帰れるのか、今日は……
昨日は永井豪ファンクラブの忘年会で都内某所に集っていた。
今日の夕方の新幹線で山形に戻る予定にしていたのだが、ニュースによると、
山形新幹線、大雪で運転見合わせ
2008.12.28 11:21
28日午前8時半ごろ、JR奥羽線の山形県内の関根-大沢間で大雪による除雪が必要となり、同区間の線路を共用している福島-米沢間の山形新幹線と、奥羽線が運転を見合わせた。除雪作業は昼ごろまでかかり、運転再開は午後になる見込み。
JR東日本によると、午前10時現在、山形新幹線の上下1本ずつが福島-米沢間の途中駅で停車。2本は帰省客らで普段より込み合っており、バスでの代替輸送などを検討している。始発の普通列車も停車して乗客約20人をタクシーで振り替え輸送したという。
あちゃー。夕方までに復旧するのかしら。指定券は既にとってあるのだけど……。こりゃ仙台回りで帰るしかなくなるかな。早めに駅に行って様子を見ておかないと。
【追記】
山形新幹線、大体動いてるようで、定刻通りに出発できた。もっと混むかと思ったが、結構空席があった。山形駅に着いたら、強風のために奥羽本線が一部運休になったという案内が出ていた。
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SDK入手先
iPod touchとiPhoneのSDKの入手先→http://developer.apple.com/iphone/index.action。デベロッパー登録が必要だけど、Igor XOPを書かなきゃならないので、既に登録してXCodeを使っているから、IDとパスワードを入れるとそのままダウンロードページにいく。
PhoneViewでメモ帳同期
iPod touchのメモ帳の件。
PhoneViewというソフトを使えば、Mac側からメモ帳を編集してiPod touchのメモ帳に反映させることもできるし、逆もできる。
カレンダーとアドレスとアプリの同期はiTunesで、メモ帳だけPhoneViewでやるという、何だか2度手間なことになっているが、一応これで何とかPDAとして使える。PhoneViewが、Mac側のメモ帳をどこに保存しているかわからないのだが、Mac側でのバックアップは、適当なフォルダを指定して、メモリストを選んでCopy from iPhoneを選ぶと、rft形式で個別に書き出してくれる。
逆に、作ったファイルをメモとして突っ込むこともできるらしいが、まだ試していない。iPodをHDDとしてマウントした時に普通に見えるディレクトリは、PhoneViewでも見えている。PhoneViewを使うと音楽とか画像とかを直接入れることもできる。
iPod touch 2Gのjailbreakはまだ成功していないしツールも出ていないらしい。YouTubeには成功したという画像が上がっているが、fakeだというツッコミも入っていて、よくわからない。jailbreakすると、PhoneViewからiPod側の他のディレクトリも見えるようになるらしい。/Applicationsあたりが見えれば、PhoneViewで見ながらアプリ入れ放題になるんじゃないかとちょっと期待。
ToDoや、他のメモ帳などを入れて試したが、個別のアプリは、普通にマウントしたのでは見えないディレクトリにデータを持っているらしく、入力したものをPhoneViewでMac側に持ってくるというのはできないらしい。やっぱりjailbreak待ちか……。せめて、アプリが持つデータを、jailbreakしなくても見える場所に置く、という形にしてほしいが、そうすると情報漏洩とか流出に対するハードルが下がるんだろうなぁ……。
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iPod touch 2G
PDAとしてPalm(CLIE)を使っていたのだけど、電池の持ちは悪くなってきたし、どうもこの先ハードも出なさそうだし、ということで、iPod touchを買ってPDA代わりに使うことを考えた。
カレンダーと住所録は問題無く同期できたのだが、問題はメモ帳。Missing SyncはiPod側からMark Space Memoへの一方向の転送しかできない。iTunes Storeでいろいろ探したが、Wi Fi接続してネットワーク越しでないと同期できないものばかりである。データをまとめて抜こうとすると、第二世代iPod touchのjail breakをするしかないが、使いやすそうなツールは対応していないし……。USBでつないでいるのにsyncするのがネットワーク越しだというのがどうにも納得できない。
