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活動報告など

Posted on 12月 10th, 2007 in 倉庫 by apj

 午前中に朝日新聞社の取材でインタビューを受けた。購読者専用のインターネットサイトの「科学面にようこそ」の年頭書き下ろし原稿の取材。紙媒体の方ではないので読者が少ないかもしれないが、ニセ科学やら科学一般について話をした。そんなに長い記事にはならないらしい。
 午後から絵里タンの事務所で打ち合わせ。

 岩波「科学」12月号の「心にのこる1冊」に寄稿したのが掲載された。私が学部の頃に読んだ「理工系物理学」について書いた。

と学会例会、その他

Posted on 12月 9th, 2007 in 倉庫 by apj

 と学会例会。本日の発表ネタは、JR東日本の社内販売カタログTrain Shopより、「ビューティーボイストレーナー」。器具を口に咥えて「あー、うー」と発声したり、音叉で音程をとるのを補助するというものだが、咥えた姿がどう見ても、大の大人がおしゃぶりを咥えています本当に(ry。12・1月号のカタログの32ページに出ているので、JR東を利用する人は、ぜひ見て欲しい。写真には一見の価値がある。モデルが美人のお姉さんなだけに何だかシュール。
 山形のご当地戦隊の紹介は次回ということにした。

 せっかく上京したので、と例会の前にジュンク堂に立ち寄り、「法学の基礎[第2版]」団藤重光著、「法律を読む技術・学ぶ技術」吉田利宏著、を購入。内容紹介はいずれ水商売ウォッチングin actionの方に書く予定。

またまた上京

Posted on 12月 8th, 2007 in 倉庫 by apj

 明日はと例会なので上京。最近寝不足だったので風邪ひいたのでのんびり出てきた。
 しかし月曜日は、午前中に取材が1件、午後から絵里タンの事務所で打ち合わせの予定。訴訟試料やら六法やら全部担いできたので荷物が重い。先週の土日は4年生帯同して実験だったので、月曜日についてはその分の代休を充てたのだが、職場に行かなくて良いというだけで、なんか休めないなー。別件でどたばたしていたら準備書面案がまだできてないし、明日のと例会は書面書き内職かも(汗)。

国セン相談窓口存続

Posted on 12月 7th, 2007 in 倉庫 by apj

 asahi.comより

消費者相談窓口存続へ 国民生活センター廃止案転換
2007年12月07日16時52分

 内閣府は、所管する独立行政法人「国民生活センター」について、消費者からの相談を直接受け付ける窓口を存続させる方針を固めた。独法の整理・合理化の一環として廃止を検討してきたが、消費者団体の強い反対に加え、福田首相が消費者重視を政策の基本に据えることを打ち出したことから方針を転換した。

 岸田国民生活担当相が7日午後、渡辺行革担当相との会談で伝える。その際、渡辺氏は同センターと別の2独法の消費政策部門との統合を提案する見込みで、岸田氏は内閣府の所管とすることを条件に賛成する考えだ。

 内閣府によると、直接相談窓口を残したうえで、自治体の中で消費者相談を担当する消費生活センターとの情報共有に携わる部門を強化。国から消費生活センターへの資金援助も検討する。一方、直接相談窓口の廃止とともに、消費者団体などから疑問の声があがっていた商品テストの一部外部化の方針は変えないが、委託先の研究機関との連携を強化する。

 直接相談窓口をめぐっては、内閣府の有識者検討会が9月、「全国の消費生活センターの相談業務と差異がない」として廃止を提言。消費生活センターで解決できないトラブルや専門的な相談への対処に特化する形での合理化を検討していた。

 しかし、消費者団体から「被害を見つけ出す能力が薄れる」などと批判が続出。さらに福田首相が国民生活センターを視察し、「こういう機関は国民の生活を考えた場合には大事にしなければいけない」と表明したことなどから、再検討を進めていた。

