パーソナルツール
ナビゲーション
 

第12回

質問とコメント

  • 水の塩素殺菌 発ガン性物質の発生の話は何度も聞いたことがあるが、自分の高校の健康の教科書にもそのことが載っていた。教科書に載っていたので信用していたが、今日の講義で否定され多少ショックを受けた。教科書に嘘が載っていたのだろうか。
    確かに、塩素殺菌でトリハロメタンができて発ガン性を示すという実験もある。ところが、発ガン性を示す物質は、強いものから弱いものまで世の中にはたくさんある。全ての発ガン性物質を除去することも、一切摂取しないことも不可能である。リスクの高いものから対策すべきである。
     塩素殺菌については、塩素殺菌をしないことによる感染症が原因の死亡のリスクの方が、塩素殺菌をした結果できたトリハロメタンによる発ガンのリスクよりはるかに大きく、範囲もひろい。一方、昔より今の方が癌で死ぬ人が多くなった理由は、単に寿命が延びたことが大きい。塩素殺菌をやめれば、感染症でもっとたくさんの人が死ぬから、相対的に癌が死因となる人が減るだろう。また、いくらトリハロメタンを気にしても、発ガンのリスクはたばこ一本吸う方がずっと大きい。喫煙しながら水道のトリハロメタンを気にするのはナンセンスであろう。
     教科書に嘘が書いてあったわけではない。だが、その教科書に、水の塩素殺菌のリスクと、他のリスクを正しく比較できるだけの情報が出ていただろうか?リスクの程度を示さずに、単に「発ガン性がある」しか書いてなかったのだとしたら、それは不十分であり、不安を煽る効果しかないだろう。
  • テレビや雑誌でインチキの見破り方をとり上げるべきだと思った。テレビでインチキをやっていたら、被害者が増えるだけである。
    自分で自分の首を絞めることになるから本気ではやらないだろう。当面の対策としては、「TVが信用できる」と思いこまされた理由を各自振り返ってみることではないか。
  • TV番組で、結局最後まで結論がでない特集をやって、司会者が「今後どのような結論が出るのでしょうか」とか言って終わるのを昔よく見た。分からないならやるな!と思っていつもイライラしてた。
    分かった、といって真っ赤な嘘を教えられるよりマシでは?
  • 洗剤でオススメのものってありますか?洗濯物のよごれがおちずに困ってます。
    「暮らしの手帖」という雑誌が、日常生活で使う商品の比較テストをいつもやっている。図書館などでバックナンバーを探せば、比較記事があるかもしれない。私は、比較をしたことがないのでよく知らない。
  • 正しい広告ももちろんありますよね。
    パソコンの広告とかは大部分が正しいし、イメージに訴えるものでもそう間違っていないものはたくさんある。全部が怪しいわけではない。
  • 健康関連の広告などを見ると「治る」「効く」ばかりなんですが、あれは皆医薬品なんですかね?あと、よく使用している人のインタビューでその人が「病気が治った」などと言うのは企業が言った事ではないので問題ないということですか。
    医薬品と明記してなければ、それは医薬品ではないので、広告が違法である。また、体験談で治ったような印象を与える宣伝をしてもいけないし、そういう本を出してもいけない。インタビューが、広告に出すことを目的として行われていたら違法である可能性が高い。もし、個人が、商売とは全く無関係に個人のblogや日記帳で治った話を書いているだけなら、違法ではない。
  • 健康食品等は本当に真実であるのか確認することはすごく大切だと思う。最近は肉体改造の器具も売られていて、「これを使えば腹筋50回分の運動」とか言ってるものもありますが、ああいうものは肉体(筋肉)の問題なのでどのように考えていけばよいでしょうか?
    バネを延ばしたり、足とかを押さえたりして、実際に力を出して運動するものなら、腹筋何回分という定量的な部分の精度はともかく、効果はある。インチキなのは、遠赤外線やらヒーターやらで加熱するだけで運動と同じ効果をうたったり、電気的な刺激を与えることで運動の効果があると謳ったりするもの。自分で力を出して筋肉を使わないものは嘘だと考えるべき。
  • 超能力は私も信じられません。しかし、インドのサイババはちょっと信じています。手から粉とか指輪とかを出すことができるそうです。そんなのありえないですよね?
