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投稿者ガイドライン(ver. 1.1) 最終改訂2005/03/24

さしあたってのガイドラインです。このガイドラインそのものに対する意見も随時受け付けています。

 

設立の趣旨

 「理科教育メーリングリスト(ML)(高橋純氏主催)」が、2005年3月28日で閉鎖されることになりました。突然の閉鎖であったので、どこかに分散して移動するにせよ、フェードアウトするにせよ、さしあたり受け皿となるMLが必要であると考えたので立ち上げることにしました。とりあえず、私のところに、MLを作れるリソースがあって、何とかなるスキルもあるだろうと思ったので、立ち上げに名乗りを上げました。様子を見ていたら、理科教育MLの参加者である左巻さんが、授業・教材中心の新MLを立ち上げることを表明され、山賀さんが、理科教育MLの雰囲気は活かすが500人規模のものを作るということを表明されました(その後、もっと増やしても良いという話になりました)。理科教育MLは1300人参加者がいました。また、高橋さんの放任主義のおかげで、幅広い議論をすることができていました。最初から話題を限ったり、人数を限定したりするのは、現参加者のかなりの部分を取り残すことが前提になっているようで、ちょっとひっかかったので、全員受け入れ可能な環境を提供することを目指しました。

 

 このMLは、rika MLの後継ではありません。高橋氏の努力と参加者の皆様の活動に支えられたMLの後継を勝手に名乗るなど、おこがましいというものです。私は、あくまでも、発言の場所の必要性を認識し、かつ、やれるかなと思ったから、作ってみただけです。私個人は、ネットでの表現の問題ではいろいろトラブルも経験し、トラブルシュートの経験も少しは積んだので、自由に発言できる場所を確保するということに貢献できるかもしれないと思っています。ただ、参加自由・発言自由という高橋氏の管理方針を継承して、開かれた議論の場所を維持できればと思っています。

 

 理科教育MLには、いろいろ教えられることが多かったし、メッセージを出すことで、その都度いろんなことを考えて勉強になりました。私自身は、2005年の4月から、教養教育で「科学リテラシー」というテーマで講義をすることにしています。科学に関する情報をどう扱っていくのかということがテーマです(去年までは「水の化学」でしたし、今年も水の話を中心にやりますが、リテラシーにも徐々に重点を置こうと考えています)。人間の脳は、とかく何にでも関連性や因果関係をつけたがる性質があります。放っておくと間違いでも真実と認識してしまいます。脳が認識した因果関係と、自然観察の積み重ねを一致させるのが、科学という方法論です。ですから、「より良く生きるために科学が必要である」というのが、私の主張の柱です。それを実現するのが「理科教育」であり、合理的な思考を鍛える教育であると考えています。

 

MLのルール

  1. 話題は広く

     理科の教育を行う立場の人、受ける立場の人、昔そうだった人も含めて、参加者のハードルを低くしたいと思っています。義務教育や高等学校教育だけではなく、大学の理科教育、社会人への理科教育、社会人の理科再入門の話題なども積極的に出してください。初心者が安心して質問できる場所にしたいと考えています。管理教育など、教育環境に関する話題もどうぞ。なお、本メーリングリスト(以下MLと略す)の運営自体に関する話題(自治)もOKということにしますので、積極的に参加してください。

  2. 対等な立場で

     お互いに「さん」付けで呼ぶことにします。「先生」は付けないこと。対等な立場でオープンに議論しましょう。

  3. 実名で議論を
  4. 実名による参加を原則とし、匿名・ハンドル名は認めません。

    旧姓や、外国人登録証に記載された通称名などは使っていただいてかまいません。漢字コード表に名前の文字が無い場合も、普段の書き方でかまいません。

    ペンネームが著名な場合は、そのほうがかえってうれしいです。もちろん、本名を明かしてくださってもかまいません。

    フルネームを推奨します。ご都合の悪い場合は、例えば、「東京の佐藤です」といった感じでもかまいません。たまたま同姓の方が他にいらっしゃる場合は、接頭語でも接尾語でも適当につけて、お互いに区別できるように工夫してください。

