Feed

判決を探さないと……

Posted on 12月 13th, 2008 in 倉庫 by apj

 Yahoo経由産経新聞の記事

ネット上の裁判傍聴記は著作物にあたらず 最高裁
12月11日18時26分配信 産経新聞

 インターネット上で公開した裁判傍聴記が、情報通信大手ヤフーの運営するブログに無断転載され、著作権を侵害されたなどとして、筆者の男性がヤフーにブログ削除などを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(涌井紀夫裁判長)は11日、男性の上告を受理しない決定をした。

 傍聴記の著作権を認めなかった男性敗訴の1、2審判決が確定した。

 2審知財高裁判決などによると、男性はライブドア事件の裁判を傍聴し、証人尋問のやりとりをネットで公開。この傍聴記がヤフーの運営するブログのなかで無断掲載された。

 男性は傍聴記について、「創意工夫し、情報の取捨選択も行った著作物」と主張したが、知財高裁は「創作性は認められない」などと、創作物であることを認めず、著作権侵害にも当たらないと判断していた。

 裁判サイトを作っている身としては、どういう判決なのか追っかけておかないとまずいのでとりあえずメモ。

レッテルを貼る奴を見ると無条件に攻撃したくなる

Posted on 12月 13th, 2008 in 倉庫 by apj

 国籍法関連の話題2つで、どうせあちこちでニセ科学批判と関連づけていろいろ書かれるだろうと思うが、面倒なので探し回る気はない。

 ただ、1つだけ宣言しておく。類似のことを私は今後もやる、と。

 何故なら、レッテルを貼る奴が嫌いだからだ。これは、私のもうちょっと奥深い感情というか情念のレベルの話だから、このことを批判されても受け入れるつもりはない。私の存在意義がそこにあるから。

 とりあえず、ニセ科学批判者というレッテルはお断りしたっけか。ニセ科学と呼ぶのは、レッテル貼りじゃなくてレッテル剥がしだとも書いたことがある。
他人を右翼だの歴史修正主義者だのと呼ぶ奴は私の敵だ。だから、そんな主義者が本当に居るのかと反論する。
他人を左翼と呼ぶ奴も私の敵だ。お前がレッテルを貼ってるのは本当の左翼かと問い詰めに行く。
とりあえず、他人を○○主義者、と呼ぶ奴は、それがジョークでない限り私の敵だ。

 自分で○○主義者を名乗る場合は、それを尊重するが……。

どんな主張をしたのだ?

Posted on 12月 12th, 2008 in 倉庫 by apj

 asahi.comの記事より。

中日新聞社に賠償命令 「あるある」番組内容の報道巡り
2008年12月12日20時37分

 東京新聞に虚偽内容の番組を製作したとの記事を掲載されて損害を受けたとして、東京都港区の番組製作会社が約2370万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、東京地裁であった。笠井勝彦裁判長は「真偽を確かめる取材をした形跡がない」として、東京新聞を発行する中日新聞社(名古屋市)に275万円を支払うよう命じた。

 この製作会社は、捏造(ねつぞう)が発覚した関西テレビの情報番組「発掘!あるある大事典II」のうち、手のひらで悪玉コレステロールの有無を判定する「手のひら判定」を紹介した番組(05年6月放送)を製作。東京新聞はこの番組内容が虚偽だと指摘する記事を07年1月31日朝刊に掲載した。

 笠井裁判長は、番組を監修した大学教授が手のひら測定の有効性を主張していたのにもかかわらず、教授本人への取材をしないまま記事を掲載したと指摘。「取材をすれば医学界に対立する意見があったことを認識できた。報じた内容が真実だと信じる相当の理由がない」と結論づけた。

 判決は、「手のひら判定」の有効性そのものについては「判断するに足る証拠がない」とした。

 中日新聞東京本社(東京新聞)の深田実編集局次長は「判決内容には承服しがたい部分もあり、よく検討したうえで今後の対応を決めたい」とコメントした。

 てのひら判定は見るからに怪しいのだが……。捏造じゃないかということを報道した東京新聞の記事を引用したblogを見つけたので、記事を貼っておく。日付も2007/01/31と一致しており、この記事が、訴訟の原因になった記事っぽいのだけど、本当のところは訴状を見ていないのでわからない。

手のひら判定もウソ 捏造疑惑まだ『あるある』

 実験データの捏造(ねつぞう)が発覚して打ち切られた関西テレビ制作の情報番組「発掘!あるある大事典2」で、動脈硬化の原因物質となる超悪玉コレステロールを紹介した放送分でも「超悪玉コレステロールを持っているかどうか手のひらを見れば分かる」などと虚偽とみられる情報を流していたことが三十日、出演した学者の証言で分かった。
 
 二〇〇五年六月十九日に放送された「身体の危険度シリーズ第2弾 『知られざるコレステロールの恐怖』」で、病院に行かなくても超悪玉コレステロールをチェックできるという方法を紹介。テーブルの前に座り両手を足の上に置いて十秒後、手のひらをテーブルに載せて血色を確認。赤い人は要注意で、霜降りの人は危険信号と超悪玉コレステロールが多い可能性があるとした。

 番組前段で超悪玉コレステロールについて説明した東邦大学医学部の芳野原(よしの・げん)教授は「取材に来たスタッフに『手のひらで分かるんですよね』と尋ねられ『血液を採って調べないと分からない』と答えた」と言う。同教授は番組全体は知らされていなかった。放送された番組には手のひらチェックがあり「そんなことで分かるはずがない。専門家の意見を無視した内容だ」とあきれたという。

