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第6回
講義内容
- X線・中性子線でものを見る
- 光(電磁波)、光の放射、黒体輻射、光電効果
- 物質の波動性
- 量子力学構築へ
- 電子状態の記述と電子の軌道
- 水素原子
- 他の原子の電子状態
- 「波動」系インチキを見抜くために(周期表と物質の波動性と不確定性関係)
第6回の内容に関する質問とコメント
- 私たちが高校でやってきたことは100年以上も前のことだったなんて知らなかった。100年前の科学でもこんなに難しいのなら、現代の科学はいったいどんなふうになっているのだろうと思った。
→大学4年じゃ足りなくて大学院まで行かないと最先端にたどり着けない分野が多い。しかも、一人で広い分野を見渡すのが難しくなって分野が細分化して、研究者がタコツボに入るという弊害も出ている。
- なぜ水素原子から出る光が赤、青で3種類なのか?赤、紫、青という意味なのかよくわからなかったので教えてほしい。
→前回のプリントの水素原子の図を見直してほしい。量子の世界では、電子の持つエネルギーがどういうわけかとびとびの値をとる。エネルギーというのは、高さの決まった階段みたいなもので、その高さ分のエネルギーをもらうと一段登る。下に降りる時は、その段差分だけのエネルギーを光として放出する。エネルギーの差が、ちょうど、赤や青の光のエネルギーに等しくなっているものがあるので、色として見える。もちろん、人間に見えない光もいくつも出している。
- 今日もためになる授業でした。波動性は物質にしか働かないのでしょうか?
→ミクロな世界では、物質も光も、粒子としての性質と波としての性質の両方を持っていることがわかったのが、前世紀の初め頃のことである。私たちが普段目にする、粒や波というもので、ミクロな世界はとらえられないということになっていた。
- 波長以下のサイズのものを見るには波長の短い光を使う、というところがなるほど、と思いました。電子顕微鏡は透過、走査、プローブなどときいたことがありますが、同じ電子顕微鏡でも使われている光線はどれも違うのですか?ふと疑問に思いました。(透過は断面を見る、走査を表面をみる、プローブはいまいちわかりません)。
→電子顕微鏡は、電子を物質に当てて物を見る。電子も波としての性質を持つので、光と同じように、物に当てれば物を見る(但し写真にとる、といった方法で)ことができる。プローブ顕微鏡は、非常に細くて小さな針を物の表面に当ててなぞっていくという方法で表面を見る。こちらは、日常的な感覚でいうと、触ってみるというのに近い。
- 軌道の形とか何だかわからない。
→電子の居場所。図でぼやっと広がったところに電子が居るが、どこにいるかは測ってみるまでわからない。
- とびとびの値とは、具体的にどういった関係性のある値のことでしょうか。量子力学は確率的な存在として物質を扱う部分が主である学問であるのに、現在の私たちの生活を支えているコンピュータや家電製品のどだいに確実に応用されている。単純にとても不思議だ。ぼやっとした「確率的な存在」の応用が明確なリアルなものを生み出しているのだから。
→波動方程式から自然に導かれる。とびとびの値の時しか、電子の運動を現す式に解がないようになっている。古典的にイメージしやすい例をあげるなら、ギターなどの弦の振動になる。両端が固定されていると、決まった振動数でしか振動できない。これと同じようなことが、原子の世界でも起きていて、電子は決まったエネルギーしかもてない。
- ブルーバックスの教科書は文系の人が読んでも理解できますか?
