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と学会例会

Posted on 12月 11th, 2005 in 倉庫 by apj

 と学会例会で発表。本日発表したネタは3つ。
1)「脱オタクファッションガイド」が掲載された「これからでる本」
 これは、本を買って確認したのだが、中身は当然ファッションの話題で、どんなシャツとパンツの組み合わせがいいかとか、バッグやアクセサリーをどうするか、というもの。で、ネタになるのはこの本そのものではなく、この本が掲載された「これから出る本」11月下期号の方で、「情報科学」に分類されている、という事実である。ちなみにこの本の上は、情報リテラシ(共立出版)、下は知識工学(共立出版)、隣はOpenGLで作る力学アニメーション入門(森北出版)、とまあ要するにこういう本が並んでいるわけで、その中にいきなり「脱オタクファッションガイド」しかも「専門」と書かれているというのが笑いのポイントである。
2)Train Shopに掲載された健康肌着「ひだまり」の広告
 雪山を背景に、足は登山靴で、肌着(上下)を付けた群馬県山岳連盟の方々がずらりと並んでいる広告写真はそれなりにインパクトがある。前号では、同様の構図の写真をブリンジェ・アンダーウェアも掲載していたが、最新号では見あたらなく、「ひだまり」の写真がさらに大きく掲載されていた。つか、表紙めくったら1ページの4分の1ほどのサイズの集合写真が出て笑ってしまった。下着の暖かさを強調するのに、冬山に下着姿で並ばせる、というお約束でもあるのかと思ったが……。
 ちなみに「ひだまり」の説明として「着用時の摩擦によりマイナスイオンを発生」とあるのに、そのすぐ下に「静電気が起こりにくい特殊素材を使用」とあったりして、何が何だかよくわからない。
3)「病気をその根底から治すホメオパシー療法入門」渡辺順二著、講談社α新書
 ホメオパシーであるから、分子が1つも存在しないような濃度の水溶液を処方したら効きました、の記述のオンパレードであり、当然こんなのは普通の科学じゃ説明できないものだから「霊的エネルギー」「波動」に走るというのは、まあ予想の範囲内の展開である。
 みどころは、

ホメオパシー薬の最大の特徴はその薄さにあります。
そしてホメオパシー薬は患者にある症状を起こさせるものですから、原料に毒物が多いのは容易に想像できます。
たとえば砒素やトリカブトや水銀などは、ホメオパシーでもっとも使われるものの一つです。

などと書いてあり、巻末にレメディー(ホメオパシー薬)一覧が出ているが、「ベラドンナ」とかが平然と出てきており、何だか「殺人用毒薬一覧」の雰囲気を醸し出しているあたりである。さらに、

ある患者さんで数年来風邪にかかったことがないと豪語している方がいました。そのコツを聞いてみたら、「風邪に絶対にかからないと強く決心をしてから、その後一切かかってないんです」と答えてくれました。

……ホメオパシーも要らないじゃんw。

また、レメディーを摂っていると、この不定愁訴の症例のように昔の恋人と偶然出会ったりといったような不思議な出会いをすることがよくあります。突然愛を告白されたなどという嬉しい話もあります。(88ページ)
レメディーを飲み始めたらなぜかいきなり店長に抜擢されて、運のいいことばかり起こる様になったといった人もいました(100ページ)

既に「療法」の範囲をとっくに超えて、「幸運を呼ぶお守り」か何かの世界に突入しているわけだが……。つか、それは治療と呼ぶのかと小一時間(以下略)。家庭内暴力に対する処方は、

常識的には家庭内暴力で悩む患者さんをいくらレメディーで一時的に癒したところで、夫が暴力を振るう家庭の現状をなんとか変えない限り、いつまでたっても患者は被害者ですからなかなか癒すのは難しそうに見えます。実際、私も「あなたよりもまず暴力を振るう夫を連れてきて彼にレメディーを飲ませたら?それが無理ならこっそり飲み物にでもまぜて飲ませたら?」と言ってみました。
そうしたら、とてもそんなことはできない、バレたら大変なことになるというので、とりあえず奥さんにだけスタフィサグリアというレメディーを処方しました。

