日本トリムが無節操な件

産経WESTの記事より。

「インチキ水素水」ブログ、「中傷だ」と日本トリムが研究者提訴

 研究者のブログに「インチキ水素水」と書かれ、自社製品の信用を傷つけられたとして、家庭用整水器大手の日本トリム(大阪市北区)が、水素の医学的効果を研究している元日本医科大教授の太田成男氏を相手取り、約4400万円の損害賠償と謝罪文掲載を求める訴訟を大阪地裁に起こしたことが13日、分かった。同日開かれた第1回口頭弁論で、太田氏側は請求棄却を求めた。

■「本物の水素水」と「インチキ水素水」…

 訴状によると、太田氏は昨年12月、国民生活センターが容器入り水素水と生成器について行った商品テストの結果を受けて、自身の当時のブログに「本物の水素水とインチキ水素水」と題した文章を掲載。「容器入りの水素水では、10社製品中商品表記と同じ水素濃度のものは3社製品」のみだったとしてトリム社以外の3社の名前を記載した。

 トリム社の製品で商品テストの対象となったのは生成器のみで、表示と同程度の水素濃度が確認されたが、ブログ掲載後の5日間で返品やキャンセルが計143台に上ったという。

トリム社側は太田氏について、テレビや新聞で水素に関するコメントをしており、知名度もあると指摘。「影響力の大きい太田氏の発言で製品の社会的評価が低下した」としている。

 一方、太田氏側は答弁書で「『インチキ』という言葉はペットボトル入りの水素水に関する意見で、トリム社製品について述べたものではない。売り上げの減少とブログに何の因果関係もない」と反論している。

日本トリムは、水を軽く電気分解して作る飲料水製造装置を製造販売している会社である。

九州大農学部の白畑教授と組んで、電解水の穏やかな抗酸化作用を示す実験をし、日本トリムの技術者が白畑教授と共著で論文を発表した。その中で、抗酸化作用の原因物質として、白畑教授は「活性水素」という物質の存在を仮説として提案した。「活性水素」は、あくまでも実験結果を説明する作業仮説に過ぎなかったのだが、日本トリムは、活性水素の存在を九州大の農学部の教授が証明した、という内容の宣伝に利用した。当時、白畑教授は、活性水素=原子状水素、と主張していた。このため、電気分解してできる原子状水素の入った水、という宣伝を行う同業他社も多数出てくる結果になった。その後、白畑教授は、活性水素とは原子状水素ではなく、白金ナノ粒子に水素分子が吸着したものである、と主張を変えた。

研究が進んだ結果、主張を変えること自体はよくあることなのだけど、最初から仮説でしかなかったものを「実在を証明」という風評を流し、それに乗っかって商売したのは日本トリムである。当時は、白畑教授も、積極的にその風評を流すことに協力していた。

そうこうするうち、太田氏が始めた水素の生理作用や治療効果の研究が知られるようになった。活性水素じゃなくただの水素だということは知らんぷりして(BBRCに論文通すだけの知識のある研究者が社内に居れば、水の電気分解でできるものは水素ガスであることくらいとっくに知っていたはず)宣伝していたのに、太田氏の仕事が知られるようになったとたん、水素水製造装置として電解水を作る装置を売り出した。

ところがその水素水や水素ガスも、治療効果としての臨床試験は行われているが精度の高いものはまだ無く研究途上であり、健康な人に対する効果についての試験結果はない。つまり、健康な人向けに製品を売るということ自体が、現状では、水素水の「風評」に乗っかった商売であるといえる。

現在、訴訟資料の情報が無いのでなんとも言えないが、産経新聞の報道の通りなら、太田氏はペットボトルの水だけを対象にしてホンモノニセモノの評価をしており、装置を作っている日本トリムには何も言っていないように見える。しかも、国民生活センターの調査結果公表の直後であり、キャンセルの原因は太田氏のブログではなく国センの結果公表ではないかとも思える。

これまでさんざん「風評」を利用して、というか積極的に振りまいて商品を売っておいて、インチキ水素水論評の巻き添えを食らったからといって、信用を傷つけられたとはどの口が言うのか。無節操にもほどがある。

太田氏には、ずいぶん前に、水素水で商売する有象無象が出てくるに決まってるから用心するようにと伝えたが、逆に、積極的に水素水を売りたいのだという返事がきた。そのうち、水素サプリを積極的に推すようになった。今回の訴訟は馬鹿健康グッズ業界にどっぷり使った状態で他社製品を批判した結果なので、まあ仕方ない。ただ、国センのとばっちりを受けてるだけのようにも思える部分だけはちょっと気の毒ではある。

とはいえ訴訟資料は見たいので、もしここを見ていたら、連絡ください。資料公開ウチで取り扱います。> 太田氏

『電子レンジの仕組み・原理』に異議あり

科学情報誌の記事「『電子レンジの仕組み・原理』ーなぜ温まる?加熱ムラの原因は?」にちょっと異議があるのでいくつか指摘しておく。

 電子レンジがものを温める仕組み・原理は、
「マイクロ波という波が水分子を高速回転させて、摩擦熱を発生させるから」です。

とあるのだけど、これが実は、微妙にというかだいぶイメージが違う。

まず、液体の水の中の水分子は、そんなに高速「回転」はしていない。水分子の酸素側が負電荷、水素側が正電荷を持っているのはその通りなのだけど、これが原因で水分子は酸素側と水素側でお互いに引っ張り合っている。これを水素結合と呼ぶ。引っ張り合いは他の分子に比べれば強いが、強固なものではなく、しょっちゅう切れたりつながったりして、水分子は常に移動している。まわりの分子が邪魔しまくるものだから、分子を回そうとしても、そうそうくるくると回転はできない。

材料に電磁波のエネルギーが吸収されるかどうかは、誘電損をみればわかる。水のマイクロ波から遠赤外領域の誘電損は、およそこんな形をしている。

Watere

この誘電損に、角振動数ωを掛けたものが、電磁波の吸収係数に比例する。

Waterabs

マイクロ波の加熱周波数を図中に記しておいた。

電子レンジの電磁波の吸収を担っているものは、水の25GHzの誘電損のピークの裾野の部分ということになる。この誘電損のピークは、水分子1個の動きから出てくるものではない。水素結合した水分子が数十個くらい集まったのを均した時に、全体として出てくる分極の運動がもとになったものである。もし、水の中で、個別の水分子が回転したり、あるいは完全に回らなくても往復運動するような回り方をしていたら、誘電損のスペクトルはこんなに幅広いものにはならず、回転運動の量子準位の存在を反映した細く鋭いピークになる。

従って、電子レンジの電磁波を浴びせた場合、電磁波が個別の分子と直接吸収するのではなく、水分子数十個単位が作る分極と電磁波が相互作用する、と考える方が、より適切だろう。

エネルギー散逸があるという意味で「摩擦」と呼びたくなるのはわかるが、トライボロジーでいうところの摩擦と起きている現象が同じとも言い切れない。水分子1個が引っかかるから摩擦がおきる、としてしまうと、ちょっと違うものを想像してしまいそうである。

水分子がまとまって作る分極の運動が、外から与えられる電磁波の変化に遅れて追随するときに、電磁波のエネルギーの散逸が起きて、熱エネルギーになる、と考えた方がよい。やってきた電磁波のエネルギーを水分子が分担して受け取っているイメージの方が実態に合っているだろう。