    手品師に頼めば、目の前で手から花束やらハンカチやらその他色々山ほど出してくれるが?
  • 体験談は信用できないのは、ウソを書いても分からないからですか?体験談はとても信ぴょう性を感じてしまうので怖いです。
    体験談は全て無視する、という訓練をすべき。このあいだ摘発されたアガリクスが癌に効くという宣伝は、体験談が全部フィクションだった。これは極端なケースだろうが、仮にその人が体験談で真実を語っていたとしても「××を食べたら治った」ということが本当である証拠にならない。たまたま治る時がきていたのかもしれないし、病院で薬を変えたりしたことの効果かもしれないし、高い健康食品を買ったから普段の生活にも気を付けるようになって、その効果かもしれない。体験談が真実であっても、治った理由を正しく反映している保証はどこにもない。
  • 宗教と科学は別物だと言っておりましたが、生物学は「生」を扱う学問であり、それは仏教の考える所と同じだと思います。従って宗教と科学は明白に異なるというのは誤りだと思います。
    キーワードから連想されるイメージだけで語らないように。例えば、仏教の基本的な考え方の一つに、輪廻というのがあり、悟りをひらくと輪廻の輪から抜け出せる(解脱できる)。生物学で扱うのはせいぜい物質の循環で、輪廻という思想とは結びつかない。また、仏教では「生」「老」「病」「死」は「苦」であるとされているが、生物学にそのような価値判断は入ってこない。同じ「生」を扱っているとはいえ、扱い方がまるで違うことははっきりしているので、仏教と生物学の両方の内容をもう一度確認してほしい。
  • 私も大学の講義や自分で調べてみて母親の言っていたことが違っていたものがいくつか出てきました。例えば「こげたものを食べるとがんになる」や「爪は呼吸している」といったものです。母親の知識をう飲みにするのも危ないなあと思いました。
    そもそも、母親の情報源がバラエティ番組だったり、怪しげ健康宣伝だったりするわけで……。
  • 今更失礼ですが、先生の名字は何と読むんですか。あと先生の名前を検索にかけたところ、本当に大人の人が書いたのか、と疑いたくなるような八つ当たりの文章がありました。素人目で見ても科学的立証がないように見えたので、逆におもしろかったです。
    名字は「あもう」と読む。また、その手の批判文を出しそうな人に心当たりはあるが、誰が読んでもヘンテコな文章なので、私の評価に影響しないから、みんなでネタにすればいいやと思って放置している。大人でもガキのセンスしか無い人が世の中には居るというだけの話である。
  • もう出てたらすいませんけど、ハロゲンヒーターのハロゲンってやっぱりあのハロゲンですかねぇ。
    内部にハロゲンガスが封入されている。
  • クリエアーとかファブリースの消臭剤は本当に消臭効果があるんですか?
    臭い物質を吸着させて取り除くとか、化学反応で分解するのであれば消臭効果があるのでは。何にでも使えるとは思えないので、どういう臭い物質に有効なのかということに絞って確認してみては。
  • 研究室の中には企業とのパイプが太い研究室があると聞きました。そのような情報はどうやって手に入れることができるんですか?
    研究室を出た人の就職先を調べる。特定の企業に行く人が多く、研究の内容が企業でやっている内容とかぶっていればパイプがあるかもしれない。あとは、大きい研究費を何年か継続して特定の企業から得ている場合、特定の企業の人と共著の論文が継続して出ている場合。これは業績リストを見ればわかる。もし、企業とのパイプを求めて研究室を探すなら、そこの教授に訊いてみるのが早い。
  • オルビスの化粧水で、エタノール分が強いみたいで目の周りにつけると目にしみるし、鼻にもツンとくるのですが、使い続けても悪影響はありませんか?またエタノールには引き締めの効果があると書いてありましたが本当ですか?
