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電解水 by landさん(2002/06/20)

【注意】このページの内容は商品の説明ではありません。商品説明中に出てくる水の科学の話について、水・液体の研究者の立場から議論しているものです。製品説明は、議論の最後にある、販売会社のページを見てください。

source: 掲示板[371]
subjec: そうですよね(不自然)
From : land

>試験の結果を見た限りでは、長時間大電流による反応でない限り、害はなさそうですよね。

それは安心。v^^)

>この数字をことさらに出したくせに、肝心の比較臨床試験の結果を数値で出していない、しかも、対照群でもけっこういい成績だったことを言わないというのは、やはり不自然さを感じます(引用した最初のURLの中身についてです)。

そういった、情報操作的な意図を感じてしまうと、もう、あとの印象がよくないですね。まあ、私はもともとよい印象は持っていないのですが。
というのも、すごく前に「ホントは医療用具にするほどの効果があるかどうかは疑問なのだが、既得権というのがあるのでしょうがない」などというハナシを耳にしたことがあるので、それ以来ダメですね。

http://www.3aaa.gr.jp/wa/sks_1_a3.htm
まず、ここ(↑)を見ると、判定は4段階であり、「88%がよくなった」というのは「不変以外が88%」ということにすぎない。「やや改善」まで含めて出すのは、少し疑問が残る。
それに予備臨床だからといって、対照群を取ってないのでは、これを有効なデータとすることはできないと思います。二重盲検どころか、単盲検(患者だけが何を飲まされているかわからない)かどうかすらわからない。よくある健康食品のモニターテストと同等の意味しか持たないように思える。

おっしゃるように、「なにかあるかもしれないから、ちゃんと試験をしてみるか」という程度のことだと思います……というか、試験前の水の飲用の量がわからなければ、「なにかあるかも」とすら、ふつ〜は思わないと思う。単純に「水を飲むといいのかな」ならわかるけど。「アルカリイオン水はいいはず」という観察者のバイアスがかかっているようにも思える(かかっているんだろうけどさ)。試験前後の飲み水の量を出せ〜。

そもそも患者自身の印象では、「良くなった」は6%だ。1割もない(笑)。腹部不定愁訴なんてのは自覚症状の有無がけっこうだいじなのだから、医師が「改善」といっても、患者が「こんなの改善のうちにはいらない」といえばそれまで。
んで、被験者25人でそれでは、「たまたまだろう」で済ませてもおかしくない数字。それを%で語るのはちょっと……。それに、25人の6%は1.5人。なんだ、1.5ってのは? 0.5人ってのは誰なんだ? (@_@) 

http://www.3aaa.gr.jp/wa/sks_1_a2.htm
ここ(↑)の二重盲検の結果グラフを見ると、判定が「有効」か「非有効」かだけなんですよね。
この実験は有名ですが、追試されているのかどうかもわからない(少なくとも私は知らない)。イチ医療機関で150人程度の試験では、まだなんともいえないような気がしないでもない。数字上も、それほどの圧倒的な差があるとは思えない。
ほかのミネラルウォーターなどとの比較もなされてないだろうし。
4週間もたてば、体調も変わるだろうし。
見る人が見れば、「これだけじゃ、わかんないよねえ」ということがわかると思います。

まあ、そんな感じで、なにも資料が出てないよりはいいんじゃないかと。
ふつ〜の水を飲むだけでも、かなり効果があるということがわかるし(笑)。
対照群は「浄水」とのことだから、もしも水道水で改善しなかったら、浄水器使えばいいということ(かな?)。浄水器の水で6割以上に効果が認められたのであれば、すごい! これも医療用具に承認されてもいいんじゃないか? (^○^) 

http://www.3aaa.gr.jp/wa/kl.htm
http://www.3aaa.gr.jp/wa/sks.htm
ここ(↑)にもいろいろ出ています。全部は読んでないですが、まあ、いわゆる「薬」のような効果というより、せいぜい「魚食って頭がよくなる(かも?)」程度のものではないかと(笑)。
なにも変わらないと否定することはできないですけど、なんかよくわからんですね。「大きな期待は禁物」というのが正直なところでしょうか。食生活をはじめ、普段の生活に気を使ったほうが影響が大きいかも。