→興味があれば大体は理解できる。高校生位を対象にしたものも多数ある。
- 授業でナトリウムランプの話が出ましたが、なぜトンネルのランプはオレンジ系のあの色なのでしょうか?視認性がいいとか理由があるのでしょうか。
→たとえば、http://www005.upp.so-net.ne.jp/fumoto/linkp24.htm
霧や煙に対する透過性が良い、という説明がなされている。が、これを確認する実験の情報にはたどり着けなかった。誰かわかったら教えてほしい。
- 授業の内容がいつも難しくて、レポートをちゃんと書けるのかとても不安。嘘だと言われても「え!そうなの?」という感じ……。それを見抜くのは大変だと思った。
- 「波動」という不確かなように見えるものも知識があればウソか本当かわかる。授業を受けてよかった。
- こするとマイナスイオンが発生する石は存在しますか?(買った友達がいたので……)
→トライボロジーの問題。マイナスイオンどころかプラズマが発生するようなこすり方も可能だろうが、普通にやってできるかどうかはわからない。また、そんなものを出して意味があるのかどうかもよくわからない。
- ピラミッドパワーはどんなものですか。
→もともと、自然界に存在する数学的な関係(倍数とか素数とか)が、あらゆる事象を説明するに違いないという考え方があった(もちろん、今では間違いだとわかっている)。この考え方の延長に、ピラミッド学というのが出てきた。その内容は、ピラミッドの中の階段の数や構造を、世界の歴史になぞらえたりするといったもので、予言を読み取ろうとした人もいた。しかし、単なる語呂合わせ以上の意味はない。
- 実験や研究の方法の難しさを知った。実験や研究によって万人が納得でいる結果なんて普通でない。出たら、それは結果が意図的に操作されているという、どこかで読んだものを思い出した。発掘あるある大事典の実験なんてその最たるものだよなあ…。特定の食品だけ食べて一週間やそこらで結果がそれも顕著に出るなんてそんなバカみたいなことが起きるわけないだろうと。逆に、大豆イソフラボンのいうに大量摂取によってガンの危険性が増加するなんて弊害が起こりやすくなってしまうのに。
→演示実験と研究のための実験には違いがある。生物がからまない実験は再現性をコントロールしやすいものが多い。生物がからんでくると、ばらつきが出るので統計処理が必要になったりする。
- 科学ってウソが多いんだなあ…と科学に対して不信を抱きます。「あるある大事典」の「コーヒーでやせる!」とか「ポリフェノールが効く!」とかも嘘なのですかねぇ。
→「あるある大事典」はそもそも科学じゃない。現役の薬剤師さんがやってるサイト「発掘?あるあるトンデモ大実験」http://www6.ocn.ne.jp/%7Esyuneido/index.htmが、あるある批判サイトとして非常に参考になる。コーヒーダイエットも出ていたが、「番組がでっちあげたデマ」と断言されてる。
科学に不信感を抱くのは間違い。科学を騙る人々にだまされているだけのこと。
- この授業を受ける度に世の中には嘘がたくさんあるし、しかもその嘘がテレビで放映されてることを知れた。テレビでやっていたからという理由でものごとを信じきってそれについて考えることを止めてしまわないようにしたい。よく「あの人はオーラが出てる」とか言うけど、あれもただの表現で、実際にそういう「オーラ」みたいなのは出てないですよね?それとも「オーラ」は水蒸気ですか?あと、科学かどうかわからないけど「バウリンガル」という犬の言葉を知れる機械がとてもうさんくさいと思った。
→バウリンガルは、「イグ・ノーベル賞」を受賞した。そもそも科学ではないし、オモチャだと思って楽しめばいいだけ。オーラの物理的実態は今のところ確認されていないし、そういうものが人間から出ているという根拠もない。
- スプーン曲げはどういう原理ですか?
→種あかしがここに。http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ebisan/spoon.htm
主に演出が問題のようだ。【追記】マジシャンなら誰でもできるという話もあるが……。
- 先日あったアガリクス問題(ウソの内容の本を売ってアガリクスを買わせていた)はヒドイと思った。「大学名誉教授監修」と書いていれば多くの人は信じてしまう。TVでその名誉教授が「全く目を通していない。監修なんて皆そうだ」と言っていたのだが、本当にそうなのだろうか。私にも病気の祖母がいて、母がその本を買いそうになったらしい。「本当に治るのなら……」と希望を持って買った人たちがだまされた。許せない事件だと思う。
→実際、水関係の研究者のもっと偉い先生のところには「お名前貸してくださるだけでいいんです」ってお願いがやってくるそうな。それが一番あぶないわな。
- 結局、人間は波動を出しているのですか?
→「波動」の人たちが言う意味での「波動」を出しているという証拠はどこにもない。
- 波動ということについて、以前TVで人は動くだけで微弱な電磁波を出しているので、犬などはその電磁波を感じて飼い主の帰宅がわかるという話を見ました。これはどうなんですか?
→それが実験で確認されているかどうか私も知らない。が、犬は人間より音に敏感で鼻もきくので、本当に「電磁波だけ」を感じる状態で実験しないといけないのではないか。人が微弱な電磁波を出していることは事実だし、電磁波が赤外線だったら遠くからでも見える。結局、本当は犬が何を感じているのかはよくわからない。
- 光をどうやって力に変えるのですか?
