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毎日新聞の記事 by landさん(2002/07/04)

【注意】このページの内容は商品の説明ではありません。商品説明中に出てくる水の科学の話について、水・液体の研究者の立場から議論しているものです。製品説明は、議論の最後にある、販売会社のページを見てください。

Source: 掲示板[413]
Subject: 毎日新聞の記事
From: land

毎日の記事(http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/science/Bio/200206/17-3.html)にツッコミを入れます。

>街中の交差点や室内よりも自然の中が気持ちいいことを私たちは経験として知っているが、

それは自然の中に出て行ったことが少ない人の妄想だ。いいかげん、想像で「自然賛歌」をするのはやめたらどうだ。
くそ暑くてムッとする林の中より、エアコンの効いた部屋のほうが私は気持ちがいい。 滝のそば云々ということもいわれるが、それは暑いときに少しだけいるからだ。ずっといれば湿っぽくてしょうがない。

>1910年、関節炎の悪化と気候との関係を調べた学者が「症状が悪化する時は大気中のプラスイオンが多い」と発表し、関心を呼んだ。

これだけでは、プラスイオンのせいなのか気圧が低くなったからなのか湿気が増えたからなのか気温が下がったからなのか、直接的な原因はまったくわからんはずだ。「プラスイオンが多いと症状が悪化する」ならわかるが……科学記事ならツッコミを入れんかい!

>プラスイオンが増えると、犯罪や交通事故の発生率が上がるという疫学調査もある。

満月の日と事故との関連を調べた調査もあったはずだ。調査するだけならなんでもできる。擬似相関ぐらいなら、どんなものにも発見できるだろう。肝心なのは因果関係を調べることだ。
プラスイオン=大気汚染なら、そりゃあ休日よりも交通量が多い平日のほうが事故は多いだろう。交通量が多ければ大気汚染もひどく、プラスイオンも多いだろうよ。ツッコミを入れんかい、毎日!
>マイナスイオンは、細かい水分子や酸素分子がマイナスの電気を帯びたもので、

某サイトに出ていた硝酸と硝酸イオンはどう説明するんだ。都合のいい化学種だけ出さずに全部出せ。わかっている限りのことを出せ。

>滝や噴水などでは、水が落下する衝撃で水分子から電子が飛び出し、

物理的な衝撃で電子が飛び出すとは思えない。帯電することはあるかもしれないが、ほかの原因を考えたほうがいいのではないか? 研究を進めてほしい。

>逆に、交差点などでは、空中に漂うほこりや大気汚染物質がマイナスイオンを吸着して殺してしまう。

それは大気汚染物質がよくないのであって、イオンで語るべきものではないだろう。アホか、お前は。 しかし、たしかに交差点は出会い頭の事故が多いかもしれん(爆)。

>通常環境(200〜400個)では、時間がたつにつれて増えた。

その「通常環境」とはなんだ? 排ガスもうもうの都心の病院での試験か?

>マイナスイオンが「リラックス」効果を示したと推定される。

マイナスイオン発生装置を使ったと思われるが、それがどんな物質を生成しているのかを調べるべき。 その装置を置いたときに、空気がどう変わったのかを調べるべき。

>体内の活性酸素が増えすぎると、細胞を攻撃してがん化させるなどの悪影響を与える。

発生した活性酸素を中和できないようなら、すでに体の調子が悪くなっていると思われる。病院へ行け……といっても自分ではわからないか。まあ、食生活や普段の暮らしを見直すほうが先だな。

>ところが、ラットの赤血球にマイナスイオンを当てると、活性酸素を取り除く酵素(SOD)の活性が倍増したという実験結果がある。

それは試験管での実験ではないのか? せめてヒトでの実験を出せ。

>約60万人の患者がいるリウマチも、大気イオンとの関係が古くから指摘されており、

天候との関連のほうがよく耳(目)にする。
交差点へ行くと調子が悪くなるという話も耳にしたことがない。

『「体にいい」マイナスイオン リラックスし、効率アップ−−解明どこまで』とのタイトルだが、肝心の「どこまで解明されているのか」が出てない。
『科学的な検証は遅れている』の文言はあるが、「なんら解明されていない」「否定的(懐疑的)に研究している学者もいない」「科学的な議論もされていない」「科学になってない(笑)」とのことも言わず、都合のいい観察・実験結果しか出してないのでは、科学記事としての価値はたいへんに小さい。突っ込んで説明することはできないという事情はわかるが、それでも疑問だ。
記者はモトネタにあたっているのかもしれないが、一般人は論文なんかは読めない。論文や報告の結論が問題ではなく、方法・手法が問題なのだ。その論文が正しいという前提で記事を書かれても困る。なんの意味もない。
それどころか、脅かしておいて「これがいいよ」と勧める健康グッズの商売の方法とまったく同じになっているように思える。マイナスイオングッズのいい宣伝になっているのではないか。「科学環境ニュース」ではなく「健康グッズの取材記事」などだったら、まだ許す(笑)。
一般向けにわかりやすく書いたのだ、これぐらいしかわからんのだということを考慮しても……毎日、逝ってよし(藁

まあ、世の中インターネットができる人ばかりではないから、オゾンのことも触れた記事を出した意味は認めないではないが。

 マイナスイオンを宣伝するなというつもりはないが、化学種が確定してからにしてほしかったです。リウマチが交差点付近で悪くなる話がないって指摘は、爆笑させてもらいました。