    法的問題に備える状況に発展しない限りにおいて、戸籍通りかどうかのチェックはしません。

    相互理解のために必要な範囲でご自分の背景(職業・専門分野など)を述べてくださると助かります。具体的な学校名・会社名などの所属については、さしさわりのない範囲にとどめてかまいません。

    同時に2つ以上の名前やメールアドレスで参加して議論を混乱させる行為(いわゆる自作自演行為)や、故意に他人になりすまして発言する行為は、除名の理由となります。

  5. 発言は個人のもの

     発言内容は、発言をした人に帰属するものとします。もし、署名欄に所属組織が書いてあっても、メールアドレスが職場のものであっても、それは単なる識別の記号であり、発言内容を所属組織と結びつけてはいけません。「そういう発言をする人がいる組織は……」と評価したり、個人の発言内容=組織内の合意事項とみなす、といったことをしてはいけないということです。

     発言者の立ち位置を知る参考にする程度はかまいません。例えば、「**高校」とあったとして、「実はそこの卒業生ですが……」とか「その地域の特徴のある植生は……」といった話題を出すきっかけにはしてもいいということです。

  6. 過去ログは公開

     本MLに投稿されたメッセージは、自動的にウェブページに公開されます。ただし、他者によるメールアドレス収集を防ぐため、@以下を自動的に伏せ字にしての公開となります(spam除けのために@を全角の@で書かれた場合は、伏せ字にならないのでご注意ください)。公開後に修正を加える事は不可能ですので、投稿する前に十分に内容が吟味される必要があります。特に個人情報の扱いには注意を払ってください。蓄積された投稿メッセージは過去ログと呼ばれ、公開された過去ログは、有用な情報源として活用され、広く社会に貢献します。原則として、過去ログは、投稿者が本MLへの参加を取りやめた後でも、公開され続けます。

  7. 投稿はplain text/jis(iso-2022-jp)で

     htmlメール(書式付きメールを含む)、添付書類付きのメールの投稿は禁止。また、投稿の際は、JISコードかISO-2022-JPに限ります。違反したメールは配送されませんが、エラーが投稿者に返る設定にはしていません。ウイルス感染の場合やSPAMを送りつけられた場合には、メンバーのアドレスが騙られることがあり、意図しない人にメールを送ってしまうことになるからです。

  8. 批判は論評の範囲で・充分な反論の機会を

     誹謗・中傷は、文章全体から受ける印象で判断されるので、批判を書いてもエキサイトし過ぎないように、論評の範囲で行ってください。でも、もし、自分の名誉が毀損されたと思ったら、しっかり反論して名誉を回復させてください。それが最もコストのかからない対応方法です。

  9. プライバシーの保護

     自他ともに、個人情報の記載には注意してください。本MLは匿名を許していませんが、かといって無制限に個人的な情報を出さないように(例えばプロバイダから接続している時の署名欄の自宅住所など)気をつけてください。法人の商号・本店所在地・代表取締役氏名等、登記簿謄本に記載された情報については公開してもかまいませんが、代表取締役の自宅住所については、特に合理的な理由がない限り公開しないでください。

  10. メールアドレスの管理

     本MLに参加したことによって得た参加者に関する情報を、本MLでの議論以外の他の目的に使用することを禁止します。特に、メールアドレスを流出させないように注意してください。

  11. 引用は適正に

    著作物の引用は、出典と著作者を明記し、適正な範囲で行ってください。ウェブサイトの著作物についてはURLを示してください。

  12. 削除要求・削除理由の公開

     過去ログに対する削除要求、および削除理由は公開します。他人の名前を騙った削除要求が出たりするのを防ぐためです。なお、メールの誤送信により投稿者が個人情報等を漏洩させてしまった場合は、投稿者が申告すれば過去ログから削除します。