テレビや小説だけかと思ったら……

Posted on 12月 5th, 2007 in 倉庫 by apj

 Yahoo経由毎日新聞の記事より。

<収賄容疑>学位取得に便宜…名古屋経済大教授を逮捕
12月5日23時32分配信 毎日新聞

 名古屋市立大(同市瑞穂区)の大学院医学研究科教授当時、医学博士の学位取得に便宜を図った見返りに学位申請者から現金を受け取ったとして、愛知県警捜査2課などは5日、名古屋市瑞穂区春山町、名古屋経済大教授、伊藤誠容疑者(68)を収賄容疑で逮捕した。伊藤容疑者は審査の口頭試問の内容を事前に漏らした疑いがあり、県警は特別捜査本部を設置した。また謝礼が同研究科で恒常化していた可能性もあるとみて、全容解明を図る方針だ。

 調べによると、伊藤容疑者は同研究科臨床機能内科学教授だった05年3月下旬、教授室内で、同25日に授与された博士学位論文審査で有利な取り計らいをした謝礼として、審査を申請した5人から5回にわたって1人当たり20万~30万円の計百数十万円を受け取った疑い。伊藤容疑者は「現金は受け取ったが、有利な取り計らいはしていない」などと容疑を否認しているという。

 県警は贈賄側の5人については(1)容疑を認めている(2)既に医者として勤務している--などの理由から逮捕を見送り、容疑が固まり次第、贈賄容疑で書類送検する方針。県警は5日、伊藤容疑者の自宅を家宅捜索、6日には名市大を捜索する。

 名市大によると、学位取得に必要な論文などの審査は3人の教官が担当。申請分野を専攻する教授が「主査」、他の2人が「副査」を務める。「主査」は申請者を受け持つ主任教授が就任することが多く、副査は互選による。3教官が審査会を開き、申請者の口頭試問などを経て約40人の教授で構成する教授会に諮り、可否を決める。

 伊藤容疑者は02年4月から同大学院教授として勤務し、審査委員会の主査を務め05年3月に退官。名古屋経済大のホームページによると、現在は同大教授として臨床医学などを教えている。

 ◇複数の医師が「謝礼渡した」証言

 愛知県内の複数の医師が5日、毎日新聞の取材に対し「自分も学位取得の際に指導教官に謝礼を渡した」と証言、事件の背景にはこうした慣例があった疑いが強まった。また伊藤容疑者については「お金に執着がある」「親分肌」との評があり、謝礼の見返りに口頭試問の内容を漏らした疑いがあることが逮捕につながった。

 名古屋市立大で博士号を取得した医師は「学位取得の謝礼を指導教官に渡すのは一般的で、自分も数万円を持っていった。伊藤さんは見えっ張りでお金に執着がある人だったので、謝礼を拒むことはなかったのではないか」と話す。同大を80年代に卒業し、別の私大で博士号を取得した医師も「先輩から博士号を取得した後に指導教官に謝礼20万円を渡すよう教えられた。全国の医学部で定着している慣例で、礼儀として当たり前と思った」と言う。

 一方、別の医師によると、伊藤容疑者は「親分肌で酒好き」。有能な弟子を海外の大学に送って英語論文を書かせ、自分も共同執筆者に名を連ねることで力を発揮したという。この医師は「努力家の一面がある一方、逆らう人は完全に排除するタイプで、遠い病院に飛ばしたりもした。伊藤容疑者が教授になった時の教授選挙で、伊藤容疑者に反発した医師が団結して引きずり降ろそうとしたこともあった」と話した。

最終更新:12月5日23時49分

 えーと、医学部じゃ博士号取るのに謝金が……ってな噂があったけど、まさか本当だったとは。私は博士(医学)と博士(理学)の学位2つ持ちだが、どっちも謝礼なんか要求されなかったし払わなかったし、払うのが慣例だという話も無かったぞ。逆に、審査の時に委員長先生の計らいで審査委員全員と私がなぜかイチゴショートケーキをもらってしまったり(つまりケーキを食べながら学位論文審査だった)、論博の時は大学の事務に納める審査料は払ったが、無事に通ったら世話人の先生がお祝いに一食御馳走してくれた……なんか逆だぞ^^;)。