ImPACTにニセ科学

日本経済新聞のサイト内、日経産業新聞セレクションの記事より。こちらも、始まったばかりのパンキョーのネタ候補としてこちらにメモしておく。

内閣府チーム、仮説段階の研究を表彰

2017/4/12 6:30

 内閣府の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の研究チームが、実験方法に科学的な裏付けが足りない結果を成果として発表した。政府は研究リーダーに強い権限を与えるプロジェクトの運営方法を積極的に取り入れているが、その課題が浮き彫りになった


 「このコンテストから新しい企業の研究の種を育てたい」。ImPACTの山川義徳プログラムマネージャー(PM)は2月、都内のシンポジウムで力を込めた。壇上に上がった新田ゼラチンや日本アロマ環境協会などの代表者に賞状を送り成果をたたえた。

 コンテストの狙いは脳の健康に効果のありそうな食べ物や生活習慣などを見つけることだ。企業などからアイデアを募り、山川PMらが開発した脳活動の指標をもとに、アイデアを試した時の脳の変化を測る。脳の健康に効果のありそうなものを表彰するという内容だ。今回が2回目でコラーゲンペプチドの摂取、ラベンダーのアロマハンドマッサージが表彰された。

 山川PMらは1月には、製菓大手の明治と高カカオチョコレートの脳活動への影響を発表。発表文には「脳の若返り効果の可能性がみえた」とする文言が並んだが、実際には科学的な効果を探るのはこれからという段階だった。

 そもそもこのコンテストには問題がある。実際の測定方法が科学的な常識に沿っていないことだ。例えば薬の効果を示す際は、飲んだ人と飲まなかった人の効果を比較する。飲まない人のような比較対照群がいるわけだ。コンテストにはこれがなく、飲んだ人の前後の変化だけをみている。これでは効果を科学的に示したことにはならない。

 参加企業からは比較対照群を設ける要求もあったが「予算の関係でPMに断られた」(参加者)。コンテストで1チームに与えられる予算は3000万円。30人で実験する分しかない。仮に比較対照群を置いて15人ずつで実験すると、脳の活動の変化はほとんど見えない可能性が高い。コンテストが成り立たなくなるわけだ。

 山川PMは「できるだけ多くの企業に参加してもらうことを優先し、比較対照群をおかなかった。医療系の研究者から批判はあった。だが開発した脳の指標が役に立つことを早く示さなければ世界に後れを取る。自分の責任のもと進めた」と説明する。

 山川PMの研究費はImPACTのものだ。ImPACTはイノベーション創出を目指し、16人のPMに5年間で550億円を投じる政府肝煎りの大型プロジェクト。PMに研究チームの編成や予算配分などで大きな権限を与えているのが特徴だ。

 政府の総合科学技術・イノベーション会議は有識者による会議などで、PMからの報告を受けたり相談にのったりするが、基本は「応援団」という位置づけだ。研究プロジェクトで当たり前の中間評価などは無い。早い段階での評価はPMの足かせになるからだ。山川PMのコンテストについても、批判を受けるような機会はなかった。

 総合科学技術・イノベーション会議の原山優子議員(元東北大学教授)は「(コンテストは)初めの一歩という認識だ。最終的には科学的にもしっかりしてほしい」と話す。内閣府がお墨付きを与えたような発表の仕方については「タイトルが目を引き、最終的な結果と思われる可能性があった。今回を反省事項として今後を考える必要がある」と言う。

 ImPACTは2018年度で終わる。内閣府はImPACTのプロジェクトとしてのあり方を見直す委員会を今年度から始める考えだ。イノベーション創出のためにPMに強い権限を与えた功罪は何か。研究としての形式を逸脱した運営も含めてあやふやにせず、明確な評価が求められる。

(遠藤智之)

[日経産業新聞 4月12日付]

ImPACTのサイトはこちら。テーマを見た限りでは、千差万別といったところか。ゆるいのも堅いのも混じっている。山川PMのテーマはこちらから。発表そのものについて突っ込んだ批判は、なとろむさんが既に出していた。対照群の設定をさぼっただけ(それでもあかんやつだが)かと思ったら、使っている指標字体がまだ確立していない模様。つまり、脳活動の指標が何を意味しているかまだわからないのに、指標として使ってしまっている。

企業の研究の発展を狙うなら、曖昧であやふやな指標を使ってはいかんだろう。参加企業を増やしても、まともな情報が得られないならただの予算の無駄遣いになる。つきあわされる企業が良い面の皮というか。

機能性食品で健康被害の話題

パンキョーの講義で取り上げられそうな話題なので、こちらにコピーしておく。

Net IB Newsの記事より。

「目のピント調節」の機能性表示食品で重篤な健康被害~東京都
健康食品の「危害」相談が急増

 「目のピント調節」をうたう機能性表示食品が原因と疑われる重篤な健康被害が発生したことが10日、東京都の「『危害』の消費生活相談の概要」からわかった。

 2016年度上半期に、都内の消費生活センターに寄せられた「危害」に関する相談を分析した結果、相談件数は前年比10.1%増の980件に上った。商品・サービス別では、1位が「健康食品」(158件)、2位が「美容医療」(65件)、3位が「エステティックサービス」(54件)など。「健康食品」は15年度通期で130件だったが、昨年度は上半期だけでそれを上回った。

 「健康食品」の相談(158件)について、危害の程度を分析した結果、「治療1カ月以上」が2件、「治療3週間~1カ月」が6件、「治療1~2週間」が4件、「治療1週間未満」が21件などとなっている。

 また、12年度~16年度上半期までに寄せられた相談を年代別で見ると、20~40代で「美容医療」や「エステティックサービス」、50~70代で「健康食品」や「基礎化粧品」の相談が多くなる傾向がみられた。

医師の所見は「機能性表示食品による薬物性肝炎」

 都は「健康食品」の相談内容として、機能性表示食品が原因と疑われる健康被害の事例を挙げた。

 それによると、被害者の40代男性は、4カ月ほど前に友人から「目のピント調節の機能性表示食品60粒入り1袋」をプレゼントされ、2カ月前から、表示のとおり1日2粒を朝と晩に分けて摂取し続けたと説明している。1カ月半ほど前に、自宅でオレンジ色の尿が出たため、既往症の尿管結石の再発を疑って医療機関で検査したが、結石ではなかったという。

 その3日後、男性は全にかゆみを感じて、別の医療機関でアレルギー薬の処方を受けたが、もともとアレルギーでなかったため、服用しなかった。全身のだるさとめまいが取れず、5日後に血液検査を受けたが、その翌日に医師から「肝臓検査値が異常に高いので、すぐ来院するように」と指示された。その場で「急性肝炎の疑い」と診断されたとしている。

 3日後の朝、男性はさらに別の医療機関で血液検査を受けたところ、「要入院異常値」と言われ、中核病院を紹介され、緊急入院した。担当医の所見は「当該機能性表示食品による薬物性肝炎」だった。肝疾患の症状である「黄疸、全身のかゆみ、倦怠感の改善と薬物の除去治療」の後、2週間前に退院したという。

