還元電解水に関する議論(その3)
完全に時系列に議論をならべても話が見えないので、早川氏とのやりとりの後の方を掲載する(どの程度後の方かは、次にどういうメールが来るかで決まるが)。
Subject:恐れ入りました、早川より
Date: Wed, 11 Oct 2000 20:34:33 +0900
From: kabumiko
前略、y,amoさんへ、
お忙しい最中に、林博士にコンタクトを取って申し訳なく思ってます。
じつは、私がメールで林博士にあなたのHPを紹介しました。私は、自分の病気(アトピー)と家族の健康のため、林博士の推奨する「還元水」を毎日飲んでいるものです。
そのお陰で、病気の改善や家族の健康維持に効果を発揮していますが、もっと「事実」を探求したく思い、今回このような行為をしました。
どうも、済みませんでした。メールの内容は、「白畑教授の研究と林先生の理論は、このHPの批判に耐えられるか、林先生は常日頃批判に対しては逃げも隠れもせず、公開討論に応じる姿勢をとっているが、このHPの作者と公開討論をするべきである、なお、HPの内容を読むと納得できる部分もあるので、けっして林先生を誹謗中傷したわけではなく、批判をしているものだ」という趣旨のものです。
林博士は、全国24万人の医師に公開討論を呼びかけております。
林博士の理論や白畑教授の研究は、正当な批判に耐えてこそ「本物」であると思っていました。 あなたのHPを偶然発見し、理論的であると素人なりに判断しました。それに、大学の垣根を除き、背後の利害関係がない純粋な方と推察しました。(世俗に汚れていないということです)
ぜひ、シンポジウムなりにご出席されて、専門家の頭脳で批判を加えてください。
とくに正しい手続きによる臨床効果の要求などは、素人にも納得できるものです。
「事実」の前に敵も味方もありません。正しい批判に耐えてこそ、「事実」が見えてくると思ってます。
なお、林博士の理論は、あなたの非難されている「水商売」業者に利用されていますが、博士は決してメーカーや販売業者とつながっておりません。
現時点では日本トリム社の生成器を推奨しておりますが、過去10年にわたり徹底的に調査しました結果、背後に癒着した利害関係者はいませんでした。こちらの方面は得意なもので。その点は、ご考慮に入れてください。2回ほど会って感じたところ、きわめて純粋な医学博士です。
お忙しい最中に余計な企てをしましたことは、深くお詫びします。あなたがこれを機会に、林博士や白畑教授と接触ををとり、ご自身のご研究に何らかの役立てができましたら幸いです。
では、またご教授お願いいたします。
草々
早川宏
(私は、このメール↑で、早川氏との議論が一段落したと思ったので、返事を出しませんでした。)
Subject:事実のまえに勝ち負けナシ
Date: Fri, 13 Oct 2000 22:40:54 +0900
From: kabumiko
前略、天羽優子様
早川宏です。パソコンのディスプレーの調子が悪くなってきましたので、しばらくの間、ご連絡できないかもしれません。
林博士からあなたに宛てたメールを転送してもらいました。なお、天羽様からのメールは林博士と私はネチケットに反するような転送をしてませんので、私自身天羽様が林博士にどのような回答をしたか知りません。
さて、林博士はあなたに公開討論を望んでいるそうですね、その際にはおそらく白畑教授も出席するでしょう。
ぜひ、林博士の理論と白畑教授の研究に正当な批判をするために、公開討論に応じてください。それが、HPであれだけの批判をした当事者の責任であると思います。かならずや天羽様の今後のご研究に役立つと思います。学会云々で、逃げるべきではありません。
物理的な時間の都合がつかない場合は、その旨、林博士に連絡し、時間の調整をするべきです。
還元水のアルカリ性云々については、天羽様のまわりに、アルカリイオン製水機(アルカリイオン水という名称はマンガなのですが)を持っている方、(日本トリム社でなくてもナショナルの「ミズトピア」でも構いません)のPH9〜10新鮮な水500ml(酸性水=酸化水を10分程度流したあとでアルカリレンジにした方がよいです)にHCl(塩酸0.1規定)で中和してみてください。ただし、自動洗浄方式の製水機が死んでいる(電極にスケールがこびりついている)場合は、実験(測定)しても、無駄です。
おそらく、中和するのに、塩酸をわずかしか必要としないはずです。
なお、「抗酸化水が健康長寿を実現する」(実業之日本社)が林博士の理論を最も学術的に著した書物で、公開討論される前に一読されるとよいと思います。(あなたにとっては、幼稚な内容かもしれませんが)
最後に、天羽様へ、「事実」のまえに敵も味方もなく、「事実」のまえに勝者も敗者もありません、ぜひ、ディスカッションに応え、還元水の「事実」の一片に迫っていただきたいと思います。ご返事をお待ちしてます。
草々
早川 宏より
Subject:Re: 事実のまえに勝ち負けナシ
Date: 0:55 PM 00.10.16 +0900
From:apj
早川 様
At 10:40 PM 00.10.13 +0900, kabumiko wrote:
>さて、林博士はあなたに公開討論を望んでいるそうですね、
そういうメールが来ました。
>ぜひ、林博士の理論と白畑教授の研究に正当な批判をする
>ために、公開討論に応じてください。それが、HPであれだけ
>の批判をした当事者の責任であると思います。
批判の内容ですが、この1年くらいで多分解決しそうです。で、HPで書いた側の責任としては、続報をしっかり出すことをまず考えています。