  13. マルチポストOK

     他の理科教育関連MLとのマルチポストに対しては寛容に取り扱うこととします。一般に、マルチポストはネットワークでは嫌われることになっていますが、本MLでは問題なしとします。関連ML間で参加者が重複することは充分予想され、また、イベントの告知などはできるだけいろんなところに流す必要があるでしょう。ですから、同じ内容のメールを受け取ることになっても、うるさがらずに大目に見てください。なお、他MLでの話題を振るときも、適正な引用を心がけてください(過去ログを公開しない方針のMLもありますので)。

  14. 投稿の緊急停止

     ウイルス感染が疑われた参加者については、ウイルス対策が済むまでの間、一時的にMLへの投稿を停止することがあります。本MLでは、添付書類は削除されますから、新たな感染はほとんど起きないはずですが、無意味なメールがたくさん流れることを防ぐためです。なお、その場合は、可能な限り、運営者がその参加者に連絡をとって、状況を説明するようにいたします。

  15. 無差別宣伝の禁止

     もっぱら宣伝のみを目的とする投稿(いわゆるspamなど)を行った参加者は無条件に除名し、過去ログからもメッセージを削除します。特に、風俗や出会い系サイト、マルチ商法の宣伝には厳しく対処します。宗教団体への勧誘行為についても同様です。但し、理科教材および科学の書籍等に関する宣伝を常識的な範囲で行う場合はかまわないこととします。もちろん、議論の自然な流れで製品などが紹介されるのは問題無しです。理科や科学関係のイベントの案内、非常勤講師募集などの案内は、遠慮無くどうぞ。

  16. 荒らしは放置

     しつこい嫌がらせ投稿などを行う「荒らし」さんは放置してください。「荒らし」に餌を与えるのはやめましょう。気になる方はメーラーのフィルタリング機能で見ないようにしてください。また、「釣り」を見抜くのも、情報リテラシーのうちです。実害が生じない限り無視しましょう。実害が生じた場合は、運営者がそれなりに対処します。

  17. 免責条項

     サーバは可能な限り安定運用を心がけますが、トラブルはつきものです。このMLシステムが停止したこと自体によって生じた損害の賠償はできませんので、あらかじめ御了承ください。運営者はボランティアでやっております。また、MLの情報の利用は自己責任で行ってください。内容について、運営者は一切の保証をいたしません。

  18. 事務連絡について

     配送されるメールのうち、サブジェクトに【事務連絡】を含むものには一応目を通しておいてください。運営側からの連絡事項が書かれています。

  19. 運営者も参加します

     運営者が、他の参加者と対等な立場で議論することを、どうかお認めください。運営者がある参加者の発言内容を批判した場合でも、そのことをもって「その参加者の表現の内容がこのMLにふさわしくない」などということを言い出さないでいただきたいということです。ML運営の基準は、このガイドラインにのみによるものであって、運営者の個別の発言で決まるものではありません。ガイドラインは可能な限り公平なものをめざして制作しておりますが、運営者個人は、一時の感情に流されることもあれば、思いこみで何かを勘違いしたりすることもあるのです。

 

 

 以下は、だんだん堅苦しい内容となります。本MLは、民間のプロバイダのサービスを利用せず、大学の回線を使っております。従って、本来ならプロバイダが利用規約として決めるような内容まで、ガイドラインに盛り込む必要があります。

 

