本の紹介と書評など

タイトル 入門ビジュアルエコロジー おいしい水安全な水
著者/訳者 左巻健男 著
出版社 日本実業出版社
出版年 2000
定価 1400
ISBN 4-534-03123-8

 一般向けの水の解説書として、まともな本がでたので紹介しておく。

 1章では、おいしい水、健康にいい水として、さまざまな機能水を検証している。アルカリイオン水、πウォーター、磁化水、電気石で処理した水、波動水などについて書いてあり、ミネラルウォーターがおいしい理由や浄水器の選び方について解説している。2章では、水道水に関する解説をし、3章では環境も含めた水資源や水の汚染について述べている。4章では、水と生命の関わりについて記述し、5章では下水処理の話が紹介されている。水そのものの性質のまとめは6章にある。

 水商売に関係するのは1章の内容だが、このなかで、水のクラスターの話をはっきりと否定している。また、アルカリイオン水についても、九州大白畑教授の成果をできる限り正確に伝えており、巷の販売会社が活性水素の存在が科学的に確立されたかのように言っているのとは対照的である。

 著者は、東京大学教育学部付属中等教育学校教諭(要するに附属中・高等学校の先生)である。義務教育の段階で、この本の程度の知識が確実に国民に伝わっていれば、変な水商売や健康商法にだまされることもないのにと思う。



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Y.Amo /
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