赤外線で甘味料を見よう
高校生向け実験テーマ「赤外線で甘味料を見よう」の解説。
はじめに
ダイエットは多くの人にとって興味のある話題です。スーパーに行くと、カロリーを抑えるための人工甘味料を買うことができます。お砂糖よりも少ない量で、お砂糖と同じような甘さになるのに、カロリーはほとんどありません。見た目も白い粉で、お砂糖と変わりません。でも、人工甘味料は、お砂糖とは全く違う分子の形をしています。そのことを、赤外線を使って調べてみましょう。
物を見るとはどういうことか
赤外線で甘味料を見る、といっても、すぐにはイメージがわかないでしょう。ですから、まず、基本に戻って、物を見るとはどういうことかを考えてみることにします。
私達が目で物を見る時は、色と形を見ます。
まず、形を見る、ということについて考えてみます。
手持ちのシャープペンシルは、長さが大体10cmくらい、太さが7〜8mmくらいでしょうか。毎日の授業のたびに出して使っているので、どんな形かよく知っているはずです。これが、虫ピンの頭くらいになると、直径がおよそ1mmくらいです。これが、部屋の中に漂っている埃になるとどうでしょうか。朝起きた時にカーテンの隙間から日光が射し込んで、埃がいっぱい舞っているのを見たことがあるでしょう。埃があることはわかりますが、一つ一つの形までは目でみただけではわかりません。でも、倍率の大きな虫眼鏡や顕微鏡を使うと、どんなものが部屋の中を舞っているか知ることができます。
がんばって拡大すれば何でも見えるようになるのか、というと、そう簡単にはいきません。人間の目で見ることができるのは、特定の波長の範囲の電磁波(可視光線)だけです。細菌は、大きさがおよそ1μmから0.1μmくらいですから、顕微鏡で見ることができます。拡大するだけで人間の目で見えるので、コッホやパスツールの時代は病原体発見ラッシュでした。
しかし、インフルエンザや冬の胃腸炎の原因になるノロウイルスなどは、細菌よりずっと小さいため、電子顕微鏡でないと見えません。このため、細菌よりは発見が遅れました。
ものの形を見るためには、見たいものの大きさよりも、波長の短い波を使わなければなりません。何気なくシャープペンシルの形を見ていますが、これは、シャープペンシルの大きさが、可視光の波長に比べてずっと大きいからです。ウィルスを見るために、頑張って超高級な光学顕微鏡を作ったとしても、人間が目でみようとする限り、使える波長はそんなに短くできません。ですから、ウイルスのような小さいものを見るためには、もっと波長の短い波を使って、人間の目で見るかわりにセンサーで見るということになります。
