下見て歩け
今日、といってもすでに日が変わってしまったが、やっとギプスが取れて歩けるようになった。今年は雪が降るのが遅いので、自転車通勤を再開した。X-rayの結果、折れた骨は完全にくっついているが、関節があまり動かなくなってしまっているので、意識的に動かすトレーニングをしないといけない。特に、階段がまだ危険で、右足に力が入らなかったり曲げ伸ばしすると引っ張られる感じで痛かったりで、手すりにつかまりながら上り下りしている。
いずれにしても、やっぱりまだASIMOの方が上手だ……と思っていたら、よそ見しながら階段を上ったASIMOが転がり落ちる映像が出回っていた(成功例はこちら)。自分が段差でコケて一ヶ月以上も松葉杖ライフだったので、転がるASIMOを見てなんだか身につまされてしまった……。
とにかく、人もロボットも足元注意、よそ見は厳禁、ということで……。
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講義案募集
大学というところは、今頃来年の講義割り当てを決めていたりするわけだが、どうも、来年、半期で完結する「教養セミナー」の担当が回ってくる模様。二十~三十人という少人数を対象にして講義することになる。もちろん、学生に発表させたり、普段よりも課題をたくさん出して丁寧に検討したりといったこともできる。
そこで、少人数ならではの講義案で何かアイデアがあったら教えて欲しい。一応、化学の知識がそれなり得られて、ニセ科学の問題も分かってもらえる内容にしたいと思っている。既に自分のところではこんな実践をした、といった情報も歓迎する。
普段は、講義内容や資料を全部プリントにまとめて配る、学生からのコメントへの答えも毎回印刷して配布する、といったことをしている。まあ、大教室で150人以上も受講者が居ると、これ以外にコミュニケーションのとりようがないというのが正直なところなのだが……。少人数だからできること、何かありそうな気もするんだけど、いいネタを持っておられる方がいらっしゃったら、ぜひ知恵を貸して欲しい。
(追記)何もニセ科学にこだわらなくても、私は過去に阪大VBLで、 LEGO Mindstormを使ったセミナーのインストラクターをやったことがあったりする。年度末の予算で手当できれば、3セットほど購入して、プログラムと制御の実習なんて手もあるよなぁ。そういえば、ホームオートメーションぽいセットも出てなかったっけ……?制御理論の入門みたいなことができると、文系の人でも目に見えて面白いかも。とにかく、いろいろ考えなければならない。
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ステロタイプ
kikulogのきくちさんのコメントより。
よく僕らが冗談で言うんだけど
(1)研究者に向かって「博士」と呼びかける
(2)教授向かって「教授」と呼びかける
(3)研究者は分野にかかわらず白衣を着ている
(4)教授は部下に「やっておいてくれたまえ」などの「たまえ語」(今考えた)を使う
などなど、科学者自身には(おそらく)なんの罪もないステロタイプが横行しているわけです。
最近テレビドラマを見ない(ってかそもそもテレビ無しの生活を送ってる)んだけど、やっぱりこういう傾向なのか?あと、「本物の科学者は科学者に見えない」という名言もあるのだけど。
それはともかく、現実には
(1)研究者に向かって「博士」と呼びかけることはない。ヘタすると周りじゅう学位持ちで一体誰を呼んでるかわからなくなる。固有名詞付きで「○○博士」とも呼ばない。普通に「さん」付けするか、業界によっては「先生」を付ける。
(2)教授に向かって「教授」付きでは普通は呼ばない。特に別のニュアンスを込めてわざとに付けることはあるが、普段の呼び方ではない。これも業界によるが、一律「先生」を付けるか(医者や教師はこれかな)、指導者に「先生」残りは「さん」付け(物理系はこれかな)である。
(2)’ 本当に有名になると肩書きはむしろ落とされて専門用語化(?)する。例:湯川、朝永、など
(3)化学、生物系では白衣必須。物理系は、実験系では半々位。作業服のこともあるし、そもそも特に上衣を着ない場合もある。理論で着ている人はまず居ない(居たら相当珍しい)。ただ、講義の時にチョークの粉で汚れるのが嫌だから白衣、という人はたまに居る。
(4)命令したがるボスは確かに居るが、時代劇的な言い回しで指令が飛んでくることはない。「○○しておいてね。何日までに」と普通に言われる。
(4)’ 命令するより先に、自分が率先して行動したがるボスも多い。
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社会的制裁が不発に終わった件
あと96日-2006年12月6日(水)
「すべてが法廷という米国」ではないからこその重圧