メッセージそのものに関する権利義務関係

 さしあたりこれで行きます。将来の変更は、関連する判例が出た場合や、法律についてもうちょっと検討していろいろわかってきた場合に行います。

  1. 投稿された内容に関する著作権(著作権法第21条乃至28条を含む)及びその他の知的財産権は、投稿者とML運営者の双方に帰属する。
  2. 投稿した内容を投稿者が再利用することを、ML運営者は妨げてはならない(投稿者本人が再利用できないのは不便だから)。
  3. ML運営者が投稿内容を再利用することを、投稿者は妨げてはならない(バックアップを作るとか、サマリーを作って最近の話題として情報提供する、といったことを想定している)。
  4. 投稿者による再利用によって利益が発生した場合、利益は投稿者のものとする。ML運営者による再利用によって利益が発生した場合は、元の投稿者とML運営者の間で利益を配分する(電車男が売れるご時世ですからねぇ。書籍化を想定してるんですが、編集のためにかける手間があるから、作業をボランティアで運営者がやるのは無理だし、運営者が利益を独り占めもバランスを欠きます)。
  5. 再利用の際は、原則として元の投稿者がわかる形で行う(引用の形式と合致させるため)。ただし、元の投稿者が記名を拒否した場合はこの限りではない。
  6. 投稿者は、投稿に関して発生する責任が全て投稿者に帰することを承諾する。(前述したのは知的財産権であり、権利の話。責任の話は別扱い)
  7. ML運営者と投稿者の間で紛争が発生した場合、管轄の裁判所は東京地方裁判所(あるいは東京簡易裁判所)とする(MLは全国区で、発起人の天羽は今のところ山形在住です。地方都市間の移動は非常に大変だが、東京への移動は、極端な僻地を除いて全国どこからでもそれなりに便利です)。
  8. 投稿者同士の間及び投稿者ど第三者の間で紛争が発生し、ML運営者も当事者となった場合は、紛争関係者の住所地によって、民事訴訟法第4条乃至第22条の定める裁判所を管轄の裁判所とする。
 

管理の実務について

  1. サーバ:山形大の天羽研究室にある。(山形大近辺のネットワーク事情とか、天羽が部屋に入らないとリセットスイッチを押せないとかいった物理的制約あり)
  2. 設定周り:今のところ天羽がやっている。が、協力してくれる方がいらっしゃるなら歓迎。
  3. 運営:天羽が単独でやる羽目になるのが最低限の場合。できれば、考え方の違う人を運営メンバーに入れて、何か問題が起きたときの判断が大きく偏らないようにしたい。ってことで現在募集中。fmlで立ててるので、メールでコマンドを送って制御することもできるから、運営者グループを作ることも可能。
  4. 急だったので、今月中はバックアップのめどが立ちません。もしHDDが飛んだら、そのときは再登録をお願いします。
  5. あと、信頼できる管理者複数を置いて、天羽の管理が不可能になったとき、可能な限りスムーズに後処理(移転など)を可能にするしくみを作りたい。技術に詳しい人がいてくれると助かる。
  6. 【現在の運営メンバーについて】特に固定したメンバーは居ませんし、運営メンバーのみで合議する場所も設けては居ません。ガイドラインそのものについてはMLで議論され、随時改訂中です。内容の質的な変更を伴わない、表現をわかりやすくするための改訂となっています。ウェブページの更新は、アカウントの問題で天羽がやっています。権利関係については、当面天羽が窓口となります。

 

 

 MLの利用者が従うべき法的ガイドラインを、いくつかに分けて説明する。

 

プロバイダ責任制限法

 本MLでは、過去ログを公開しているので、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成13年法律第137号、通称:プロバイダ責任制限法)」に拘束される。何か問題が起きた場合には、社団法人テレコムサービス協会が出している、「プロバイダ責任法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」「プロバイダ責任法著作権関係ガイドライン」に記載されている判例などを参考にして判断する。公開している過去ログとは別に、配送経路の情報が含まれたメールがspoolに残る。この情報の開示については、プロバイダ責任制限法に準拠して行う。

 

