水商売ウォッチング:浄水器(フィルター、活性炭使用&ミネラルなどを添加)

「プロホームアドバンス」(//)

【注意】このページの内容は商品の説明ではありません。商品説明中に出てくる水の科学の話について、水・液体の研究者の立場から議論しているものです。製品説明は、議論の最後にある、販売会社のページを見てください。

 「以前のコメントが古いと指摘をくださったプロホームアドバンスのウェブページを見つけたので、最新の正確な情報に基づいてコメントを改訂する。

 この製品のポイントは微量元素を含んだ天然材料(液体)で、これを水に添加すると水が変わるらしい。どう変わるかということについては、トップページからたどれる、ここをクリックするとでてくる。

 浄水作用については、汚れた水の汚れが沈殿する様子が写真入りででている。1枚目から2枚目の写真を見ると、茶色い汚れの凝集が起きているように見える。つまり左端の水に分散している不純物の粒径と2枚目の写真の粒径では2枚目のほうが大きいようだ。同じコニカルビーカーを撮影したものだとすると、1枚目の添加前の写真と2枚目の添加後の写真で液量がほとんど変わらない。ということは、微鉱精はほんのちょっとだけ加えればいいということなんだろうか。関連会社のページをみると、鉛の沈殿実験で「200ppm(水5Lに対し1cc)」という数値が出ている。1枚目の写真の水の汚れの成分が何かを知るには、ここではなくて、浄水器のページを見るとわかる。同じ写真があって、「アオコ」だと書いてある。

 制菌効果についてはグラフが出ている。縦軸の単位が不明だが、個数/gなんだろうか?制菌効果について考えるには、そのすぐ下に出ている「多様なミネラル成分」に着目する必要がある。この成分については濃度が書いてないのではっきりしたことは言えないが、殺菌効果を微量の金属イオンによる効果として説明できる可能性はある。

 以前に、大腸菌だったかの大量培養でタンクの一部に銅製のパイプが使われいて、そこから溶け出した銅イオンのために培養をしくじったって話をきいたことがある。ただ、銅が常に菌の増殖を阻害するかというとそうでもなくて、銅を必要とする菌もある。ここまで結果が出ているのなら、水の各ミネラル成分の濃度をおさえ、どの成分がどの菌に対して効果を示しているのか実験で確定できそうな話だ。ただし、これは濃度が高い場合だと書いてあるので、普段飲む水の濃度でこの効果があるのかどうかは不明だから、このデータでもってこの水を飲めば食中毒予防になると結論するのは早合点だろう。高濃度の原液を保存しておいても、有害な菌が繁殖するおそれがないというデータの読み方なら可能だが。

 さて、浄水器については、製品案内をたどると図解による説明がある。特徴のところには、

● 多種多様なミネラルを補給
● 凝集作用により水を浄化
● 生体に適した酸化還元電位に
● クラスターの小さな水に

と書いてある。

 この浄水器がやっていることは、まず、ミネラルを含んだ原液を水に加えることで多種のミネラルを添加し、同時に不純物(具体的に何かは不明だが)を沈殿させる。沈殿したものをフィルターで濾過し、さらに活性炭で残留塩素を除去している。つまり、化学的操作で水を調整しているということである。だから、この浄水器の機能の説明は化学的成分の効果で説明すれば必要かつ十分のはずだ。酸化還元電位だって、結局は水に何が溶けているかで変わるから、溶けている成分が定量的にわかりそうな水の指標になるとは思えない(酸化還元電位については、安井至氏の「水にまつわる迷信」でも議論されている)。その上、図入りで「クラスターの小さな水」という説明がくっついている。クラスターの話が誤りであることについては既に「水のクラスター 伝搬する誤解」で詳細に論じたからここでは述べない。

 「クラスターの小さな水」、「酸化還元電位の低い水」、「マイナスイオン」、は水の怪しい説明に使われるキーワードのトップ3である。意味のはっきりした化学処理のみを原理とするちっとも怪しくない浄水器を開発した会社ですら、製品説明でこれらのキーワードを使ってしまうというところに、浄水器・活水器業界の問題が表れているように思う。消費者がこのキーワードを持ち出して他社製品と比較をするからなのか、消費者にこのキーワードを示さないとアピールしないと会社側が思いこんでいるのか・・・。いずれにしても、双方が健全な状態には見えないのだが。

 ともかく、せっかくミネラルを添加するという特徴を持たせた製品なのだから、宣伝に書かれている水関係の理論はとりあえずおいといて、そのかわり処理する前後の水の成分を確認して、購入するかどうかを決めればいいと思う。


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Y.Amo /
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