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環境ホルモン濫訴事件:第二回口頭弁論の様子

Posted on 7月 15th, 2005 in 倉庫 by apj

 中西氏 vs. 松井氏の名誉毀損訴訟の傍聴に行ってきた。事件番号は、「平成17年(ワ)第914号」で、横浜地裁の民事9部に係属している。
 本日は、905法廷(ラウンドテーブル)で審理が行われた。傍聴席は19名で満席(固定席+折りたたみ椅子席が追加されて、全部で19席)。原告側は中下弁護士のみ出席、被告側は中西氏と弘中惇一郎弁護士・弘中絵里弁護士が出席した。相変わらず原告本人は登場せず(中西氏の話によると、筑波で研究会に参加してるらしい……やる気があるのか?)
 傍聴人が多かったので、裁判長が、原告代理人に、原告側準備書面の要点を口頭で説明するように促した。中下弁護士の主張をまとめると『学問的見地からの批判の自由は認めているが、本件の批判は前提とした事実に誤りがあり学問的批判にあたらない。被告は、専門家である原告が批判を加えず新聞記事を提示したことについて批判を行ったが、原告は新聞記事をそのまま掲げて問題なしとしたわけではない。新聞記事は公平性に留意して作られ内容の信頼性もあり、時にはオーバーランすることもあるが、それが全てであるということを前提にしてはいけない』といったもの。録音できず、かなり早口だったので一言一句正確には再現できないが、大体こんな内容だった。
 原告は甲1~甲9号証を提出し、被告は乙1~乙4号証を提出、共に証拠として採用され、取調べられることになった。また、原告が提出した弁論に対し、被告代理人の弘中弁護士は再反論すると述べた。さらに、弘中弁護士は、『本件で摘示された事実は何か?松井氏が「次はナノです」と主張してスライドを見せたことは事実であるが、あとは意見ではないのか。本件訴訟の事実は何かを明らかにするため、シンポジウム当日の録音テープを次回提出する』と述べた。
 次回は、9月29日(木)11:30-、法廷は未定だが、ラウンドテーブルで行う予定。
#これでも全部で10分から15分程度だが、民事にしては丁寧で長かった方である(書面を前もって交換して、双方が裁判官の前で「書面の通り陳述します」とやって、次回期日を決めて終わりのことが多い)。

 閉廷後、横浜弁護士会館にて簡単なミーティングが行われ、傍聴に来た人の簡単な自己紹介が行われた。弘中弁護士からは、今後の進め方についていくつか説明が行われた(審理の迅速化について、など)。

 昼食後、横浜市内で、中西氏を囲んで、支援活動についてどうするかという話し合いを行った。今後どういう支援をするにせよ、中西氏の考えを尊重することが最も重要であるから、私が聞いた中西氏の意見を以下にまとめる。
1)支援してくれることはありがたい。
2)その一方で、自分の訴訟であるから、自分でどうするかというフリーハンドがほしい(つまり、支援活動が過激になりすぎて、何が何でも訴訟続行……といったふうなプレッシャーになってしまっても困る)
3)全ての収入は研究所を通しているので、資金カンパを中西氏自身が直接受け入れる手段がない。
4)多数の研究費申請を審査する立場なので、たとえ金額が少なくても、審査を受ける側の人からカンパされて、それを中西氏が受け取ってしまうと非常にまずい。
 以上4点が、ざっくばらんに中西氏に語っていただいた内容である。支援を表明したが、私自身も直接カンパを受け入れられない(誰のモノでもない口座を作れない)立場である。ただし、カンパという手段で、本件訴訟のようなやり方にNoという意思表示をすることは重要ではないかという点で意見が一致した。
 また、「中西氏を応援します」というバナーを作ってウェブサイトに貼ってもらったり、本件訴訟のようなやり方を問題とする意見表明をいろんな人が個別にブログなどで行うことも支援になるのではないかという意見が出た。
 現在は、中西氏を含めて数人の関係者の間の連絡手段を確保し、話し合いを始めた状態である。支援組織に弁護士(弘中弁護士以外の)に加わってもらって組織としてカンパの受け入れを可能な状態にしてはどうかという意見も出ている。

