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阪大シリコンサプリの記事についてクレームが来ました

note記事の転載。初出2026/04/15

ここに書いていた阪大シリコンサプリの記事についてクレームが来ました。note株式会社から転送されてきたのでここに掲載します。(※注:noteに書いた記事の転載のままになっています。)

図1

図2

3ページ目は「以上」しかないので、本文はこれだけです。

ところでこれ、誰からの連絡かが何も書いてない。権利侵害を主張するならまずは権利者であることを示すのが先だろう。

ということで、まずは、通報者が匿名のままでは権利者であるかどうかの確認が不可能なので、誰からの通報なのかを示してほしい

でもって、私の書いた内容の多くはこちらでやった実験結果であるとか、文献調査の結果のまとめなので、一部分が問題だという理由で全部消せ、という話にはならない。

 名誉毀損を理由に送信防止措置を求めるのであれば、問題とされる部分を書き換えあるいは削除すれば名誉毀損にあたらなくなるので、まずは文言の特定と、事実摘示か意見論評かの切り分けをすることがスタートラインである。

 以下、個別の項目について回答する。

(1)について

「産学連携と景表法7条2項」にはフッ酸という言葉すら存在しないので、「フッ酸処理をしている可能性」を示すことは不可能である。 「阪大のケイ素サプリの水素捕集をした結果わかってきたこと」では、当初はフッ酸処理を疑っていた記述をしたが、実際に測定するとフッ酸処理の結果とは異なる、という内容を書いている。「【第5報】サプリ屋さん必読:いかにしてマルカンは阪大小林らのシリコン製剤に引っかかったのか」では、「表面処理すら行われていなかったことが後に判明」とはっきり書いているので、フッ酸処理したと誤読される可能性はない。
 このように、どの部分を問題としているのか特定しないまま、フッ酸という言葉すら出てこない記事まで送信防止措置をとれと要求しているあたり、非常に杜撰な要求であるといえる
 さらに、小林らは、当該製品の特許中に、フッ酸処理したケイ素の水素発生データ(J. Nanopart. Res.掲載)のものを、フッ酸処理していないケイ素での測定データに数値を0.9倍して流用している。これは、数値を細かく見たから0.9倍に気づいたのであって、ぱっと見ただけでは論文のフッ酸処理のデータが掲載されているように見える。これとは別に特許中にフッ酸処理した実施例についての記載がある。このように非常に紛らわしい状況を自ら作り出している一方で、製品の仕様についてフッ酸処理をしていないことを明示したものを見つけることができなかった。このような状況であるので、公表された情報だけから判断すると、フッ酸処理しているのかいないのかがはっきりしない状況となっている。この状況は小林らが論文・日本語の報文・特許を通じて作り出してきたのであるから、フッ酸処理を疑われても仕方のないだけの状況が生じていたと考える。
 今回のクレームがもし本当に権利者によるものであれば、フッ酸処理はしていないということが明示されたことになる。従って、問題となる文章の箇所にこのクレームを追記し、これまで曖昧であったものが本件クレームで初めてフッ酸処理していないことが明示された、という内容に修正する用意がある。

(2)について

 不正確な内容を記載することは本意ではないので、「呼気中水素濃度に関する観測データその他の関連研究データ」の掲載されている投稿論文について示していただきたい。その内容を確認した上で引用文献として追加し、該当箇所の修正を行う。
 ただし、人体内では腸内細菌によってたえず水素ガスが発生しており、おならの成分にも水素ガスが含まれていることがわかっている。腸で吸収された水素は門脈に入った後肺でガス交換されてしまうので、呼気中から水素ガスが検出されるのは人体の生理としてはむしろ当たり前であり、そのことを踏まえた修正になる。
 これについても、曖昧な書き方ではなく、どの文言を直せ、という具体的な指摘を求める。

(3)について

 「弱酸性条件においても水素発生が確認された研究資料が存在し ており、上記のような一義的断定は相当ではありません。」とある。であるなら、その記述のある(論文誌などに公開された)文献を示してほしい。その内容を確認した上で内容に沿って記述を改めるか追記を行う。
 文献の特定にあたっては、著者名、掲載雑誌名、文献タイトル、巻、出版年、ページ数、あるいはdoiを示してほしい。

(4)について

 かつがれたという表現は意見論評としてはいささか強めではあるので、もう少し穏やかな表現に書き改める用意がある。
 しかし、裁判所の事実認定を確認すると、いかにも水素製剤に効果があるかのような説明を行った事実は認定されている一方で、「乙9 資料の内容を超えて、効能・効果それ自体を保証したことがない」とも書かれている。
 阪大及び阪大教授というネームバリューが特に関西方面でどう受け取られるかを一般人(や中小企業関係者)の感じ方を基準にして判断するなら、阪大の産学連携の産物として説明された「効果効能が期待される」という説明は相当確からしいものであるとして受けとめられているはずである。実際、マルカンは過大な期待をして飛びついて失敗しているのだから、一定の注意喚起は必要と考える。

 

 なお、「シリコン製剤の論文の方も何だかあやしい」については、特許と論文の間でのデータ捏造の検証のみで、製品がフッ酸処理されていると読まれそうな記述はなく、人体内の水素発生に関する言及もなく、裁判所の判決の引用もない。(1)〜(4)のどれもにあてはまらず、具体的な指摘が全く無いにもかかわらず、送信防止措置をとれというリストに入っているのは理解しがたい。「シリコン製剤の論文の方も何だかあやしい」については送信防止措置をとることも修正することも不要であると判断する。

 いずれにしても、まずは権利者であることを示した上で、(1)〜(4)までの各項目について、どの文言をどういった理由で問題としているのかを特定し、存在する研究データを踏まえていないというのであればその内容が書かれた文献を示してもらいたい。文言の特定があればその部分については削除なり修正なりに応じる用意がある。