とあり、なぜかこれで夫が怒らなくなって治っちゃってる。で、それを見たこの本の著者は、

結局のところ、いじめられやすい人というのは、いじめられやすいような雰囲気を放っているということになるのではないでしょうか。

と無神経極まりない発言をかましてくれている。現実にいじめに苦しんでる人にとっては笑い事じゃない発言なんで、この部分だけはあんまり笑えない。

久しぶりに秋葉原

Posted on 12月 10th, 2005 in 倉庫 by apj

 週末東京に来ていて、本日は時間が空いたので秋葉原に出かけてDVDをあさってきた。永井豪(とダイナミック企画)のファンなので、まずは「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」「新ゲッターロボ」をまとめて購入。中古ショップを回って安くなっていたのでまあそれなりに気軽に買えた。あとは新作の「MacGyver」のFirst Seasonを購入。こちらは、特番や深夜放送があるたびに見ていたのだが、放送期間が限定されていて、通して全部見たことがなかったので、まとめて見たかったので購入した。しつこく復活する敵役のマードックとの対決がどう展開するのか、やっぱり通して見ないとわからない。
 スーパーロボットワールドでは、マジンガーZ以来「武器の名前を大声で叫ぶ」というのがお約束となっている。まあ、当時は大らかだったのか、どうして叫んでいるのかが問題にされたことは無かったらしい。これを踏襲した作品は今でも作られているし、このお約束をネタにして、パイロットが、「何でそんな恥ずかしいインターフェースにしたんだ」とロボット開発者の博士にツッコミを入れるという展開の小説もあったりする。今回入手したゲッターでも、当然パイロット達は武器名を叫んでいるわけだが、そのことはSFとして説明がなされている。真ゲッターロボ対ネオゲッターロボの隼人の台詞で「叫んで右手のレバーを押せ。音声認識でレバーがマルチ入力になる」とある。
 ところで、最近、「ご当地戦隊」というものが各地で作られている。これは、特撮の戦隊ヒーローもののフォーマットのご当地版で、キャラクターを設定しイベント用の着ぐるみを作ったりして、おみやげ用のお菓子や携帯ストラップなどの商品展開がなされている。これと同じノリで「ご当地スーパーロボット」というのができないかと思った。形や武器がその地方の名産品とか特色を反映したもので、武器名の音声入力は勿論その地方の方言にする。この手のものは、いかに見る人を納得させつつ笑いを取るかが勝負どころになる。例えば、青森県だと必殺技の背景バンクシーンにねぶた祭りの画像がかぶる、なんてのが派手でいいかもしれない。大阪あたりだとお笑い方向には事欠かないから、GEAR戦士電童みたいな二人乗りで設定して、必殺技が出るまでのシーンがパイロットのボケ&ツッコミの応酬になる、あたりかなぁ。巨大な特殊合金製のハリセンで締めれば誰もが納得するに違いない。誰か真面目に企画考えて展開してくれないかなぁ。グッズ出たら買いますよ(爆)。まあ、本気でアニメを作るとなると予算が大変ですが、そこそこ動きがあるそれらしいものであれば、プロに頼めば今なら割と簡単にFlashで作ってもらえそうだし。

大学評価の基準が人材育成の邪魔をしている?

