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すでに話題になっているが……

Posted on 8月 23rd, 2005 in 倉庫 by apj

 コミケの会場で営業したホットドッグチェーン店のアルバイトスタッフが、個人で開設していたブログに

2005.08.14 Sunday 18:38:36 ヲタ
大量オタ。これほんの一部ですからね。これがぶぁぁぁぁあっているの。恐い!きもい!
2005.08.14 Sunday 18:39:51 お仕事
みんな頑張ってバイトしています!まぁお客はみんなオタ。
2005.08.13 Saturday 02:47:49 コミケバイト
東京ビックサイトでバイト!コミケのやつらを相手に…。でもみんなでやるから楽しいです!ただ朝4時から朝9時までという過酷さがきついです。
2005.08.13 Saturday 02:45:31 もえぇ!
コミケバイト中です☆コンビニ行ったらるるぶのもえ版が!!もえるるぶってどないやねん!きんもーっ☆中にはコスプレがあるとこなどが案内されてます。きもすぎです。

と書いて2chで祭りになっている。
ITメディアニュースにも関連記事がある。この程度の表現をやったところで、特定個人の名誉を傷つけたわけでもないし、スルーしておけばいいんじゃないかと思うわけだが。
 で、まあ2chの祭りはいつものことだからいいとしても、企業が謝罪してるのがなんだかバランスが悪いと思った。もともと、問題のブログ自体は個人で開設できる日記サイトにあったわけで、バイトスタッフ個人の責任でやってることである。また、短期のバイトなら、何も会社に忠誠を要求されるいわれなどないし、バイトの感想を書くことを制限されるいわれもないだろう。ITメディアの記事は「企業が謝罪に追い込まれた」などと書いているが、こんなことにならないようにするには、社員教育をきちんとやる必要があるわけで、ということは、それなりの人を採用して費用をかけて教育して仕事をさせれなければならない。安易にバイトスタッフに頼るという行動をとっておいて、気軽に何か書かれたからといって、企業は被害者面できた義理じゃないだろう。今回のようなリスクは、安易に短期のバイトを雇ってコストダウンを図ったことについてまわる当然のリスクに見えて仕方がない。
 第一、「みんなでワイワイ楽しくやれる仕事です」みたいなノリでバイト募集広告を出してる会社が山ほどあるわけで、そりゃ都合の悪い感想だって気軽に公開されるという罠。

ところで「もえるるぶ」って一体……?読んでみたいぞ。

やおい小説論

Posted on 8月 22nd, 2005 in 倉庫 by apj

 「やおい小説論 女性のためのエロス的表現」永久保洋子著、専修大学出版局を入手した。これは、永久保氏の学位論文で、やおい小説……といっても商業ベースにのっている、いわゆるボーイズラブ小説を調査し、分析したものである。調査をおこなったのは1996年で、今よりは出版点数が少ないとはいえ、381冊の小説を読み込んでいるあたり、文系の人の研究というのもなかなかすさまじいものがあると思った。基礎データとして上がっているのは、タイトル、書写名、出版名、小説が何人称で攻受いずれの視点で書かれているか、攻・受それぞれの名前、年代、職業、年齢差、体格差、性役割が固定かどうか、時代、ジャンル、ハッピーエンドかどうか、という表が出ていた。登場人物の描写をもとに、ジェンダーを考えていく部分は、言葉に対するセンスを試されているようで面白い。身長差の法則として、ほとんどの場合攻>受だということがデータで示されるあたりは、まあそうだろうなと漠然と思ってはいても、あらためて認識することになった。
 何でこんな本を買ったかだが……某アニメのファンを長く細々とやっていたのだが、他のみんながどう鑑賞しているか知りたいと思い、同人誌に手を出してみたら、女性向けの方は男性キャラ同志で恋愛&性行為におよぶヤオイばっかり、男性向けは登場する女性キャラが妙にグラマーな身体に変換されたエロばっかり、結局作品自体にこだわったものは探すのが難しいという事態になって、一体何が起きているのか気になったからである。まあ、やおいとは何かということはそれなりにこの本を読んでわかったのだが、なぜやおいが快適かを理解するには、まだまだ道のりが遠い……というか私自身が腐女子の心を持ってないということなのか。それでも、まだアニメキャラのやおいならわかるが、無生物系のヤオイ、つまり日本列島と台風とか、郵便ポストと葉書といった組み合わせがあるという話をネットで見かけて、どうもよくわからんが奥の深い知らない世界が拡がっているのだなあと思った次第。人間の思考能力に限界は無いということなのか……(大汗)。