    目にしみるのは良くないので目を閉じて使う方が良いのでは。臭いが多少する程度なら問題ないだろうが……。エタノールは脂肪分を溶かす効果はあるが、ひきしめとは無関係では。
  • ダイエットの広告で、体験者のbefore, afterの写真がのっていて”飲むだけ”でヤセたと強くうたっているものは合成写真か、飲んだ効果よりも本気で食事制限をし運動してヤセた写真かどちらかと私は考えるのですが、この考えは間違っていますか?
    ほぼ合っているはず。たまに、飲むだけでやせることがあるかもしれないが、それは、カロリーのほとんどないものを飲んで他のものを食べずに「やつれた」状態だろう。本当に飲むだけでやせる薬があったら、健康被害が続出するはずである。
  • その「そうかい」という雑誌は本屋に売っているのですか?見たことないです…。
    若者がよく見るような雑誌とはべつの場所にあるからでは。山形大の生協には一冊入っていて、今月号は講義資料として私が買ったので既に売り切れだが。
  • スポーツドリンクのポカリ。粉から水に入れて自分でつくるやつと、もとから液体で売ってる物で違いはありますか?
    どちらも成分が書いてあるはずなので、自分で比べてみること。なお、自分で作った場合は、全体に濃かったり薄かったりするかもしれない。
  • 口に入るものは薬か食品のどちらかだというのをはじめて知った。医薬品と医薬部外品のちがいってなんですか。
    医薬品は、医師が処方する薬や薬局で買える薬。医薬部外品は、医薬品ではないが用途を限って効能・効果が認められているが、治療効果ではなく予防効果に重点をおいたもので、効果も期待できるという程度。正確な定義は薬事法に出ている。
  • 最近ポリフェノール効果をうたったカカオの成分が多いチョコレートをよく目にします。あれって何がどういいんでしょうか。
    国民生活センター調べ。人体への影響はまだはっきりわかっていない、が2000年での結論。これ以後、人体での影響が確認された実験が出ていなければ、特に意味はない。
    http://www.kokusen.go.jp/cgi-bin/byteserver.pl/pdf/n-20000508_1.pdf
  • サッカリンの質問を読んで、昔化学の先生が雑談で話してくれたことを思い出しました。これを発見した科学者は実験中薬品のついた指をなめてサッカリンを発見したそうなのですが、得体の知らない薬品がついた指をなめるなんて昔の化学者は命知らずだなあとその時は思ったものです。他にもこんな形で発見された物質がいろいろあるそうなのですが、先生ご存知ですか?
    残念ながら物質発見のエピソードはあまり知らない。yahooやOKWAVEなどのネット掲示板で質問してみてはどうだろう?
  • ただの水でも医薬品扱いになってしまうなんておもしろいなと思いました。
  • 万人が皆興味をもつような事が健康で、しかも興味をもつわりには正しい知識が欠如しているからこの手のエセ情報がたくさんでるのだと思う。
  • 私達が得られる情報には本当にたくさんの巧妙なウソが出回っていると思った。
  • 法律のことなどにふれていて、いつもと雰囲気が違う授業だなと思いました。
  • 今日はないです。
  • 今回と前回でどのように判断したらよいのかがわかった。これに元づいてインチキのネタを探そうと思う。
  • レポートがんばります。(他1名)
  • レポートのテーマは大体決まったので、これから調べて、作成していきたいです。
  • レポートについてなのですが、どう書いたらよいかいまいちよくわからないので、例みたいなものを見せていただきたいです。
    例を出してしまうと、ネタがかぶってる人が書きにくくなってしまう。書き方のフォーマットとしては、たとえば次のような感じ。
    1)**と言う製品がこのような効果があるということで、そのメカニズムはこうだという説明をしていた(広告のコピーなどを添付)
    2)メカニズムのこの部分は、理科で習ったこの内容と矛盾する、といったことを列挙する。また、説明のこの部分とあの部分は両立するはずがないので矛盾である、説明の根拠になった事実の記述が足りない、曖昧である……。
    3)従って私の結論は○○である……。
     2)の議論の中身と3)の結論(まとめ)が矛盾していないこと、議論するときに、インチキを批判している文書を引用するのはかまわないが、それを鵜呑みにせず、なぜその批判文を採用したかがきちんと書かれていることなどが大事。