Posted on 12月 9th, 2005 in 倉庫 by apj

 フラスコさんのところで、なかなかすごい学生の話が出ている。

学生からのメール。

そのままの文章は見るに耐えないので、要約しますと

・今回の実験を体調不良で休んだ
・他の子の実験結果と、レポートの表紙が欲しい
・明日の朝○○時に行くので待っててほしい
・遅れる可能性もある

とのこと。

だそうで。既にいくつかコメントがついている。まあ、さすがにここまでずうずうしいのはまだ見たことがないが……。で、こういう「オレ様」でやることをやらない学生には単位を出さないというフラスコさんの見解はしごくもっともだし、二十歳にもなってこういうことがわからない学生は留年でも何でもしてしっかり反省してから社会に出て欲しいと思うのだが、それを阻んでいるのが実は大学評価である。
 何をやってくれるかというと、「留年者の数が多いというだけでさんざんな評価をしてくる」のだ。理由は一切斟酌しないというのが、ウチの学科の先生にきいた話だった。実際、過去に必修を2つほど落とす人が増えた学年があって、カリキュラムが密なので次々に次年度の必修を落として、大量留年者が出たことがある。そうすると、ウチの学科に来たのは「留年者が多いから対策せよ」というお達しだったわけで。
 正直な話、留年させてもしっかり勉強させるとか、いい加減な実力では社会に出さないといった教育をする選択肢は、今の大学には無くなっている。たまたま成績の振るわない学年があったとしても、お達しをもらわないためには、超甘にして卒業していただくというのが、誰でも思いつく対策となる。もちろん、知識を付けずに出られては困るから、教員の側だって何とか勉強させようとする。たとえば、講義の終わりに小テストをするとか、中間試験と期末試験の両方を課すとか、追試をするといった手だては講じている。それでも、途中で講義に出てこなくなるとか、試験も放棄するとか、休みに入ってから追試をすると来ないとか、そういう学生も居るわけで、手の打ちようがない。
 学生の中には、「大学に入ったら家に帰ってまで勉強しなくてもいい」と思っている人もいる。大学の講義は、予習復習の時間も含めて90分の講義と合わせて単位を出すことになっているのだが、これが有名無実化していることがある。
 ネット上でときどき「できない奴はできるまで留年させて勉強させろ」という意見も出ているが、国立大学法人はそれができない仕組みになっている。大学が甘いのではなく、評価で無理矢理そうさせられている。このことは、あまり世間に知られていないかも知れない。私学の事情はわからないので、知っている人がいたら教えて欲しい。私学の場合は一般に授業料が高目であるから、留年したときの経済的負担が大きい。だから、もし、デキが悪ければしっかり留年させるということが私学では許されているのだとしたら、これからは、ちゃんと勉強した人材は主に私学から供給される、ということになるのではないか。
 というわけで
「大学はあるレベルを満たしたまともな人材を供給すべきだ」
と思ってる企業の方々、特に人事担当者の方々は、大学評価・学位授与機構に、「留年が増えてもいいから出てくる人材の品質を保証しろ」という内容で、どんどんクレームを出してほしい。彼らは大学の主張は無視するかもしれないが、高額の納税者、つまり企業の方々からの要望であれば、聞く耳を持つと思う。ホント、経団連あたりに陳情しに行きたいのだけれど。

スクリプト入れ替え

Posted on 12月 8th, 2005 in 倉庫 by apj

 このブログのスクリプトを入れ替えた。実はここ一ヶ月くらい、時々試みていたのだが、過去ログのインポートに失敗して、うまくできないでいた。で、昨日あたりから、サポート掲示板で質問したりしながら、PHPも4系列の最新版に変えたりして挑戦、何とか移行できた。スクリプト制作者のrocomotionさんのサポートがとても親切で、助かっている。
 このページや過去ログの見た目はそんなに変わらないと思う。コメント入力のレイアウトは少し変わった程度か。
 実は、大幅に変わっているのは管理メニューで、ずっと使いやすくなった。過去ログのチェックツールも充実している。過去ログはファイルコピーで移行できたが、一日ごとの閲覧者数までは引き継がれない。これまでの累計アクセス数は、そのままだとまた1から始まるのだが、それもちょっと寂しいので、移行直前のアクセス数から始めてみた。1日あたりのアクセス数やページビューが少ないのに累積数が多いという、ちょっとマヌケなことになってしまったのだけど……。