—————(以上報告。以下私の感想と意見)
 傍聴してみたが、原告の主張が何だか良くわからない。「シンポジウムのプレゼンテーションで新聞記事をそのまま提示したことを批判された」ことのどこが名誉毀損になるのかさっぱりわからない。ひょっとして「プレゼンがヘタ」と言われたと思いこんだ松井教授のプライドが大いに傷ついたってことか?なら、中下弁護士は、毎回法廷に出てきて「教授のプレゼンの技術」についてせっせと弁護活動をしていることになるわけだが……。何人かの人に訊いてみたら、伝聞では松井氏は意気軒昂ヤル気マンマンだそうだが、ちっとも法廷に出てこないし。
 あと、支援に際しての中西氏の懸念の2)は、今後支援サイトを作る時に、民事訴訟の基本が処分権主義であることを解説しておけば避けられるのではないかと思った。また、こういう支援活動は、正義や使命感でやると大抵は暴走してろくなことにならないので、私が何かやるにしても「本件で被告を応援することについての私の利害」は常に説明出来る状態にしておこうと思っている。また、集団としての意見統一を重用視すると「市民団体」と変わらないことになりかねない。支援組織を作ったとしても、組織に対する個人の自立を常に確保することは意識していたい。
 帰りに、ふと、物理学会にも「科学者の社会的責任」なんてのがあったなあと思い出した。本気で社会と関わって情報発信すると、誰かの利益になる一方誰かの不利益になる。結果として、訴訟のリスクを背負うことになる。科学者の社会貢献をお題目のように唱える人たちは、このことを一体どこまで認識しているのだろうか。

環境ホルモン濫訴事件(中西準子 vs. 松井三郎、ダイオキシン・環境ホルモン国民会議)

Posted on 7月 13th, 2005 in 倉庫 by apj

 7月15日は休暇を取りました。横浜地裁へGO!です。裁判所でお会いしましょう。掲示板にも書いたのですが、こちらにも関連情報をまとめておきます。

●第二回口頭弁論
2005年7月15日(金)午前10:30 横浜地方裁判所
ラウンドテーブルで行われるらしいが、法廷は不明(早めに行って事件表を確認する必要あり。後のために事件番号の確認とメモを忘れずに。)
法令データ提供システム
 裁判所法:71条、71条の2、73条
 法廷などの秩序維持に関する法律:1条、2条
 裁判所傍聴規則:1条、2条、3条
・メモを取っていいかは結構微妙。メモ帳とペンは持ち込んでみて、禁止されたらそれに従えばいい。多分禁止はされないとは思うが……。
参考(法廷メモ採取(レペタ)事件 最大判平元3.8)
 事前にメモをとっていいか許可を求めたら不許可となったため、知る権利の侵害であると主張し憲法21条違反かどうかで争った事件。メモ行為の権利性は否定されたが、メモを取る行為自体については「故なく妨げられてはならない」「メモを取る行為が法廷における公正かつ円滑な訴訟の運営を妨げる場合には、それを制限又は禁止することも許されるが、そのような事態は通常はあり得ないから、特段の事由がない限り傍聴人の自由に任せるべき」とされた。憲法の教科書には必ず出てくる定番の有名な判例。

●関連情報
○「インターネット上の表現の自由を考える掲示板」に私が投げたもの。みなさんのコメントがついている
中西準子氏の雑感
 口頭弁論の話をウェブに書くと、ダイオキシン・環境ホルモン国民会議の代表から抗議がくるらしい。