著作権法

 本MLでは、添付ファイルの使用を認めていないので、問題になるとしたら、文章であらわされた著作物の引用が適正かどうかという点に限られる。文章の引用が許されるのは、引用元や著作者が明記されていて、かつ、引用が従であることである。当MLのガイドラインとしては、引用を行う場合は引用元と著作者を明示すること(ウェブサイトについてはURLを示すこと)、としたい。一連の議論の中で、特定のメッセージにおいて、引用部分の割合が多くなることもあるかもしれない。議論の前後から判断して、引用が従であり、元文献の一部であると考えられる場合は、運営者としては問題ないと判断する。なお、引用元の記載を忘れた場合は、後でそのことを示す投稿をしてほしい。クレームがあった場合は、著作権関係ガイドラインの手続に従って、著作権者であることから順に確認を行った上で、削除するかどうかを決める。なお、適正に引用しても、引用元がウェブページの場合は、どんどん元の情報が改訂されてしまうという、ウェブならではの特徴がある。引用時に適正であれば良い。

 

名誉毀損関連

 刑法の構成要件に該当するかどうかによって決まる。

 

(名誉毀損)
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
(公共の利害に同する場合の特例)
第二百三十条の二 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3 前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
(侮辱)
第二百三十一条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

 客体は人の名誉で、自然人だけでなく法人も含む。また、人は特定されなければならない。名誉の毀損とは、社会的評価を害する恐れのある状態を発生させたことである。侮辱とは、他人の人格を蔑視する価値判断を表示することで、法人に対しても成立する。

 

 本MLでは、実名による参加を原則としているので、参加者同士の間での名誉毀損は成立しうる。ただし、ネットでは「対抗言論の法理」というのがあって、充分反論の機会があって反論できていれば、名誉の回復が行われたとみなされる場合がある。言論には言論で、が最もコストの少ない解決方だろう。反論の機会を最大限保証する方向でMLを運営するので、そのつもりで参加してほしい。

 なお、これも程度問題で、誹謗中傷の内容があまりにもトンデモだと、書いた本人がみんなから「おかわいそうに」と思われるだけで、ちっとも名誉が毀損されない場合もあり得る。

 

 特定企業について、当MLで事実を摘示して批判を行っても、第二百三十条の二に該当する場合は、刑事でも民事でも責任を問われない。企業が宣伝している内容について、それに反する事実を示して議論をしても、企業が広く行う宣伝活動は公共の利害に関すると判断されることがほとんどだから、第二百三十条の二が適用される。特に、科学的事実を摘示した場合は問題にならないだろう。企業のウェブページに書かれたり、新聞などの広告に書かれたりした宣伝内容については、企業が自ら公開した情報である。自分で公表した内容について批判は許さないという態度をとっても、それは裁判所でも通らないだろう。ただし、批判はあくまでも論評の範囲でないと、第二百三十一条でひっかかる可能性があるから、エキサイトしないで議論してほしい。

 

 マルチ商法で既に有名な企業について、「マルチである」旨を指摘しても、当該企業の社会的評価を害する恐れがないから名誉毀損が問題になることはない。

 

信用毀損・業務妨害

 これも、刑法を基準として判断する。

 

(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
(威力業務妨害)
第二百三十四条 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
 第二百三十三条の「信用」とは、人あるいは法人の経済的信用に限定される。従って、「嘘つき、詐欺師」と罵った場合は信用毀損ではなく侮辱罪の方が成立する。真実を告げた場合は信用毀損罪の構成要件には該当しない。

 

 ガイドラインとしては、企業の経済状態についての議論をするときは内容が真実であることを確認できるようにして行うこと、としたい。ウェブ上に批判の文章を書いただけでは、威力ではないし偽計でもない。気を付ける必要があるのは「虚偽の風説の流布」と判定されないようにすることだけである。

 

プライバシー関係

 他人の私生活に関する情報については公開を原則として禁止する。ただし、メッセージの投稿者が本人の私生活をネタにして議論するのは自由である。他人によってみだりに個人の私生活を公開されない、というのがプライバシーの権利だからである。芸能人や政治家など、私生活がある程度マスコミを通して知られているような場合については、その限度で話題にしてもかまわない。