無料ソフトの電卓プログラム(HP15Cが動くやつ)を入れようとしても、iTunes Store経由意外のものは拒否される。これを入れるためにも、iTunesと関係無しにアプリケーションを突っ込むことを考えるしかない。iPod touchの中身はBSDらしいので、普通に外部ディスクとしてマウントして/以下が見えて、ファイル転送できれば、同期ソフトが無くても問題はとりあえず解決するはず。
何かいい方法は無いものか。
2月頃に巻き込まれていたストーカー(?)事件
そろそろほとぼりも冷めたので、類似のことに巻き込まれそうな方のために書いておく。
実は、今年の2月頃から、わけのわからないネットストーカー事件(?)に3ヶ月ばかり巻き込まれていた。
始まりは、blogを見た人からのメールだった。釣書めいたものが書かれていて「結婚してください」という内容だった。送った人の実名や親の名前も書いてあった。もちろん、全く見ず知らずの他人からである。過去に会った覚えもない。何かのいたずらだろうと思って放置していたら、次に、「これを勉強しています」という内容で、「婚姻届の書き方」のURLが記載されたメールが来た。しつこいなあと思っていたら、次が「現金書留でお金を送りました」。私の住居の住所がバレている様子は無いから、来るとしたら勤務先になる。書留は一旦事務に届くので、事務が知らずに受け取ってしまったららまずい。慌てて事務に行って、状況を話して現金書留の受け取り拒否を依頼した。書留は本当にやってきたが、うまく拒否して、送り主に差し戻すことができた。
その後、次々とメールで「山形に行きたい」「宿を予約した」「研究室訪問したい」……っておいこらちょっと待てーっ!!!(汗)。
この段階では、相手の行動力の程度がわからず、下手すると勝手に入籍されかねないし、住居襲撃もあり得ると判断。
そこで、慌てて市役所に行って、
・住民票の閲覧制限の申立て
・戸籍の不受理申出
を行った。戸籍の方は、6ヶ月経つと申し出の効力が無くなるので、問題が継続している間は、期間が過ぎる前に再度申し出をしておく必要がある。【追記あり】
裁判所の記録からも住所が割れる可能性があったため、
・訴訟記録閲覧制限申立書
をこさえて裁判所に提出。こちらは、山形の分は自分で申立書を書いた。この申し立ての場合、立証は疎明で足りるので、疎甲第○号証、などと、受け取ったメールに番号を振って、住所や電話番号を特定されるとかなりややこしいことになりそうです、と裁判所に説明する内容を書いた。東京と神戸の分は、絵里タンに追加仕事をお願いした。
当時は、本人訴訟の最中で、準備書面の締め切り間際で明け方までかかっている時に、追加書類2通製作(既に判決が出たのと係争中の分と2つ必要だった)で、このくそ忙しい時に何でこんなことが重なるのかとうんざりした。
その後、山形に来るのに失敗しらたしかったり、親がそれなりに有名な人だったので師匠経由で連絡してもらって本人を特定して状況もわかったり、ということになった。メールは相変わらず毎日来ていたが、相手がやっていることを私に報告してくる数行のメールが来るので、ストーカーというよりは逆ストーカーというべきか……。結局、メールが溜まった段階で相手の親にメールの印刷物を送った。それをきっかけにして、騒動が終わった。
ネットだと、距離やら通常の人間関係を越えておかしなことが起きる場合がある。
結婚したい系の妄想を持ってやってくる相手への対処として、上の赤で示した「住民票の閲覧制限の申立て」「戸籍の不受理申出」の手続きをするということは、知っておいた方がよい。知らないうちに入籍というケースなら、まあ離婚は可能だけど、その場合でも記録は残ったままになるから、バツイチになってしまう。こんなアホな理由でバツイチになるなんて、普通はまっぴらだろう。両方とも、居住地の市役所に行けばできる。戸籍の方は、現状を説明して、放っておくとストーカーの被害に遭いそうだという説明でやってもらえた。
3番目の「訴訟記録閲覧制限申立書の提出」は、訴訟をしたことがある人・している人以外には関係がない。ただ、住民票や戸籍をガードしても、訴訟記録は忘れがちになりそうなので(訴状や判決には住所が書いてある)、一応注意を喚起しておく。特に、事件番号をネットに出しているような場合は、容易にたどり着かれてしまう可能性がある。訴訟は原則として公開される手続きなので、制限する部分はできるだけ少ない方が良い、という方針で制度が運用されている。住所と電話番号部分のみの閲覧制限ということなら割と簡単に受け付けてもらえる。ネット上のプライバシー侵害を理由に訴訟するときにも、訴えと同時に出しておくと、二次被害を防ぐことができるかもしれない。