演示実験の問題点と自由研究

Posted on 8月 20th, 2005 in 倉庫 by apj

 昨日、冨永教授と話をしていたら、中学だか高校だかの先生の研修で理科教育の話をしたという話題になった。「騙されないために理科教育が必要」というのはすんなり受け入れられたらしい。元々理科に興味があったり、それがこうじて職業にしようとするような人はむしろ少数で、世の中の大部分は「英会話と理科と、どっちをがんばった方が得か?」という部分を説得しないと、理科が必要だとは思ってくれないだろう。
 で、その何日か後、受講した教員から相談があったとのこと。内容は「生徒が自由研究でカビの生え方をテーマにした。ご飯を用意して、片方には毎日『ありがとう』もう一方には『ばかやろう』と言い続けたところ、わずかに『ありがとう』と言った方がカビの生え方が少なかったという結果を出してきた。非常に真面目な生徒だが、どう取り扱ったものか苦慮している」。誤差の範囲で変わらんという話をしてはどうかと言ったらしいが……。

 で、ちょっと自分を振り返ると、理科は好きだったが自由研究は嫌いだった。なのに、今は研究を生業の一部としている。自由研究で校内で表彰されたりした友人で、その後科学の道を進んだ人はどういうわけか見あたらない。何だか不思議である。
 その時は意識しなかったのだが、普通に理科の授業を受けていただけでは調べるための方法論を身につけるのが難しいということにあるのではないか。理科の授業でやる実験は、科学としてはすでに十分確立したことをわかりやすく見せるための演示実験(demonstration)である。典型的なのは、何かと何かを混ぜたらこうなったとか、こんな条件で植物を育てて観察したらこうなった、という、定性的な範囲ではっきり差が出るものが用意される。初学者向け教育だから、データがばらついて統計処理してもシロかクロかはっきりしないような材料は最初からとりあげられない。しかし、何か新しいことを確認しようとするときは、少なからず研究用の実験(experiment)を伴うことになる。普段、先生に教わっている演示実験のような実験をするのが自由研究だと思ってしまうと、どうやってわからないことを確定させればいいかということや、実験の精度といった部分が完全に抜けてしまうだろう。中学までの教員の多くは教育学部出身であり、自然科学の研究の方法論に熟達しているかというと、必ずしもそうではない。また、限られた授業時間(最近は特に減らされて大変)で指導要領の中身を習得させなければならないとなると、方法論の話をじっくりするのが難しいのかもしれない。問題の生徒は、真面目に先生の話を受け止めていたが故に、「ありがとう実験」をやることになったようにも見える。

所用があって……

Posted on 8月 19th, 2005 in 倉庫 by apj

 夕方から東京に出てきたが、暑い。まあ、今年の山形が雨ばっかりでどうしようもないというのがあるのだけれど。たまたま、昔の後輩に推薦状を頼まれたので何をどう書くか打ち合わせしたり。

 他の場所で情報が出ているので、そろそろここでも。例の中西氏の訴訟の件(原告:松井教授@京大、被告:中西準子氏@産総研)。ばたばたしてウェブサイト作りが遅れているが、サーバとドメインの確保は終わり、現在、コンテンツの整備をしている。それで、出てきたのが、原告が横浜地裁に提出した上申書。既に中西氏の雑感にも記載があるが、環境ホルモン学会(内分泌撹乱物質学会)が発行している、「日本内分泌攪乱化学物質学会が発行するニュースレター「Endocrine Disrupter NEWS LETTER」に別紙(1)記載の謝罪広告を掲載せよ」という内容の上申書が原告代理人から出された。
 ウェブでやった名誉毀損であれば、ウェブに謝罪文を掲載しろ、となるのが普通のところ、業界誌だか専門誌だかわからないものに謝罪文を掲載させようとすること自体、かなり異様なことである。原告の社会的名誉が低下したのはウェブ閲覧者の間で起きたことであって、ニュースレターの読者の間で起きたことではないし、当然両者の読者層は異なっている。本当に名誉の回復を求めるのであれば、名誉の低下が起きたところで回復の措置を執らないと無意味である。このことからも、本件訴訟が目的外のものであることが伺える。
 謝罪広告の内容の入手はこれからだが、仮に、「松井教授が、環境ホルモンは終わったこれからはナノだと言った」という意味のことを書いた事に対する、(環境ホルモン煽りすぎと批判している)中西氏の謝罪を取りつけることができたとすると、松井教授が環境ホルモンは終わったとは言ってないことを中西氏が認めた→環境ホルモンはまだ終わってない→もっともっと研究(費)が必要、というプロパガンダに使われかねない。それを狙っての訴訟である可能性も出てきた。