意見を出すなら今

Posted on 12月 4th, 2007 in 倉庫 by apj

 独立行政法人整理合理化計画に関するご意見募集中というページがある。
 先日、国民生活センターの規模縮小が報道された。現在、行政改革について意見募集が行われているので、ぜひ、国民生活センターを縮小せず、むしろ充実させるようにという意見を出してみてはどうだろうか。ページの一番下をクリックすると意見を提出するフォームが出る。
 関連する記事としては、yahoo経由産経新聞の記事がある。

国民生活センター 波紋呼ぶ縮小計画
12月4日8時0分配信 産経新聞

 ■偽装や詐欺多発…疑問の声も

 消費者相談の総本山、国民生活センターの縮小計画が波紋を広げている。独立行政法人の整理合理化計画の一環として、所管する内閣府が9月に提出した見直し案に、直接相談の廃止と、商品テストの大幅な外部化を盛りこんだためだ。政府は年内の閣議決定を目指しているが、国民生活に直接かかわる組織だけに、消費者団体や弁護士会をはじめ、自民党からも「縮小反対」の声が上がっている。(村島有紀)

 国民生活センターには相談調査部、商品テスト部、教育研修部など7部4課5室1館があり、114人の職員が約35億円の年間予算で、全国の消費生活センターが受け付ける年間約110万件の消費生活相談をネットワーク(PIO-NET)を通じて収集し、消費生活データベースとして公開するほか、実際に商品の欠陥の有無を調べるなどしている。

 昭和45年に特殊法人として発足し、平成15年に独立行政法人に。職員の待遇は国家公務員に準じ、平均給与は42・9歳で825万円。4人の理事のうち、国民生活センターからの生え抜きは1人だけで、理事長を含めて2人は内閣府などからの天下り組だ。

 センターを所管する内閣府は、死亡・重篤事故の情報からヒヤリハット情報まで幅広い情報を入力できる「事故情報データバンク」の構築、消費者紛争発生時の円滑な解決のために裁判外紛争解決(ADR)機関の整備という業務拡大案とともに、直接相談の廃止、商品テスト内容の大幅な外部委託という縮小案を含んだ整理合理化計画を行政改革相に提出。行政改革本部は現在、インターネット(www.gyoukaku.go.jp/pub/ikenbosyu)で意見を募集している。

                   ◇

 これに対し、食品の偽装表示や耐震偽装、子供の生命・安全を脅かす商品、高齢者をねらった詐欺的商法が広域化・多角化し、生活の安全に関心が高まるなかで、国民生活センターを独立行政法人のひとつとして一律に縮小対象にしていいものかという疑問がある。

 実際、地方自治体は財政難で消費者行政を縮小し、商品テストを行える自治体が少なくなっている。国民生活センターでは、商品テスト部21人で、月に1度の問題提起型テスト、年間約50件の原因究明テストを行っているが、年間100件ある地方自治体などからのテスト要望には半分しか応じきれていないのが現状だ。

 また直接相談については、5人が年約4000件を担当しているが、国民生活センターの田口義明理事は「直接相談は現場で何が起こっているかを知るアンテナの役割。大学の医学部が大学病院をもって研究にあたるようなものです」と必要性を強調する。

                   ◇

 行革の視点からは既定路線とみられていた業務縮小だが、福田康夫首相が国会で10月1日、「悪徳商法の根絶」と「消費者保護のための行政機能の強化に取り組む」と所信表明したことから風向きが変わってきた。