●おすすめ参考書(私の蔵書からなので、偏ってるかもしれません)
○名誉毀損そのものについて
・「名誉毀損の法律実務」佃克彦著 弘文堂 4-335-35325-1
 読みやすい解説書。初心者でも読める。
・「情報化時代の名誉毀損・プライバシー侵害をめぐる法律と実務」 静岡県弁護士会編 ぎょうせい 4-324-06244-7
 大量の判例を収録し、番号を振って、それぞれについて検討。手っ取り早く過去にどんな判決が出たかを知るにはいいが、法律の本を読み慣れてないと十分活用できないかも。
○訴訟、法律一般について
・「法的思考のすすめ」陶久利彦著 法律文化社 4-589-02622-8
 法律を使ってどういうルールで論理を組み立てるかについての入門書。
・「[新版]タテマエの法 ホンネの法」柴田光蔵著 日本評論社 4-535-51436-4
 法律と「世間」の距離や関係を考えるのに役立つ。予備知識は無くても楽しく読める。
・「リーガル・ネゴシエーション」加藤新太郎編 弘文堂 4-335-30122-7
 今回は、バックの団体がかなり教条主義的かもしれんので……。逆に、ネゴシエーションという概念をドコまで持っているか、測っておく必要があるかもしれない。そのための考える資料。
○教科書
・「憲法I 第三版」 野中・中村・高橋・高見著 有斐閣 4-641-12893-6
・「憲法II 第三版」 野中・中村・高橋・高見著 有斐閣 4-641-12894-4
 特にIの7章の自由権のところが基本。ただし、自由権を主張するのがいいかどうかは、後に書くように、全くの別問題である(でも知らないと考える手がかりもないし)。
・「ゼミナール民法入門 第三版」道垣内弘人著 日本経済新聞社 4532132916
 名誉毀損は、民法の710条あたりの不法行為(契約によらずに債権債務関係が発生する場合の1つ)になる。そもそも民法って?って場合は総則の所を読むとよい。大体これ1冊でわかるお得な本。ただ、不法行為はそんなにたくさんは出ていない。詳しく知りたい場合は、有斐閣叢書の「民法(7)」が、不法行為・不当利得・事務管理だけ書いてあって情報が多い。
・「民事訴訟法 第四版」上田徹一郎著 法学書院 4-587-03606-4
 手続きの細かいことを知りたいマニアックな人向け。電話帳ほどではないにしてもかなり分厚い。六法片手に線でも引きながらでないと読めない種類の本。

 ちなみに、今回の訴訟だけど、問題点は既に書いたように、裁判所で争う内容ではないことを理由に提訴してる(しかもそれをプレスリリースしちゃってる)こと。中西氏を応援したい理由は、自由権の侵害が行われたからというのではなくて、情報発信をする一専門家の立場から、発信によって利益・不利益を受ける人の間の利害の調整をどうするか考えたときに、本件訴訟は妥当でないと判断したから。でもここらへんは、もっと詳しい情報がわかったら変わるかもれない。

こんな所にまで……

Posted on 7月 12th, 2005 in 倉庫 by apj

 生協で、「科学者は妄想する」を買った。心霊現象だの超感覚だのを真面目に研究している科学者の話が紹介されていた。NASAのマインド・リーディングという項で、言葉を口に出さずに意志を伝えるという研究を紹介した部分で、センサーを付けて声を出そうとする信号を拾ってコミュニケーションやコンピュータの操作に利用しようという真面目な話が出ていたのだが、中にこんな記述が。

また、これもテレパシーとは少し違うのだが「遠当て」の実験が何年か前に日本でも行われている。
(略)
 この実験は、独立行政法人放射線医学総合研究所というところで、国家予算を使って行われたものである。
 気功師を隔離した場所に配置し、離れたビルにいる受け手に対して、気を送る。もちろん気功師と受け手の間では連絡をとれないようにしてある。
 また、受け手の頭には脳波計がつけられており、脳波に変化が起きたかどうかわかるしくみになっている。