【追記】
平成20年5月1日付けの戸籍法改正により、戸籍の不受理申出の有効期限が無くなった。本人が確認資料とともに戸籍の届出をするか不受理取下げをするまでの間、効力が継続する。なお、ちょいとサーチしてみたところ(2008/12/25現在)地方公共団体のウェブサイトの案内には、この変更を反映させた記述があるものと、改正前の6ヶ月の有効期限がある記述をしているものの両方があった。
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新たなステージに到達したというか……
<浄水器設置詐欺>容疑の業者逮捕 5府県100件被害か 浄水器設置装う 実際は万力取り付け…
12月16日14時45分配信 毎日新聞浄水器設置を装い、高齢者から現金を詐取したとして、大阪府警松原署は15日、東大阪市の訪問販売会社「ソーシャル コネクト」代表取締役、佐藤琢磨被告(36)=住所不定、別の詐欺罪などで起訴=を詐欺容疑で再逮捕した。今年3月から9月にかけて、大阪、兵庫、和歌山、奈良、三重の5府県で約100件の余罪(被害総額計約1900万円)があるとみて追及する。
調べでは、佐藤容疑者は3月9日、大阪市阿倍野区の70代女性宅を訪れ、「大阪の水は汚れているので検査する」「水がきれいになる」などと浄水器の設置を装い、現金39万9000円を詐取した疑い。実際は、万力を取り付けただけだった。【田辺一城】
これまでのニセ科学系水商売は、水が汚れているとかこの浄水器は○○の効果が、といった「説明が怪しい」もので、一応は浄水器を売りつけていた。しかし、今回のは、浄水器を売ることさえせず、代わりに万力を置いていくという、ある意味斬新な水商売である。
まあ、万力タイプの磁気活水器(水道管を外から挟み込むタイプ)があるから、形だけまねする、というのが出てきたりするのだろうけれど。
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解決策(笑)
izaのニュース記事より。
だんじり祭り中…裁判員に選ばれたらどうする?
21:20更新
■大阪地裁堺支部がアンケート調査だんじり祭りの期間中に裁判員に選ばれたら? 来年5月にスタートする裁判員制度への住民の声を聞こうと、大阪地裁堺支部(堺市)が、管内23市町村でアンケート調査を実施し15日、結果を発表した。回答の内訳は明らかにしなかったが、「準備を含めて行事を変更するのは難しい」と「祭り優先」を示唆する意見もあり、伝統行事を重視する土地柄が裁判員制度に影響する可能性も出てきた。
アンケート調査は裁判員の辞退理由などを事前に把握しようと、全国の地裁と支部で実施した。
大阪地裁堺支部は今年4~9月の間、「介護」「重要会議」など裁判員を辞退する可能性のある理由や参加可能な連続日数などについて計2010人に質問し、約58%に当たる1160人から回答を得た。
岸和田市民には約300年の歴史を持つ「だんじり祭り」を項目に入れて尋ねた。だんじり祭りは例年、9月の敬老の日直前の土、日曜日に開催されるが、7月ごろから会合が行われ、本番直前には試験曳(ひ)なども行われ、祭り一色になる。
だんじり祭りに関する回答では「伝統行事への参加と裁判への参加は両立しないわけではない」といった意見のほか、「準備を含めて行事を変更するのは難しい」「祭りに関する役職が多い」など祭りを重視するとみられる声もあった。
同支部は「今回のアンケートは、あくまでも参考資料。辞退を認めるかどうかは裁判官が判断する」と説明している。
このほか、裁判員を務めることができる連続日数は「2日まで」が最多で、参加が難しい月は年末の「12月」がトップで、年度の変わる「3月」「4月」が続いた。
該当する23市町村の弁護士を全員、だんじり祭りのスタッフに入れるとか、片っ端からスカウトしてまわるというのはどうだろう。弁護士がみんな祭りの方に行ってしまえば、弁護士無しで刑事の法廷は開かれないから期日も入れられなくなるので問題は無いはず。祭り優先の土地柄なのだから、そこで営業するなら郷に入っては郷に従え、とでも言って説得するとか……。いや、何となく思いついて言ってみただけですが^^;)。