 日本弁護士連合会は10月末、「国民生活センターの機能・権限の強化を求める意見書」を公表。「現時点でも、限られた予算と人員のなかで、果たすべき役割を十分になっていない」として、消費者庁の設立の必要性にふれつつ、当面の国民生活センターの機能拡大を求めた。また、日本生協連なども「他の独立行政法人と一律の整理合理化をすべきではない」とする意見を行革本部に送付した。

 自民党も11月30日、政務調査会に消費者問題調査会(会長・野田聖子衆院議員)を設置。各省庁がそれぞれ行っている安全対策の窓口をひとつに集約するワンストップサービスの必要性を指摘し、「国民生活センターの機能を今以上に伸ばしていきたい」(同調査会事務局長の後藤田正純衆院議員)と、働きかけを行うという。

走り回った1日

Posted on 12月 3rd, 2007 in 倉庫 by apj

 先週金曜日から、4年生を連れて実験のため出かけている。実験は明日火曜日まで。4年生が順調に実験を続けているので、その隙に、栃木のホンダ技術研究所まで実験装置を見に行ってきた。いや~いつ行ってもホンダはでかいわ^^;)。宇都宮なので、日帰りでささっと往復して、戻ってきてまた実験の続きをやっている。
 初日にレーザーが弱くなってしまったので、別のに交換して無事に測定続行。

 ホンダに行く度に思うのだけど、研究委託の機会を頂いたことを嬉しく思う。私が打ち合わせで見る場所はごく僅か、ホンの表面に過ぎないのだけど、設備やそこで働く人を見ると、日本の優良な企業の凄さ、確かさを感じることができる。私は、大学に就職するまで企業をほとんど回っていないし、会社勤めの経験もない。それでも、学生をきちんと社会に送り出さなければいけない。学生は頼ってはくれるのだけれど、エントリーシートの書き方なんか、大学の先生が一番苦手、というか経験してないことだと思うし(いや、得意な先生もいるかもしれないが私は苦手だ)、会社がどういう目で人を見るかといったことは、最も関心から遠いことになってしまう。これではいけない。だから、研究費をもらえた上に、会社を見ながら教える側はどうすればいいかを考える機会を与えてもらい、学生にアドバイスするヒントをもらえたりもするのは、ありがたいことである。なかなか結論は出ないのだけれど。

安易な名義貸しはダメという例か

Posted on 11月 30th, 2007 in 倉庫 by apj

 Yahooニュース経由毎日新聞の記事より。大事なところを赤字にしてみた。

<健康食品>欠陥性認定、医学博士らに賠償命令 名古屋地裁
11月30日14時22分配信 毎日新聞

 安全性が確保されていない東南アジア原産の植物「アマメシバ」を原材料とする健康食品を販売したなどとして、名古屋市内の70代の女性と50代の娘が製造元の「アダプトゲン製薬」(岐阜県多治見市)などを相手取り、製造物責任(PL)法などに基づき計約1億886万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、名古屋地裁であった。内田計一裁判長は「通常有すべき安全性を欠いていた」と欠陥性を認定し、同社や健康雑誌で効能のみを強調した医学博士らに計約7620万円の支払いを命じた。

 訴状によると、2人はアマメシバを特集した雑誌「健康」の01年9月号を見て粉末の健康食品「久司道夫のあまめしば」を購入。同年12月まで摂取し、娘は02年4月、女性は同7月、閉そく性細気管支炎と診断された。

 アマメシバの健康食品をめぐっては94年~00年、台湾で女性数百人が閉そく性細気管支炎を発症、10人前後が死亡しており、原告側は「危険性を予見できたのに欠陥商品を販売した」と主張していた。

 判決は、製造過程などから販売会社も「製造業者」と認定し、製造元と同じPL法の責任を認めた。医学博士についても「台湾での症例が医学誌などに掲載され、危険性を予見できたのに有効な調査も雑誌での警告もしなかった」と民法上の不法行為を認めたが、雑誌発行元の出版社「主婦の友社」(東京都)については「出版社に結果の予見可能性はなかった」と責任を退けた。

