 2008/11/06 08:30:54
本来、社会からも大学では、「手に職を附ける」事を期待
されているわけではないし。
#そういうスペシャリストが欲しければ、専門学校からとるし。
#あるいは、高度な専門知識が欲しければ、修士だし。
さまざまなことに対応出来る為には、昔で言う一般教養の
授業は必要であり、それが大卒に求められているもの。
されているわけではないし。
#そういうスペシャリストが欲しければ、専門学校からとるし。
#あるいは、高度な専門知識が欲しければ、修士だし。
さまざまなことに対応出来る為には、昔で言う一般教養の
授業は必要であり、それが大卒に求められているもの。
at 2008/11/06 09:12:00
「学部でやる専門と違う内容なので、勉強して将来役立つことがあるでしょうか?」
その学生に「学部やる専門は卒業後に役に立つのか保証があるか?」と聞いてみたいですわ。
その学生に「学部やる専門は卒業後に役に立つのか保証があるか?」と聞いてみたいですわ。
at 2008/11/06 20:33:25
ええ、本当にその通りです。
私は応物系の研究をして就職したら、プラントエンジニアリング、つまり化学工学関係の開発をするはめになりました。それでも何とか製品を世の中に送り出すことができました。自分でテーマを選べるようになったのは30代の後半になっていました。それなりに最先端を走っていたと思ったら、どんでん返しが起こって研究撤退、その後、リサイクル関係の起業を担当したりしました。リサイクルは利権の世界ですから、その筋のヤーさんにお目にかかったりもしました。
第二外国語を趣味でフランス語にしたら、外国出張はなんとドイツ、通算すると1年以上になりました。それなり勉強したつもりのフランス語は、パリに一泊したときにちょっと使っただけ。会社で役に立ったとしたら、機械の取説を半ページ翻訳しただけでした。
若い時から仕事を選べたり、上司を選べたりはできないのが普通だと思います。管理職になったはなったで、今度は部下を選べないというか、戦力にならない人を抱え込むこともあります。これは企業ではよくあることですが、管理職としては大変です。頭数と人件費として確実にカウントされますから、会社からはそれに見合った成果を要求されます。それと、企業では、部下は上司の意向を理解して仕事をすることになります。部下が上司に対して、「私の立場や気持ちを理解して欲しい」では通用しませんから、じょうずに自己主張するだけのコミュニケーション能力が必要だと思います。
私は応物系の研究をして就職したら、プラントエンジニアリング、つまり化学工学関係の開発をするはめになりました。それでも何とか製品を世の中に送り出すことができました。自分でテーマを選べるようになったのは30代の後半になっていました。それなりに最先端を走っていたと思ったら、どんでん返しが起こって研究撤退、その後、リサイクル関係の起業を担当したりしました。リサイクルは利権の世界ですから、その筋のヤーさんにお目にかかったりもしました。
第二外国語を趣味でフランス語にしたら、外国出張はなんとドイツ、通算すると1年以上になりました。それなり勉強したつもりのフランス語は、パリに一泊したときにちょっと使っただけ。会社で役に立ったとしたら、機械の取説を半ページ翻訳しただけでした。
若い時から仕事を選べたり、上司を選べたりはできないのが普通だと思います。管理職になったはなったで、今度は部下を選べないというか、戦力にならない人を抱え込むこともあります。これは企業ではよくあることですが、管理職としては大変です。頭数と人件費として確実にカウントされますから、会社からはそれに見合った成果を要求されます。それと、企業では、部下は上司の意向を理解して仕事をすることになります。部下が上司に対して、「私の立場や気持ちを理解して欲しい」では通用しませんから、じょうずに自己主張するだけのコミュニケーション能力が必要だと思います。
at 2008/11/06 23:28:40
apjさん、
こういう考え方の学生さんは多いのかもしれませんけど、せっかく追加料金も取らずに教えてくれるって言うのに、遠慮せんでも良ぇのにと思いますよね。
apjさんの実体験談は、かなり特殊事例(←失礼)が混じってるような気もしますが、学生さんに対する説得力は高いでしょうね。