 さらに番組では「手のひらの血色チェックは、超悪玉コレステロールができる原因となる肝機能の低下をみるためだとも理由づけていたが、そのような判断ができるという理論は医学界には存在しない」としている。

 関西テレビは「過去の分についてはまとまった段階で回答をしたいので個別のケースには答えられない」としている。

 記事通りなら、手のひら判定を紹介した芳野教授に話を聞きにいっていることになるので、「教授本人への取材をしないまま記事を掲載した」と食い違っている。あるあるの捏造を報道した記事の3段落目の内容が新聞社による捏造だったということなのだろうか。

【修正】
 芳野先生は、手のひらチェックの回には関わっておらず、別の先生が出演・監修していたとのこと。であれば、芳野先生のところに取材したが、別の先生の方に行かなかったのだろうと考えられる。詳しくはこのエントリーの最後へ。

 手のひら判定そのものについては、判断に足る証拠がない、というのが裁判所の判断になったということは、「手のひら判定は客観的に見てインチキ」という立証はしなかったか、したけど失敗したということなのか。特定の研究者だけが主張していて普通の医者は全く認めていない検査方法であるという立証ができれば、内容が虚偽、と記事を書いても、真実相当性を認めてもらえるのではないかと思うのだが……。

 ところで、手のひらでコレステロール測定については、いきいき健康 NIKKEI NETにこんな記事がある。

(4/24)皮膚のコレステロール検査で心疾患リスクを評価 手のひらからわずかな皮膚細胞を採取するだけのコレステロール検査で、健常者の心疾患リスクを評価できることが報告された。この検査法は、血液中のコレステロールと分子的に関連した物質である皮膚のステロール値に着目するもの。 9,055人を対象とした試験の結果、皮膚ステロール値とHDL(善玉)コレステロール、および炎症マーカーで心血管疾患の危険因子(リスクファクター)とされるC反応性蛋白(たんぱく、CRP)の値との間に強い相関が認められた。グラクソ・スミスクライン社のDennis L. Sprecher博士が、米アトランタで開催された米国心臓協会(AHA)動脈硬化・血栓症・血管生物学会議でこの知見について発表した。

 今回報告された検査法は、カナダPreMD社が販売する既存の皮膚ステロール検査に改変を加えたもの。旧型の検査は現在ヨーロッパ、カナダで用いられており、米国では限定的に使用されている。この検査では、小型のプラスチック器具を用いて手のひらの表面から死んだ角質細胞を剥離し、細胞内のコレステロール値を測定する。

 2005年、米ウィスコンシン大学のJames H. Stein博士が、この旧型検査により得られるコレステロール値が、超音波で測定した動脈壁の厚さおよび狭窄の評価と相関していることを報告しているが、新型の検査についてはこのような超音波での評価は実施されていない。また、旧型ではその場でコレステロール値がわかるが、新型の検査は検体を研究室に搬送して分析する必要がある。PreMD社のMichael Evelegh氏は、新型検査はまだ臨床試験を始めたばかりと説明している。

 Evelegh氏は、この方式の検査は「保険加入の際などに、血液を採取せずにコレステロール検査をしたい場合に有用」と述べている。今回の研究は、生命保険加入のために検査を受けた被験者を対象とした。皮膚コレステロール検査が有効である理由は、血液中のコレステロール値よりも、血管壁に蓄積されるコレステロールが重要であるためだという。コレステロールが血管壁に蓄積されるなら、皮膚をはじめとする全身の組織にも蓄積されると同氏は説明している。

 また、従来のコレステロール検査では検査前に絶食する必要があったが、この検査では絶食の必要がなく、朝食の内容によって結果が左右されない点も長所の1つだという。

 これが実用化されれば、血液を採らなくてもコレステロール値がわかることになる。残念ながらこの記事は放映の3年ばかり後で、まだ報告されただけの段階である。
 もちろん、あるあるの「血色による確認」とは何の関係もない。

【追記】
「タブー無き医療特集」のページに、この件について書かれていることをNATROMさんより教えていただいた。関連部分を引用する。

誤解生む放送「ビックリしました!」 
― 今回問題になっている「発掘!あるある大辞典2」の過去の放送に、芳野先生もご出演なさっています。
その放送でも、事実が歪められた部分があったとか。
私が協力したのは、コレステロールについて放送された回です(2005年6月19日放送「身体の危険度シリーズ第2弾
『知られざるコレステロールの恐怖』」)。コレステロールにもいろんな種類があります。
よくいわれる悪玉コレステロールに加え、最近はさらに悪性度が高い「超悪玉コレステロール」の存在を、
私たちが提唱しています。その時は「悪性のコレステロールについて紹介したい」ということで依頼が来ました。
趣旨自体には賛同できたので、ご協力したんです。
― 同番組は関西テレビの制作ですが、取材に来たのは別の会社だったのですね?
はい。系列の制作会社です。放送の数ヶ月前でしたか、30歳代くらいの若い人たちが3人くらいやって来ました。
誤解のない様に言っておくと、彼らは私の話を一生懸命聴いてくれました。
視聴者に分かりやすい内容にするため、とても頑張ってくれたんです。
―え!? そうなんですか?
若いスタッフたちは皆さん熱意を持って取材してくれて、専門的な話もよく理解してくれました。
悪玉コレステロールの生成過程についてアニメーションまで作ってくれて、正しく、分かりやすく伝えてくれました。