 これ、まさに私が放医研にポスドクに行った時の話だ。声をかけてくれた主任研究官は、私と、来たばかりの秘書を置いて、「あなたが来てくれたのでこれで安心して海外へ行ける」と、半年間イギリスに行ってしまい、我々は置き去りとなった。そして隣の部屋で始まったのが「気」の研究……orz
 確か研究棟の5階と2階で「気」の送受信(?)をやってたと記憶している。ところがこの実験の話が秘書さんたちの間で伝言ゲームと化して、いつの間にか「気功師が5階と2階の間をテレポテーションする」ということになっていた。その研究棟は古くてぼろくてエレベータが時々止まる上に、運動不足を解消する目的もあってみんな階段を利用していたものだから、「危ないエレベータを使わず健康のため階段を使っているというのに、気の力で5階から2階にエイヤッと一瞬で移動することに一体何の意味があるのか?」という、妙に現実的なんだか生活密着型なんだかわからないコメントがついた。それはそれで何か違う気がするのだが。
 確か、一億円ほど研究費が出ていたはずだ。で、気の研究チームには外部からいろんな人がやってくるようになった。その中に、量子力学の観測理論に基づいて「意志の力で観測結果を変えることができる」という、念動力でも発揮するつもりかいなというお方もやってきていた。
 ところで、放医研というところは、物理屋もたくさんいるが、素粒子・原子核関係ばっかりで、物性は私だけであった。また、物理学会の分科会は、素粒子宇宙論原子核と、物性関係の会場は別々である。
 さて、この観測を意志の力で変えるお方は、なんと生物物理のセッションに発表申込をしていた。この年の物理学会、私も液体のラマン散乱で発表して、物性の会場に行ったのだが、戻ってきてから放医研を歩いていたら、この方とばったり会ってしまった。で、「物性の方に出していたのは僕と貴方だけでしたよねぇ」などと親しげに微笑みかけられた。いやもう、心の中では「一緒にしないでくれー!!」と叫んでいたわけだが。
 まあ、甘い言葉に誘われてポスドクに行った先がこんなことになっていれば、大概のことには驚かなくなるわなぁ。

また間違えた

Posted on 7月 11th, 2005 in 倉庫 by apj

 例によって定期的に提出させられている「健康状態自己診断報告書」。
 いつも通りに、「落ち着かない」「することに間違いが多い」だけ正直にチェックし、後は異常なし……と。今回は職名の漢字間違いもないし、完璧かな、と思って見直したら、最初の項目を見落としていたorz。

1.現在健康に不安が(□ある □ない)
*「ない」にチェックした方はそのまま提出ください。
*「ある」にチェックした方は2以降を記入のうえ提出ください。

「ない」にチェックしたから、他のチェックは一切不要だったのに書いちゃったよぉぃ。ということで、チェックをしたこと自体が「することに間違いが多い」をまんま表してることになりますた。気づいてから思いっきり落ち着きません(泣)。

 何か、この報告書、書くたびに自己嫌悪に陥るんですけど……。私だけか……。

ジャパンスケプティクス総会

Posted on 7月 9th, 2005 in 倉庫 by apj

 学会事務センターの破綻のあおりを喰ってなかなか開催されなかったが、本日総会が開かれた。歯医者に行ってて、ちょっと遅れて滑り込んだので、後半だけしか参加できず。記念講演に遅れたのが痛い。記念講演は「進化論を拒む人々」鵜浦裕氏(文教学院大学外国語学部教授)、シンポジウムは「宗教と科学教育」。
 日本やギリシャの創世神話でも国を神様が作った話になってるが、キリスト教の創造論では材料から何から全部神が作ったことになっていて、かなり厳しいという指摘があって、なるほどと思った。
 会長の安斎先生は、京都在住で、寺から科学と宗教について講演を頼まれることが多いそうだ。で、科学と宗教は対立するものではなく、客観的なものを扱うか主観的(価値的)なものを扱うかという違いがあるので、それぞれの分野で役割を果たすべきだという話をしていとのこと。まったく同感である。

 実は、教養の授業でも、この手のことに少しだけ触れている。自然科学では客観的に検証し再現性をとるのが基本だが、宗教では、たとえば「汝の神を試すなかれ」と、検証することを禁じている。自然科学では、起きている現象に矛盾しない理論を作ることを目指すが、例えば、殺人事件が増えたとして「人を殺しても良い」という法律を作ろうとはしないだろう。自然科学の考え方や取り扱う範囲は、宗教とは異なるし、ルールの作り方は法規範とも異なる。それぞれ、取り扱う範囲や方法論が違うのだから、どれが正しいとか悪いといった優劣を付けることはできない。ただ、科学を理由に宗教を否定するのは見当外れだし、科学で解決すべき問題や解決済みの問題に宗教が出しゃばっても却って宗教の価値をおとしめるだけだろう。元々対立する概念ではないということに気付けば、一人の人間の中で、信仰と科学が共存するのは容易ではないかと思う。