機能性表示食品制度、安全対策の強化が優先課題に浮上

 「健康情報ニュース.com」では、これまでに機能性表示食品が原因と疑われる健康被害が(独)国民生活センターに寄せられていると報じてきたが、今回は行政による公表となった。さらに、「目のピント調節」という受理件数が多い訴求の商品によって健康被害が発生したため、消費者や業界に与えるインパクトは大きいとみられる。

 機能性表示食品制度については「2年後の見直し」が予定されている。見直しの際には、今回の事例などを踏まえ、安全性確保の対策強化が優先課題に浮上しそうだ。

安倍政権になったときに、経済政策として、機能性表示食品の規制緩和が行われた。このことをプラスに評価する記事としては、たとえばこれがある。米国で企業責任で機能表示を求めても何とかなっているのは、米国は訴訟社会で、下手な宣伝をうつと懲罰賠償で巨額の賠償金が課されるというペナルティーが抑止力となっているからではないか。懲罰賠償のない日本の司法制度のもとで企業の責任で、などとやると、チェックが甘くなって被害が発生するのはまあ大体予想できるわけで、実際その通りになっている。機能性表示食品が原因で被害発生では、逆に医療費がかさむ結果になる。規制緩和と称して消費者で人体実験されたのではたまったものではないので、早急にもっと厳しくするべきだし、それまでの間、消費者の自衛策としては、どの機能性食品にも手出ししないようにした方がよい。

いやいや意味通るでしょそれ

算数のカッコってなんでついてるの?小学校で習う「先に計算する」の意味はうそ!を読んでたら途中でえらい違和感が。

問題::1本50円の鉛筆があります。
    5本で1束になったものが、3束あります。
    鉛筆は全部でいくらになるでしょう。

解答①::50(円)× 5(本)=250(円)
     250(円)× 3(束)=750(円)
      答え 750円
    

解答②::5(本)×3(束)=15(本)
     50(円)× 15(本)= 750(円)
      答え 750円

この二つの解答はどちらも正解です。

*ただし、この解答②で15(本)×50(円)=750(円)
 という式にすると「15本が50円分ある」という考え方になって
 意味が通らないので、間違えになります。*

まずもって、()の中に単位をこう書かれてしまうと、どうも引っかかります。「1本50円の鉛筆があります。」を単位(?)付きで書くなら「50(円/本)」と書くしかないですし、「5本で1束」だと「5(本/束)」と書くしかないだろうと。

そうすると、①と②でそれぞれ単位のところを(円/本)や(本/束)に書き直せばつじつまは合います。あからさまに書くと

解答① 50(円/本)×5(本/束)=250(円/束)
    250(円/束)×3(束)=750(円)

解答② 5(本/束)×3(束)=15(本)
    50(円/本)× 15(本)= 750(円)

でもって、間違えです、って言われちゃったやつは、

解答③ 5(本/束)×3(束)=15(本)
    15(本)×50(円/本)=750(円)

だから意味も通るし間違ってもいないのではないかと。

何かこれ、最初の単位を(円)(本)(束)って書いたから、その後の日本語に引きずられて、順番変えると意味が通らないって話になっちゃってるような。

【追記】
 ツイッターで呟いたら、足し算の時に右辺と左辺で単位合わないじゃないの、という指摘が。
 じゃあ簡単な例で、「1本50円の鉛筆があります。もう1本持って来ました。合計はいくら?」を足し算で書くことを考えます。1本50円の鉛筆は「50(円/本)」と書くことにします。最初に1本あったので、50(円/本)×1(本)、次にもう1本持って来た分が50(円/本)×1(本)となります。足すと、

50(円/本)×1(本)+50(円/本)×1(本)=50(円)+50(円)=100(円)

 つまり、足すために本数を特定しないといけないわけですが、本数を特定した時点で暗黙の単位換算(次元付きの量で1倍する)をやっちゃってるんじゃないかってことです。しかし1倍は普通は書かないし、勉強する順番は足し算が先でかけ算が後で割り算はもっと後だから(円/本)などとは、かけ算までしか知らない人に書かせるわけにはいかない。そこで、このへんの単位の表記と換算を含めて曖昧な日本語で処理しようとすると、日本語文法に引っ張られて、順番変えたら意味が通らないなどという話が出てくるんじゃないかなと。

水素水を考える上で参考になる記事

産経ニュースに、水素水について考える上で参考になる記事が出たのでメモ。

日本医科大の太田成男教授の主張には明らかな誤認がある 公益財団法人食の安全・安心財団理事長・唐木英明(東大名誉教授)

 産経ニュースが報じた記事「美容、ダイエットと何かと話題の『水素水』 実はかつてブームを巻き起こした『あの水』と同じだった」(平沢裕子記者)に関し、日本医科大の太田成男教授が「正しい水素医学と水素産業の理解のために あの産經新聞の記事には、明らかな誤認がある!」と題する反論文を寄せた。この太田氏の反論文に対して、平沢記者の記事中でコメントを紹介した公益財団法人食の安全・安心財団理事長で東京大名誉教授の唐木英明氏が反論文を寄せた。詳細は以下の通り。

【日本医科大の太田成男教授の主張には明らかな誤認がある!】

公益財団法人食の安全・安心財団理事長、東京大学名誉教授 唐木英明

 産経ニュースが『健康神話を検証する・美容、ダイエットと何かと話題の「水素水」実はかつてブームを巻き起こした「あの水」と同じだった…』という記事を掲載し、健康食品として販売されている水素水をニセ科学と批判した。人気の水素水商品に警鐘を鳴らす記事であり、私はその内容に賛同し、コメントも寄せた。

 ところが、水素水の研究者である太田成男氏が「水素水は正当な科学」と主張し、「あの産經新聞の記事には、明らかな誤認がある!」と批判する意見を掲載した。しかし、この太田氏の批判は筋違いである。それは「水素水は科学か、ニセ科学か」という問いは成り立たず、「使い方でどちらにもなる」という国の規制をご存じないからである。

 最初に、水素水による治療研究については、まだ研究途上ではあるが、いくつかの病気の治療に有効である可能性が認められている。消化管内の水素水から水素がどのように血中に入り、標的細胞に達するのか、水素の作用は活性酸素消去と関係があるのかなど明らかにすべき課題は多いが、研究自体はまじめな科学であり、私自身、水素水による治療研究をニセ科学と考えたことはない。

 他方、産経ニュースが取り上げたのは、「健康食品としての水素水」である。健康食品を使うのは病人ではなく健康な成人であり、その目的は病気の治療ではなく、健康の維持・増進である。だから、健康食品の機能を表示するためには「健康な成人での臨床試験」が必要である。間違ってはいけないのは、病人を使った治療の研究を健康食品の健康維持機能の根拠にすることが認められていない点である。もし科学的根拠が得られれば、その製品は特定保健用食品(トクホ)あるいは機能性表示食品として、その健康維持機能を合法的に表示することができる。これが国による「食薬区分」の規制である。

 それでは、水素水が健康食品としての効能を示すことを示した「健康な成人での臨床試験」はあるのだろうか? 現在のところ、予備的な研究はあるものの、健康食品としての効能を示すような確実な研究結果はない。だから、トクホあるいは機能性表示食品としての水素水は存在しない。科学的根拠なしに効能があるような宣伝を行えばこれは明らかなニセ科学であるだけでなく、処罰の対象になる。これが水素水ビジネスの実態であることを伝えたのが、産経ニュースである。

