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「第三文明」取材の件(2004/09/01)

【注意】このページの内容は商品の説明ではありません。商品説明中に出てくる水の科学の話について、水・液体の研究者の立場から議論しているものです。製品説明は、議論の最後にある、販売会社のページを見てください。

 先月、創価学会系の雑誌「第三文明」から、水について取材の申し入れがあったので応じた。取材の結果は10月号に掲載された。友人の話だと、吊り広告に私の名前が出ているらしい^^;)。電車通勤してないので見てないんだけど。

 私は、既に、公明党の松あきら議員が、江本氏の水の結晶写真集(水に「ありがとう」と書いて見せるとキレイな結晶ができて、「ばかやろう」と書いて見せると汚い結晶になるという話。小学校の道徳で、きれいな言葉を使いましょう、と指導する教材に使われることがある)を肯定する発言を国会で行った件について、既にこのサイトで批判するコメントを公開している。今回、取材に応じるかどうかを決めるにあたって、波動系の水結晶の話を批判する内容を入れてほしいという条件を付けて、それが容れられたので応じることにした。公明党の主な支持層が創価学会であることは重々承知している。だからこそ、インチキ水商売、特に水の結晶写真を使った宣伝はまずいということが、創価学会系の雑誌に掲載されることに意味があると考えた。

 創価学会向けの説得理由としては、「池田先生の言葉に価値があるのは水の結晶がきれいになるからだ、なんてことになったら、創価学会的にも信仰が台なしでやっぱりまずいでしょ」ってのを考えていたし、取材の時にも言った。まあ、創価学会に限らず他の宗教一般についても同じことがいえるだろう。道徳と信仰は別物だが、「人間」が抜け落ちてはいずれも成り立たない。水結晶の話は、自然科学として間違っていることは確かだけど、それ以外に適用しても良くない考え方だと思う。

 ところが、本日、ニューポート大学の教員からクレームの電話があった。曰く、「団体の代表者が東京地検に追っかけられている」「そういう団体の広告塔になることを恥ずかしいとは思わないのか」。何か、名誉棄損関係らしい。

 「全く思いません(きっぱり)」と断言した。相手にするだけ無駄だし、ばかばかしいので最後まで話をせずに電話を切った、というのが本当のところ(注1)。クレーム付けてきた人は、ウチのサイトの存在も知らなかったし、調査不足も甚だしい(第三文明の方は、私に連絡する前に、私が松あきら議員批判を公開してることをちゃんと把握してたぞ)。創価学会をどういう団体と判断しようが、そりゃ判断する奴の勝手だ。私は私の基準で判断もするし批判もするだけのことである。

 第一に、他人の名誉棄損の紛争なんか知ったことじゃない。当事者でとっとと裁判所で解決すればいいだけの話だ。東京地検云々もおかしな話だ。地検が内偵中なら、関係のない大学教員なんかにその情報が漏れる事自体が変だ。起訴まで行ってる話であれば「追っかけてる」とは言わないだろう。だから、単なる言いがかりと判断した。

 なお、私は、表現をめぐる名誉棄損訴訟はどんどんやればいいと考えている。法的紛争は、近代社会における個人の自立の証である。何も恥ずべきことじゃない。判例を積み重ねることでしか、法律の運用も可能な表現の範囲も変えていけないのだから。

 その次の、「広告塔」って何だそりゃ一体。知名度を考えると逆だろ、普通は。

毎月広告出してる「第三文明」の知名度 >>>>>>越えられない壁>>>>> 天羽の知名度

なのは誰が見たって明らかだから、「「第三文明」を利用して天羽は自分の宣伝をしやがった」って言われるのならまだ理解できるけど、一回インタビューされただけで「広告塔」になるのは無理だと思うぞ。少しは考えて物を言え。

 なお、記事内容は、水についてどう科学的に考えるかという話で、政治とも宗教とも無縁のものだ。

 念のため言っておくと、私は別に公明党の支持者じゃないし創価学会とも関係ない。だから、もし、赤旗新聞が来たら同じ内容で話をするだろうね。今回は、たまたま、赤旗じゃなくて第三文明が先に連絡してきたと、それだけのことだ。