提訴の方が教員にとって安全
【2012/09/11追記】
私が巻き込まれたハラスメント問題についての状況説明を公開してあります。時が経って状況が変わったためです。
発声練習さんのところのエントリーより。この日のエントリーは、OKWaveのアカハラ関連のリンクまとめがあるので、どういう例がハラスメントと認識されるかがわかる。
どういう行為がアカハラに該当するかは、孫引きになるが、京都第一法律事務所の「教授のアカデミック・ハラスメントが発覚した…」に、
いくつか例をあげると、教授など上位の教員が下位の教員や学生に対して、(1)研究テーマを与えない、(2)自主的研究を認めない、(3)研究の妨害をする、(4)研究成果を奪う、(5)学会や論文などで研究成果を発表することを禁じたり妨害したりする、(6)教育・研究に無関係の雑務を強要する、(7)卒業や進学、昇任などを妨害する、(8)指導を拒否する、(9)侮辱的な言動を行う、などがあります。
アカハラが行われる背景には、現在の大学における階層構造、研究費や人事権の集中、研究室内での長年にわたる徒弟制文化、研究室の密室性・相互不干渉などさまざまな要因があります。
とある。
ハラスメント(harassment)は名詞で、動詞にharassというのがある。もともとはアメリカで作られた言葉だが、セクシュアル・ハラスメントを日本語にするとき「性的嫌がらせ」と訳したあたりで、英語のニュアンスが落ちたために、意味が変わってしまっている。そのあと、他のことについても「○○ハラスメント」と呼ぶようになって、ますますズレが生じている。
もともとの言葉の意味のニュアンスを知るには、英英辞典を調べてみる。ロングマン現代英英辞典4訂増補版には、
harass
1 to make someone's life unpleasant, for example by frequentry saying offensive things to them or threatening them
2 to keep attacking an enemy again and again
harassment
when someone behaves in an unpleasant or threateing way towrds you
とある。動詞の意味まで見ると、単純な嫌がらせではなくて、繰り返しであること、頻繁であること、というニュアンスが含まれていることがわかる。
日本における裁判例は、「職場のいじめ・パワハラと法対策」水谷英夫著(民事法研究会)が詳しい。私も買って読んでみたが、何らかの法的責任が認められたケースは、問題となる行為がある期間にわたって「繰り返された」ものばかりである。裁判所の判断は、英英辞典にある「繰り返し」や「頻繁に」というニュアンスを反映したものになっている。
理由もなしに教員が指導を拒否すれば問題になるのはわかる。しかし、私が見たケースでは「博士課程では○○というテーマ以外は研究したくないし、私はどうしても□□先生のところへ行きたいのに来るなと言われた」と延々しつこく言いまくる学生が居て、教員の言い分は「○○は自分の専門外なので博士課程ともなると指導はできないから、それをやっている先生の居る大学を受験してほしいと言ってるのにどうしても話が通じない」だった。
この状態でハラスメント認定されたのでは、教員はたまったものではない。しかし、上に引用した法律事務所の定義のようなものを鵜呑みにしたのか、その学生はハラスメントだと言い出して、学内で処理手続きを踏むことになったらしい。幸い、きめ細かな相談により別の先生のところで指導を受けることで納得し、円満に解決したと伝え聞いている。
上に引用したような内容で学内の教員に対してハラスメントの知識を普及させるということが大学で行われているが、書かれた内容が一人歩きすると、客観性を伴わないまま、学生が気に入らないことを教員がやったらハラスメント、という基準で訴えが起こされまくるということになりかねない。受け取める側の基準のみで判断するのではなく、客観性が必要だということと、元のハラスメントが含んでいる「繰り返し」「頻繁」というニュアンスを落とさないようにして伝えないと、混乱が起きる。
ただ、客観的に見てハラスメントではなくても、受け止める側がハラスメントだと主張している時点で、人間関係には十分亀裂が入っている。ハラスメントの処理手続きに載せると、大学が関わってくることになるが、人間関係の亀裂を調整するのが大学の役割かというと、それも釈然としない。就学環境の改善という意味では何かしなくてはいけないのだろうけれど。