 太田氏は「健康食品としての水素水」の議論に「病人の治療に有効」という主張を持ち込むという誤りを犯した。治療効果を標榜すればその健康食品は直ちに法律違反になる。これは水素水も活性水素水(電解還元水)も同じであり、医薬品と健康食品に対する規制を知っていれば、このような誤りは起こり得ない。「知らないのに知ったかぶりして、間違った情報を発信するのは科学的でない」。これらは私が太田氏から頂いた批判だが、そのまま太田氏にお返しする。

 最後に、「治療のための研究は科学」と述べたが、これはまだ発展途上にある。にもかかわらず、市販の水素水商品を素人判断で飲んでも治療効果があるといった誤解を広げる一部の水素水ビジネスは、病人が正当な治療を受ける機会を失わせる可能性もある危険な行為である。太田氏は水素産業の育成に力を注ぎたいと述べているが、このような無効有害ともいうべき水素水ビジネスの排除にも力を注ぐことを願っている。

探偵社タイムさんのクレームと大学の慣習をめぐるあれこれ

 詳しい説明はこことかここに書いたので、ざっくり昨日までの事の次第を説明します。なお、今回の話題については、私は当事者で中の人ではあるのですが、素人で専門家ではありません。どの分野で扱うべきなのかもちょっとわからないのですけど、社会学とかになるんでしょうかね。

私「SPAM来た。ぐぐった。ネット詐欺解決の探偵社タイムさんのサイトがひっかかった。事業の責任者書いてないからここも怪しく見えるよな、つかこのスパム自体が探偵業界の自作自演でね?(ブログに書く)」
1年とちょっと後
探偵社タイム「ウチは真面目にやってるのに悪徳イメージはけしからんから関連部分消せ。プロバイダ責任制限法の書類送ったわ」
私(あ、紛争前提にこのブログ置いてる鯖屋さんに私の個人情報問い合わせるつもりなのか。じゃあそのうち鯖屋さんから何か言ってくるな……)
書類「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書 宛先、天羽研究室御中」
私「えっ?」(記事書いた本人相手にプロ責法でやるの???)

 長くブログをやってて、クレームも裁判も経験しましたが、プロ責法の書面をわざわざ研究室宛にして送って来られたのは初めてのケースです。著作権表記やら書いてある内容やらメールアドレスやらを合わせれば、作っているのが私一人であることは容易に分かるし、私の実名も略歴公開しててすぐ分かるようになっています。送り主はネットの詐欺などの被害救済を行っている探偵業の方ですから、ネットを使った調査には十分慣れておられるはずです。ですから、プロが何でこんなとんちんかんな法律の理解をしているのか?というのが最初に思ったことでした。
 わけがわからないときはわけがわからないという内容を文章にして書いてしばらくするといろいろ思いつくのが常なので、違和感の内容を昨日ここに書いておきました。
 1日経って、思いついた結論は、探偵社タイムさんのイメージする「大学の研究室」というものが実態とかけ離れていた、あるいは、「大学の研究室」というものの現状を探偵社タイムさんが全くご存知なかったのではないか、ということです。
 つまり「研究室」という事業か何かの単位があって、研究室のウェブサイトはその研究室の責任者が、メンバーが自由に情報発信できるように整備している、という認識だったのではないかということです。もし探偵社タイムさんがこの認識を持っていたとすると、研究室御中、を宛先にしてプロ責法の書類を送ってきたことの説明がつきます。
 私は、大学に長く関わっていたので「教員名+研究室」という呼称がいろいろな意味で使われることに慣れてしまっていました。実のところ、「研究室」と言っても、規模も運用実態も千差万別です。研究室のメンバーを大勢抱えていて、情報発信させるためにサーバーを立てる大学教員も中には居るかもしれません。一方で、教員一人しかおらず卒業研究の学生もたまたまおらず、研究室=教員一人のみ、という場合もあります。ですから、研究室を一律にプロバイダと見なすのは無理があります。あくまでも、サイトを見て個別に判断するしかありません。このために著作権表示を研究室名ではなく私の個人名とし、ドメイン所有者も個人名にしておいたのに、探偵社タイムさんには伝わらなかったようです。
 学校教育法は、学部や学科、専攻科については規定がありますが、「研究室」については何も定められてはいません。とはいえ、大学教員の研究は属人的な色合いが強く、直接研究を一緒にする学生が固定していたり、それに伴って物品の管理をすることもあるため、研究と指導の最小ユニットを研究室と呼ぶことも慣例となっています。私たちの部屋の名札も、事務の方から「○○研究室」というのが作られて掲示されるようになっています。でも、法律で定められた組織ですらないんですね。医学部ですと、属人性を外して、第一内科教室、などと呼んだりすることが多いようですし、独法の研究所は元がお役所なだけに最初から属人性を外したユニット名を付けています。
 このあたりのことは、大学と関わった大方の人は何となく知ることになりますが、世の中に周知徹底されているかというと疑問が残ります。大学進学率を考えると、知らない人がそれなりの割合で居てもおかしくありません。でもまあ、こんなのは、ぶっちゃけ大学のローカルルールに過ぎませんから、知らなくても特に問題はありません……という認識でした。
 こんなわけで、「研究室」という呼び方が随分広く当たり前のように使われているけれども便宜上のもので慣例にすぎないということが認識されていないと、間違ってプロ責法を使おうとする人が現れる結果になる、というのは新たな発見でした。(これは私の現時点での推測です。探偵社タイムさんがわざとに間違った条文を使ったのか、著作権表示を見落としたのか、素で研究室を複数人が情報発信するユニットと捉えたのかは未確認です)
 クレーム処理の問題としては、サイトの表示も運用の実態もプロバイダではないのにプロ責法の書式にのっとった書面が来た場合にどう対応するのが法律上正しいか、ということになります。ちょっと想定外でよくわからないので、ここはプロに教わって対応しようと思います。これ、下手に返事出すと、特定電気通信役務提供者を装ったとか騙ったという、別のややこしい問題が発生しそうな予感がするんですよね……。

探偵社タイムさんからきた書類の意味がわからない

 事の発端は、およそ1年前に私宛にスパムが来たことです。スパムに書かれていた電話番号で検索した結果、ネットのトラブルを解決するという探偵業のページがひっかかりました。検索の最初の方に引っかかってきたのだと思います。探偵社タイムさんのサイトを見に行ったら、代表者の名前がありませんでした。それで、私は探偵社タイムさんも怪しいと思ってしまいました。他にもいくつか、ネットのトラブルを解決するというサイトが検索結果に出ていたので、ひょっとしてこのスパムって、探偵業者のマーケティングかしら、と思い、そのような内容のエントリーを書きました。
 そうしたら、1年以上経った一昨日、探偵社タイムさんからクレームのメールが来ました。前半に私が書いた内容(自称探偵の清田という人物が出したという設定のスパムメールを含む)が引用されています。見やすくするために改行位置を変えています。

【ご通知】

前略 探偵社タイムと申します。

弊社は貴殿に対し、以下のとおりご通知いたします。

山形大学理学部物質生命化学科天羽研究室公式ページ

(http://www.cml-office.org/v2log/2014/12/01/computer/658)