→もともと光はp=hν/cの運動量を持っているので、ものにぶつかれば力を及ぼす。【追記】「光ピンセット」「ソーラーセイル」などをキーワードにして調べると応用例がいろいろ出てくる。
- 原子(たとえば水素原子)は本当にどれも全く同じものなのだろうか。本当に「個」でないものってあるのかなと思うことがある。逆に偏狭な考えなんだろうか。確かに「同じ」と考えないと元素分類表の意味がないことになるけど、とりあえず同じ分類にすれば都合的にいいからとかではないのだろうか。現代科学(化学)を自体を敵に回す発言だと思うけど……。
→測っても区別できなければ同じとするしかない。現代の科学は、測定してわかる量の関係を記述するという形で作られている。
- 今の世の中は発展とは裏腹に悪い方向に向かっている。権威で間違ったことを周りに広められる。どれが本当の事なのか嘘なのか見抜くだけで生きるのに疲れそうな位だ。このような事をする人たちを神は許すのだろうか。そもそも神なんて存在しないのだろうか。そういえば少し前にテレビでインチキ医師の話があった。通い続ければがんが治ると言って長い期間と多くの金を奪い取られた。本当にひどい話だと思った。
- 高校の時にならった「物理」が今日教わった「化学C」とかぶっている時があり、いきつく所は同じなのかもと思った。
- 変な話にだまされないように気をつけ、まただまされている人がいたら根気強く否定しようと思う。
- 今まで、電磁波の波長についてよくわからなかったが、今日の講義で理解度は増した。とある講義で波動方程式を扱ったが、講義中はノートに数式をひたすら羅列し続け、最終的に出たものが何なのかわからなかった。
- 広告などにだまされない知識を身につけたい。
- まだまだ多くのインチキな事があるのだなと思った、もっと多くの科学の知識を身につけないといけないと思った。
- 単にお金だけを払って博士号などの学位をもらうなんて正直信じられなかった。そんな人達が偉そうに知識を語るなんておこがましいと思いました。
→本物の博士号を持ってる人の中にも、とんでもないインチキをやり始める人もいるから要注意。 日本では、大学の設置は文部科学省がきっちり縛って許認可行政をやったおかげで、ディプロマ・ミルによる被害がほとんど発生しなかった。
- ばれにくい嘘として「話の展開は正しいがそもそもの前提が間違い」というものがあるが、波動系のインチキも物理用語としての「確率波」と日常的な意味での「波」を「波動」としてごっちゃにしているところに穴があることがわかった。専門用語の意味を取り違えるとだまされやすいのかもしれない。
→それ以前に「波動」な人たちの論理展開には大穴あがある。彼らによれば、「現代の科学では検出できない微弱な波」と主張しているわけだが、その一方で「波動測定器」を堂々と売っていて、使われている部品はすべて現代の科学技術の成果だという……。一体何を測ったつもりになっているんだか。
- (・∀・)b→(´Д`)だんだん授業が難しい。
- ここ数回の授業はとても難しく、ほとんど話についていけない。同じ歳で、内容を理解している人はすごいと思う。
- 今日の話は少し難しくてついていけなかった。
- 今日のはなしはいつもよりも聞いていて難しく感じた。
- 内容がとても難しかったです。
- 激ムズだった。
- 出席カードに「科学リテラシー」と書こうとすると「科学リテラシー」になってしまうことがありますOTL。
→そもそも出席カード裏のコメントからして既に間違ってるし……。
- 今日もわかりやすい授業だった。
- 今まで知らなかった単語もいくつか出てきて、考えてみる、調べてみるきっかけになりました。
- 隣でカップルがイチャついていて迷惑です。よそでイチャついてください。
→イチャつくなとは言わんがイチャつく時と場所は選べ。少なくともそれは講義時間中の教室ではない。
- 今日は雨がすごかったですね。この雨は一体何なんでしょうか。雨水は純水なんでしょうか。とにかく雨が好きです。
- 今日もおつかれさまです。
- 水詐欺フゥ〜〜〜〜!!
- 化学っていろいろと大変なんだなあと思いました。
- 専門的でちょっと難しかったです。
- 途中の話が難しくてよくわからなかった。
- 光について詳しくしることができたので良かったです。
- シャープ!!
- 後ろの方で私語をする人がいて迷惑でした。集中して話を聞くことができません。病気の人をターゲットに嘘をついて高額な商品を売りつけるとは許し難いことですね。
- レポートマニュアル
→要望が多いので課題を出す前までにはもう少し詳しい情報を提供したい。さしあたりこのページで。 http://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/lab/lec-support/oldinfo/reportguidechemA2007
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