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講演とか

Posted on 4月 23rd, 2008 in 倉庫 by apj

 午前中は、都内で、日本トリムの取締役副社長の須長氏と話をした。以前、九州大白畑教授の活性水素説を宣伝で広めまくった日本トリムだが、須長氏が着任してから、全社的にコンプライアンスの徹底を目指す方向で指導し、もう活性水素の話は宣伝では使っていないということだった。これからは怪しい活水器とは一線を画して売っていきたいということだった。まあ、これまでがアレだったといえばアレなんだが^^;)、この先ニセ科学に走らずに商売してくれるなら良いので、当分見守りたい。
 午後は、毛髪科学技術者協会で講演。水関連の話。この団体は、美容室で使う器具やパーマ液、化粧水等の製造販売をしている業者さんの団体で、科学技術に基づいた商品開発や宣伝をすることを目指している。水関係はいろいろ持ち込まれるらしいので、「水ではなく水溶液であると考え、水以外の物質の組成と存在量の分だけは効果を期待しても良いが、それ以上のことは期待できない」といった基本的な話をした。とにかく、物質に立ち戻ることが基本だと強調し、今やっておられる活動を応援する方向で話をしてきた。
 大学では講義が始まっているので、抜けるのもどうかと思い、講演依頼があったときにかなり悩んだのだけど、仲間の先生に無理を言って抜けさせてもらった。美容業界は、美容師さんが怪しい水にはまったりすることが多いので、まっとうな業者さんを応援しておいた方が良いと考えた。
 まともな商品開発や宣伝をしている業者さんがマーケットシェアをとれるようでないと、消費者だって困ってしまう。懇親会で乾杯の音頭まで頼まれたので、インチキ業者がうまいことを言って商売しているのに遭遇して悔しい思いをすることもあるでしょうが、どうか負けないで、ということを言ってみた。

わけのわからない判決

Posted on 4月 23rd, 2008 in 倉庫 by apj

 YOMIURI ONLINEより

雑誌にコメント「掲載同意なら個人に責任」東京地裁が賠償命令

 音楽市場調査会社「オリコン」(東京)が記事中のコメントで名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの烏賀陽(うがや)弘道さん(45)に損害賠償などを求めた訴訟の判決が22日、東京地裁であり、綿引穣裁判長は烏賀陽さんに100万円の賠償を命じた。

 問題となったのは、月刊誌「サイゾー」の2006年4月号に掲載された記事中のコメント。記事は、オリコンの音楽ヒットチャート集計の信用性に疑問を投げかけるもので、烏賀陽さんは「オリコンは予約枚数もカウントに入れている。予約だけ入れておいて後で解約する『カラ予約』が入っている可能性が高い」などとコメントしていた。

 雑誌の発行元ではなく、コメントした個人だけを名誉棄損に問うのが妥当かが争点となった。判決は「一般に、出版社はコメントの裏付け取材や編集を行って掲載するため、コメントした者が名誉棄損に問われることはない」とする一方、「そのまま掲載されることに同意していた場合は、例外的に責任が問われる」と述べた。その上で、烏賀陽さんが掲載に同意しており、内容も真実とは言えないとして、賠償を命じた。

 烏賀陽さんは「言論を封じ込める判決で納得できない。控訴する」と話した。

 服部孝章・立教大教授(メディア法)の話「記事に最終的な責任を持つ出版元ではなく、コメントを寄せた個人の発言をとらえて名誉棄損を認めた判決には強い違和感を感じる。このような司法判断が出ると、取材を受ける側はコメントしにくくなり、マスコミは疑惑を報じる記事を書けなくなる恐れも出てくる」

(2008年4月22日23時14分 読売新聞)

 サイゾーの取材は、以前に私も受けたことがある。怪しい水商売批判ネタだったし、当然、批判するコメントをした。また、コメント掲載がそのまま行われる事も予想していた。だから、この判決は他人事ではない。
 そのまま掲載されることに同意せずにコメントせよ、というのでは、ほとんど何もコメントができなくなってしまう。コメントは改変してから掲載してください、じゃ、そもそも取材に応じる意味が無くなりそうである。
 そもそも、記者の取材に応じることに「公然性」があるのかも疑問である。普通は、責任を問われるのは出版社や編集部や記者までではないのか。