において、「2段構えの詐欺SPAM?」という表題とともに、

「こんなSPAMメールが来たわけですよ。

Subject:
=?ISO-2022-JP?B?gXmWQJNJjuiRsYKrl1yNkJLKkm2Beg==?=

From: 【法的手続き予告通知】
弊社から再三に渡り、インターネットサイト運営会社、総合コミュニティーサイトが有するインターネットサイト利用料金(サイト登録料・特典付きメールマガジン等)債権の弁済を求める通知をさせて頂いたにも関わらず未だに貴殿による、お支払もご連絡も頂いておりません。

よって、弊社としましては、提携弁護士等協力のもと『弁護士法第23条照会』による貴殿の個人情報調査等(携帯電話端末個体識別番号・身辺調査等含む)及び訴訟提起のうえ、貴殿に対する強制執行手続き(給料・銀行口座・動産・不動産の差し押さえ等含む)を開始させて頂きます。

訴訟提起においては、サイト利用規約第25条に記載のとおりの合意管轄裁判所への申し立てとなりますので、貴殿におかれましても当該裁判所への出廷を頂くことになります。

また、『刑法246条(詐欺罪)』及び『携帯電話不正利用防止法』等その他の法令に基づく告訴及び各監督官庁への申し立て等も併せて検討させて頂きます。

なお、各信用情報機関への登録もさせて頂きますので、今後、各種ローン・金銭の借入・マンション等の賃借・通信販売等の利用において制限がかかることを、予めご承知おきください。

※メールでのご返答は受け付けておりませんので携帯電話からお電話ください。

株)中村商事

お問い合わせ電話 :  0120-157-063
顧客担当・清田

東京都公安委員会
第30120801号
東京都調査業協会会員
1001号
代表取締役・中村 雄二

関連団体・社団法人
日本調査業協会
営業時間
平日

午前10時~午後7時迄
休業日
土日、祝日

 もちろん、こんなのは基本ゴミ箱行きで放置でいいわけですが、ちょっと気になってフリーダイヤルでぐぐってみました。

 そうすると、探偵社タイムというサイトがひっかかります。このサイトでは、上記メールが迷惑mail 、架空メールとして取り上げられています。でもって、最後の方で「ご不安な点や気がかりな点がございましたら『ネットのトラブル駆け込み寺』探偵社タイムまでお気軽にご相談ください!ご相談は完全無料です♪」と、相談窓口に誘導しているのですが、この探偵社、会社概要を見ても代表者の名前が無いんですね。はっきり言って怪しいです。

 上記スパムって、そのままひっかって相談すると自称清田とやらに金を脅し取られ、ちょっと怖くなった人がぐぐって探偵社タイムにたどりつくと相談料名目でやっぱり金をとられるという展開が予想されるわけですよ。

 最初のスパムは、新手の探偵社の顧客獲得・誘導のための広告なんですかね。」

という引用とともに弊社の名称を掲載し、あたかも弊社が悪質で詐欺行為を働いているかのような表示をしております。
しかし、現在に至るまで、弊社の全事業及び商業取引又は、弊社代表以下、従業員の行為が、詐欺等の刑事上または民事上の責任に問われたことは一切ございません。山形大学理学部物質生命化学科天羽研究室公式ページにての上記記載は、全く根拠が無く弊社の業務を不当に妨害し、かつ、弊社の名誉を棄損するものであり、現に山形大学理学部物質生命化学科天羽研究室公式ページ様運営の上記記載により、弊社の業務が妨害され、弊社に甚大な損害が生じております。
弊社としては、貴殿の弊社に対する、これらの不当な業務妨害及び名誉棄損行為を、看過することは出来ません。 弊社は、貴殿に対し、本件サイトの弊社に係る上記記載を直ちに削除するように強く要求いたします。
貴殿が直ちにこれに応じない場合は、やむを得ず損害賠償請求訴訟提起等の法的措置を取らせていただく可能性もございますので、予めご承知おきください。

プロバイダー責任制限法に基づいた、削除に必要な書類の準備もすでに整っており、本メール送信と共に、配達証明郵便にて郵送させていただいておりますので、貴殿の迅速な対応を希望いたします。
〒176‐0023 東京練馬区中村北1‐13‐13

OHD練馬ビル302号室

探偵社タイム代表  原田 将吾

03‐3577‐9155

tantei-thyme@outlook.com

 配達記録で書類を送った、というので、届くのを待っていました。ネットのトラブル解決を業務としている探偵社から来る書類なので、いろいろと期待していたのですが、届いた書類を見てちょっと混乱しています。検討のために、書類全文をscanしたものを掲載します。氏名と住所もそのままですが、書かれているのは探偵社の住所と代表の名前であって、これは事業者情報ですのでプライバシーとして保護する必要は無いと考え、伏せ字にはしておりません。

探偵社タイムさんからいただいた書類

 なお、このクレームを受けて、元のエントリーは大幅に追記と修正を行っていますが削除はしておりません。探偵社タイムさんがおっしゃるような、悪徳な詐欺商法と結びつきそうな印象のものでは無くなったとは思います。ネット詐欺の被害救済をしていただける探偵社さんに濡れ衣を着せるのは本意ではありません。

 それはそれとして、書類を見ているうちに、別の疑問がわいてきましたので、まとめてみました。

●そもそもプロバイダ責任制限法を使う場面ではない
 施行されて時間が経ち、運用もこなれているプロバイダ責任制限法ですが、今回の探偵社タイムさんの使い方が理解できません。確かに、書式は整っていますが、果たしてこの法律を使う場面なのか?というのが、考えてもわからないんです。
 プロバイダ責任制限法の図解はここにあります。つまり当事者間で解決しようとしても、削除の要求に応じず発信者が誰だかわからないという場合に、被害者救済の道をつけ、かつ、プロバイダの対応を促すと同時にプロバイダが免責される場合を定めよう、というのがこの法律の目的です。実際にそのように運用もされています。
 私は、連絡先から簡単に本人が特定できる状態でブログ等をやっております。問題となった内容も、私が書いたことはほぼ明らかです。プロバイダ責任制限法を持ち出さなくても、直接、民法の不法行為の責任を問うという話をすれば済みます。実際、書類はちゃんと郵便で届きました(訴状の送り先もはっきりしていますね!)。本人特定のためにあれこれする必要はほとんどありません。それなのに、ネットのトラブル解決のプロを名乗ってる探偵社さんですが、今回のような場合に使う根拠条文を間違えているのではないでしょうか。私には、法律的には見当外れのことをしているように見えます。

●プロバイダ責任制限法あるいは著作権表示の理解が謎
 プロバイダ責任制限法の逐条解説を見ると、対称は「特定電気通信役務提供者」となっています。「ウェブホスティングを行う者や電子掲示板の管理者など、特定電気通信の用に供される電気通信設備を用いて他人の通信を媒介している者等である。第2条において定義される。」とあります。第2条には「三  特定電気通信役務提供者 特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他特定電気通信設備を他人の通信の用に供する者をいう。」とあります。
 「他人の通信の用」ですから、私が作っているサイトのうち、ブログのコメント欄と掲示板については、私以外の他人が書き込んだ内容が公開されるため、私も「特定電気通信役務提供者」となり得ます。しかし、今回問題となったエントリーは私自身が書いたものです。本人が書いた部分の責任を追及するのに、「特定電気通信役務提供者」として扱うというのは法律の適用範囲からは外れている、というのが私の理解です。
 送って来た書類を見ますと、「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」の書式は確かに様式通りですが、宛先が「理学部物質生命科学科天羽研究室 御中」となっています。問題の記事の内容を特定するのに「天羽研究室公式ページ内の記事」とあります。公式ページと書いてありますが、著者は私一人で、トップページの下の方の著作権表示を個人名のみにすることで示してあります。
 個人と知った上で書類を送ってきたのならプロバイダ責任制限法を理解していないということになりそうですし、個人名表記になっていることをよく確認せずに「研究室」という字面だけ見て書類を送ってきたのだとしたら、責任追及の相手の絞り込みが甘いということになりそうです。ブログの方は記事を書いた名前として「by apj」で、探偵タイムさんがメールを送ってこられたアドレスもapj@……で、ブログが置いてあるサイトの著作権者に私の名前、なので、同一性についてはほぼ間違えない状況だろうとは思うのですが……。