 原告代理人の弁護士は「健康食品にPL法が適用された判決は初めてではないか。画期的だ」と話している。厚生労働省は03年9月、アマメシバの健康食品販売を禁止した。【岡崎大輔】

アダプトゲン製薬の話 判決内容を吟味して対応を決めたい。

最終更新:11月30日14時22分

 安易に名前を貸したりして、権威を利用して一般の人に怪しい健康食品を勧めたりすると、被害発生時にはご用聞き学者も責任を問われる、というなかなかよろしい判決。こういう判決がどんどん出るようになれば、むやみにインチキ健食の宣伝に荷担するなんちゃって学者が減るかもしれない。

演示実験ではわからない

Posted on 11月 29th, 2007 in 倉庫 by apj

 直前のエントリ知識の絶対量も問題ではで、「考えるといっても、それには経験が必要では。知識が少ない状態で考えても、トンデモに突っ込んで玉砕するだけのような気がするが……。」と簡単にコメントした。これについて、亀@渋研Xさんのところや、酔うぞさんのところでいろいろコメントが出ている。私がコメントを書いた時は、報道中の「考える力が身に付いていない」という論評について、考える力がないのではなく考える基礎になる知識や経験がない可能性もあるだろう、そもそも知識や経験が少なすぎて身動きが取れないという可能性を除外すべきでもないよなぁ、と思い、でも昨日はいろいろ忙しかったので、簡単なコメントにしてしまった。今日は少し考えてみる。

 もともと、小中学校でやる「実験」は、既にわかっている自然現象を見せるための演示実験で、未知のことがらを確定させるための方法論はほとんど学ばない。教科書で先に正しい知識を学び、それが本当であることを確認しましょう、という形で実験が示され、やってみて、確かに教科書に書かれていることを裏付ける結果をだして終わる。結果が教科書通りにならないと、実験を失敗したという結論になるだけである。実験セットも最初から決まっているから、失敗はめったに起きないし(初心者でも大抵が成功するように演示実験は作られている)、考察する余地も少ない。「予想してから実験しましょう。実験が終わったら考察しましょう」とあるが、予想は教科書に出ているし、考察は「教科書通りでした」で終わってしまう。優秀な理科の先生にかかれば、意外な結果になる実験をしたり、深い考察にまで生徒を導けるかもしれないが、そういう先生が多いとは思えない。
 さらに、その演示実験は試験の材料になる。試験対策としては、その演示実験でありがちな間違いを覚えておけば良いということになる。
 こんなことをしているものだから、大学では、学生実験で教科書通りの結果が出ないと「自然現象が間違っています」と平気で言う学生が出てきたりする。

 本来は、これまでの知識の積み重ねがあり、一方に分からないことがあって、手持ちの知識を使ってわからないことをわかるようにするにはどうするか、ということからやるべき実験を決める。その後、試行錯誤することになるのだが、実験での試行錯誤の仕方を実際に学ぶのは、大抵の場合、理系の大学に入って卒業研究をする頃になる。なお、大学の学生実験では、教科書通りにやったってそんなにキレイなデータは出ないんだということや、ちょっと操作が複雑になると人間のミスは無視できない要素だ、ということを体験し、レポートの書き方を学ぶ。レポートのどんな目的でどういう実験をしたかという部分は、最初から決まっているので、テキストの丸写しになったりする。
 実験の結果を考察するというのは、実は結構大変で、実験のデザインが悪いと結果が出ても考察のしようがなかったりする。実験のデザインを決めるには、蓄積された知識が必要である。