戻ってくるなり本屋に走る

Posted on 7月 8th, 2005 in 倉庫 by apj

 朝8時半ごろに成田着。荷物を待ってたり両替したりで、空港を出たら9時を過ぎていた。上手い具合にラッシュが終わった後で助かった。
 戻ってくるなり本屋へ。「20世紀少年」の最新刊が出てたので購入。「司法試験用六法」購入(余計な情報が無くて文庫本サイズで、持ち歩いて本を読む時に使いやすい)。この版から、民法がひらがな表記になっていた。改訂のタイミングが、模範六法と半年ずれるので、両方買うとどっちかが改正をフォローしてるので便利だ。あとは、「解説 類推適用からみる民法」を購入。こちらの条文もひらがな表記に対応している。

自動発券機の信頼度

Posted on 7月 7th, 2005 in 倉庫 by apj

 本日14:15の便で帰国。
 KLMの方針として、boarding passの発行はできるだけ自動発券機を使わせることにしてるらしい。ところが、指示通りに操作して、passを出しますよん、って表示が出たのにそのまま何も出てこず、航空券も中に入ったままで、特にエラーメッセージも出ないという状態になってしまった。係の人に言うとここで待てと言われ、待ってたら今度は別の係の人に状況を聞かれたので説明したら、窓口で印刷してもらえと言われたので、窓口にならんでいた。そうしたら最初の係の人が来て、何で動いたのだと言われた上、「お前は英語が理解できないのか?」と訊かれる始末。理解できないのは英語じゃなくて、人ごとに対応変えまくる(マニュアルも無いらしい)係の行動にポカーンだったわけだが。
 まあ、無事にpassも手に入ったので、荷物を預けてチェックも受けた後、最後にヌガーとかチョコとかチーズを買ったりしていた。キャラウェイが入ったチーズ、本当に日本じゃ見かけないからここで買うしかない。ヌガーは、日本のキャラメルより密度が低くて柔らかい感じだが甘くでなかなか良い。ということで、税関のチェックは全く不要、てかそもそもお前は日常生活雑貨しか買ってないだろうという……。

ホテルに移動して買い物とか

Posted on 7月 6th, 2005 in 倉庫 by apj

 国際会議の方は最終日で、特にきくものもないから行かないことにしてゆっくりとチェックアウト。窓口が混んでいたので時間をずらした。シーツや枕の返却などがあるので。冨永先生は早々とドイツへ移動してしまった。
 バスで駅に向かい、昼頃ホテルに着いた。荷物を預かってもらおうかと思ったら、既に部屋の準備ができているということで、チェックインできてしまった。荷物を置いて駅のショッピングセンターを回る。ホテルの前がちょっとした広場で、テントを断てて屋台がたくさん出ていて、生鮮食料品から衣類や洗剤・化粧品などの日用雑貨まで全部そろう状態。一通り見たけど、ちょっとしたスーパー並み。
 部屋に無線LANが来ていたのでつないでみたら、料金プランが出た。一晩17ユーロ。2時間で10ユーロ。高すぎるので使うことをあきらめてケーブルを引っこ抜いた。モバイルの定額制の1ヶ月の料金より高い。5ユーロくらいなら使ってもいいが……。とりあえず、ホテルの部屋備え付けのアンケートには、ネットのサービスが高すぎると英語できっちり書いてきた。
 駅ビルのショッピングモールを回ったけど、一応、80年代ラブコメ路線と、90年代せらむんはビデオがあったが、それ以外は見事に無い。ゲームショップも見たが、ロボット関係はガンダムも含めて丸ごとなかった。かろうじて、ザ・ビッグオーとトランスフォーマー、千と千尋の神隠しがあった。アニメ・マンガ関係では遊戯王とポケモンが少しずつある。後はディズニーに負けていた。ということでそっちのオタクには物足りない状態。

 おみやげとしてBrain Drinkを6本購入。舌を出したアインシュタインがトランプの絵札のような配置になって印刷されてて、E=mc2とか書いてある、一体どういう企画かよくわからん缶ジュースで、おもしろいので買った。でもオランダ製ではないのな。スーパーで1本120円くらい。自分用にノート3冊、現地語の鳥図鑑と昆虫図鑑を購入。何か、安いけど重い物ばっかり。