探してると見つかるものだ……

Posted on 8月 17th, 2005 in 倉庫 by apj

 岩波から出ていた「分子軌道法」をやっと見つけた。広島に居たころに読むといいと勧められたが絶版で、ずっと探していたのだが、amazonマーケットプレイスで見かけたので買った。

 コンテンツの方でTOSSウォッチング掲示板を始めた。雑談板の方で話題になり、内容に問題があるんじゃないかという話になったため。もともとは波動系水結晶の話を道徳でやり始めたのがきっかけで知った団体なのだが、パソコンの使い方の指導のノウハウが公開されてるのに呼んでもさっぱりわからないとか、まあとにかくツッコミどころが多そうではある。

地震だというのに

Posted on 8月 16th, 2005 in 倉庫 by apj

 昼前の地震、まったく気づかなかった。たまたま、よたよたしながら自転車で街中を走っているところだったもので。ウチの研究室・実験室では、見た目の変化はまったくなかった(物が落ちたり倒れたりはしていない)。メールを開けてみたら事務から被害状況の問い合わせがあってびっくりした。Yahooニュースみて、交通機関が止まりまくっていたり仙台方面でけが人が出たりということで再度びっくりした。今のところ、被害というよりは正常動作で、ドラフトへのガス供給が止まっている。しかしだ、ガスコンロへの供給はそのままだったりして。建物の冷暖房がガスなので、空調回りと一緒になってるものは復帰が早かったということか。

あの時はその意識が無かったなぁ

Posted on 8月 15th, 2005 in 倉庫 by apj

 掲示板の方で、「インフィニット・スクウェア」の取り扱い商品「ビーワン」「アクアーリオ」が、次世紀ファーム研究所の「真光元」と同じ販売ルートで売られていたという話が出ている。「ビーワン」「アクアーリオ」はあやしい水製品で、美容室を相手にシャンプーを無害化にするといった非科学宣伝とともに売り込まれている。次世紀ファーム研究所の事件後、この商品を勧めていたサイトが続々と閉鎖してしまってほとんど見かけることが無くなっているのだが……。
 それで思い出したのが、学部の頃に引き受けた家庭教師先の女の子のこと。友達の紹介で行ってみたら、小学校の割と早い時期に算数がわからなくなり、勉強の仕方も良くわからないままに中学になってしまった状態だった。本人の希望は中学を出たら専門学校に行って美容師になりたいというもので、私の知らないアイドルのファッションについて結構詳しかったが、親の希望の方が、何とか一番易しい私立高校だけでも出て欲しいというもので、勉強の仕方から見ることになった。結局、小学校の教科書の分数のあたりから全部順番におさらいして、中学の数学までつなぐ作業をすることになった。英語も予習復習のやりかたもわからないということで、単語帳を作ったり本文をノートに書き写して訳や説明を書き込んだりといった、作業の方法から説明することになった。
 本人は勉強嫌いで高校に魅力を感じてないらしかったので、「友達作るチャンスだよ」ってな説得をしたことを覚えている。が、今ならきっと「お客さんに変な製品を勧めちゃったりしないためにも、高校で理科を勉強してね」と言うことになるだろう。あの頃は私も大学に入ったばかりで、自営業者をかつぐ怪しい商売のことまで考えてはいなかった。
 美容師さんやクリーニング店の方から、おかしな水に関する問い合わせがやってくることもあり、できるだけ高校までの知識で判定する方法を説明していたりするのだが……。

リモートセンシング

Posted on 8月 12th, 2005 in 倉庫 by apj

 「気象と大気のレーダーリモートセンシング」を衝動買いした。以前からドップラーレーダーの原理やら実際がどうなってるか疑問だったので。電磁波解析と信号処理の部分をきっちり書いてあるので読み応えがある。数式を省略していないので、もし間を埋められなければ参考文献をあたればよいようになっていて、わかりやすい。

 教養の授業のレポート採点が夜までかかった。上手い人、下手な人、課題の意味を取り違えている人(数人)がいるのはいつも通り。TV番組や目に付いた商品の宣伝で、科学的に怪しいと思うものを選んで、なぜ怪しいか、どうすれば確認できるか議論せよ、という課題を出した。自分の知識で情報を疑う、という作業経験をしてもらいたいというのが狙い。TVが正しいとか新聞が正しいとか、根拠もなく思いこんでいる人が多すぎるので、そういうのを疑うところから教育が始まるわけで……。

反応の方は正常なのではないか?

