水商売ウォッチング

磁気処理水

磁気処理水に関する情報を求む

水道管(鉄管)に永久磁石をとりつけるタイプの磁気水製造装置の評価試験に関する1次資料を探しています。最近、永久磁石(鉄管と異なった金属材料)を接触させることで金属の腐食が生じる可能性があるとか、(おそらく別の型の)磁気水製造装置を分解したら鉄よりイオン化傾向の大きい亜鉛板が入っていて、それが犠牲電極となってさびを防いでいたとかいう情報を(伝聞で)得ました。(ただし、後の犠牲陽極については、装置自体の腐食を防ぐためのもので、効果は装置内に限定されており、建物配管全体の防食には影響しないという話です。犠牲陽極を使う方法は、温水ボイラー等の内部の防食にも使われている、一般的な装置腐食防止法とのことです)

信頼できる評価試験結果の情報を求めています。実験内容に、次のものが含まれていることがベストです。

  • (1)水道管に接触する部分の材料・形状は同じだが、片方は磁石でもう片方は磁石でないようなものを使っての比較実験
  • (2)水道管に接触する面を絶縁体等でコーティングしたものとそうでないもので、管内の磁場の強さを合わせた条件での比較実験

これらの内容を含んでいて、かつ、査読のある論文誌に掲載されたもの・国際会議のproceedingsに掲載されたもの、国公立の試験研究機関の調査報告書に掲載されたものを探しています。ご存じの方は、ぜひお知らせください。(磁気水製造装置の販売店等の宣伝資料では、実験条件や評価方法の詳細を知ることができず、役に立ちません)

 磁場にさらした水が特別な効果を持ちます、という話である。本当かどうか定かではない。似たようなコメントのオンパレードになってしまうが、それもしかたがない。

 永久磁石を水道管などにとりつける製品が多い。うたわれる効果のうち、比較的再現性よく確認されているのは、水道管の赤錆防止効果だけであるが、メカニズムについてはまだはっきりしない。

 どこの会社も、「磁気処理された水はクラスターが小さくなる」と書いているのだが、私の知る限り水のクラスターの大きさをちゃんと測定した実験はない。で、どこの会社もその根拠については何も書いていない。あまりにも書いてないので、誰かが言い出したことをそのまま孫引きして丸写ししているだけなのではないかと勘ぐってしまう。しかも、錆防止効果とクラスターがどう関係するのか、納得できる説明もされていない。

 なお、磁気とは無関係に、配管の錆の専門の会社(有)コロージョン・テックのページ(リンクを直接つついて'~'が変換されてしまう場合は、次のURLをコピー&ペーストしてください:http://www.bekkoame.ne.jp/~fujiict/index.html)は、錆に関する解説が充実している。磁気処理水メーカーの解説と比較すると楽しめる。磁気処理装置の企業がちゃんと錆の専門家と組んで評価法を考えないと、せっかく製品試験をしてもちっとも信頼性が上がらないんじゃないかな。ちなみに、防錆については例えば住友不動産のこんなページが参考になりますね。

磁気処理水資料室

 磁気処理の効果を理解していく上で、基礎的な実験結果、参考になりそうな調査結果などがだいぶ集まったのでリストを作ることにした。随時追加を行っていく(実を言うと今回の更新で書ききれない資料がまだある)。

 業界全体を良くしようという自主基準の設定の動きがあったり、水の中の錆やスケールの粒子に対する磁場の効果についての実験結果が出てきたりしており、そういう話が磁気活水の原理を説明するかもしれないという感触は持っている。少なくとも、水が奇天烈に振る舞うと考えたりしなくても、既存の化学と物理の枠組みで話は済みそうである。しかし、効果が出る条件が押さえ切れておらず、まだまだ研究が必要だろう。しばらくの間は、100%の確実に効果があるとは言えない状態が続くはずだ。




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