一応収穫はあったが……

Posted on 7月 5th, 2005 in 倉庫 by apj

 ポスター発表の日程終了。
 出したのとは違うネタの方で盛り上がって収穫があった。昨日知り合ったRayleigh-Brillouin散乱の人に、今度は低振動数ラマン散乱の話をすることになった。パソコンを持ってきていたので、発表内容ではないデータも出して見せることができてで便利。ゆっくり話をして、問題点を双方了解した。
 前々回のグラナダに参加したとき、Gotzeのところのガラス転移の理論の人や、Goffey, Kalmikovのグループが来ていたので、今回も会えるかと思ったらまったく見かけなかった。発表内容に興味をもってくれそうな人(というかこのグループ狙いでネタを決めたのに)が来てないので残念。隣のアセトン水溶液は何かえらく人が来ていた。これなら、統計物理の理論がらみのスペクトル解析のネタなど出さずに、アセトン&DMSO水溶液のRayleigh–Brilloin散乱の結果でも出した方がウケたかもしれない。
 8月後半のsolution chemistryの集まりとはだいぶメンバーが違うらしい。もしかしてネタ逆の方がよかったかな……。

 オランダには来たけど、あんまり遊んでる余裕はない。遊べる場所からはそれなりに離れているし、バスで移動することになるので、まとまった時間がとれないと難しい。それに、まともな店でも施設でも全部5時で閉まる。後はバーしか開いてないが、飲まないので行っても仕方がない。なのに夜の11時になってもまだ薄暗い程度で外が明るい。まあ、町並みはキレイだし広々としてるので、普通に歩いていても快適ではある。また、チーズが手軽に手に入る。日本では滅多に見かけないキャラウェイなどのハーブ入りのものが普通にスーパーで買える。結局、パンとチーズとヨーグルトを買って帰って食べるという、何か質素な生活になってるが、それでも、そもそも普通に売ってるパンの味が日本とは全然違っておいしいので結構楽しめる。せっかく両替したのにちっとも金が減らない罠。もう一度両替するとロスが大きいので、土産物探しに賭けるしかなさそう。

 帰りの便がとれなかったので、明日もう一日ユトレヒト市内のホテルに泊まって、明後日帰る予定。ヨーロピアンスタイルの文房具が好きなんだが(A4サイズ4穴とか)、大学生協を回ってから移動しようか、それともさっさと駅周辺の店を回ろうか。

発表とかディナーとか

Posted on 7月 4th, 2005 in 倉庫 by apj

 ポスター発表だったんで、朝会場で指定された場所に貼って、昼の時間に待っていたわけだが、説明を丁寧に書いたのがいけなかったのか、読むだけ読んで立ち去る罠。結局、一番近い内容で相補(つまり一番議論が必要)なのが日本人の別グループの発表だったりして。数件となりのポスターでアルコール水溶液のレイリーブリルアン散乱を出してる人がいたので話しかけてみたら、宿舎で隣の部屋の人だった上、SOPRAの分光器所有者だったりして。挙げ句に冨永教授@お茶の水大と分光器自慢合戦が始まるし。

 夜はconference dinnerで、ドム広場のユトレヒト大の建物へ。レセプションの市長の挨拶などは最初の15分で終わって、2時間ほど待たされて、テーブルに着いた。待たされてる時間は飲み放題タイム。で、席についてみれば、ナイフとフォークが2組あってナプキンが置いてある。こういう場合には、それなりのコース料理を期待するわけだが、何とセルフで料理を取りに行け、というものだった。テーブルごとに時間差をおいて順番に別の部屋に取りに行く。それが、サラダとハムとパスタとパンなどで、もっと他にあるのかと思ったら、足りない人が途中でちょこちょこ同じものを取りに行っただけで種類が増えることはなかった。そのまま食後のコーヒーとチョコレートやクッキーが配られて終わった。
 これで40ユーロ、ただしワイン飲み放題だから、飲み助には良かったといえるのか。普段は公開していない建物が会場だと言う話だから、半分以上場所代ということなんだろうか。よくわからない。
 何か、これなら無理してテーブルに着かせず、最初から立食にしとけよと思った。
(ちなみに前々回グラナダでやったときはちゃんとコース料理だった)