●探偵社タイムさんの名誉毀損の指摘が荒っぽすぎる
 送ってきた書類によると、私を訴えたい理由は「…という引用とともに弊社の名称を掲載し、あたかも弊社が悪質で詐欺行為を働いているかのような表示をしております」なんですが、事実摘示はどこなんでしょうか。私はきちんと「会社概要を見ても代表者の名前が無いんですね。はっきり言って怪しいです」と書いてます。また「最初のスパムは、新手の探偵社の顧客獲得・誘導のための広告なんですかね。」と、「悪質で詐欺行為」ではなく「マーケティング」だとわかるように書いています。
 この記載のうち、会社概要を見ても代表者の名前がない、というのは事実でして、メールでクレームが来た一昨日の時点で確認したのですが、やはり代表者の名前が無いままでした。これを指摘したことが名誉毀損にはならさそうです。社会通念上、事業者の代表者の名前が当該事業者のサイトの会社案内を普通に探して見当たらないなら、その事業者が不審がられるのはむしろ当然ではないかと思います。
 次の「最初のスパムは、新手の探偵社の顧客獲得・誘導のための広告なんですかね。」は、どう争うかですが、私としてはそういう疑いを持ったという意見論評であり、エントリ—を書いた頃には、探偵による詐欺被害救済にトラブルが多いことが広く知れ渡っていたわけですから、そういう意見を持つに至っても別に不思議はないと思います。
 でもって、探偵社タイムさんの要求をみると「本件サイトの弊社に係る上記記載を直ちに削除する」なんですね。こういう要求をする場合に「上記記載」では文言の特定が不十分と考えます。たとえばこれが「弊社名称」であるとか、どこからどこまでの部分、と特定されていればやるべき作業は決まりますが、「上記記載」の引用部分が私の書いた元のエントリー全部に及んでいますので、この指示では曖昧さが残ります。実際に訴訟をやるときは、曖昧さが残らないように文言の特定から入ったりしますので、削除要求の出し方としては不十分ではないでしょうか。

●怪しむことになった原因はそのままだった
 私が探偵社タイムさんを疑った理由は、ネット検索して出たウェブサイトに、代表者の氏名が無かったからです。元の記事にも明記してあります。他の怪しいネット詐欺救済サイトも代表者名が無いものが多いので、区別ができませんでした。しかし、探偵社タイムさんは、私にクレームのメールを送っておいて、怪しさを醸し出す原因となった「代表者の氏名を会社概要に書かない」という部分はそのままでした。クレームを送る時には私の文章は読んだはずで、私がなぜ疑ったかの理由も知っているはずなのに。

●果たしてネットのトラブルは解決するのか?
 正直に申しまして、探偵社タイムさんの書類を拝見した限り、ここに依頼してもネットのトラブルは解決しないか、むしろ拡大するのではないかという印象を持つに至りました。
 最初の理由は、プロバイダ責任制限法ではなく、民事の不法行為の責任を私に対して直接求めれば良い場面なのに、なぜかプロバイダ責任制限法の削除要求の書式が送られてきたことによります。使う条文を間違えているのではないかと思われるため、ネットに関連した法律の理解の程度について疑問を抱きました。また、「研究室」と書いてあったがために「研究室のメンバー数人が自由に編集しているサイト」だと思ったのだとしたら、ネットのトラブル解決を謳っている事業者の作る書類にしては、著作権表示の確認が甘いんじゃないかと思いました。このあたりから、少々不安を感じました。
 2番目の理由。最初に探偵社タイムさんを疑ったのは私が軽率だったのでお詫びしますが、そうなった原因の半分くらいは、会社概要に代表者の氏名を書かずに勧誘していた、という探偵社タイムさんのご自身の行動にあると思います。ですから、今回は、まずは会社概要に代表者名を書いた上で、代表者名も記載しており他の怪しいサイトとは違うので社名を削除してほしい、とだけ私に連絡くだされば、それで済んだ話です。ところが、来たのは威圧的な文章、宛先が謎な書式の書類のセットでした。疑問を持てば調べたくなります。そんなわけで、トラブル解決云々以前に、裁判所に行くことも踏まえた対応をすることにしました

でもまあこのエントリーに書いたような疑問があって、私の法律の理解が正しいか自信が持てなくなったので、現在、弁護士さんに法律相談のお願いをしたところです。法律の運用や実務については、やはりプロに確認しておくべきと考えました。

 探偵社タイムさんからの要求は「…という引用とともに弊社の名称を掲載し、あたかも弊社が悪質で詐欺行為を働いているかのような表示をしております」を問題としたのであって、届いた書類を読んだ上でそれについて新たな批判と評価を公開するな、ではありませんでした。なので問題ないだろうとは思います。

記事のタイトルに違和感

朝日新聞デジタルの記事より。

福岡教育大教授が論文盗用 学生の卒論も「自分に権利」
2015年11月6日10時53分

 福岡教育大学(福岡県宗像市)は5日、教育学部の50代男性教授が執筆したスポーツに関する五つの論文に盗用があった、と発表した。処分は検討中という。

 大学側によると、告発を受けた日本学術振興会から昨年5月に連絡を受けて調査し、指摘された3論文で盗用を認定。さらに2論文で盗用を認定した。教授は参考にした論文や文献を挙げていたが、引用と自分の論考を区別せず、記述が似ていることなどから盗用と認定。このうち三つの盗用は悪質性が高いとした。

 指導した学生2人の卒業論文からの盗用も認定されたが、教授は、資料やアイデアを示したので権利は自分にある、などと説明。五つの論文について「盗用したつもりはない」と話しているという。記者会見で桜井孝俊副学長は「倫理観の欠如に尽きる。慚愧(ざんき)に堪えない」と語った。
 大学側は、教授による大学院生らへの研究指導を停止しており、担当授業についても近く判断する。

 これ、発表済みの他の研究グループの論文盗用は疑いなくアカンけど、学生の卒論から盗用、と言われたらちょっと理解しがたい面がある。
 というか、指導する側からすると、学生の卒論について「自分に権利」と言いたくなるのはもの凄くよく分かる。つか、私も4年生の卒論についてホンネを訊かれればそう答えるかも。