― 虚偽と思われるのは、確か「手のひらを見れば、超悪玉コレステロールの有無が分かる」という
内容だったと思いますが。
そうです。その部分には私は関わっていませんでした。
別の先生が出演・監修されていたので、私の名前も使われていません。
ただ番組は、前半が私の出演による「悪玉・超悪玉コレステロールの説明」で、後半に「手のひらでそれが分かる」という内容が続いていました。
私が関わったのは前半だけなのですが、その流れだと後半の内容についても私が認めているように映ってしまった……
そこが問題であり、困惑したところなんです。
― なるほど。
言ってもいないことが、さも先生の主張のように誤解されてしまう放送内容だったのですね。
制作会社のスタッフは、私にも「手のひらで、超悪玉コレステロールの有無が分かるのですか?」と聞いてきました。
もちろんそんな事で分かるはずがありません(笑)。
「血液をとって調べないと分からない」と言っておいたんです。
ただどうしてもこの筋書きで番組を作る必要があったのか、後半には別の専門家が出演し、「手のひらで分かる!」と検証しています。

―う~ん、ムチャクチャな番組制作ですね……。
ただね、制作会社側には責任がないと思うんですよ。
後半部分に協力した3人の専門家が、「手のひらで超悪玉コレステロールが分かる!」とお墨付きを与えているんですから。
むしろ誤った情報が流れてしまった責任は、専門家にあるはずです。
この専門家がねぇ……3人のうち2人は、皮膚科の先生だったんです(笑)。
皮膚科の先生は悪玉コレステロールについて、よくご存じないはずですよ。
― 専門外の事柄について、お墨付きを与えていた事になりますね。
もう一人は確かに代謝・内分泌系の先生でした。
しかしその先生が「手のひらで超悪玉が分かる」なんて論文を出しているわけではありません。
学会でそんな理論は全く認められておらず、「ナンセンス」の一言です。
― 研究による立証など、しっかりした根拠がないわけですね。
そもそも悪玉コレステロールの概念が出てきたのが20年前くらいで、超悪玉に関してはごく最近なんです。
超悪玉は、悪玉の中でも特に小型で重いものを指しています。
これは非常にタチが悪く、動脈硬化を引き起こす可能性も高い。とても危険な存在です。
新しい説だからこそ、その内容と注意点を、一般の方にしっかりお伝えしなくてはいけないのです。
なのに、誤った意見がまかり通ってしまうと……(ため息)。
― 患者さんが、誤った情報を真に受けてしまうこともあり得ますね。
実際、私の外来患者さんでもいらっしゃいました。
「先生、手のひらで分かるんですか?」って。
先にも述べたように、番組は、私までがその内容を認めているような流れでしたからね。
さらにはね、息子にまで誤解されたんですよ(笑)。
「お父さん、スゴイね!超悪玉コレステロールは手のひらで分かるんだね」なんて。
「いやいや、そうじゃないんだよ(汗)」って、患者さんにも息子にもいちいち説明しなくてはなりませんでした。
― テレビ局に抗議なさろうとは、思われなかったんでしょうか?
ただ私が関わっている部分(前半部分「悪玉・超悪玉コレステロールの説明」)については、 正しい内容を伝えてもらっているんです。 問題の後半部分は、あくまで他の先生の出演・監修でした。 その誤った部分が私の主張と混同されたのは迷惑でしたが、かといって私が抗議する筋合いでもないですからね……。 ただ私が関わっている部分(前半部分「悪玉・超悪玉コレステロールの説明」)については、 正しい内容を伝えてもらっているんです。 問題の後半部分は、あくまで他の先生の出演・監修でした。 その誤った部分が私の主張と混同されたのは迷惑でしたが、かといって私が抗議する筋合いでもないですからね……。

思い出話

Posted on 12月 11th, 2008 in 倉庫 by apj

 ポケコン哀歌を聴いていたらいろいろ思い出したので、段ボール箱を開けて、MICRO創刊号を取り出してイメージスキャナで取り込んでみた。

 MICRO創刊号が出たのは1984年1月。私は高校2年生で、3ヶ月後には理系(物理・化学選択or化学・生物選択)文系クラスの振り分けを控えていた。

 パソコンがマイコンと呼ばれていた時代、友人は先にカシオのポケコンを買って、プログラムを書いていた。電気部の部室のマイコンのテレビ画面に、BASICで線を引いたり動かしたりしている2年上の先輩を感心して見ていた。まだ、一度もプログラミング言語を学んだことがなかった私にとっては、その先輩は「プログラムを自分で考えて作れる凄い人」だった。あと、目につく範囲でマイコンを持っていたのは物理の先生だけで、物理準備室を覗くと、動かしているのを見ることができた。落下実験の測定装置を作って、重力加速度の実測デモを見せてくれたのを覚えている。電磁石で保持した金属製のボールをパソコン側の制御で落とし、床にぶつかった音を測定し、落下時間を計測するというものだった。

 高校1年生の時に、出版されたばかりの「さよならジュピター」を図書館で借りて読んだ。長編SFをあまり読んだことが無かったので、珍しさも手伝って、夢中になって読んだ。ブラックホールが太陽系に突っ込んできて、地球と衝突しそうになったため、木星をぶつけて軌道を逸らすという設定が興味深かった。その後、「さよならジュピター」が映画化されるということを知った。
 MICRO創刊号には、「さよならジュピター」の、ブラックホール突入のシミュレーションが出ていた。しかも、運動方程式を立てて、プログラムのソースコード付きだった。シミュレーションという言葉は知っていたが、中身がどうなっているのかという実例を、このとき初めて見た。
 小説の中の設定を、実際の物理学に基づいて計算して予測できるということに、驚くと同時に感激した。自分でもできるようになりたいと思った。

