お茶の水大の謎行動(2002/12/30)

 行政文書開示請求も手続が進んで,異議申し立てをしたものについては内閣府情報公開審査会の諮問に回って,お茶の水大の理由説明書が提出され,副本が私のところに送られてきた

 当事者の職名や氏名,相手方の会社名,URLなどを軒並み墨塗りにした理由がつらつらと説明されていたのだが,「個人を識別する情報である」「慣行として公にされていない」という理由には,思わずずっこけそうになった。

 今回開示請求したのは,(株)プロホームアドバンスによって当ページにクレームがあったことについての処理の記録である。で,当サイトをごらんになった方ならとっくにおわかりの通り,役員ではない担当者名以外の情報は可能な限り公開している状態である。つまり,

というふうになっている。交渉の途中経過を公開することについて企業側担当者は難色を示していたが,公開している内容が虚偽だから出すなというクレームは,今まで企業からも大学からもきていない(つまり内容そのものの真実性は消極的ではあっても認められている)状態である。企業からのクレームがあったこともお茶大が公開停止にしたことも,もやは知れ渡っている。

 まあ,ネット上での公開は大学が公式に行った公開ではないのは当然なんだけど,これだけいろんな固有名詞が当事者によってバレまくっているのに,行政文書開示請求をすると上に列挙した内容が墨塗りされるというのは,かなり変な話である。ウチのサイトを読めば,どこの会社が何を言ってきたかが明らかなわけであり,水商売ウォッチング本文の批判内容も容易に読むことができる。大学が何をしたかについても既に広く公表している。行政文書開示請求では,当事者も第三者も同じに扱われる。当事者による情報公開が十分行われている今回のような場合は,当サイトを読んだ第三者が同様の開示請求をしたとして,文書中で上記の情報を墨塗りしても意味が全くないのだが・・・・。

 これまでの名誉毀損関係の判例などからは,ネット上での情報公開は不特定多数に対する公開であると,当然のように取り扱われている。出所不明の掲示板書き込みならともかく,当事者のウェブサイトで不特定多数に対して,状況説明と固有名詞の両方が公開されているものについて,「慣行として公にされていない」が果たして該当するのかが疑問である。っていうか法律の解釈としてそれでいいのか?

 そもそも,クレーム問題の当事者の固有名詞も内容も知れ渡っているという現実がまずあって,唯一お茶の水大がとった措置だけが不透明なために文書開示の意味があるということを,お茶の水大はどこまで自覚しているのだろうか。

 もっとも,当事者自らが公表した情報に対して情報公開法の不開示理由をどう適用するか,なんていうケースはまだ十分出てきていなくて,マニュアルにもないのかもしれないけれど。


 

(2003/01/07)
 訴状の効果(?)で,物理所属の広報委員と副学長と話し合う機会が持てたので,多少展開が違ってきた。ウェブによる情報公開に関する規則について,将来にわたってどうするか考慮するつもりもあるらしいので,その様子をしばらくは見ることになりそうだ。ただ・・・訴状を送るまで,部外者は学内担当者と直接話をする機会が持てなかったってのも,それはそれで何だかなあと思う。


Y.Amo /
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