 演示実験では、知らないことをどうやって確定させるかということはやらない。そもそもそういう目的のものではない。その代わり、既にわかっていることをどうやって確かめるかということをやる。「観察や実験が好き」「どちらかと言えば好き」の「実験」とは、演示実験のことだろう。演示実験を科学の実験だと思ってトレーニングを続ければ、「考えが正しいか調べるため、観察や実験の方法を自分で考える」「予想と異なった時に原因を調べようとする」余地が少ないことを経験で学ぶから、中学生の方がそのように考えないのはある意味当たり前である。「やってみた」「こうなりました」で終わってしまう。演示実験は、わかりやすい分、そこから考察をたくさんするというのは難しいのではないか。

 思考力が先か知識が先かという問いは無意味で、両方必要だということについては、渋研Xさんの意見に同じである。

弁護士会の判断は適切

Posted on 11月 28th, 2007 in 倉庫 by apj

 以前にも取り上げた光市事件弁護団に対する懲戒請求事件について。東京弁護士会が懲戒せずという議決をした。毎日jpの記事より。重要なところは赤字にしてみた。

光母子殺害:弁護士は懲戒せず 東京弁護士会が議決

 山口県光市で99年に起きた母子殺害事件差し戻し控訴審の弁護団(約20人)の弁護士に対して、全国で懲戒請求が相次いだ問題で、東京弁護士会が「正当な刑事弁護活動の範囲内で、懲戒しない」と議決していたことが分かった。 

 同弁護士会が所属弁護士1人について調査した結果をまとめた22日付の議決書によると、この弁護士は「広島高裁の公判で非常識な主張をし、被害者の尊厳を傷つけた」などとして懲戒請求されていた。これに対し弁護士会は「社会全体から指弾されている被告であっても、被告の弁明を受け止めて法的主張をするのは正当な弁護活動。仮に関係者の感情が傷つけられても正当性は変わらない」と退けた。

 懲戒請求を受けていた弁護士は「当然の結論だが、早く議決していただいた弁護士会には感謝したい」と話している。

 懲戒請求は、弁護士が所属する弁護士会に対して誰でもできる仕組み。光市事件弁護団への懲戒請求は、タレント活動で有名な橋下(はしもと)徹弁護士=大阪弁護士会所属=がテレビ番組で呼びかけたことをきっかけに爆発的に増えた。

 日弁連のまとめでは東京や広島など各地の弁護士会で計約7500件に達しているが、これまでに弁護士会が結論を出した十数件はいずれも「懲戒しない」と議決している。【高倉友彰】

 刑事弁護では、弁護士は被告の主張に沿って弁護しなければならないので、その結果として主張の内容がトンデモなものになることもある。しかし、それは、刑事弁護の制度から見た場合、正当な弁護活動である。被告人の主張を無視しての刑事弁護など有り得ない。
 弁護士の非行を弁護士が判断するのは、お手盛りの判断になるんじゃないかと考える人もいると思うので、非法曹の立場から発言しておく。今回の東京弁護士会の結論は妥当である。
 被告の主張に沿った弁護をするという制約があることは、もっと世間一般に広く知らせた方がよい。ワイドショー感覚で、刑事弁護のシステムを叩く方が間違っている。また、刑事弁護の制度の意味を無視し、誤解を招くような内容の番組を作るマスコミの社会的責任も、忘れないようにしたい。
 プロである橋下弁護士の発言に煽られ、弁護士懲戒制度の意味を知らずに手続きをしてしまった人は、早いうちに詫びを入れて取り下げた方がよい。このまま懲戒請求を維持し続けても、提訴されるリスクが高まるだけである。全てのリスクを自分で背負って維持するというのなら止めないが、理由が感情的なものだけであるなら、もう一度考え直した方がよい。
 弁護士懲戒制度は、民事訴訟以上刑事告訴未満の法的手続きと考えるべきである。民事でも濫訴すれば不法行為となるし、理由のない告訴をすれば虚偽告訴の罪が問われることになる。
 問題解決の方法として、法の道を選ぶなら、ワイドショー感覚で感情のままに実行してははダメである。