 高校2年の3学期は、基礎解析の微積分に入ったところだった。MICROに書かれた微分方程式の意味すらわからなかった。かろうじて物理の教科書に出ていた運動方程式だという見当はついたが、なぜそのように式を書くのかもわからなかった。調べようにも、本が無かった。大学の無い街に住んでいたから、専門書は手に入らなかった。地元の図書館にも資料となりそうな本は置いてなかった。本を買うために遠出する旅費も無かった。

 MICROのシミュレーション記事への興味もあって、クラス分けでは、物理・化学選択の理系クラスを選んだ。例年、女子の物理選択希望者が少なすぎる(2,3人程度)ため、物理化学選択は男子のみのクラスとされ、女子の理系希望者は化学生物選択クラスにふりわけられることになっていた。ところが、私の学年は物理の履修を希望する女子が十数人居たので、女子も物理化学選択クラスに入ることができたのは運が良かった。

 MICROの記事の内容は、高校物理の範囲を超えていた。物理をやれば理解できるようになるだろうと思って突き進もうとしたが、しかし私は物理の出来が悪かった。私は、高校の教科書では物理を理解できなかった。高校の教科書で勉強すると、細かい個別の公式を覚えて、試験問題に当てはめるという作業ばかりになってしまう。これがどうしてもうまくできなかった。結局、駿台文庫の山本義隆の本を買って独学し、小出昭一郎の物理概論を独学し、やっと模擬試験で点がとれるようになった。微積分を使って物理法則を記述するという、当たり前の方法で進まない限り、理解できなかったのである。

 高校在学中に、私もポケコンを買った。本当は、MICROに出ていたシミュレーションをやってみたかったのだけど、マイコンは高くて買えなかった。ポケコンに移植して計算だけでも、と思ったが、微分方程式の数値解法など知るはずもなく、手出しができないままだった。それでも、プログラムだけは知っておこうと、1行しかない液晶ディスプレイでBASICを独学していた。

 進学先は理学部物理学科を選んだ。MICROだけが理由というわけでもないが、動機付けとしてはかなり大きなウェイトを占めていた。さらに、独学で結構はまってしまったことと、就職するにしても物理ならつぶしが効くという打算の両方であった。もっとも、人工臓器を作りたいとか医工学をやりたいといった思いもあったし、受験しなおして医学部に行こうかと考えたこともあった(徹底的にそっちに向いてないことは後にわかったが)。

 大学に入った時、下宿することになって、実家からMICRO創刊号を持って行った。大学でなら、コンピュータを使って,書いてあるプログラムを動かせるだろうと思ったからである。プログラムはPC-8801やPC-9801のBASICで書かれていた。サークルはME研で、入ってしばらくしたら、医学部の第一内科のデータベース仕事を請けることになってしまった。そっちの対応に追われている間に、パソコン付属のBASICではなく、MS-DOSで動くBASICやCやPascalが出回るようになった。どの言語をやればいいのかと、大学の物理の先生に相談したら、「これからはUNIXでも使われているCが良いのでは」と言われたので、C言語の本を買ってきて、またまた独学することになった。当時は、大学でも、情報処理やプログラミングの授業はポピュラーではなかった。

 重力場の散乱は、教養の物理学のレポート課題だった。専門の力学では、ランダウの教科書を使い、最初から解析力学を勉強することにした。座標系のとり方で符合を間違えたりするうっかり者だったから、一般化座標でラグランジアンを作って微分方程式までが一本道の方が間違えないで済む。

 この頃になって、友達にMICROを見せて、知り合った先生の所に一緒にお邪魔して、ソースコードを入力して実行することができた。ずっと見たかったものをやっと見ることができた。

 PC-98シリーズは全盛期を迎え、私もVXユーザーとなった。主な使用言語はC。修士に進学して、計測とデータ処理のプログラムを書いていた。博士課程在学中の、前半はまだPC-98シリーズの勢いがあったが、Windowsが出て、IBM-PCの互換機が増え始めた頃、Macを使い始めた。

 その後、PC-98シリーズがすたれてしまった。私もあちこち引っ越すことになり、引っ越しの度に買い集めたコンピュータ雑誌を捨てることになった。しかし、MICRO創刊号だけは捨てられなかった。SFのSの方が冗談抜きの科学で、シミュレーションの中身を最初に見せてくれた雑誌の衝撃が大きかったので、そのまま宝物にして今まで持っている。

 もし、今後MICROのプログラムを実行するなら、完全にCに移植(XCodeを使うから)するか、Mapleなどの数式処理ソフトでさくっと書くしかないのだろうな、と思いつつ……。

 

議論のテーマが違う

Posted on 12月 11th, 2008 in 倉庫 by apj

 「ニセ科学批判してる先生の発言がニセ科学信者とさほど変わらない件について」で言及されたので改めて書いておく。

 そもそもガキの国籍の話が何故出入国管理の話になるのかわからねえんですけどね。事象のレイヤーが違う話だろ。この辺もニセ科学信者の議論のすり替えと変わらないよね。

そんでもってそこらへんって、根本的に今回の国籍法改正に全く関係ねえ話。

 そもそも「ガキの国籍の話」なんかしてなくて、「国籍法改正に反対する人が目立って出てきた理由」の話をしていたのだからレイヤーが違うのは当たり前。国籍法改正の是非については、最初から議論するつもりは全く無かったので、エントリー内にも何も書いていなかったはず。国籍法改正の議論だと勘違いしたコメントに対応していて引きずられたのは私の不手際なので、それを見て国籍法の話だと思われたのなら仕方がないのだけど。とにかく、私が最初に書いた内容(コメント以外)は、改正反対運動の動きが派手だった理由は出入国に対する不信感の蓄積では・不信感を払拭するには出入国管理をもっと厳しく厳格にやるべき、ということを書いただけで、国籍法改正そのものについては何も書かなかった。思想的背景がそんなに無い人が、好き勝手されかねないという不安から反対の主張を安易に受け入れた結果、反対する人の数が増えたのでは、と思ったもので。 ってかさ、国籍法と関係のない入管の話をしているってところまでわかったのなら、そもそも国籍法は議論のテーマではないってことに気付いたらどうかと。
 入管についての私の認識(思い当たる節として列挙した内容)が間違っているという指摘があるのはわかる。実際、コメント欄の方で、入管の状況そのものについていくつか教えていただいたし、そのことは受け入れている。

