杜撰な削除要求が来たので対応しました

※追記や修正をしているので、二回目に来られた方も、ざっとみていただけると嬉しいです。

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こんな削除要求が来ました。

 長くなったので要約すると、Webメディアの運営等をしている株式会社NOMALの取締役の近藤氏が、過去の記事の監修や変更のあり方について批判した記事(メンヘラ.jpによる、但しその内容は事実に反すると主張)のURLをツイートしたもの(記事本体は削除済みで、ツイート中に書かれたURLを見に行っても何も出ない)を削除させるために、代表者名も示さず、気軽に他人に向かって、法的措置を検討するだの損害賠償を請求するだのと言ってる割には、削除要求の文書の内容が相手かまわず同じ(コピペで送ってるとしか)、で、下手するとそういう訴訟の予告って正当な権利の主張であっても脅迫になる可能性があるのに(ド素人の個人ならともかく)会社の取締役がようやるわ、という案件です。ツイート中に会社名も会社がやってるサイトなどの情報も無く、リンク先が削除されてツイート単独では会社と全く結びつかなくなってから10ヶ月後のことでした。他人に訴訟をちらつかせる場合はちゃんと法律家を通した方が安全ですよ。

運営者御中

突然のご連絡、誠に恐れ入ります。
株式会社NOMAL取締役Reme運営責任者の近藤雄太郎と申します。

以下、Twitterの@apjというアカウントのプロフィール欄に本ページへのリンクがあったためご連絡いたします。
@apjというアカウントとご関係がない場合、恐れ入りますが本メールを削除ください。

以下用件となります

Twitterの@apjというアカウントにて投稿されているURLの至急削除をお願いいたします。
https://twitter.com/apj/status/983684325743837184

【侵害された権利】 名誉毀損
【希望する対応】 削除・謝罪文掲載

本件に関しましては、以下のお知らせにもございますとおり、メンヘラjp側とは弁護士を介して合意書を締結しており、
当社に対して事実に反する情報が掲載されたとして、メンヘラ.jp側にてすでに謝罪広告が掲載され、記事や当該投稿は全て削除されております。
https://reme-nomal.com/wp-content/uploads/press/180820press.pdf
https://twitter.com/wakari_te/status/1028883884996407296
https://web.archive.org/web/20180815231818/https://menhera.jp//

また、本件に係るはてはブックマーク・アメーバブログ・NewsPicks・Twilog等に転載された同様の記事に関しまして、
はてな社・サイバーエージェント社・ユーザベース社・Twilogでは既に削除対応されており、
貴殿におかれましても同様の対応を速やかに行っていただけますよう、よろしくお願いいたします。
https://b.hatena.ne.jp/entry/menhera.jp/5858
https://b.hatena.ne.jp/entry/menhera.jp/5806
https://ameblo.jp/inemuri-neko-1219/entry-12367352123.html
https://newspicks.com/news/2947444

当該投稿の掲載が続く場合、本件担当の弁護士と協議の上、
運営者の情報開示請求および損害賠償請求などの法的措置を検討します。

当方としましては、法的措置を取らず、速やかな解決を希望します。
直ちに当該記事の削除・謝罪文掲載をお願いいたしたく存じます。

9月15日までにご返信・ご対応いただけない場合、法的措置を含めて検討させていただきます。
以上、どうぞよろしくお願いいたします。


CML admin

http://www.cml-office.org であなたが管理するサイトについてフィードバックが送られています

送信者名   : 近藤雄太郎
メールアドレス: yutaro.kondo@nomal.jp

 今回はとりあえずツイートを消しますが、こういう削除要求をしてくる相手は個人的にはいろんな意味で要注意と思うのでメモしておきます。今回、消した理由と、なぜこの削除要求が要注意なのかは以下で説明します。