ワタシなら『勉強して将来役立つことがあるでしょうか?』なんて訊かれたら、『「役に立つか?」や無うて「自分がどう役に立てるか」やっ!』って頭ごなしに叱ってしまいそうですが(^-^ ;)
こういう考え方の学生さんは多いのかもしれませんけど、せっかく追加料金も取らずに教えてくれるって言うのに、遠慮せんでも良ぇのにと思いますよね。
apjさんの実体験談は、かなり特殊事例(←失礼)が混じってるような気もしますが、学生さんに対する説得力は高いでしょうね。
ワタシなら『勉強して将来役立つことがあるでしょうか?』なんて訊かれたら、『「役に立つか?」や無うて「自分がどう役に立てるか」やっ!』って頭ごなしに叱ってしまいそうですが(^-^ ;)
at 2008/11/07 01:47:51
水伝関係のHPを見ていて見かけて、どこかに投稿しようと思って忘れていたものです。
何かの役に立てばと思いこちらに。
朴斎雑志: 水に芸術はわからない
» link here «
#多分kikulogで見かけたと思うのですが。
朴斎雑志: どちらが不寛容か
» link here «
相対性理論は間違っている、という方々や、似非科学を持ち出す方々の話を読む前に、一度目を通しておくと良いかも。
朴斎雑志: 辞書使いの辞書知らず その1
» link here «
他の記事も結構参考になりそうです。
何かの役に立てばと思いこちらに。
朴斎雑志: 水に芸術はわからない
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#多分kikulogで見かけたと思うのですが。
朴斎雑志: どちらが不寛容か
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相対性理論は間違っている、という方々や、似非科学を持ち出す方々の話を読む前に、一度目を通しておくと良いかも。
朴斎雑志: 辞書使いの辞書知らず その1
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他の記事も結構参考になりそうです。
at 2008/11/10 22:02:43
兎角、「理科離れ」の問題を「技術立国」の観点で議論しちゃっているってのは、理科の応用範囲の広さが無視されているという問題もさることながら、「技術立国」を目指す必要が無ければ極端な話役に立つと思わなければ科学を学ばなくてもいい、ってミスリードを招く危うさがあるとも言えちゃいますね。「火の玉教授」を筆頭に技術立国の危機を絶叫して「子供は理系にせよ!」と言われる度に、「技術立国のために子供を育てろって、それ何て富国強兵?」って妙な反発を覚えるのは自分だけですかね?
at 2008/11/11 01:22:23
別に技術立国を掲げなくたって、生きていくために理科は必要でしょう。
ま、火の玉教授は放置でいいんじゃないですかね。はっきり言ってどうでもいいし。
ってか、何でここのコメント欄で火の玉教授のネタばっかり持ち出すわけ?ちょっとしつこいんじゃないかと思うんだけど>杉山真大さん。そんなにこだわるなら批判サイトを作ったらいかがでしょう?
ま、火の玉教授は放置でいいんじゃないですかね。はっきり言ってどうでもいいし。
ってか、何でここのコメント欄で火の玉教授のネタばっかり持ち出すわけ?ちょっとしつこいんじゃないかと思うんだけど>杉山真大さん。そんなにこだわるなら批判サイトを作ったらいかがでしょう?
at 2008/11/11 03:29:06
ただブログだけで書くならマシだとは思うんですよ。でも、「火の玉教授」の場合、それでオカルト批判をメディアで集中的に意識的にやってしまっているとこがあるし、加えて其処から人文系叩きや技術立国も露にする面がある。当人が「国策をリードする」なんて口にするから放置しようにもするのは拙いって気がするんじゃないかと。
無能な味方や勤勉な無能は、下手な強敵よりも脅威にも損害もなり得ることは考えた方が良いんじゃないかと。ニセ科学批判や科学リテラシーと言う観点からしても。
無能な味方や勤勉な無能は、下手な強敵よりも脅威にも損害もなり得ることは考えた方が良いんじゃないかと。ニセ科学批判や科学リテラシーと言う観点からしても。
at 2008/11/11 10:59:32





