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第2回
- 海の底から凍ることはありえるのか?風呂上がりなどでぬれた髪を乾かすのに自然乾燥は髪が傷むのでドライアーを使った方が良いと言われたがなぜか、それは本当なのか。
→もし、海が水溶液ではなくて何か他の有機溶媒でできていたら底から凍る、というか氷が全部底に沈む。ドライヤーについてはよくわからない。そういうことを言った人に、いかなる根拠で言っているのか問いただし、情報のソースがまともでない(テレビのバラエティ番組とか広告もどきとか)なら忘れてかまわない話。
- 純粋な水がないということは、中、高で使ってきた蒸留水も結局のところ水道水とあまり違いはないのですか?蒸留水はただ水道水を蒸溜しただけなのですか?
→水道水より蒸留水の方が不純物は少ない。蒸留水は、イオン交換カラムを通した後のものを蒸溜して作る。
- 水についての研究が思っていたよりも行われていて驚きました。研究史年表の1936年にエントロピーと書かれています。最近よく聞く言葉なのですがいまいちよくわかりません。時間があったら解説お願いします。
- エントロピーって何ですか?
→何回か後にも出て来ますが、直感的には乱雑さの尺度という理解でいいかと。取り得る状態の数、という説明もあります。
- 三重点は液体・気体・固体が同時に出来ると聞きましたが、イメージがつかめません。
→水と氷を瓶に入れて空気を抜いて蓋をすると、水の中に氷が浮いていて、水面の上は水蒸気で満ちた状態になって、よくかきまぜておけば瓶の中はどこも同じ温度になる。
- 無知で申し訳ありませんが、気になったので教えてください。前回のプリントで”学術用語で「マイナスイオン」は無い”とありました。実際、マイナスイオンていったい何なのですか?ちなみに私はマイナスイオン送風ができるヘアドライヤーを持っています。何が違うのかわかりませんが(笑)。
→イオンカウンターで測って負の電荷を持つものを何でもそう呼んでいて、候補になる物質は結局絞り込まれなかったので、結局何ななのかは不明。ドライヤーについては、放電してイオンを作っているのであれば、静電気防止効果は期待できる。
- 光とは何ですか。普段何も意識していない水が多くの人に実験されているのだと初めて知りました。
→電場と磁場の波(電磁波)。波長によっては人の目に見える。
- 化学って深いなーと思いました。「ファン・デル・ワールス力」は「静電気」と同じですか?
→電荷の引っ張り合いという意味では静電気と共通するけれど、普通「静電気」がみられる状況と分子間相互作用が見える状況は違うので……。
- 何をノートorプリントにメモすればよいのかが分からないです。
→疑問とか、プリントには無い説明を私がしたときとか。話を聞きながらメモをとらなければならない講義は、むしろ人文系の学部に多いのではないでしょうか。
- 窒素などの体積は、気体>液体>固体となるのに、なぜ水は気体>固体>液体となるのでしょうか。また他にもこのような物質はあるのでしょうか。
- H2O、Si、Geの間には固体が液体よりも軽いこと以外につながりや共通点はありますか?原子、分子が液体よりも軽い固体特有の構造をしているのですか?
→一つの原子に着目すると四面体的に電子の腕を伸ばして結晶構造を組む。シリコンやゲルマニウムではダイヤモンド構造と呼ばれている。水も四面体的に分子が配置する。
- 氷水に塩を入れるとさらに温度が下がると聞いたことがあるのですが本当ですか?もし本当なら淡水より海水の方が冷たくなるのですか?
→塩を氷水に加えたときに起きるのは塩の融解で、このとき融解熱を周りから奪って溶けるので温度が下がる。最初から塩が溶けた状態の海水は、氷になり始める温度が下がっているから、淡水よりも低い温度まで下げられる。(氷ができるときに熱を発生するので、温0℃以下に温度が下がった水でも氷ができはじめると温度が上がって全部凍るまでの間は0℃になる)
- 水の研究史年表の中にセルシウスさんの業績がありました。それを見て思い出したことですが、水が0℃以下になっても氷にならず、揺らしたりすると急に氷になるという話です。そんなことは本当に起こるのですか?
→起こります。きれいな水を用意して、ゆっくり温度を下げると、0℃以下になっても凍らないままでいることがあります。これを過冷却状態といいます。本来なら氷になるはずの温度でも、氷になるきっかけがなくて水のままでいる不安定な状態なので、何かのきっかけがあれば氷になります。揺さぶるとか衝撃を与えるといったことがきっかけになります。
- 「15Oを医療で使う…」というフレーズが出たと思いますが、どのような利用法がありますか。板書はしないとのことでしたが、例えば水素結合などでイメージがつかめるように、たまに黒板に簡単でいいので図などを描いてもらえるとありがたいです。身近な実験の紹介、楽しかったです。
→15Oは半減期が2分なので、15Oの水や酸素ガスを用意して人間に投与して、PETなどの核医学検査をすることで、酸素や水の代謝を画像で見ることができる。がんをはじめとする病気の発見のために用いられる。最近では、15Oを用いたグルコースの迅速合成法が開発され、糖代謝の研究にも使えるようになりつつある。
- タレスって倫理で出て来た人物ですよね?純粋な水は存在しないと書いてありますが、実験などで使っている水はどれくらい純粋な水なんですか?