発声練習さんのところのリンク集なのだけど、興味深いものがあった。「モンスタースチューデントの問題と大学教育の危機」
昨今、教育的指導の範疇であるにもかかわらず、自分に都合の悪いことがあると、アカハラ/パワハラを受けたと訴え出る学生が急増しており、大学教育の危機を招来しています。また、こうした学生を利用して、その教員を加害者に仕立てて追放しようとする周囲の教員もいます。このような現象は、全国的に見られており、社会問題化しています。
私が勤務する大学では、ハラスメント委員会の調査は、外部識者を入れずに聴聞が行われるため、調査の公平性、透明性、適正性などは担保されません。つまり、冤罪が簡単に起こってしまう危険性が高いのです。これでは安心して教育活動に従事することはできません。どうすれば、こうした由々しき事態を改善し、大学教育を正常化できるでしょうか?妙案があれば是非教えてください。
さて、以下、少々歯切れの悪い書き方になる。というのは、私が、夏前から上のOKWaveと類似のケースに巻き込まれた当事者となっているからであり、守秘義務もあるので具体的なことは述べられないからである。何をどこまで言えるかは、現在進めている保有個人情報の開示手続きでどこまで大学が開示するかにもよる。
まず、巻き込まれた教員の心構えは、従来の徒弟関係を前提にするのではなく、法的手続きに迅速に移行することを目指して最初から動く、ということである。ムラ社会的な人間関係や伝統的な徒弟制度のもとでは、あからさまな法的紛争ではなく内輪でなあなあで解決することが好まれる。しかし、いろいろな大学が持っているハラスメント処理手続きに処理を委ね、第三者である委員(弁護士など学外専門家が含まれることもある)を加えて解決を図るという方法は、ウェットな人間関係を前提に解決する方法とは、まるで文化を異にする。一定の手続きに載せた以上、それは法的紛争につながる道でもあり、「ある程度濃密な人間関係を前提にしてなあなあで解決を図る」というやり方は既に却下されたのであるという認識を持つべきである。この思い切りができないと、対処が遅れることになる。
一旦、大学の調査でハラスメントの加害者であると認定されて何らかの処分をされてしまうと、教員が大学を訴えて撤回を求めた場合の勝率は2割程度だ、というのが、知り合いの法科大学院の先生にうかがった話である(統計をとったわけではないが、そういう感触だそうだ)。教員にとっての最悪の事態は、ハラスメントの加害者にでっち上げられて何らかの処分をされた後で、裁判所で処分撤回を求めることになる、というものだろう。従って、ハラスメントの実態が存在しないことを調査の時に大学に対して主張するだけでは不十分で、「裁判所で争って大学に対して処分撤回を求めることになった場合、今何をしておくとその時に有利になるか」ということまで考えて対応することになる。
加害者教員の勝率が低いのは、大学相手に争っても「委員会による調査には瑕疵がない」とされることが多いので、大学の過失というハードルを越えるのが難しいからである。従って、最初にするべきことは、学内のハラスメント申し出の手続きを使い、学生が使ったのと全く同じルートで、学生や関わった教員を対象として、でっち上げ行為自体がハラスメントであると訴えておくことである。身に覚えのない申し出をぼんやり見ていたのでは手遅れで、争う意思表示を初期のうちに明確に出す必要がある。この手の書類はかなり上の方まで行った後で委員会に回るから、同じ手続きで申し出書類を出しておくと、真っ向から対立する状態であることが大学にわかる。身に覚えのある人が申し出られて言い訳を考えている状態なのか、身に覚えがないのでとことん争うつもりでいる状態なのかで、大学の調査も違ってくるはずである。もし、争いがあるとわかっていて一方的な調査結果を出したということになれば、その部分に穴を見つけて大学の責任を問うことができる可能性が出てくる。また、調査されることを受動的にあいまいに受け入れて処分が出た後で反論するというのは、いかにも後付けで往生際が悪く見える。最初から争っていた、というのとは、いざというときの裁判官に与える印象は随分違ってくるだろう。いずれにしても「最悪の場合」の、訴訟の進行にかなり効いてくる。
