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科学っぽいデタラメが理解できなくても、嘘つきから物買わない方がいいよね、ということになりかねない

Posted on 9月 13th, 2019 in 事件,疑似科学・ニセ科学,科学,裁判 by apj

 サイト全体が見えなくされてたRikaTanだが、現在、無事に復活している。もちろん、『「謎水装置」NMRパイプテクターに翻弄される人々』へのリンクもトップページに復活。本文pdfもRikaTanサイトにある。まあ、プロバイダからのメールを左巻さんが見落としてた(ゴミ箱に入っていたということなので、スパムフィルターが悪さをしたのだろう、多分)というチョンボがあったので、一時的に公開停止になったのは仕方がない面もあったが、きちんと編集部見解を説明することで、完全復活を遂げた。喜ばしい限りである。技術士会にも是非見習っていただきたいところ。

 日本システム企画株式会社は、RikaTanの記事を仮処分で消させたことを宣伝していたが、数日でさくっと完全復活してしまったことを、今後どう説明していくつもりなのか、ぜひ伺いたいところである。

 まあ、最大限善意に解釈するとして、RikaTanのサイトが一時的に消えたことを、仮処分の効果だと思いこんでいたのは本当かもしれないので、削除させたことを宣伝したこと自体を嘘だというつもりはない。

 問題は今後である。完全復活しているということは、仮処分を突っ込んでみたが「RikaTanの記事は意見論評」等の理由で仮処分が通らなかったということなのだろう(最初、仮処分まで至っていなかったのではないかと疑っていたが、RikaTanサイトの方に「プロバイダ宛に投稿記事削除仮処分命令申立があった」とあるので、申し立てたことは本当のようだ)。ということは、今後、NMRパイプテクターを販売する時の宣伝で、RikaTanの記事を法的措置で消させました、などと述べるとそれは明白な嘘ということになる……そう、この後実際に左巻さんを訴えて削除まで持ち込まない限りは。

 でもって、もし、このまま訴状が来なかった場合、本気で訴訟する気も無いのに仮処分をプロバイダに突っ込んだりして、ハッタリの削除要求ばかり出している企業、という評価が、徐々に確定していくことになると思うのだが、どうだろう。

 NMRパイプテクターの原理が科学としていかにおかしいかは、説明してもなかなか分かってもらえない場合がある。エネルギー保存則を破っているし、高校の教科書レベルの物理をねじ曲げているのは明らかなのだけど、画期的な装置だと堂々と開き直られたり、NMRや水和電子といった、正確に理解している人が少ない、科学でも使っている用語を使っているからだ。劇的な効果があったというパンフレットや、導入実績を示されると、よく分からないが有りそうに思えてきたりもするのだろう。また、説明があまりにも科学としてはおかしいため、多少科学の知識のある人の方が、説明を理解しようとしたがさっぱりわからない、ということになったりする。

 しかし、日本システム企画株式会社の社長や幹部クラスの人が、法的措置をとる、訴える、告訴する、と営業をかけた先で吹聴し、そのまま何もしなかったとしたらどうか。人前で軽々しく法的措置をとると言い、しかもそれが口先だけのでまかせだという人を、普通は、信用するわけにはいかないだろう。堂々と客先で嘘を言って平気でいるということを意味するからだ。

 現状でターゲットになっているのは、私、小波さん、謎水氏、左巻さん、あたりかな。やまもといちろう氏も入りそうではある。半年経ってもこのうちの誰一人、訴状も受け取っていなければ、警察や検察から事情も訊かれていないということになれば、今度は、科学以外の部分で、日本システム企画株式会社の社長や幹部が皆嘘つきだということが確定することになる。既に、小波さんを告訴したと言いふらしているのだが、小波さんの方には今になっても何の事情聴取も無い、という実績がある。

 この記事の日付に注意してほしい。日本システム企画株式会社が批判記事を出した相手に仮処分を積極的に行い始めたのは、2019年の6月〜8月にかけてである。もし、売り込みを受けて、ネットに批判があるという話になって、対処を法的にやるという発言が出たら、事件番号とどこの裁判所でやっているかを訊いてみてほしい。今から向こう2ヶ月ぐらいなら、まだ訴状を準備しているという言い訳も成り立つだろうが、半年経っても明確な答が返ってこなかったら、会社の人達は嘘をついていると判断しても良いし、批判に対処するというのもハッタリだと考えて良いだろう。

 今から半年ほど経てば、批判に対して内容でも反論せず、訴訟や告訴でどうにかするというのさえも口先だけの出まかせだという相手と、安心して物買う契約を進めていいんですか?ということが問題になるかもしれない(訴状が来なかった場合は)。そして、この問題であれば、科学っぽい説明が理解できなかったとしても、大抵の人は理解できるのではないだろうか。