1)白畑教授の論文そのものについては、BBRCの内容では、証明ではなく仮説に過ぎないし、主張の重大さ(活性水素の存在)にくらべて、実験条件が少ない、と書きました。しかし、私は別に「活性水素が存在するはずがない」とは主張していません。材料が足りないために、判断を保留しているだけです。この件については、白畑教授と直接連絡がとれまして、白畑教授の方では現在測定法の開発が終了し、特許の申請と論文作成中ということです。ですから、その発表を待って、再度判断したいと思います。白畑教授側は、プライオリティをとるまでは、詳細を公表することはないでしょう。
特許などが終わったあとは、還元水の研究をさらに進めたいようでしたから、多分、化学の分析の人も加わった研究が進むと思います。メールで読む限り、ミネラルの存在が重要であるということでした。
また、BBRCの段階では、「活性水素存在の可能性について述べた」だけであることも書かれていました。論文要約中でも「ideal scavenger for
active oxygen should be 'active hydrogen'」とあるので明らかでしょう。この部分がはっきりわかるように私のウェブページ中でも引用しています。
2)水の舞普及会の説明と、BBRCの内容が食い違っていることは(向こうが訂正していなければ)事実です。なぜ違っているのかという疑問はそのままになっています。
3)林博士の主張に対する批判は、ペーハーのところだけです。これについては、林博士から、還元水に対する最大の反対理由が「胃液を薄める」というものであったため、わざわざそう書いた
と知らされました。
そちらに、私から林博士宛のメールを転送しますので重複になりますが、この点については、もともとの批判者(胃液を薄める)を言い出した人が勘違いをしているのではないかと思っています。
日本トリムの装置は、アルカリ性も酸性もきわめて弱いしどうも電解質そのものの存在量がわずかであるという説明をがなされたので、そのことを追加情報として出すことにします。その前提条件であれば、林博士の主張は成立しますので。
この場合は、「夏場に水を飲みすぎると胃液が薄くなって殺菌力が落ちる」という俗説と大差ない話でしか害は生じないでしょうね。
これについては、先日からやりとりしたメールをウェブにのせられる形に編集していまして、許可をとった上でこちらで公開するつもりです。早川さんは最初から公開可ということでしたから、林博士の方に許可をとればいいだけですよね。
白畑教授については、現在特許と論文投稿準備がすすんでいるということなのでそれを待つ旨を書くことにします。
多分、特許が済めば、他のグループが追試可能な実験条件が公開されると思うので、一気にいろんなことが進むと思います。
残りの、水の結晶云々の話についてはいいですよね。
波動と一緒にならぶのは、白畑教授にとっても林博士にとってもあまりいい結果にはならないと思うので。
Subject:公開シンポジウムは不要
Date: 10.27 AM 00.10.17 +0900
From:apj
早川 様
急ぎではないので、ディスプレイが直ってからのんびりお読みください。
なんだか、公開討論会にこだわっておられるようなのでこの件についての私の考えを述べます。
早川さんのおっしゃる公開討論会が具体的にどのようなものかまだちょっと曖昧なのですが、少なくとも現状では公開討論会を行う必要はないと思います。
公開討論会を行って議論をして、林博士の主張する内容が妥当なものであると私が納得したとしても、学術的な効力は何もないのです。林博士の主張が正しいことが認められるには、医学関係の学会で発表し、同業者(=医者あるいは医学研究者)を納得させる以外にありません。仮に大学主催で公開討論会を開いたとしても、医者や医学研究者が主張を認めたことにはなりません。
同様に、化学者を納得させるには、化学系の学会で説得力のある内容で発表する必要があります。この場合も、公開討論会は意味を持ちません。
あるところまで研究が進めば、論文発表を行い、他のグループの実験結果との整合性や追試の結果を待って、結論が出ることになります。特に、医学・生物系では、研究対象が複雑なので、独立に行った調査で再現性が確認されるまで、結果がなかなか認めてもらえないようです。
現在、還元電解水中の活性水素の存在を示す文献はBBRCのものだけですが、その中では活性水素は作業仮説でしかありません。白畑教授教授のグループでは、活性水素の測定方法や効果の研究を進め、現在特許申請と論文発表の準備中で、それが終わるまでは詳しいことは公開できないということです。
そうすると、論文発表があって、他の研究グループが独立に追試できるだけの情報が公開されるまでは、他のグループは動けないわけです。白畑グループが詳細を公表するまでは、活性水素は「定量法も確立していない作業仮説」に過ぎないのです。
たいていの学会は、登壇者に対して、発表内容による制限は加えていないはずです。林博士がまずするべきことは、同業者を納得させるだけの根拠を学会で発表し、独立に追試をしてくれるグループを募ることだと考えます。
この場合、定量方法がはっきりしない活性水素の効果をどうやって調べたらいいのかという話が出てくることが予想されます。ですから医学系の学会で話をするのは、白畑教授の論文が出てからの方がいいのではないかと思います。あえて先にやるというなら止めませんが。
私が参加をよびかけている溶液化学シンポジウムですが、登壇者の制限も参加者の制限も特にしていないはずです。つまりシンポジウムの主題に合う話題であれば、誰でも演題を出せるし興味のある人は誰でもきくことができます。シンポジウムを行うことはウェブで公開されています。他の学会も大抵はそうです。まずはこういう場で議論するので十分であると考えます。
私が主に結果を発表している日本物理学会では、過去にUFO研究家(自称?)の清家新一氏も登壇して発表しています。
魅力的な話題であれば、そのうち、学会主催の公開シンポジウムが行われるようになるでしょう。あえて、今、費用と時間をつぎ込んで林博士を呼んで公開討論会を開催する意義はないと思います。