Posted on 8月 11th, 2005 in 倉庫 by apj

 掲示板の書き込みに触発されて、遅まきながら「カルト資本主義」を入手して読んだ。書かれた時代がバブル崩壊直後なのだが、ソニーの超能力研究や永久機関商法、京セラの稲盛和夫氏の経営塾がほとんど新興宗教じみているとか、科技庁が気の研究に研究費をつけたとか、EM菌、脳内革命の船井幸雄、ヤマギシ、アムウェイといったものが取り上げられている。これらの流れに共通しているのが、オカルティズムと精神論で他人を思考停止に追い込み忠誠心を企業に向けさせて搾取したいという考え方であると、著者の斉藤貴雄は指摘している。
 その一方で、文科省の調査が発表された。

大卒6人に1人「ニート予備軍」 文科省調査

 今年三月に四年制の大学を卒業した五十五万人のうち、フリーターを含めて就職をせず、大学院や留学など進学もしない大卒者が九万八千人に達していることが、文部科学省がまとめた学校基本調査速報で十日、分かった。文科省は九万八千人すべてをニートと結びつけることは否定しつつも「相当数がニートである」としており、大卒者の六人に一人 (17・8%)が「ニート予備軍」にあたるといえそうだ。
  調査結果によると、今春の大卒者は五十五万千十六人。このうち(1)「就職者」三十二万九千四十五人(2)「大学院等への進学者」六万六千百八人、(3)フリーターなど「一時的な仕事に就いた者」一万九千五百七人‐など六つの区分に分け、区分外の「進学も就職もしていない」層を全体の17・8%となる九万八千一人と算出。大卒者全体の五・六人に一人が就職も進学もしない結果となった。
 ニートは一般的には「就職も進学もしない若者」との定義が広く浸透し、「若年無業者」と 置き換えられたり、無気力な若者の代名詞ともなっている。しかし、もともとは「Not in Education, Employment or Training」の略で「就職、進学、求職活動をしていない人」との意味。厚生労働省が「若者の人間力を高める国民会議」に示した資料には「年齢十五‐三十四歳で求職活動、通学、家事をしていない者」として六十四万人(十五年)と推計している。ところが、同省がまとめた労働経済白書ではさらに、「卒業者かつ未婚」と限定して五十二万人と発表するなど定義と把握数がまちまちの状況だ。
 文科省は今回の九万八千人について、「家事手伝いや求職活動をしても仕事に就いていない層、例えば就職浪人も含まれており、すべてがニートとはいえない」と強調しながら、「ニートが含まれているのは間違いない」と分析している。

 斉藤貴雄の主張がある程度の真実をついているとすれば、洗脳されて搾取されることに抵抗するのは、人間が人間らしく生きていくために必要な、自然な行動ではないかという気がしてくる。力のない人間の抵抗としては、就職自体を拒否する位しか手段がないということではないか。経済政策の失敗の責任を誰も負わずに、精神論とオカルトで(本当は年功序列と終身雇用の見返りがあって生じていた)高い職業意識だけを求めようとする社会に対して、ニートという手段を取る人が増えるのは、実は人としてまったく正常な反応なのではないかという気がして仕方がない。

国語辞典

Posted on 8月 10th, 2005 in 倉庫 by apj

 「学研現代新国語辞典 改訂第三版」を買った。同じ読みの言葉の使い分けに詳しいので、ワープロの変換の時に役立つという評判をきいて買ってみた。これまでは、小学館の「新選国語辞典」を、小学校の時に買って以来愛用していた。今も第八版の横組みが手元にある。途中で岩波の国語辞典に浮気(笑)したこともあったし、「明鏡国語辞典」を買ってみたら、ATOK内蔵の辞書そのまんま(当たり前か)で結局あんまり使わなかったり。なお、ATOKを使っていて、使い分けに悩んだときに一応明鏡の情報が出るのはそれなりに役立つ。
 ところで辞書コーナーを見て思わず衝動買いしたのが、「ベネッセ表現読解国語辞典」。もともと、高校生向け受験対策用に企画されたらしいのだが、大人が読んでも充分役に立つ。重要単語についてはまるで「現代用語の基礎知識」のような解説がついているうえに、用法や用例も詳しいし、敬語についてもよくまとまっている。語彙力をチェックするために最初から読んで、知らなかった項目には線でも引くのが正しい楽しみ方ではないかと思う。語彙増殖ワークブックが付録についている。高校の頃から今に至るまで(専門書以外の)本は大量に読んできたので、果たしてこの中にいくつ、初めて目にする単語があるか、チェックしてみたい。
 まあ、以前から思っていたことだが、国語辞典の言葉の使い方の用法・用例は一般に少なすぎる。英和辞典であれば例文をたくさん書いて学習しやすいようになっているのに、国語が不親切というのはちょっと納得いかない。インターネットのせいで、文章を書く量が急増しているのだから、もっと表現や用法を沢山入れた辞書があってもいいと思う。