 

 投稿してもかまわない情報は、例えば次のようなものである。

  1.  法人の登記情報(本店・支店の所在地、商号、代表取締役と取締役、監査役の氏名、発行済み株式の数、定款)。もともと公示情報であり、誰でも謄本をとることができる。
  2. 個人が自ら公開している本人に関する個人情報。本人が公開するというものについて他人がとやかく言うことではないから。
  3. ウェブページのURL。個人のもの、法人のものを問わない。本来、不特定多数に見られることが前提となった情報であり、秘匿する必要がない。

 投稿してはいけない情報は、例えば次のようなものである。

  1. 個人の氏名、住所、電話番号、年齢、性別、学歴、現在の職に関する情報等で、本人がウェブサイトなどで広く公開していない情報。その他個人の私生活に関する情報。一般に公開を欲しないと考えられるから。
  2. 法人の登記情報のうち、代表取締役の自宅住所については、判断保留である。本店所在地と代表取締役氏名がわかれば法人を特定し連絡もできるので、さらに代表取締役の自宅住所を公表する必要性は多くの場合乏しいのではないか。
  3. 個人情報保護法成立以前の判例で、電話帳に記載された個人情報をパソコン通信の掲示板に掲載したことが、プライバシーの侵害にあたると判定されて損害賠償請求が認められた判例がある。公開されていても、電話帳記載の個人情報を出してはいけない。
 

公序良俗

 要するに猥褻なのはだめ。医学的議論の範囲に止めること。風俗関係の無差別宣伝が行われた場合は、過去ログから内容を削除した上で、投稿者を除名し、投稿者の利用しているプロバイダにabuseとして報告する。

 

 以上については、私の判断基準を示した。実際にどんな場合に違法と判断されるかは、ケース事に訴訟をやってみるしか確定させる方法はない。だから、クレームが来た場合に、可能な限りここに書いたことを主張して、争うかどうするかを決めるということだと理解してほしい。

 

匿名の禁止について

 いわゆる自作自演行為を禁止すれば、普段はハンドル名でもかまわないだろう。ただ、実名のみとすることで、匿名を隠れ蓑にしていたずらしようとする人を排除できると考えている。普通の人は、匿名でも実名でも発言内容は変わらないだろうし、実名でアレな(荒れる?)発言をする人は、多分匿名でも同じ発言をするだろう。当面は実名で参加というルールで運営するが、教育現場に対する管理が強まった場合、実名での参加がなおいっそう困難になる可能性もある。ML内で継続的に議論が必要であり、状況次第では、自作自演は強制退会というルール込みで匿名(但しハンドル名は1人1つ)参加を認める、といったことも考えている。

 

個人情報の取り扱いについて

 集めたメールアドレスは、本MLでの利用に限定する。ただし、ドメイン名の変更やサーバの移転にともなって、本MLそのものが移転する場合には、移転をあらかじめ参加者に知らせた上で、新MLで使用する。

 氏名も個人を特定する情報であるが、本MLは過去ログを公開するので、過去ログに書かれた範囲で氏名が公開されることに同意した上で参加していただきたい。普通に会話してお互い名前を呼び合う、といった範囲で公開されると思ってほしい。

 運営側の構成メンバーを変更する場合は、あらかじめ参加者に知らせる。(個人データの第三者への提供にあたると判断される可能性がある)

 本MLのサーバに残った個人情報(プロバイダの情報やメール送信時のリモートホスト情報)のうち、無差別宣伝を行った者に関する個人情報は、運営者がプロバイダにabuseの報告をするために使用し、また、当該事業者の情報を収集するために公表することがある。それ以外の者に関する個人情報は、プロバイダ責任制限法の手続きによって運営者に対し開示請求があった場合、及び、捜査令状が示された場合、法の定めるところに従い開示する。

その他

 法令に違反する行為は禁止します(公職選挙法etc.)。