まあ、臨床でなんらかの効果があるかもしれないということが確かめられたのだから、それを繰り返して信頼性を上げると同時に、これだけたくさんの製品が売れているのだから、ユーザーの追跡調査もしてほしいところではあります。墓穴を掘る可能性もあるだろうけど。(^ー^;) 

追記
これはどうですか? 硬度173,300だそうで……わけわからん。
http://www.gokkun.com/meguminomizu.htm

海洋酸素水だそうです。海洋深層水のモドキ? 
http://www.gokkun.com/coctura-v.htm

ホームはここなんですけど、いろんなコレクションがあって、なかなか楽しいです。「迷水百選」に近い? う〜ん、どれが迷水かな? (^○^) 
http://www.gokkun.com/index.htm

追記2
「水商売」サイトのコメントリストにあるもの以外でも、かなりのものがデッドリンクになっているようです。

 統計処理で出てくる「1.5人」ですけど、元の母集団の人数が25人だからこうなってるんで、もし50人だったら3人ということになりますよね。こういうときの端数は気にしなくていいのでは。それから、25人につき1.5人というのは、この25人のときの数値で、じゃあ一般にはどうかということは、統計的に推定することができたはずです。たとえば、この場合に別の25人でやったら5人に効果がある可能性は何%、とかいう形での予測です。やり方は・・・統計処理の本を調べないと普段その手の計算をしてないのでですぐに出てきませんm(_ _)m。

 あと、アルカリイオン水の認可ですけど、「害にならない」という安全面の認可であって、「効果がある」という認可ではなかったはずです。これは、村田徳治著「正しい水の話」にも出ています。「効果がある」方の認可が出たかどうかは未確認です。

 科学に携わっている側から見たうさんくささは、

  • 白畑教授がテレビで話をしている内容は、化学の教科書を書き換えるような内容であるにもかかわらず、化学分野の学会でまだ認知されていない。先にピアレビューなどをちゃんとやるべき。
  • 特許を論文より先に出すのは当然としても、マスコミに対して発表するときは、論文が審査を通った段階にするべき。今は、それよりさきに宣伝だけが先行している。一時期の常温核融合の騒ぎを思い出させるようなやり方である。
  • 白畑教授の最初のBBRCの論文では、「活性水素」は作業仮説として書かれている(そうでなければ論文が通らなかったはず)。にもかかわらず、その論文の共著者が所属している日本トリムが、自社製品の宣伝中で当該論文を示して「活性水素の実在が証明された」ということを書いているのに、それを放置したばかりか、教授本人も類似の内容を宣伝している。

 というあたりです。企業の宣伝は仕方がないとしても、国立大の農学部で教授やっててこれはないだろう、という・・・。科学の成果の発表の通常の手続を踏まずに、いきなりマスコミに話が流れているというあたりに不健全さを感じるわけです。単なる病的科学で終わるか、なにがしかの新現象が出てくるかはこれから徐々に判明すると思います。が、電気分解の実験など、これまでに膨大な電気化学分野の蓄積があるわけだから、変わったことが起きていたら誰かが気付きそうにも思います。予想通りに反応が起きないとか反応の効率が悪いとか、何か異常が出てくるだろうと思うんですよねぇ。

 先日、ジャパンスケプティクスという懐疑主義の団体(オカルト、疑似科学などの批判をしている)に所属している保健学の先生が、今度は電解水を対象にして調べる、とおっしゃってました。イオンクロマトとESRを分析手法にする予定とのことで、活性酸素の定量や活性水素の存在について、分析化学者が納得できるような結果をだしてくれるのではないかと期待が持てます。いやもうぜひやってください、と激励いたしましたです。