 まあ、クレームを付けるのは勝手だけど、くだらない電話はかけてくるんじゃない。仕事の邪魔だから。文句があるなら書面で私宛に送っていただきたい。但し実名を記載し、内容に責任を負うことが原則だ。公開した上できっちり反論して差し上げる。ウェブを使って批判するのならご自由にどうぞ。

 あと、情報を募集します。過去に「第三文明」のインタビューを受けた方・取り上げられた方で、ニューポート大学の教員を名乗る人物からクレームをもらった方がいらっしゃいましたら掲示板に書き込むかメールをください。今日電話してきた人が、いつものクレーマーなのか、つまり「第三文明」に出た人に誰彼構わずクレームを出している人物なのかどうか、興味があります。法的紛争=恥と考えるような人間が、一体何を専門としてどんな教育をしているのか知りたいところです。


(注1)私はめったにこれをやらない。今年3月から4月にかけて掲示板を荒らした奴から電話があった時だって、ちゃんと100分も話をした。今回は、内容の無さにおいてそれ以下と判断した。


追加情報:ニューポート大学

 Yahooで検索すると、最初に出てくるのが「ニューポート大学の海外ネットワーク」http://www.newportha.org/newport.htm
。じゃあ、 http://www.newportha.org/index.htmは当然、ニューポート大学の日本の事務局とかのホームページかと思ったら、「国際経済学者 庄野寿」って出る。選挙運動のポスターを連想させる雰囲気である。略歴を見ると、「ニューポート大学より名誉法学博士号を授与」とありますが、名誉博士号になると「取得」じゃなくて「授与」なのか?というツッコミは置いといて、それ以前に名誉博士号って何?どういう業績で取得したのか、ウェブを見ただけでは良くわからない。

 んで、アメリカの本家はhttp://www.newport.edu/の模様。ただしこの大学、 オレゴン州じゃここの学位を使うと違法とされるらしい。D判定されている。(参考URL http://members.at.infoseek.co.jp/khon/daigaku/oregon.html

 D判定とは何かというと、

D:Diploma Mills(卒業証明書製造所)
“Diploma Mills(卒業証明書製造所)”もしくは“Degree Mills(学位製造所)”とは、以下の条件のどれか一つにあたる非認定学校をいう。
(a) 学生による学業をなんら要求せずに学位を発行する
(b) 標準的な機関からの適当な学位を有する職員に提出され、評価される大学レベルの学業を要求せずに、学生の人生経験や地位のみに基づいて学位を発行する
(c) 要求される単位の50%以上を学生の人生経験や地位に基づいてまかない、学位を発行する

 ここから名誉博士号をもらってもちっとも嬉しくないし、ここの教員やってることがバレたら逆に信用落としそうに思いますが何か?

 さらに、ウチでリンクしている「学位商法にだまされないために」の、「その他にも」を見ると、

●著名人の名前に惑わされない

こうした大学には、社会的なハクを得るために、芸能人や文化人等、各界の著名人に名誉博士号等を授与して、その知名度を利用して生徒を集めているところもあります。
中には何をやってるのか知りませんが、学部長なんて肩書きを与えているところもあります。

しかし大事なのは、そうした方々が、その大学でどのような役割を担っているかです。
本当にそうした方々の授業が受けられるのか、あるいはそうした方々が授業内容にどの程度関わっているのか、確認することが重要です。
過去に一度だけ講演をした、というのはまだマシな方で、中にはまったく大学の運営にも授業にも関わっていないとしか思えないケースもあるので、注意が必要です。

この点は名前を利用されることに無頓着、というよりほとんど無邪気に近い日本の著名人の体質をうまく利用しているとも言えます。
著名人の方々は間違いなく公人であり、ご自分の名前が広告塔として使われることによってどのような社会的影響があるか、じっくりと考えていただきたいものです。

・・・・吹いた。恥ずかしい広告塔はお前の方じゃないのかと小一時間(以下略)。