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活性酸素は必要です

Posted on 2月 18th, 2007 in 倉庫 by apj

 月曜日の卒研発表会対応で、開始が早朝なので前日から大学に出てきた。ウチの4年の発表練習の最後の仕上げもしなければならない。
 留守電にメッセージが入っていたので聴いてみたら、還元水についての質問。何だか困っておられるようなので、こちらから電話を入れてみた。
 日本トリムの還元水について、「万病の元の活性酸素を消去するということだが本当か?」という質問だった。「活性酸素が悪さをすることは確かにあるが、それは病気が原因だったりするわけで、宣伝では原因と結果が逆に伝えられていることがある。また、活性酸素は感染症の原因となる菌を殺すために体内で必要に応じて作られ、必要が無くなれば消される。もし、活性酸素を(体内で)強力に消去する水が本当にあったら、副作用も同時に考えなければならない」といったことを説明し、さらに、「還元水が試験管の中で抗酸化作用を持つことは事実だが、作用は弱い。飲んで効果があるかというと、まず、ほとんど無いと思われる。数十万円の金を払ってまで飲むようなものではない」と説明した。
 少し話をしてみて、やはり情報にたどり着くのが大変なのだということがわかった。広告や健康本に書いてあるからつい信じる、という話も出たので、「言論と表現は自由で出版も自由ですし……」と追加しておいた。
 水商売ウォッチングの方を見て電話してこられたが、書いてある内容だけではよくわからず、しきりに「不勉強で……」と恐縮しておられた。学校の理科とほんの少しの常識を働かせて判断すればよいのですよ、などと言っていたのだが、一旦学校を出てしまうと内容は忘れ去られるのだろうなぁ……。理科の学習内容が、もう少し現実の変な話に抵抗する形で語られるとよいのだろうけれど、目先の暗記とテスト対策だけになってしまうと、関連性まで考えるというところにはなかなかいかないのかもしれない。

 電話が終わって数分して、また電話があって「お支払いどうしましょう?」と言われたのでちょっと驚いた。国立大学法人ですし、この程度のことで料金はいただけません、と返事したのだが……。

 最近、別件でパイウォーターを勧めている人とメールのやりとりがあった。なかなか興味深いし、少し考えることもあったので、学校の理科の範囲できちんと扱うとどうなるかをまとめているところだったりする。