次に、証拠を集めることである。ハラスメントとされた実行行為そのものについて、可能な限り、書類やその時の状況を示すものを集めておく。調査が進むと、担当者との間で状況を知らされることがある。内部調査だと、内容が確定していないという理由で書面がもらえない場合があるので、話をするときは、必ずメモを持って行き、示された資料の丸写しが無理でも、要約をきちんと書いて日付とともに残しておく。
周りの教員によるでっち上げが同時に行われている場合、問題の持ち込み先は、裁判所以外には人権擁護局や労働局(労使紛争とはずれているが、敵対的労務環境なので)といったものも考えることになる。いずれにしても、学外の第三者に、何が行われたかを立証しなければならないことに変わりはないので、それに耐えられるだけの証拠を集めることを目指す。仲間内であれば陰口や告げ口だけでも人は動くかもしれないが、規則通りの処理をやるには必ず書類が必要なので、後に証拠が残る。自分が何を主張したかを調査する側がきちんと知っていた、という証拠も重要である。聞き取り調査があった場合は、何を話したか文書にまとめられたものに後で署名することになるので、コピーをつくっておく。他に何か主張がある場合には書類で出して、手元にコピーを保管する。でっち上げにどこまでの教員が関わっているかによっては、証拠の捏造もあり得ると考えた方がよい。
調査が一段落すると、結論を出す前に、解決策が提示されることがある。でっち上げ事件の場合は、反対の申し出をしておけば、対学生(そもそものきっかけ)と対教員(書類を出し返した分)の両方について行われることになる。この時の基本的な姿勢は、絶対に妥協しない、ということである。「学生と教員だから」などときれい事を言って妥協を迫られても、そんなものは却下でよい。多少は情緒的な部分を含んだ意味での「学生と教員の関係」というのは、少なくとも双方に相手を陥れようなどという意図が無いことが前提である。その前提が崩れているのだから、残るのは「学生」「教員」という、契約上の関係だけで、それ以外には何もない。悪意をもって他人を陥れようとする相手と人間関係が修復できるなどという甘い考えはさっさと捨てよう。対教員についても同様で、妥協して双方が譲歩して決着をつけるというのではなく、したことの責任を追及した後で許す、というつもりで行うことになる。
ただし、不誠実な態度で交渉するのはいけない。あくまでも冷静に、後から裁判官の前でこの交渉の実態を述べても心証を悪くしないかどうかに気を配っておく。
一連の対応の間、同僚には極力相談しないということも大事である。つい愚痴をこぼしたくなったりするかもしれないが、その内容が、進行中のでっち上げを仕組もうとした人に伝わらないという保証はない。相手にむやみに情報を与えないということは、戦略上大事である。また、学外に相談できる人をつくっておくことも大切である。大学の状況もわかっているが利害関係が全く無い別の大学の教員や、プロである弁護士を相談先にするとよい。
最悪のケースである訴訟への対策として反対の申し出を出しておく、ということを書いたが、これをやるメリットはもう1つある。でっち上げをやる側は、でっち上げがうまく決まってハラスメントであることを当該教員に認めさせることが当面の目標であり、あわよくば処分を狙っている。だから「対学生の問題なので円満な解決を……」「職場内の問題なので……」という一見まっとうな意見を非公式に言う、あるいはそのような内容を周りの教員を通じて説得させようとする動きが必ず出てくる。対教員の申し出をしておくと、もはや処理手続き以外のルートで第三者である教員が何かを言うことができなくなる。ハラスメントの問題を解決するために周りが何らかの圧力をかける行為は正規の処理規則外の行為であり、新たなハラスメントであると認定される可能性が出てくるからである。
学内処理が決着したら、一連の行為の中で責任追及できそうなものを選び出して、どういう形で責任を追及するかを考える。学内のハラスメント処理は、就学環境の改善や人間関係の修復といったことを目指して行われるので、でっち上げによって生じた損害をどうするか、といったことは学外でやることになる。このあたりは、何が行われたかによって、変わってくるので、一般論は無い。専門家への相談と、民事も刑事も考慮しておく、といったあたりか。
OKWaveの質問への私からの答えは、まずは個別の努力によって「でっち上げをやっても割に合わない結果になる」という事実を積み重ねるということである。今はおそらく過渡期だが、全く根拠のない理由でハラスメントの申し出をするとそれなりのリスクがある、ということが知れ渡ってくれば、落ち着くところに落ち着いていくだろう。併せて、冤罪が発生しないように処理規則を見直していく。これくらいしか対処方法はないと思う。