→http://www.elgalabwater.com/water-quality-jp JIS K 0557において A1、A2、A3、A4グレードが定められている。私の実験室の装置は、蒸留水ではなく逆浸透膜で純水を作る装置だが、メーカーのカタログを確認したらできるのはA4グレードの超純水。
- どうして完全な氷の結晶は作れないのか。ファンデルワールス力=分子間力か?水についてだけでも沢山の人がこれまで人生をかけて研究をしてきたんだと思うと、とてもロマンティックですね。
→氷に限らず他のものでも完全な結晶を作るのは難しい。端から順番に原子や分子が詰まっていくわけではないので。ファンデルワールス力は分子間力のなかの1つ。
- 「酵素が体にいい」というのが流行っているようで、母が、ガン治療中の祖母に「酵素食品」をいろいろ食べさせているのですが、どんな酵素がどのような仕組みで「体に良い」のか調べてもよくわかりません。今回の授業に直接関係ないかもしれませんが気になっていたので質問してみました。水の密度が4℃で最大って知らなかったので驚きました。
→調べてわからないのは当たり前で、ろくな根拠(臨床試験などのエビデンスのことです)もないのに体に良い、と口先だけで販売してるから。
- 水の密度が4℃で最大ということを初めて知りました。純粋の水は存在しないことに驚きました。ミネラルウォーターは何が混ざっているのですか?
→成分表を見ると良いかと、カルシウムとかマグネシウムとかナトリウムとかカリウムなどがわずかに混じっているはず。
- 今後また常識をくつがえすような新たな科学の発見があると思いますか?
→常識とは何か、が問題になるかも。すごいのが見つかるとしたら宇宙論とか素粒子論かなとも思うけど、あっちは既に、日常生活を基準にした「常識」からはとっくに離れているので……。
- 今現在も怪しい学説はあるのでしょうか?
→山ほど。
- 水に氷以外の固体のかたちがあるなんて初めて知りました。
- 水についていろいろなことが分かりました。
- 科学難しいけれど、身近なインチキを科学的に解き明かしていくのがとても楽しいし、自分のためになる(こうじゅんの効果のなさの話だったり…)←前回のことだけど。
- 周期表が現在と全く違うということは初めて知った。最初のその周期表がどんなmのあったのか気になる。また、ドルトン、ゲーリュサック、アヴォガドロ等、高校の化学Iでも出て来た名前も今回の授業に登場し、とても興味が持てた。
- 今日やったような科学史の話は、これまで高校などではやってこなかったので、新鮮で、興味がわきます。またやってほしいです。
- 高校でやった所でも結構忘れてしまっている所もあったので、もう一度復習すべきだと思いました。
- いろいろな人がいろいろな実験をやっているんだと思った。多くの人が信じていた4元素説を打ち破ったラヴォアジェさんはすごいと思った。もしかしたら今私たちが一般的に信じている話の中にも、将来打ち破られる話があるかもしれない、と考えたら面白いと思った。最後の水の密度が4℃で最大になる実験が面白かった。
→否定される話は少ないと思うが、意外な方に拡張されるものはあるかもしれない。ただ、十分な証拠が無い限り、新規なものに飛びついても、ただ単に間違う可能性の方が高い。
- 毎日飲む水ですが「純粋な水は存在しない」ってことを講義で言っていたので、よく考えてみると、なるほどなあと思いました。
- 日常で使っているものでも、分かっていないことが多くて意外だった。
- プリントが分かりやすかった。
- 水についてこんなに考えたことがなかったのでおもしろいです。
- 水の性質については中学、高校と聞いてきたが、今回はそれより少し詳しい内容を聞くことができ、勉強になった。
- 「マイナスイオン」という言葉にだまされていた気がする。
- ますます水っておもしろいと思いました。水道の蛇口をひねるのが楽しみになります(笑)。
- みんなの質問への回答がためになりました。
- 前回の質問に丁寧に答えていただいてありがとうございます。
- 研究史の解説で、科学と技術は密接に関わっていると改めて思いました。
- プリントによる授業は復習しやすくてよかった。
- 水素結合というのは直接目では確認できないけれど、水にさまざまな性質を与えているのだと分かりました。
- 水素とか水について詳しくなったと思います。
- D2Oについてもっとききたかった。
- 2年に1回周期表の改訂があるのには驚きです。
- 科学について、高校の授業で理屈や理論、計算方法などを習いましたが、今回の講義では科学が進歩していく過程を歴史に沿って知る事ができ面白かったです。学問に対して、今までとは違うアプローチができました。
- 丁寧な解説ありがとうございました。気になっていたことだったので、すっきりしました。
- 実験をやってみます!
- ラグビーは好きですか?
→好き嫌い以前にルールすら知りません。やったことはないし、やっているのを見たこともほとんどありません。
- 水の研究史年表はとてもおもしろいなと思った。1つひとつ細かく知りたい。
- 重水飲んでみたいです。
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