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アイアイのページ(1999/02/10)

【注意】このページの内容は商品の説明ではありません。商品説明中に出てくる水の科学の話について、水・液体の研究者の立場から議論しているものです。製品説明は、議論の最後にある、販売会社のページを見てください。

 浄水器の販売ページ。

 よく見かける水道の蛇口につけるタイプである。浄水器の名前のところに機種依存文字を使ったらしく、私の環境では(監)のように表示されている。この浄水器の特徴は、

プラチナフォトンが水を活性化
カートリッジに巻いたプラチナフォトンフィルターから放射された
遠赤外線が水の分子運動に共鳴作用を起こし、
水をおいしくかつ活性化させます。

というふれこみである。

 遠赤外線とは、波長が3-30μmの電磁波で、周波数でいうと数百GHzから数THzに対応する。遠赤外線を照射して水分子と共鳴するためには、水がこの範囲に吸収のピークを持っていなければならない。水の、電磁波の吸収スペクトルはこの範囲に3つ成分を持つ。1つはマイクロ波領域にある大きな25GHzのピークで、遠赤外線の領域ではこのピークの裾野が出てくる。、6THz付近にもピークがある。間の1.5THzのあたりにも小さなピークがあって、6THzのピークの裾野に埋もれている。

 25GHzのピークは水分子の集団的なくずれた回転運動によるもので、このピークの低い方の裾野のところを電磁波でたたいてやると、効果的に水の温度を上げることができる(これが電子レンジのやっていること)。遠赤外線で高い方の裾野を叩いてもやっぱり水の温度が上がるだけだろう。

 1.5THzと6THzは、多分水の分子間振動である。これらのピークは25GHzのピークと比べるとずっと小さいので、この周波数の電磁波を照射しても吸収されるエネルギーが小さいから、なかなか温度も上がらないと予想される。

「プラチナフォトン」がどういうものか書いていない(企業秘密なんだろうな、きっと)ので、遠赤外線が出ているものかどうかわからないが、ふれこみを信じて遠赤外線が出ているとしても、上記のような振動や水分子の集団運動によって遠赤外線は吸収されてしまうだろう。遠赤外線の効果は、最終的に水の温度を上げるだけである。「活性化」ってどういうことかも書いてない。

さらに、ページの下の方に、

プラチナフォトンフィルター使用の浄水器で毎日おいしいミネラルウォータを!!

とあるが、濾過をしたあとミネラルを添加しているということはどこにも書いていない(だから、濾過のみする浄水器に分類したのだが)。

 水に遠赤外線を照射しても、ミネラルウォーターにはならないと思う。ミネラルはどこから来たのだろう?ひょっとして濾過すると同時にミネラルを添加するフィルターなのか?それが企業秘密の高性能フィルターなのか?

 本体価格:18,000円(税別)、カートリッジ:3,800円(税別)。買いやすいお値段である。

普通の浄水器としての説明(フィルターがいかに高性能か、いかに体にいいミネラルを添加しているか、など)をちゃんと書いた方がよかったんじゃないのか?

商品説明としては。


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