 すると、私が想定した「不信感」は前提が間違っているから実際には無いので反対者がたくさん出てきた理由にならない、ということになったとしても、国籍法そのものの話とはやっぱり何の関係もない。入管はもう十分きちんとやっているのでこれ以上対策の方法がない、という結論になったとしても、国籍法の話とは関係がない。

思想的にアレな人もかなり混じってるよ。なんつーか、必死に薪くべてる感じなんだよね。

 ここでいう思想的にアレな人、というのは、私が説得不可能と考えている人と重なるんじゃないかな。原理主義的なゼノフォビア、といった呼び方もしたけど。 ただ、反対意見の書かれ方からは、思想的にアレな人と同調してるだけの人が混じってるように見える。 404 Blog Not Foundのエントリーにはこうある。

けれど、なぜ「デタラメな情報がネット上に飛び交って、議員も巻き込んでの大騒動」になった理由が、未だに理解というか得心できない。なぜこれほど外国人好きの国民が、いざ外国人に国籍を与えるとなるとあれほどかたくなになるかということだ。(中略)

だから、「そもそもそう簡単に外国人を入国させない」ことであればまだ話はわかる。「既得権を守りたいから」という理解が出来る。私がそれをよしとするつもりはないが、少なくとも理解は出来る。「日本のおいしいところだけもって」行かれたくなければ、外国人を入国させないのが一番よいのだから。しかし日本はそうではない。入国だけであればむしろ合州国などよりも簡単だという声もある。

 思想的にかたくなな人は存在するだろうが、そんなに数が多いのか?いくら煽ったところで、かたくなな人だけだったら大騒動にはならないだろうし、同調している人が居るのではないか。じゃあ、同調する人が出てきたのはどうしてか、と考えて、入管に対する不信感があるのではないか、という意見を書いた。

 思想的にかたくなな人の活動だけで大騒動になる、ということであるなら、同調した人が居たからここまで騒動になった、というのが私の思い込みということになるのだけど。

 

 ・・・つーかさ、頼むからまとめサイトばっかり見てるんじゃなく、実際に現場に関わってる人の意見も見て考えたほうがいいんじゃないか。

 反対している人が多いこと、反対の主張が広がったことの理由について引っ掛かっていたので、反対の立場の人の主張を見ていた。日本人の血統が云々、という方向の主張や、いたずらに外国人を嫌っているだけの主張があって、それ以外に、ズルして勝手なことをされたくない、という感情から出てきたらしい主張もあった。外国人を排斥したいという主義の人は説得したって反対の主張を変えないだろう。しかし、後の方を主張している人は、ズルできるようにはなっていないことが普段から伝わっていたら、現場の人の意見を知らなかったとしても、反対しなかったんじゃないかと思う(証明はできないけどね)。

 現場に関わっている人の意見は、国籍法改正そのものを考えるには読むべきものだと思うが、反対する人がたくさん出てきて騒動になった理由とは直接関係しないのではないか。当たり前だけど、反対意見の多くは、現場に関わっている人の意見とは最初からまったくかみ合っていない。「反対者が単にわかっていないだけ」ということしか出てこない。わかってない、ということが、今回、反対者増えて騒いだ原因であると考えていいのか?それだけじゃないと思ったから、反対する人が多くなった理由を考えようとしたのだけど(多い、といっても人数を数えるのも無理なので、反対者の存在が記事になるほどには多いとか、反対を主張するサイトの数やコメントの数とか、送られたFAXの数が業務妨害として問題になる程だ、というあたりで多い、と言うことにする)。

 あともう1つ。「下心率」(?)ということで、「普通に好きな人ができて結婚するつもりで、という状況を想定してます」の検証方法として書いたものについて、

・主語は誰なんですかね この場合、主語は「日本人の男性」と「外国人の女性」の複数ケースあるんだが。・A国→B国だけでなくB国→A国もあるのだけど・結婚可能な年齢、結婚離婚に関する制度は国レベルでめちゃくちゃ違ってくるんですがね。・そもそも「普通に恋愛する」という定義が曖昧・そもそも、極端に(y)/(x)の値が大きいのと「普通に恋愛」とはいえないことの相関性は?
・そもそも統計として帰納不可能なほど一般化しづらいんじゃないんですかね。恋愛ってのは。

とツッコミが入っている。
 「下心率」(?)の計算は、話の流れの中でこんな感じか?ということで出してはみただけのもので、穴があるのが当たり前。こう考えたら一体どうなる?という出発点に過ぎない。なお、その後のコメントのやり取りで、変動をもたらす要因があれこれあって使えないし必要もない、という結論が出たので既に下心率(?)の計算については捨てた。その後は持ち出していない。
 問題の部分は、コメントの流れの中で「普通に好きな人ができて結婚するつもりで、という状況を想定してます」というのを受けて書いただけである。「普通に」は曖昧さが入るから決めようがないので、想定を議論の前提にすることに無理があるだろうと考えた。しかし、「普通に」の中身の議論を始めても話がそれるだけになりそうだったので、敢えて定義(っぽいことを)して、どれほど無理が出るか見ようとした。この場合、曖昧で定義できない・やってみても別の要因が多すぎて使えない、等々、失敗することがはっきりすれば目的を達することになる。何を検証するつもりかなどという分けのわからないツッコミがなければ、回り道をせずに、使えない・あるいは実は決めようがない、という結論に至ったはず。

