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エネルギー系の投資詐欺

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110531-OYT1T00783.htmより。
燃える水」出資募る…無登録容疑で社長ら逮捕

 「水を熱分解して燃やし、エネルギーを生み出す『燃える水』の機器を開発している」などと架空の投資話を持ちかけ、多額の出資金を集めたとして、千葉県警は31日、「エコシステム」(東京都墨田区江東橋)の社長、杉山良広容疑者(53)ら役員ら6人を金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで逮捕した。

 捜査関係者によると、杉山容疑者らは2009年頃、「100万円の元手が数年で500万円になる」などと、無許可で出資を募り、千葉県などの数人から1人につき数百万円、計約1000万円を集めた疑い。被害総額は約4億円に上るとみられる。杉山容疑者らはダイレクトメール発送や説明会開催のほか、実在する大学教授の名前を無断で使ったチラシなども作り、出資を募っていたという。

(2011年5月31日16時38分 読売新聞

 水の熱分解ですと、たとえば、こんな研究があります。水の加熱のみではなく、酸化物ターゲットに水をあてての分解ですが、それでも2000℃になります。こんな加熱を、石油や電気で行っていたのでは、たとえ水素ができたとしても、エネルギーロスの方がずっと大きくなります。そこでこの研究では太陽エネルギー利用ということになったのでしょう。

 他にも、でかい反射鏡(鏡を組み合わせたパラボラアンテナのようなもの)を作り、太陽光を集めて加熱し、水を熱分解する装置が作られています。日本ではなくアメリカで(雨の降りにくい地方でないと実験にならないから日本では難しいだろう)、まだ実験段階ですが。

 つまり、水の熱分解は、持ち運びできるような装置ではできないし、投資の対象になる段階でもないということです。