私を応援している方の内かなり多数の方が、「米国のように何でも裁判に訴える社会になってほしくない」と言う。それは、それで分かるのだが、直接この被害を受けている当事者からすると、米国のようではないから、むしろきついと言ってもいい。
何が何でも裁判でも、当然法律というルールで決まることを意味する。それは、法律に違反しなければいいので、それなりにすっきりしている。
ところが、日本では、裁判に持ち込むことは、法律による判決を期待するより、「社会的制裁」を狙うことが多いのである。
つまり、訴えただけで、相手にダメージを与えることのできる社会なのである。この重圧がなく、法廷で淡々と争うだけなら、訴えられても相当楽だと思う。法律によらない「社会的制裁」が一番きつい。マスコミを利用できる立場にある人から訴えられれば、社会的制裁はますますきつくなる。
社会的重圧から解放されたなと思ったのは、今年の夏頃だった。自分の成長と裁判の経過が作用しているのだろう。
マスコミを利用できると思ってプレスリリースまで出したが、被告に対する社会的制裁は完全に不発に終わり、被告応援団が集まってしまって逆効果だった件。今どき、よっぽど馬鹿な理由で訴えてどこぞで祭りにでもならないかぎり、訴訟にともなう社会的制裁はほとんどないと思う。特に民事は交渉の延長だし。金の貸し借りとか土地の境界線とか、当事者以外はさっぱりわからんという種類の訴訟なら、いくらやってもそれで社会的に不利益ということはないだろう。口頭弁論の度に休暇をとったりしないといけなくて、時間と手間がかかることは確かだが。
マスコミが一方当事者を叩けたのは昔の話ではないか。今は応援団の方でやってるように全部の証拠書類を公開することだってできる。マスコミが煽ったところで、一次情報の提出書類の方が重い。
なお、私は最初から、「法的紛争は近代社会における個人の自立の証」だと主張している。まあ、最近のアメリカは行きすぎかもしれないが、社会的制裁など気にせず、気軽に訴え・訴えられる社会の方が健全だと思う。
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熱力学再勉強
研究がらみで普通の熱力学の適用限界をちょっと真面目に考えないといけないことになりそうなのと、来年度、グループの先生の代理で学生に熱力学を教えなければならなくなったのとで、熱力学の教科書を買って読み始めた。今のところ、田崎さんの熱力学の教科書の見通しが良いので、これでもう一回自分なりに整理しなおそうと思っている。
学生に教科書として指定しているのはムーアの基礎物理化学だが、この本の熱力学の書き方は正直言って私にはよく分からん。自分が読んで見通しが悪くてわからないものを使って学生に教えたって、学生だってわからないだろう。
読み物として、講義をする前に読んでおいた方がよさそうなの「熱学思想の史的展開」(山本義隆)あたりか。
研究がらみでは、非平衡系の熱力学がどのへんまで進んでるかを調べないといけなくなりそうなので、とりあえずプリゴジンの「現代熱力学」を読むことにした。これ以外に、何かいい本はないだろうか。
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化学と工業
日本化学会の「化学と工業」12月号の論説に、「水からの伝言」に対する安井さんの意見についてのコメントが掲載された。ニセ科学の話題にもっと関心を持つべきだという趣旨で、池辺豊氏(日経産業消費研究所主任研究員)が、ニセ科学の追試をするべきではないという趣旨で、斉藤一弥氏(筑波大学)と私のコメントが掲載された。それに対する安井さんのコメントも出ている。日本化学会事務局からは、秋の物理学会で行われた声かけ核反応実験の発表の様子が簡単に紹介された。
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名誉毀損
2年ほど前に、マイナスイオンのサイトを作って相互リンクを申し込んできた人がいたのだが、ページがまともにブラウザで見えないため何が書いてあるかさっぱりわからない状態だった。それを指摘して揉めて、相手が私のことを「変態助教授」などとウェブに書いて公開したので、即刻刑事告訴の手続きをしていた。それが、やっと結論が出た。自称「日下部」と名乗る、岐阜県高山のあたりに住む人物だが、岐阜地方検察庁高山支部からの書面による連絡によると、起訴したとのことだ。電話による連絡では罰金刑となったということで、これは、名誉毀損の場合の普通の刑のようだ。
前期は新しい講義を準備しなければならず、多忙で訴訟どころではなかった。後期にやろうとしていたら足骨折。まだ民事は時効ではない。処分の通知を付けて、これから民事の方の訴状を書こうか。
言うまでもないことだが、私はオタクなだけであって変態ではない。
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