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摩擦係数

Posted on 2月 7th, 2006 in 倉庫 by apj

 高校物理の力学では、静止摩擦係数>動摩擦係数、と教わる。

 私は自転車で高校に通っていた。途中、川を渡るため、橋の手前が上り坂になっている。ちょうど今頃の季節、寒い日は雪が積もり、昼間に少し溶け、夜の間に凍って、朝には道路がうっすらと凍ることになる。そんな日、自転車で橋にさしかかり、何とか転ばずに途中まで上った。ところが、雪で狭くなった道の前方から自動車が徐行しながらやってきた。一旦止まって脇に寄らないとまずいと思って、ブレーキをかけた瞬間滑り始めた。私は、自転車にまたがり、両足を地面についたままの姿勢でそのまま後ろ向きにずるずると滑ってしまった。滑り始めると止まらない。
 自転車の車輪の転がりは静止摩擦係数が効いていて、それは常に滑りの動摩擦係数より大きいということが頭に浮かんだが、実際に体験してもやっぱりその通りだった。しかし、教科書が正しいことを確認したところで、滑ってからではあまり役に立たない。物理学は自然がどう振る舞うかは教えてくれるが、どうやって止まったらいいのかまでは教えてくれない。
 スケートリンクが傾いたような道路はあまりに危険ということで、重機で氷を引っぺがしに来ていた除雪作業のおじさんがたまたますぐ側に居て、手で押さえて止めてくれたので、怪我をせずに済んだ。

 多分、静止摩擦係数ならぎりぎり斜面に対して止まれるが、動摩擦係数では滑り落ちるしかないという微妙なコンディションだったのだろう。

PDAに欲しい機能

Posted on 2月 6th, 2006 in 倉庫 by apj

 CLIE NX-80Vのカメラトラブルの件を書いたが、代替機のUX-50を入手したので今日はデータの転送に追われていた。画面はNX-80Vの方が大きいので目が楽、文字入力の時の手書き入力(デクマ)も、縦型のNX-80Vでは常に画面下部に出ていたのに、UX-50はメモ帳などのアプリを開いた状態で右側のGraffiti2をタップすると横長の画面に出るから結局画面の大部分を隠してしまう。その代わり、キーボードは圧倒的にUX-50の方がよい。キーボード全体が波打った形で指で押しやすい。NX-80Vは、金属製の本体の丸穴から頭がでているかいないかの作りになっているため、キートップに厚みのある専用半透明シールを貼って、高さを稼いで指で押しやすくして使っている。このため、ディスプレイを回して重ねると、ボタンを押してしまってうまく動かない。
 充電はどちらも専用クレードルでやるが、NX-80Vは充電用の端子とHotSyncの端子が1つのコネクタにまとめられているので、充電兼HotSync用のUSBケーブルが1本あれば、緊急時の充電ができる。UX-50は本体のUSBと充電端子が離れているため、中を開けて工作するか、別にアダプタを用意しない限り、ケーブル1本ではどうにもならない。結局、USB接続用のアダプタとケーブルセットを買った。多分、アダプタは本体に付けっぱなしで、充電をUSBでやるという形で使うことになるだろう。アダプタ付属のUSBは、HotSync用の平型と充電用の丸形の両方のコネクタが着いているが、旅行用には巻き取り式のUSBケーブルを買って持っていくk予定。充電かHotSyncかどちらかしか出来ないが、その都度差し替えれば、旅行の間だけならまあ我慢できる程度の手間である。

 出張中に使うことを考えると、ケーブル1本でパソコンのUSBから電源をとって、フル充電が無理でもそれなりに動作するという仕様で本体が作られている方がよい。クレードルとケーブル一式は、オフィスで使う分にはいいが、出張中にホテルでちょっとじっくり使う、というのには不向きである。PDAは手帳の代わりなのだから、持ち運びの荷物が増えるのは嬉しくない。いかに、持ち運ぶケーブルをシンプルにできるかが、携帯に押され気味のPDAを作るときのポイントではないかと思う。

お星様きれい(笑)

Posted on 2月 4th, 2006 in 倉庫 by apj

 年末に「ガイア―地球は生きている」を見かけたので購入した。「ガイア」をテーマにした本には、環境保護の妙な色がついたものも多いが、提唱者のラヴロックの本はきちんと読める内容である。なお、著者自身は、ガイア理論は仮説であると明言している。