さて、このエントリーのタイトルの意味について。
相手に、他人を陥れようとする意図がある場合は、ハラスメントの申し出がある前も後も、下手に反論すると「ハラスメント」という言いがかりを追加される危険がある。相手が上に引用したようなハラスメントの基準を拡大解釈し、ハラスメント=嫌がらせ=受け取る側が嫌だと思うこと全て、というつもりでいる場合は、際限がなくなる。周りの教員がでっち上げをしようと考えている場合は、さらに紛糾する。このような場合は、下手に反論するよりも、相手のやったことの証拠をつかんだら、遠慮無く提訴する方が、教員にとって危険が少ない。法的手続きであれば、相手がいかにそれを嫌がろうと、やった側がハラスメントを行ったと認定されることは無いからである。面と向かって反論するとハラスメントと言われかねないが、裁判所であれば、いかに徹底的に反論しても、それは弁論であってハラスメントではない。
まあ、学生が気軽に教員のハラスメントをでっち上げて告発するようになれば、教員だって学生を気軽に提訴するようになるという、ただそれだけの話である。
【追記】
攻守所を変えたハラスメントの申し出を行って真っ向から争ったケースは、ウチの勤務先では私が最初だろうということである。学生によるハラスメントの申し出を利用して教員が別の教員を陥れるという行為は、2003年に出版された「大学教授は虚業家か」という本で既に取り上げられている。他の大学では既に攻守所を変えた申し出をした人居るかもしれない。もし、これをやった人がいらっしゃいましたら、差し支えのない範囲でコメントをいただけると嬉しく思います。
心構えや対応方法について,直接ではないが参考になる本として、「プロ法律家のクレーマー対応術」がある。
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これは焦る……
Record Chinaの記事より。マイミクさんからネタ頂戴。
赤っ恥!科学誌の表紙に「不適切な店」の宣伝コピー、中国語わからず―ドイツ
2008年12月10日、世界的に有名なドイツの科学専門雑誌「Max Planck Forschung」の最新刊・2008年第3期号の表紙に印刷された中国語の「詩」は、いかがわしい店の「宣伝コピー」である可能性が高く、これを目にした中国人を不快にさせているという。「中国新聞網」が伝えた。
問題の雑誌はドイツのマックスプランク研究所(Max Planck Institute)が定期発行している。最新号は中国特集で、表紙も中国風にアレンジ。表紙中央には、赤地に白抜きの繁体字(旧字体の漢字)で中国語の五行詩らしきものを載せている。しかし、その内容は「若くて可愛い子(青春玉女)」や「北方佳麗(北方美人)」、「魅惑的な体(身材惹火)の人妻(家住少婦)」など「凄い美女が本日登場(風騒迷人即日登場)」というもの。
9日付の英紙「インディペンデント」は、この「詩」について「マカオにあるストリップ劇場の宣伝文」だと報道。科学誌の編集委員会はこの件について「恥ずかしさの極み」とコメントした。発行元の同研究所は、ただちに中国人読者に向けた謝罪文を公開し、「この『五行詩』を載せるにあたってドイツ人の中国語学者に確認をとったところ、『繁体字なので問題はない』と言われた」として故意ではないことを強調した。そして「我々は今になってこの『詩』の意味がわかりました。そこで中国人読者の皆様に不快な思いを抱かせてしまったことに対し、率直に心から謝罪するものであります」と述べている。(翻訳・編集/本郷)
2008-12-11 17:08:43 配信
問題の表紙はこれ。
!!$img1!!
まあ、不快感というのは公式のクレームとして、最初に見た中国人&中国語のわかる人は、びっくりしたんじゃないか。大学紀要とか、○○センターニュースといった冊子の表紙にストリップ劇場の宣伝ビラが掲載されていたようなものだし。「今度は一体何の研究を始めたんだーっ!」「何が起きたんだ」と思うわな普通は。
まあ、状況が状況だから故意にやったとは誰も思わないだろうが、『繁体字なので問題はない』という判定が意味不明。問題は字じゃなくて内容だろうに……。
しかし、どこからそんなチラシが紛れ込んだのだろう?誰かがイタズラで混ぜておいたら、本当に表紙に出てしまって大騒動とか……?謎だ。
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