 正直、語るに落ちたなという感じ。普段非難してるニセ科学信者の連中と五十歩百歩なんじゃないんですかね。少なくとも俺にはそう見えるんだけど。

 と言われる理由は無いな。最初に出した方法で意味のあるものが計算できると言い張ったのならともかく。 ってか、普段ニセ科学を批判している人間には、バカなアイデアを出してみてダメならさっさと捨てる、ということすら許されないのかね?
以下は私の意見・立場
 国籍法に反対する人のうち、思想に基づいて反対している人は、説得しても意見を変えることはないだろう。今後も何かあったら、思想通りの主張をするだろう。
 思想的背景は無いが、出入国管理に対する不信感から(好き勝手されるんじゃないかと不安になって、あるいは好き勝手されそうだと思って不満を持って)反対している人については、不信感さえ払拭できれば、対話が成立し、説得すれば反対しなくなるのではないか。不法就労や不法滞在が継続的に起きたり数が増えたりすると、不信感が強化されそうである。これを防ぐために、法律通りの出入国管理が実現するように(違反者を減らすように)取り締まりを強化してはどうか。違反者の現状がどうなっているかと言うことも、広くわかりやすく伝えるようにして、普段の不信感を取り除くようにしたらどうか。
 今回は国籍法がネタになったが,不信感がつのった状態をそのままにしておくと、次に何かあったときに、同様の反対運動等が起きるかもしれない。しかし、むやみに外国人を排斥したがる人が増えるのは良い結果にはならない。説得可能な人たちが居るなら、ゼノフォビアに染まる前にこっちに呼び戻したい。

【追記】
 ごんべえさんの指摘をいただいたので、コメント欄でソースに言及した。出入国管理に不信感を持つ人が改正反対の主張を信じてしまうのでは、と思った理由は、反対派の議員連盟のウェブサイトの個条書き部分(懸念として書かれている)。単なる排斥主義だと(私が思った)主張は、たとえば、炎上した河野議員のblogコメントの方に含まれている。他にもたくさんあるだろうけど。

統計力学

Posted on 12月 10th, 2008 in 倉庫 by apj

 培風館の新物理学シリーズの統計力学I統計力学II、生協で見つけて購入。田凬さんの書いた本。
 フォーラムで会った時に年内に出るという話だったので、ちょくちょく生協を見ていたら、入荷していた。amazonにはリンクしてみたけど品切れで、入荷次第発送になっている。

 ということで、ちゃんと出ましたよ、と勝手にアナウンス。

ポケコン哀歌

Posted on 12月 10th, 2008 in 倉庫 by apj

 ニコ動貼るのは初めてだけどこれでいけるかな。

【ニコニコ動画】【初音ミク】 「ポケコン哀歌ロングバージョン」【オリジナル曲】

マイミクさんの日記経由で知った。
再生した。
泣けた。

PC-1500、まだ動いてる。
最初のプログラムを組んだきっかけがこれだった。
学部の学生実験ではいつも傍らに置いてた。
今は……なぜかHPのRPN電卓に嵌って、別の方向に走っている。

【追記】
 シャープのポケコン、教育用では生き残っている(PC-G850V)。

よくまとまっている記事

Posted on 12月 10th, 2008 in 倉庫 by apj

 毎日jpの記事より。講義資料としてそのうち使いたいのでメモ代わりに貼っておく。

追跡2008:朝バナナ・ダイエット 過剰な健康志向、市場振り回す /愛知

 この秋、バナナが全国の店頭から消えたことをご記憶の方も多いだろう。スーパーの果物コーナーでは、開店と同時に買い占める客が殺到、昼前には売り切れる店が相次いだ。騒ぎは1カ月で収束したが、納豆やココア、寒天などに減量効果があるとして品薄になったのもつい最近のこと。「日本人は、ダイエットに固執して食べ物をえり好みする傾向が強い」と専門家は言う。これからも身近な食品が突然、食卓から消えないとも限らない。騒動の背景を追った。【中村かさね】

 ★発端はネット
 ◇メディアがブーム加速

 まず、今回のバナナ騒ぎを振り返ってみよう。

 10月初旬の平日、名古屋市名東区の「松坂屋ストア」。午前10時の開店と同時に、並んでいた10人以上の女性客がバナナ売り場へと走り出した。普段は1房しか買わない女性も、3~4房を買い物カゴへと放り込む。そして、昼までには、売り場からすべてのバナナが消え去り、果物売り場にぽっかりと穴が開いた--こんな光景が9月20日過ぎから1カ月以上も続いたという。同店の林雅道店長は「毎日食べていたというお客様から『買いたいのに買えない。迷惑だ』という苦情も相次いだ。納豆ダイエットの時よりすごかった」と話す。

 ブームの下地はインターネットにあった。国内最大級のソーシャルネットワーキングサービス「mixi(ミクシィ)」に、朝食を水とバナナだけにする朝バナナダイエットを語り合うコミュニティが登場したのは、06年7月のことだ。その後、この方法でのダイエット本が出版されたことから、ミクシィでの参加者も増加。派生したコミュニティは今でも2万5000人が登録しており、朝バナナの実践と、ダイエットの進行を報告し合っている。朝バナナの関連本4冊は11月上旬までに計90万部を売り上げるベストセラーにもなっている。