通勤届

Posted on 12月 6th, 2005 in 倉庫 by apj

 普段は自転車で通勤しているのだが、雪が積もると自転車では危ないのでバスを使うことにしている。それに伴って、通勤届を再提出しなければならないので、事務に行って用紙をもらってきた。ただし、いつからいつまでバス通勤するかは、その冬の天候に依存する。事務で確認したところ、バスで通う割合の方が増えたあたりで届けを出せばよい、ということだった。昨日は朝うっすらと雪が積もっていたので念のためバスを使ったが、今日は気温が多少上がったので自転車にした。このあたりを読み違えると、出勤したはいいが帰りは雪に阻まれて自転車でラッセル(ってほとんど無理なんだが)をすることになったりする。

HDDが戻ってきた

Posted on 12月 5th, 2005 in 倉庫 by apj

 修理に出していたヤノ電器のMobileShuttleが戻ってきた。基盤不良だそうで、データは失われていなかった。やはりFireWireは早い。普段使っているノートがUSB2に対応してないちょっと古めのものなので、ファイルのバックアップが早くなって非常に快適である。

ロボット操縦のココロ

Posted on 12月 4th, 2005 in 倉庫 by apj

 大阪芸術大学の学園祭で、ランドウォーカーに永井豪先生が搭乗して操縦するというイベントがあった。これを知ったのが、京都の研究会から戻ってきた日で、もう一度大阪に行く気力も無かったから、写真撮影は夜行でこれから旅立つという他のファンの方々にお任せすることにした。
 で、本日、豪先生の奥様の誕生会が都内某所であって、私も駆けつけることにした。ランドウォーカーの写真も回覧されていたので、豪先生に訊いてみた。

私「これまでにロボットのコックピットを沢山描いておられますが、実際に操縦してみていかがでしたか?」
豪先生「兜甲児大変だなあと……。すり足で歩いているのに結構(上下に)揺れるのね。じゃあロボットで走ったり戦ったりしたらどうなるのか」(とパンチを繰り出すジェスチャー)
私「中ですごいことになりそうですね。実は大変なのを描いてしまったと……」
豪先生「ヘルメットと戦闘服は身につけている」
私「あの(兜甲児の)ヘルメットと戦闘服は高性能だっていう設定でしたよね。でも、マジンガーもゲッターもシートベルト無いですよね。ランドウォーカーにはついてるけど」
豪先生「……まずいな(笑)」
私「でも、シートベルトを締めましょう、って言い始めたのは、(アニメより)ずっと後ですよね」

 ベタな質問だけど、どうしても訊いてみたかったので^^;)。
 リモコンの鉄人28号、自律型の鉄腕アトムに加えて、人が乗って操縦するロボットという概念をメジャーなものにしたのは、間違いなくマジンガーZのTV放映だろう。Z放映の一ヶ月後にジャンボーグA(こちらは特撮)の放映が始まったが、こちらのロボットは、中の人の動きをロボットがトレースする(両手両足からワイヤーが出てロボットにつながっているという表現がなされた)、テレイグジステンス方式と呼ばれるものである。この時期にロボット操縦の2大コンセプトが出そろったことになるのが面白い。

水の破壊力って……

Posted on 12月 3rd, 2005 in 倉庫 by apj

 所用がいくつかあって、昨日の夜東京に出てきた。
 先日、学生が超臨界水の実験していたら途中でセルが爆発したという連絡があった。それで、今日実験室に行って確認してみたのだが……。
 セルの窓は厚さ1cmほどのサファイアである。照射側の窓に端から端まで亀裂が入っていた。繰り返し温度上昇と圧力変化を受けて、劣化したらしい。圧がかかった状態で、亀裂から高温高圧の水が一気に噴き出したが、がっちりと止まっているサファイアそのものが砕けるようなことはなかった。そのかわり、吹き出した水(1cc)が、照射レンズ(直径2.5cm程度)と厚さ5mm程度の方解石の偏光子を完全破壊したorz。レンズも方解石も跡形も無く、ばらばらに砕けて砂粒みたいになってそこらに飛び散った。破片が、45度に配置したミラーを直撃して、ミラーは破片で真っ白になっていた。こんなに破壊力があったのだと少し驚いた。