 普通は学生の卒論の第一稿なんて論文の体をなしてないしまったく使い物にならない。それを、赤入れまくりコメントしまくりで何回も直させて完成させる。学生の元の文章の原型なんかとどめてないのもわりと普通。こんなことをしていると章立てから文章の構成から議論の運びまで、ほぼ教員が普段やってるのと似てきちゃったりして、こうなるとこれ一体誰の文章?って思うことも普通にある。自分がこれまで知らなくて新たにわかったことを他人にきちんと伝える、という訓練を、論文というフォーマットにそってできるようにするにはさしあたりこうするしかない。自力でコメントに対応して最後まで仕上げるのも訓練のうちだし、卒業するのは学生本人だから学生の単著として出す。学生には、「4年で卒業しても、企業のどこかで仕事をしてまた移動で別のところに行く場合、記録を残せていなかったら、引き継ぎができなくてロスが生じるよね。そうしたら次から、そういう人は記録を残すのが必要な仕事にはつかせられないということになるよね。だから今きちんと訓練受けてよね」って言っている。
 研究テーマにしても、学生に自分で決めさせたら大多数の学生は卒業できない。何がテーマになるかというのは、その分野の論文をいろいろ調べて穴があるのを見つける&その穴の解決(一部だけでもいい)が1年で終わる、という判断をしないとできない。しかし大抵の学生はそこまで論文を読んで下調べはしていないし、その機会もない。分野を絞って掘り下げる経験をするのは4年生になってからで、3年生まではその分野共通の体系だったカリキュラムを学習することになっているからだ。だから、教員が1年でまとめられそうなテーマをあらかじめ計画し、実際の実験操作は学生がやるけど、やり方とか途中のトラブルシュートとか逐一教員がチェックして指示を出す。学生が自分で解決できそうならヒントをあたえて自力解決してもらう。これはある程度仕方が無い。研究室によって、使える装置に限りがあるし、これまでの研究の流れや得意技もあるので、何でもできるというわけではない。そういう限界も踏まえて研究テーマを見つけるところから勝手にやって、何をどうするかを軽く相談しただけでそれなりの形にこぎつけられる学生は、まれに見る超優秀な人だけだろう。
 つまり文章製作と中身の両方において、実態としては共著どころか9対1以上で教員の作品になってる場合すらあるのが卒業論文ということになる。この割合は、学生のアイデアとか優秀さによって変動する。学生に向かっては「あなたの仕事だよ」と言うし、外に向かってもそう言うのだけど、実際に学生が自力解決した部分もいろいろ含まれているから嘘をついてるわけではない。
 「資料やアイデアを示したので権利は自分にある」ってのを、徒弟制度だとか古いとか言ってる人も居るようだけど、実態としてこれだけの手間をかけてずっと一緒にやっているわけで、これを徒弟制度だといって否定するなら、制度としての卒研を止めてそれに伴って卒業論文を書くという訓練もやめろという話にしかならない。まあ、研究は大学院から、という考え方もあるにはあるんだけど、卒研を経験してない大学院生が入ってくるとなると、今度は大学院が大変なことになりそうではある。
 だから、この記事を見て、

数年に一人居ればいい方の希に優秀な学生だったのか(だったら発表論文の方を共著にしろよ)

あるいは、

あまりにも指導しなくて、もしかして学生が卒論代行業者とかに金払って頼んだのをぱくってクレームつけられて発覚とか?

あるいは、

学生のできが悪くてあまりにも手取り足取りしすぎて実態は教員の論文だったのを学生が勘違い?(実は卒業の方がお情けだった?)

と、穿った見方をしたくなる。

 まあ、とことん修正しても、全面書き直しでない以上、自分の文章とはいろいろ違う部分があるので、修正で到達するところまでだと使うにはちょっと……という現実もあったりだから、普通はそのまま使ったりはしないだろうけど。

2段構えの詐欺SPAM?【2016/02/16修正あり】

 こんなSPAMメールが来たわけですよ。

Subject: =?ISO-2022-JP?B?gXmWQJNJjuiRsYKrl1yNkJLKkm2Beg==?=
From: 【法的手続き予告通知】

弊社から再三に渡り、インターネットサイト運営会社、総合コミュニティーサイトが有するインターネットサイト利用料金(サイト登録料・特典付きメールマガジン等)債権の弁済を求める通知をさせて頂いたにも関わらず未だに貴殿による、お支払もご連絡も頂いておりません。
よって、弊社としましては、提携弁護士等協力のもと『弁護士法第23条照会』による貴殿の個人情報調査等(携帯電話端末個体識別番号・身辺調査等含む)及び訴訟提起のうえ、貴殿に対する強制執行手続き(給料・銀行口座・動産・不動産の差し押さえ等含む)を開始させて頂きます。
訴訟提起にお いては、サイト利用規約第25条に記載のとおりの合意管轄裁判所への申し立てとなりますので、貴殿におかれましても当該裁判所への出廷を頂くことになります。
また、『刑法246条(詐欺罪)』及び『携帯電話不正利用防止法』等その他の法令に基づく告訴及び各監督官庁への申し立て等も併せて検討させて頂きます。
なお、各信用情報機関への登録もさせて頂きますので、今後、各種ローン・金銭の借入・マンション等の賃借・通信販売等の利用において制限がかかることを、予めご承知おきください。
※メールでのご返答は受け付けておりませんので携帯電話からお電話ください。

株)中村商事
お問い合わせ電話 :  0120-157-063

顧客担当・清田

東京都公安委員会
第30120801号

東京都調査業協会会員
1001号

代表取締役・中村 雄二
関連団体・社団法人 日本調査業協会

営業時間 平日
午前10時~午後7時迄

休業日 土日、祝日

 もちろん、こんなのは基本ゴミ箱行きで放置でいいわけですが、ちょっと気になってフリーダイヤルでぐぐってみました。
 そうすると、ネットのトラブルを解決すると称する調査会社のページがいくつも引っかかりました。ところが、そういった調査会社は、相談先としてフリーダイヤルと会社の名前らしきものが書いてあるだけで、会社案内のようなページを見ても、事業者の代表者の名前が書かれていないという共通点がありました。上記のようなスパムも怪しいけれど、相談先の方も誰がやっているかわからない。名前があれば怪しくない、というわけではないけれど、そこに相談したら一体誰が最後まで責任を持ってくれるか不明では、やっぱり自称調査会社の方も同程度に怪しく見えます。調査会社が詐欺をしている、というのではなく、詐欺メールっぽいものを送るのがマーケティングの手段ではないかという意味でですが。

 これに関連して、たまたま検索で上位に出た探偵社タイムさんに言及して、探偵社タイムさんが悪徳であるかのような印象を与える結果になってしまいました。すみません。その部分は削除しました。

 さて、丸1年前のエントリーですが、少し気になったので、問題の架空請求の電話番号でもう一度検索してみました。そうしたら、「ご相談ください」のサイトがいくつもひっかかりました。グーグルの最初のページから順に記載します。

 まず、トップに出てくる電話番号検索サイトwww.jpnumber.com。ここは、電話番号の情報提供&投稿サイトで、私の所にも来た詐欺メールが投稿されています。どうも、いろんな人に「中村」なる人物(中の人は不明)が、架空請求メールをばらまいたので、受け取った人が投稿したらしいです。