 東大先端研に居た頃、軽部教授が新潟の塩沢に別荘を買った。塩沢のスキー宿集落&夏場は農業集落の中の一軒で、もともとは農家であった。研究室の人数が多いので、夏と冬の合宿をそこでやることになっていた。夏は全員集合するので、別荘の廊下にまで雑魚寝しても足りず、道を挟んで向かいの宿に素泊まりするグループも出ていた。私は寝苦しいのが嫌で、テントを持ち込んで庭で寝ていた。他にも教授提供のオートキャンプ用のテント組が居た。
 別荘は塩沢の山の中腹にある。事情により早く帰ったり遅れてきたりする人も居て、車で送迎することになっていた。この運転手を務めていたのが、当時の助手の佐々木氏であった。晴れた夜は、山から下りてきて展望が開けると、塩沢の街の明かりが大変キレイである。
 ある時、私は早めに帰ることになって、佐々木氏に車で送ってもらった。街が見えたとき、佐々木氏は
「街の灯がきれいですねえ。空の星と区別がつきませんねぇ」
と言った。
 私がそのとき考えたのは、ラヴロックのガイアの本の内容だった。正確には思い出せないが、「核融合は宇宙ではありふれたエネルギー源で、普通は星は核融合で光っているが、地球は石油を燃やして作る電気で光っている。もし、宇宙人の天文学者が地球を観測したら、一体どういう原理で光っているのか不思議がるだろう」といった内容だった。これと、どういう立体角で光が入るかで見え方が決まるということが頭に浮かんだ。私は思わず、
「原理的には同じですよ。でも波長が違うから分光したらわかります。核融合は短い波長の光も出すので」
と答えた。
 そのときはこんな会話を交わしたことなどすっかり忘れていたのだが、その後1年以上たって、この話が軽部研内でさんざんネタにされていることを知らされた。
 佐々木氏は、送迎役を仰せつかって、星と街の灯が見える度に、「街の灯がきれいですねえ。空の星と区別がつきませんねぇ」と言って、相手が何と答えるか見ていたということだ。大抵の人は「佐々木さんてロマンチストなんですねえ」といったたぐいのことを答えていて、それが普通の反応ということらしい。原理的に同じだの分光して区別しろだの言ったのは私だけだったため、研究室内でウケまくっていた。でもこれ、そんなにおかしな反応かねぇ?私としては、もし宇宙人の天文学者が望遠鏡で観測したら……とある意味ロマンに浸りながら答えていたつもりなんだけど。

 ともかく、ガイア理論のせいで笑いをとってしまったようだ。
 ラヴロックの本の中にも出てくる「デイジーワールド」は、ラヴロックの論文を入手して、微分方程式の数値計算をして追試したことがある。普通に、ロトカ・ヴォルテラ方程式を解く話で、むしろ数理生物学に近い内容だと思いながらプログラムを組んだことを覚えている。

CLIEのカメラが……

Posted on 2月 3rd, 2006 in 倉庫 by apj

 SONYのCLIE(NX-80V)を使っているのだが、カメラが動かなくなってしまった。キャプチャーボタンを押すと、本来ならカメラが捉えているものが出るはずなのにほとんど真っ黒で、時々横に白っぽい線が走る。カメラを持ってちょっと力を加えたりすると一瞬だけ表示されたりするので、何だかどこかが接触不良になったっぽい。頻繁に使うわけではないが使えないのは不便だから、修理に出したいが、そうするとスケジュール管理ができなくなってしまう。修理中の代替機を用意しようにも、SONYがすでにPalmマシンから撤退してしまっているので購入先もない。紙の手帳はとっくに止めたから、今更使う気にならない。
 とりあえず数日掛けてオークションで戦ってみることにする。もともと数が出ていたから、それなりにコンスタントに出品されているので、何とかなるだろうとは思うが……。
 りなざうに乗り換えるというのも手だが、Macとの連携が不安だし、パソコン側のPIMソフトもあまりいいのがない。Now Up Tp Dateは、前は日本語化したものが販売されていたけど、今はそれもなくなっている。英語版のデモを動かしてみると、それなりに動くが、イベントのカテゴリーリストなど細かいところが文字化けして使えない。Macのアドレスブックも今ひとつだった。Palm側は一人に対してオフィスと自宅の複数のアドレスが登録できるのだが、アドレスブックは一人に対して1つしかアドレスを対応させられなかった。Microsoft Entourageはそれなりに使えたが、アドレスのコピー&ペーストを、Eudoraとの間でやると文字化けした。なかなかうまい組み合わせが見あたらない。誰か、MacとPDAのうまい組み合わせがあったら教えて欲しい。