 そして、9月、テレビが店頭からバナナが消えるほどのブームに押し上げた。

 日本テレビの人気情報番組で6~8月に3回、取り上げられたのを機に、ネット外でも認知度がアップ。9月中旬には、TBS系情報番組でタレントの体験談として「約1カ月半の朝バナナダイエットで7キロの減量に成功した」と紹介された。スーパーに客が殺到、1、2日でたちまちバナナ不足になった。

 バナナ輸入量で国内首位のドール(東京都千代田区)は、テレビで朝バナナダイエットが紹介された6月以降、ブームを予想して、輸入量を前年比約3割増やして対応した。バナナなど農産物は年間生産量が限られているため、日本の輸入量を増やすために、アジア各国から少しずつ融通してもらう必要があったという。それでも9月の放送直後から10月中旬にかけては、各小売店で売り切れが続出、市場価格も押し上げた。

 愛知県知多市のスーパー「タツミ」では、通常380円で売られていた約15本のバナナが付いた房が一時は700円近くまで上がったという。それでも飛ぶように売れたため、1週間前から予約を取って対応した。1房に4~5本のバナナが付いた商品は、仕入れることもできなくなった。同店で働く女性(57)は「あれほどあったバナナが、こんなに売れるなんてねえ」。

 バナナがいつも通りに買えるようになったのは10月下旬。ブームは収束したが、値段は一部で高止まりしたままだ。名古屋市消費流通課によると、同市中央卸売市場における11月下旬のバナナ1キロ当たりの卸売価格は、昨年同期より35円高い174円。9月のテレビ放送後に一時は200円近くにまで急上昇した。平年なら120~130円台に値が落ちる夏場も、今年はブームのハシリで150円台後半~160円台を推移した。

 ★さまざまな食品登場

 日本では毎年、ダイエット食品ブームが起きていると言っても過言ではない。その歴史は30年以上前にさかのぼる。

 古くは、1975年前後に流行した紅茶キノコがある。旧ソ連の家庭で伝統的に飲まれていた飲料だったが、簡単に台所で栽培できることから大ブレーク。効能として▽血庄が下がった▽胃腸が丈夫になった▽肝機能が元に戻った▽自然にやせた--などがあるともてはやされたが、医学的には根拠がないとされた。

 フィリピンのトロピカルフルーツだった「ナタデココ」がダイエット食品としてもてはやされたのは93年。翌94年には岐阜県を震源とする「野菜スープ健康法」がブレークした。

 一方、バナナダイエットは85年にもブームになっており、今年で2回目。同様にココア(96年、07年)も2回のブームがあった。また、インターネットでは過去に流行した▽粉ミルク(84年)▽ゆで卵(88年)▽黒酢(00年)などが依然としてダイエット食品として紹介されており、テレビ番組などをきっかけにブームが再燃する可能性がある。

 ★日本の特殊性指摘

 ブームによって消費者が一斉に特定食品を買い集める構造を識者はどう見るか。

 ◆過剰な食料供給

 群馬大の高橋久仁子教授(栄養学)は「特に最近のブームは、過剰な食料供給と健康志向を背景に、消費者がテレビの情報に飛びついている」と見る。

 07年に流行した納豆ダイエットでは、メタボリック症候群への関心が高まったことで、中年男性までもがスーパーに走った。

 情報番組でバナナを3回も取り上げた日本テレビ総合広報部は毎日新聞の取材に書面で「健康情報については、視聴者の関心も高く、健康維持と予防を目的として、テーマを選び制作しています。今回の『バナナダイエット』に関しても、その観点から選んだテーマ」などと回答した。

 ◆自信のなさ?

 また、高橋教授は「欧米では総合的に体にいい健康食品がブームになるのに対し、日本ではダイエット一辺倒なブームが発生しやすい」と特殊性を指摘する。日本人は欧米人ほど肥満は少ないことは、統計的に裏付けられている。世界保健機構の05年の統計では、日本で肥満とされるBMIが25以上の女性の割合がアメリカ(72・6%)やイギリス(61・9%)では6割を超えているのに比べ、日本(18・1%)は極端に少ない。それでも、ダイエットに対し、特に女性が強いこだわりをみせているのだ。

 宮城大の樋口貞三教授(食品産業政策)は、「美の追究というより、日本女性の自信のなさがブームにつながっているのではないか」と感じている。

 ◆都合よく解釈

 キャベツダイエットを提唱したことがある吉田俊秀・京都市立病院糖尿病代謝内科部長は「情報が独り歩きして、キャベツだけ食べればやせる、と誤解されるのは迷惑」と言う。吉田部長が提唱した正しいキャベツダイエットは、食前にキャベツを6分の1玉食べることで胃に満腹感を与え、全体の食事量を減らす。キャベツに飽きたらキュウリやトマトを加える。要は繊維質でビタミンCが体によく満腹感も得られるものをとり、食べ過ぎを防ぐ手法で、そもそもは肥満の人のために考えられた。

 吉田部長は「ダイエットの方法は、太った原因や、減らす必要がある体重によっても違い、百人百様だ。特定の食品を食べ続けるだけで、やせるはずがない」と話す。

 大事なのは「正しい生活と、バランスの取れた食事や適度な運動」と吉田部長は強調する。取材を通じて実感したのは、こんな当たり前のことこそ、健康的なダイエットにつながるということだ。

 ■本紙記者が体験
 ◇効果不明だが規則正しい生活で体調改善

 効果があるのかどうかを実際に試してみよう、ということで、10月の健康診断で、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群、腹囲男性85センチ、女性90センチ以上)に迫る勢いの木村文彦記者(37)が、脱メタボに向けて、朝バナナダイエットに取り組んだ。

