postheadericon ウルフアンドカンパニーと同時に2つ訴訟開始(たぶん)

 久しぶりに本人訴訟が2カ所で同時進行になりそう。どちらも相手は次亜塩素酸水の販売をしているウルフアンドカンパニー(代表取締役は大竹誠一氏)。

 ウルフアンドカンパニーは以前から,BuzzFeedJapanの取材に対して私と小波さんが行ったコメントに対し,内容を撤回しウルフアンドカンパニーの装置を安全だと宣言しないと提訴するぞ,としつこく通告してきていた。なお,取材記事中にウルフアンドカンパニーの名前も具体的な製品名も登場しないので,ほとんど一方的にウルフアンドカンパニーの方から絡んできた状態である。なお,大竹氏は,本人訴訟が得意だと自称しており,かつ,越谷簡易裁判所で訴訟を行うことにこだわりを見せていた(下記LINK先参照)。

 小波さんは弁護士を代理に立てて交渉事件として進めた。私は自分で反論することを選んだ。大竹氏に訴訟をちらつかされている人が複数居ることがわかったので,私に送られた訴訟予告のメールをウェブに掲載して,反論を掲載していたところ,メールの無断公開だから削除せよといってきて,拒否したら,越谷簡易裁判所に訴状が出された。

 ところが,本人訴訟が得意だと自称していたにも関わらず,大竹氏は,訴訟金額の計算を間違えた。100万円の損害賠償に加えて,削除要求を訴状に書いたため,削除要求の部分が160万円として扱われることになった。結果,訴額260万円となり,簡易裁判所で扱える額を越えてしまった。裁判官は,職権で,管轄違いにより地裁に移送する決定を行った。その決定の通知と訴状と書証のコピーが送達されてきた。おかげで,改めて地裁から連絡があるまで答弁書を出せない状態である。まあ,先に訴状の内容がわかったので,ゆっくり答弁書を練る時間ができたとはいえる。

 大竹氏がそのつもりなら私も遠慮無くやってもいいだろう,ということで,一昨日,山形地裁に,BuzzFeedに出したコメントを取り消す義務はなく,ウルフアンドカンパニーの商品を安全だと宣言する義務もないことを確認する債務不存在確認訴訟+理由の無い提訴を予告されて精神的負担と手間がかかったことについての慰謝料20万円請求等の内容で,訴状と証拠書類一式を提出した。小波さんが弁護士を代理にして,実際に費用が発生している状況を考えると,自分で対応した私に発生した余分な手間や精神的負担について請求したってかまわないだろう。

 元々,訴訟するぞというメールを公開して反論を加えておいたのは,次亜塩素酸水に批判的なことを公言すると営業妨害で訴えられるぞなどといった投稿がツイッターなどで散見されるようになったため,次亜塩素酸水についての自由な批判を妨げる動きを牽制する目的であった。だから,ダメ押しをするには,債務不存在確認訴訟が必要な状況ではあった。ただ,3省庁合同の発表や,北里大の試験結果の発表などがあって,次亜塩素酸水の消毒効果については帰趨が見えていたので,慌てる必要もないかと思って延び延びになっていた。反論公開について提訴されたので,じゃあ残りの部分もやっとくか,となった。

 まあ,そんなわけで,ウルフアンドカンパニーが原告で私が被告の訴訟と,私が原告でウルフアンドカンパニーが被告の訴訟が,同時に別々の裁判所に係属することになる予定である。

 ただ,さいたま地裁の方の開始は少しかかるかもしれない。大竹氏による訴状を見たところ,貼用印紙額の記載はないし,予納郵券の記載もなかった。大竹氏は,よほどすぐに弁論したかったのか,訴状で「請求の原因」と書くべきところを「準備書面」と書いてしまっていて,手書きで「請求の原因」に直されていた。いくらなんでも気が早すぎるだろう。また,始まったとしても,訴状が今のままだと,請求の趣旨と関係ない内容が請求の原因に書かれていたりするので,答弁書を出した後,まずは,法律の問題と根拠となる条文に絞った形で請求の内容を整理してもらうところから始めなければならない。請求の趣旨と,請求の原因の中身が,少なかったりかみ合っていなかったりで,このままだと,何をどこまで反論するかがすぐには決まらないかもしれない。

 なお,意外だったのは,てっきり,私が書いた批判の部分が名誉毀損や誹謗中傷で営業妨害にあたる,という内容で訴状が来るだろうと思っていたら,大竹氏が書いたメールの内容をまるごと載せている部分を消せ根拠は著作権法違反な,と言ってきたことである。私の批判よりも,大竹氏自身が書いて送ったメールの内容が公開されていることの方に不利益があるということのようだが,一体どういうことなのだろうか。

Comments are closed.