 その次あたりから、お問い合わせください系のサイトがぞろぞろと出て来ます。

  • 詐欺被害.com継続的に架空請求情報を収集しているようです。相談窓口はメールとフリーダイヤルのみ。運営主体、代表者名は、トップページをざっと見ましたが見当たりませんでした。相談先は0120-375-100。
  • 架空請求速報架空請求情報を集めているブログのようです。最近の情報まであります注意喚起を目的とする、とありますが、「弊社で調査」とあるのに、法人名も代表者名も記載されていません。トップページのPR広告は、無料相談窓口として株式会社HINTESTの名前がありますが、クリックすると、会社のウェブサイトに飛ぶかわりに、FaceTimeでないと開けません、とメッセージが出ますが、アフィ広告で運営者は関係ないんですかねこれは。
  • 人生は楽しく!個人のブログのようです。私のところと同じで、メールを受け取ったのでエントリーを書いたらしい。
  • 詐欺被害相談 株式会社Yグループ2014年末で更新が止まっています。代表者名、本店所在地の記載はありません。
  • 鹿屋・大隅で情報システムやパソコンのサポートします!「株式会社エーアイエーの情報化支援部」だそうです。2014年の12月2日の、件の詐欺メールへの注意喚起で更新が止まっています。母体の株式会社エーアイエーは本店所在地も代表者名も書かれています。
  • 危機管理コンサルティングはハヤブサコンサルティングへ2014年の12月末で更新停止。ご相談の流れ、業務内容、ホームページ、などは空白ページです。本店所在地、代表者名の記載なし。無料相談は0120-941-246。
  • 株式会社Yグループ。上記のYグループの本体でしょうか。2015年の1月31日で更新停止。相談先は0120-665-695。「03-5155-3180ホームページは…こちら 」をクリックしても、空白ページが出るだけ。過去記事の数は多いけれど、本店所在地、代表者名なし。
  • 迷惑電話チェック投稿サイトらしい。

 検索2ページ目に移動。重複して出てくるのは手作業で省いてみた。

  • warmsos.blog.fc2.com/blog-entry-8033.htmlGoogle検索から「2014/11/11 – (株)中村商事 0120-157-063 市川/中村 雄二 に関するトラブルや相談が増えております。 詳細はこちら ⇒ 迷惑メール 対策 ※詳細情報や通知本文内容に関しては上記リンクをクリックの上ご確認ください。」は出るが、リンク先を見に行くと既に閉鎖されている。
  • アール相談センター。運営は「株式会社アールマーケティング」。所在は福岡。ツイッターアカウントもあって最近まで更新されているが、運営母体の本店所在地と代表者名をウェブからはたどれない。アールマーケティングで検索するとhttp://r-mktg.com/が出て、こちらには本店所在地と代表者名の記載がある。最近まで更新あり。
  • 電話番号リサーチトップに出た電話番号検索サイトの内容と大体同じものが投稿されていた。情報収集、提供のみのサイトらしい。
  • adult-click-sagi.jp/blog-entry-371.html検索結果より。「2014/11/21 – … コミュニケーションの詐欺. 詐欺被害無料相談・個人向け危機管理コンサルタントは実績ナンバーワンのウォームコミュニケーションへ! 記事一覧 · 詐欺注意喚起 TOP Page > 迷惑メール 架空請求 詐欺 > 0120157063 0120-157-063 …」既にサイトは閉鎖済み。
  • 調査法人ASグループ。連絡先住所は出ているが、本店なのか、代表者は誰かにはたどり着けず不明。相談はフリーダイヤルのみ公開。サイトは2015年7月までは更新されていた。
  • 電話帳ナビ。番号だけ出ている。誰かが番号だけ入れたか、検索で自動登録されたか?
  • ヤフー知恵袋。件のメールについて相談した人がいて、回答もついている。
  • 2ちゃんねる過去ログ。利用者が多いから誰かが書き込むわな。
  • CiberLaw個人ブログ。
  • このエントリーの元の内容。
  • Easy Come, Easy Go!個人ブログ。
  • 詐欺被害速報。詐欺被害速報事務局とある。ピックアップで興信所のPR広告が出る。運営主体との関連は書かれていないので不明。
  • ツインドライブの言いっぱなし個人ブログ。
  • AYサポート安心提供ブログ。運営母体の株式会社AYサポートの住所はあるが、本店所在地かどうかは不明、代表者不明。

 ご相談ください、系のページを見ると、代表者が書いてあることの方が少ないですし、問題の詐欺メールの情報を出したあたりで更新が止まっていたり、既に削除済みだったりするサイトもちらほら。紹介も無料ブログ利用だったりで、なんだか、件のメール(というかあの当時の迷惑メールをいくつか)をとりあげるために準備してそこで終わったかのように見えるサイトが混じっています。今残っているページだけをみても、最初のSPAMを宣伝目的にしていた自称調査会社が、当時あったのではないかという疑問がぬぐえません。

【2016/02/18追記】
 気になったので、警視庁の探偵行に関する情報を調べてみました。平成19年(2007)年に探偵業法が施行されており、ここhttp://www.keishicho.metro.tokyo.jp/tetuzuki/tantei/tantei_menu.htmに情報がまとまっています。このページの一番下に、「詐欺被害の解決・返金をうたう探偵業者について」という注意喚起がなされています。出会い系サイトなどにひっかかった人をカモにする悪質な探偵業者にご注意、という内容です。このページがいつからあるかを、Internet Archiveでたどると、2013年までさかのぼれました。
件のスパムが来たのは2014年の12月頃です。警視庁がこんな注意書きを出すということは、探偵業法の施行があったにもかかわらず、詐欺被害の回復をうたってトラブルになる業者が後を絶たなかったからでしょう(大抵、お役所の注意喚起は問題が拡がった後に行われますので)。

【2016/02/14】追記
 警視庁に電話してきいてみました。まず、探偵タイム社さんの登録番号を伝えたところ、代表者の名前と所在地がウェブサイトに書いてるものに一致しました。ただし、取扱業務が「ネットのトラブル」だけで、実際に人を追跡調査するようなことをしていないのであれば、探偵業法でいう探偵業にはあたらないので登録も不要だということでした。ネットの調査に付随して人の調査までするのであれば、その部分が探偵業になるので登録が必要になります。登録しておいた方が自由度は高そうです。

 探偵業法では、契約の時に探偵が誰であるかをはっきりさせなければなりませんが、事務所の宣伝では代表者が誰かを表示することは義務づけられていません。

私が最初のエントリーを書いた2014年頃には、詐欺被害の解決を謳う悪質探偵業者の問題は社会に広く知れ渡っていわけです。この状況で、探偵社タイムさんは、まさに、架空請求を含むネットのトラブルを解決するという内容で営業されていたわけです。つまり、もともと悪質業者と間違われやすい状況にあったということです。2016年に調べた上記の結果でも、おそらくそういった悪質業者が作ったらしいサイトの痕跡が残っている状態で、そういうサイトには、サイトの作成者や探偵業の責任者が不明という共通点があります(一応書いてあっても誰がやったかわからなかったり、営業実態がわからない状態)。こんな状態なのに、探偵社タイムさんは、他の怪しい業者と同様に、すぐに分かる会社紹介のところには責任者の名前を一切書かないまま宣伝をされていました。そして、私にクレームを送った時点でも書いてありませんでした。
 勘違いしたのは申し訳なかったですが、責任者を不明のまま宣伝して、自分から他の怪しい業者と区別がつかない紛らわしいことをなさっていたのは一体どうしてなんでしょうか。