 初日のウエストは82センチ、体重70キロ、体脂肪率は25・1%。まず、起床してからコップに常温の水とバナナ1本を用意。一口ぐらいのバナナを、よくかんでから飲み込み、水を飲んだ。食べた後は、意外と満腹感があり、「これならいけるかも」と思ったが、空腹感が襲ってきて、ヨーグルトを食べて耐えた。約1時間運動もした。夕食は午後8時までに済まそうと心掛けたが難しく、10時までに済ませた。

 3、4日経過し、朝1本のバナナとコップ1杯の水も慣れた。お通じがよくなった気がしてきた。2週間後、ウエストは83センチ、体重は68・4キロ、体脂肪率は23・8%。ダイエット効果は不明だが、朝食を取ることで昼、夕食の量が減った気がする。規則正しい生活をすれば、体調もよくなるということを実感した。【木村文彦】

バナナと日本人

 日本に紹介されたのは16世紀、ポルトガルの宣教師が織田信長に献上したのが最初と言われる。1903年には台湾から正式に輸入が始まった。「風邪を引いた時だけ食べられる」と言われる高級滋養食品だったが、1963年に輸入が自由化され、エクアドル産やフィリピン産の流入が急増。総務省の家計調査では、04年に1世帯当たりの果物の年間購入数量が初めてミカンを抜いて1位になった。今では「日本人が一番口にする果物」になっている。

==============
 ◇ダイエット効果がある として流行した主な食品

   (年代はブームのピーク時)

1975年 紅茶キノコ

  85年 バナナ

  88年 ゆで卵

  92年 リンゴ

  99年 唐辛子

  00年 キノコ、おから、黒酢

  02年 低インシュリン食品、ビール酵母

  03年 アミノ酸

  04年 にがり

  05年 寒天

  06年 キャベツ、杜仲茶

  07年 納豆、ココア

  08年 朝バナナ

 (このほかにも、03年以降、コンニャク、豆腐、豆乳、バナナ酢などがはやった)

毎日新聞 2008年12月7日 地方版

 しかし、最後のリストはなかなか傑作だ。特に最近数年は、毎年毎年品を変えて見事にかつがれている。これを見てかつがれていることに気付かず、次に出てくる○○ダイエットを真に受けるとしたら、救いようのない本物の間抜けではないか……。

メディアリテラシーかな、これは

Posted on 12月 10th, 2008 in 倉庫 by apj

 共通教育で、テレビのインチキダイエット番組を取り上げていたら、学生さんから、テレビは信用できないというコメントがついたので、こんなことを言ってみる。
「テレビ番組は視聴者のためにあるんじゃなくてスポンサーのためにあるってことを忘れないで。スポンサーはCMを見せて消費を買ってもらいたいと思ってる。でも、CMだけ流したってみんな見てくれないから、番組とセットにして人を集めているわけ。だから、CMを見れば、どういう層をターゲットにしているかわかる。例えば、旅行会社が海外旅行のCMを出しているなら、ターゲットは、休暇をとって海外旅行を楽しんでくれそうな層ということになる。じゃあ、例えばCMを出しているのがパチンコ屋とサラ金だったら、ターゲットは、バクチは胴元が儲かるという自明な事実も認識できず目先の楽しみのために借金こさえてくれそうな層、ということになるよね。そういう層をターゲットにした番組がどういう内容や質のものになるか……あとは、いろんな番組のCMを出してる会社と商品を見て考えてみてね」

青池保子の漫画かよ!

Posted on 12月 9th, 2008 in 倉庫 by apj

 Yahooニュース経由産経新聞の記事より。

アイドルが「ヒトラーおじさん」偉人と紹介 テレビ東京謝罪
12月8日21時19分配信 産経新聞

 テレビ東京が4日放送したバラエティー番組「よろセン!」で、アイドルタレントがナチス・ドイツの独裁者、ヒトラーを「世界の偉人」として紹介したとして、同社は8日、「誤った歴史認識に基づく不適切な内容でした」としてウェブサイト上で謝罪した。

 放送されたのは、同番組の「世界偉人DEN!」のコーナー。アイドルグループ「℃-ute」のメンバーがヒトラーを「ヒトラーおじさん」と呼び、その演説には癒しの効果があったなどと紹介。放送後、ネット上の掲示板などで批判の声が上がっていた。

 番組の制作会社、エス・エス・エムも公式ブログで謝罪。原因について「社内のチェック体制が甘かった」と説明している。

 有名人ではあるが偉人ではない>ヒトラー。それはともかく、ヒトラーおじさんって、確か青池保子のマンガにキャラ化して登場していた時にそう呼ばれていたっけ。「イブの息子たち」だったかな。少女漫画的には、ヒトラーはかっこ悪いキャラで、将校が(絵の上では)美化されるのが常だったはず。
 別の報道だと、ヒトラーおじさん発言はアイドルのオリジナルではなくて、そういう台本を書いた人がいて、アイドルは単に読んでいただけということ。もしかして、制作者は私と同世代で青池さんのマンガでも読んでたのか?制作者が歴史をさぼりまくってて、ネタ元が「イブの息子たち」だけだったとしたら……「ヒトラーおじさんは偉人」って台詞が出てきても不思議は無い気がする。

 しかし癒しの効果って、ヒトラーには一番似つかわしくない。記事を見て一瞬、癒しってどういう意味だったっけ?と考えてしまった。「水からの伝言」で、「ヒトラー」と書いて水に見せると普通は結晶ができないが、ナチスの支持者が同じ事をすると結晶が綺麗になる、というトンデモ話ならある。基本は癒し路線の水伝でもここまでくると何が何だかわからない。