ふざけきったライセンス(追記訂正済)

Posted on 2月 2nd, 2006 in 倉庫 by apj

 コピポッドというソフトがあって、ユーザー登録料を払っている。iPodを使っているのだが、中身がHDDだから、万一のときのクラッシュに備えて、手持ちのHDDにそっくりバックアップを作るためである。ギガバイト単位の音声ファイルと1400曲のプレイリストとなると、クラッシュした場合、もう一度CDから読み込んで復旧させるとなると、半端でない時間と手間がかかる。さらに、音楽CDの中には、効果音のようなBGM集なんてものもあって、何曲かが1つのファイルだったものを切り分けて並べ替えたりしている。こんな作業をもう一度やるのはちょっと大変である。
 ところが、このソフトウェアは有料であるにも関わらず、使用不可な期間が出る上、ユーザに頻繁にダウンロードの手間をかけさせるというとんでもない極悪なライセンス形態をとっている。ウェブサイトを見ればわかるように、正式リリース版と先行リリース版の2系統があるが(先行リリースはバージョン3と4の2系統だから、厳密にいうと3系統)、先行リリースは頻繁に使用期限が来るように設定されている。その上、正式リリース版は公開停止だし、正式リリース版であるにもかかわらず使用期限が設定されている。

【追記&修正】
 作者の方と連絡がとれた。それによると、ライセンス登録をすれば、使用期限の設定された先行リリース版でも使用期限は解除されるということである。なので、上記の「正式リリース版であるにも関わらず云々」の部分は私の誤解であった。
 ただ、どうしてこう思うことになったのか、少し詳しく書いておく。まず今回の作業で私が行ったのは、
1)手持ちのコピポッドを立ち上げる
2)以前に登録したものより新しいものに置き換えていたためか、期限切れだというメッセージが出た。
3)最新版をダウンロードしてみた(ここで、AirH”の細い回線で夜中に1時間近く待ち;_;)。
4)最新版の使用期限が先月末で切れていた。試してみたが期限切れと出た。
5)最新版に登録情報を入力しようとした
 →フィールドにライセンスキーを手入植しても、登録ボタンがアクティブにならない(キャンセルボタンしか選べない)から登録できず。
6)登録時のメールの内容を登録ウィンドウにD&Dするとよいと書いてあったのでそのようにしたら、ライセンスキーと他にいくつかのフィールドが埋まったが、それでもやっぱりキャンセルボタンしか選べず、登録情報を入れられない。

 こうなった原因はよくわからない。が、いい加減長時間待ちでくたびれ果てた私はここで「使用期限が切れているから登録情報の入力もできなくなっている」と思ってしまった。←これが誤解。
 ということで、正解は「フィールドにライセンスキーを入れてもなぜか登録できなかった」ということになる。なので、いろいろ書いていた部分は削除し、この状況説明で置き換えることにした。

 いろいろ書いたが、コピポッドの機能自体については何も文句を書いてなかったことからわかるように、バックアップの機能自体はなかなかに使いやすい。私のところでなぜ登録ボタンが押せないのかは不明だが、もう少しいろいろ試してみる。
 

 ちなみに、あちこち探して目的にあったソフトウェアを見つけた。iPodDiskというものである。これは、iPodのファイルをMacのファイルシステムとしてマウントしてくれて、アーティスト別やプレイリスト別のフォルダを作ってくれる。復旧時に大変なのは、リッピング作業と、プレイリストを再構築する作業なので、iPodDiskでマウントした後プレイリストファイルを丸ごと外付けHDDにコピーすれば、リッピング済みのファイルがプレイリスト別に格納される。ファイルの並び順は、Macのファイルシステムの順番になるが、まあ、一番手間のかかる作業はかなり楽になる。

教養の講義のコメント公開

Posted on 2月 1st, 2006 in 倉庫 by apj

 後期の教養の講義が終わったので、教養の講義で学生から出た質問とコメントを公開した。毎回出席カードの裏にコメントや質問を書いてもらい、その次の週に配布するプリントに掲載して私からのコメントや補足説明をするという型式でやっている。
 全学の授業アンケートもあり、協力せよと言われるので、学生に配布して、結果も全部公開してOKに印を付けて提出している。結果をまとめたものが、全てが終わった後で届けられるが、実は全く利用していない。学期の終わり頃にまとめて書かれても対策のしようがないし、アンケートの点数の平均値は、大人数相手の講義ほど低くなる傾向がある。おまけに、授業改善アンケートのマークシート用紙を、山形大以外でも共通に使うとかで大量に印刷して残っているから、項目の変更などは当分行われそうにない。
 階段教室の大人数講義で学生とコミュニケーションする方法は、やはり出席カード裏のコメントを積極的に書いてもらうしかない。それが、学生からの評価の全てだと考えている。