月面着陸

Posted on 12月 1st, 2005 in 倉庫 by apj

 今年のとんでも本大賞受賞作が「人類の月面着陸は無かったろう論」だということは以前にも書いたが、今度はと学会から検証本が出た:「人類の月面着陸はあったんだ論
 オカルト系のネタに「人類は月へ行ってない」というものがあって、「ムーンホークス説」と呼ばれていることは、この本で初めて知った。月へ行ってない方のTV番組は、作った側もネタだと思ってやっていたのだが、信じてしまって後戻りできなくなった人たちがたくさん出たということらしい。
 面白いと思ったのは、日本のオカルト界でムーンホークス説が普及しなかったのはUFOビリーバーががんばっていたからだという指摘。ムーンホークス説では、「NASAは月に人を送り込む代わりに特撮映画を作って放映した」ということにされている。ところが、UFOビリーバーの主張は、「宇宙人はNASAより先に月に来ていて、アポロの乗組員は月で宇宙人と会っているが、NASAはそのことを隠している。陰謀だ」というものである。NASAが月に行ってないことになると、UFO信者の主張の前提が崩れてしまうわけで……。
 宇宙開発の歴史からトンデモ説の歴史、TV番組の検証やなかったろう論へのツッコミ満載で、なかなか楽しい。
 なお、この本の表紙には、月面に立つ宇宙飛行士が描かれているが、宇宙服のワッペンはと学会のエンブレムで、手に持っているのはと学会旗。いや~、ぜひと学会の旗が月面に翻る光景を見てみたいなあ^^;)。実現したら楽しいだろうなぁ……。

物理学会のシンポジウムで話をする予定

Posted on 11月 30th, 2005 in 倉庫 by apj

 学習院大学の田崎さんが、日本物理学会の「物理と社会」分科シンポジウムとして提案していたものが、正式に採択された。提案趣旨は田崎さんのサイトにある。プログラムは以下の通り。

「ニセ科学」とどう向き合っていくか? (「物理と社会」分科シンポジウム)
日時 2006 年 3 月 30 日(学会最終日)、午前 9 時から
プログラム
はじめに — 科学と「ニセ科学」をめぐる風景  田崎晴明 15分(質疑なし)
「ニセ科学」入門  菊池誠 30分(質疑10分)
「水商売ウォッチング」から見えたもの  天羽優子 30分(質疑10分)
休憩10分
「ニセ科学」の社会的要因  池内了 30分(質疑10分)
討論と全体への質疑応答 30分

 線引き問題でも単なる批判でもない議論をするつもりだが、どういう話の展開にするか、細かいところはまだ決めていない。今回の「ニセ科学」は、「科学を自称するが、(科学の手続きにのっとっていないので)科学ではないもので、かつ営利に使われるもの」と定義することになるだろう。
 提案趣旨の中に、科学とニセ科学は同じ市場を奪い合う関係とあるが、これは、実のところもっと生々しい話である。というのは、競争的研究資金と称してお役所があらかじめテーマを決めて研究費を配分したり、あるいは企業への補助を出したりしているのだが、油断していると、研究テーマに「ニセ科学」が混じることがあって、冗談抜きで市場どころか同じ研究費のパイを奪い合う関係になっていることがある。私は主に水関係のニセ科学批判をやってきたし、そのことで企業側からクレームもつけられた。そのときの相手の主張を聞いた限り、相手は、起きていることがマーケットの争奪戦であるという認識をしていないように見えた。
 科学の教育や啓蒙をすることで騙される人を減らすためには、ニセ科学を批判しておかなければならないことは確かだが、これは倫理的な面の話である。それだけだと単なる独善に陥る可能性がある。やっていることが、製品を売るといった通常の市場とは異なる「市場」の奪い合いだという認識で戦わない限り、状況を整理することはできないだろう。ニセ科学を批判されて怒る人たちというのは、製品販売の邪魔をされたと主張するが、彼らだって我々科学者の市場を奪う活動を自覚無しにやっているのだ。