 実は、アンケートのウェブ公開もやっているのだが、出す前に編集が入っている。これが気に入らない。編集する側の意見は、「そのままでは見るに堪えないような内容が書かれるから」ということだが、そんなことを気にしてどうするのか。まともに考えた意見や正当なクレームと、単なる憂さ晴らしの区別くらい、普通の人が読めば分かる。むしろ、編集無しで公開した方が、学生の程度の方も世間に十分知ってもらうことができていいのではないか。教員に軍配が上がるか学生に軍配が上がるか、判断するのは納税者であり、学生がこれから出て行く社会ではないのか。
 無責任な批判に歯止めをかけるには、むちゃくちゃなことを書いたら書いた奴の評価が世間で下がる、という仕組みにするのがよいと思う。

 ともかく、きれい事で片付けようとする大学の姿勢が見え隠れするから、この手のアンケートは余計に嫌である。授業アンケート掲示板でも作って、誰の編集も無しに書いた内容即公開の方がよっぽどマシである。ゆがめた情報を出すなど2ちゃんねる以下ではないかと思う。

古本買ったら大外れした

Posted on 1月 31st, 2006 in 倉庫 by apj

 本の話題が続いているわけだが、amazon.comで、趣味の分野の古本を買ったのが届いた。Advanced Array Systems, Applications and RF Technologiesって本で、内容は予想通りってか、オンラインで目次を確認してるわけだが、問題は本の品質。めちゃめちゃ汚いのが届いたorz。まあ、古本だから、全体に擦れていたり、何となく汚れていたり古びていたりというのは予想の範囲内なのだが、頁をめくる部分に茶色い汚れがいっぱいついてて、何か虫にかじられたような跡がある。頁の端の方は汚れでくっついて、剥がさないとだめだったり。で、さらに信じがたいのが、本の表紙一面に香水をぶっかけてあるらしく、手に持つ度に臭いが移ってえらいことになるんですが。水で手を洗った位じゃ臭いがとれない。ちょっと読むたびに、石けんで手を洗って脱臭剤を使わないといけない本ってどうよ、と思うわけで、値段からいっても納得しがたい。amazon.com(usa)のused bookは割安なのでこれまでに随分利用してきたが、こんなヒドイのは初めてである。勿論、sellerへの評価はawfulにして、香水ぶちまけるなんざ信じられねぇ毎回手洗いするはめになったぞ、と英語でコメントをつけておいた。
 それなりの値段がするので、買い直すかどうか思案中。

学生実験向けの本

Posted on 1月 30th, 2006 in 倉庫 by apj

 生協で「いかにして実験をおこなうか」というのを見つけて購入。誤差の扱いやノートの取り方、グラフの作り方の部分は、次の学生実験マニュアルを考えるのに参考になりそう。しかし、原題がPractical Physicsで、実験器具や技術の例が思いっきり物理なので、物理化学には適さない。ただ、合成化学や生化学に比べると、物理化学の実験ノウハウは物理に近い部分がある。
 実験ノートの取り方一つでも、有機と物化は違うんだよなぁ。ウチでは消せないようにインクで書けと指導しているんだけど(間違えたら斜線引いて次に書け)、有機では溶媒でにじんで見えなくなるから鉛筆書きが推奨されていたり。

授業についての本

Posted on 1月 29th, 2006 in 倉庫 by apj

 大学教員の日常・非日常より。本が紹介されていたので注文した。「大学の授業」「大学授業の病理―FD批判」「さよなら古い講義―質問書方式による会話型教育への招待
 使える情報があればいいのだが……。150人以上の教室でやる場合のノウハウなんかが欲しいな、と。対話型云々もわかるが、水素原子波動関数の導き方を教えるのにいちいち対話してたらちっとも進まないだろうとは思うし……。まあ、読んでからじっくり考えるか。

休日出勤に……

Posted on 1月 28th, 2006 in 倉庫 by apj

 昨日は、休暇をとって裁判所に出掛けていたのだが、今日は受託研究をやってる企業の方といっしょに、お台場の会社で実験に立ち会った。実際にやっているところを見ておいた方がよいだろうということになったからである。
 休暇の翌日が休日出勤とは、偶然とはいえなかなかうまく辻褄が合っている気がした。