 上記リンク中の合意書によると、事実に反する、とされているのが「専門家の監修を受けた後でリライトしていた」ということとなっています。私のツイートにもその内容が入っていたので、事実に反する、ということになるのでしょう。しかしこのことは、合意書を読まないとわからないようになっています。他人に向かって名誉毀損を主張して法的措置をちらつかせていながら、名誉毀損にあたる部分を全く特定せず、表現のどの部分かは自分でリンク先の文書を読んで調べろ、という、随分と手抜きで雑で横柄な削除要求です。法的文書としては紛れもなく欠陥品です。とはいえ、リライト云々の部分が事実摘示だと言われたら多少面倒かもしれません。私の書いた残りの部分は、専門家も気をつけなければいけないという内容で、こちらは意見論評であり、特定の誰かの社会的評価とも結びついていませんから、名誉毀損とされることはないだろうと考えます。

【追記2】のための参考画像

 (なぜ10ヶ月も経ってから?ということについて)議論を追加することにしたので、参考までに、削除直前のツイートのスクリーンショットを示しておきます。リンク先URLは削除済みですし、リライトは無かったということもこのブログ記事からは読み取れるので、出しておいても誤解されるおそれは無いと考えます。

Tweet983684325743837184

(【追記2】用の資料画像終わり)

とはいえ、これだけのメールを送ってきたわけで、もし私が削除しなかった場合、一体どういう争いをするつもりなのかが疑問なので、少し検討しておきたいと思います。

リンク先が削除済みなので、今となっては何の話だったかわからないのですが、当時は、まず、welqという医療系サイトがあって、内容が不確かであったため批判が起きて騒動になったというのが先にありました。その後、別のサイト(=近藤氏の会社が運営していたサイト)でも似たようなことがあって、その批判をメンヘラ.jpが書いたところ、近藤氏と揉めたということのようです。このときは、批判の内容が、監修の後で記事を書き直していたというもので、それを信じて、記事中のツイートボタンか何かをクリックしてコメントをつぶやいた私のところに削除要求が来たという展開です。

まず、事実摘示による名誉毀損の免責要件は、
1.「事実の公共性」つまり表現が「公共の利害に関する事実」であること
2.「目的の公共性」表現の目的が「もっぱら公益を図る目的」であること
3-1 「真実性」摘示事実が真実であると証明されること
 または
3-2「真実相当性」摘示事実が真実であると信ずるについて相当の理由があること
です。真実性と真実相当性の判断基準時ですが、真実性については事実審の口頭弁論終結時に判断されます。真実相当性については、名誉毀損の行為時にどうであったかで判断されます。

 専門家の監修が必要な内容の記事で、しかもそれが公開され広く読まれる状況であれば、記事の内容の精度は多くの人に影響します。従って、内容の信頼度について記述したり議論したりすることは、「公共の利害に関する事実」と主張しても通りそうです。同時に、話題を取り上げて注意喚起をすることは、公益目的といえる(その行為を通して特定の誰かを中傷するといった目的でない限りは)ので、1,2は問題無くクリアでしょう。

 3−1を争うのは難しそうです。メンヘラ.jpの運営者が、間違いを認めたらしい内容で合意してしまっている上、「甲は、本件に関する事項のみならず、今後、その媒体を問わず、「Reme」、乙、及び杉山 崇臨床心理士に関し、第三者に対する情報の提供を含むその他一切の情報発信を今後行わない。」とあるので、事実自体を争うだけの証拠を、私のような第三者が入手できる見込みはほとんど無さそうだからです。

 すると問題は3−2です。私は、メンヘラ.jpの記事を信じてツイートしたわけですが、この記事というかメディアの信頼度がどうであったかということが問題になりそうです。普段、きちんと取材をして裏付けのある記事が載ることで知られている新聞や雑誌であれば、「記事を信じました」と主張した場合、相当の理由ありと認められるでしょう。ところが、ウェブメディアの信頼性はピンキリです。従って、「メンヘラ.jp」はそもそも信頼できないので、監修後にリライトをしていたという記述を信じたことに相当の理由があるとはいえない、という主張も成り立ちそうです。事実摘示の名誉毀損で争うとしたら、この部分になるのではないかと考えます。

 つまり、今回ツイートを削除したのは、3の立証が面倒になると考えたからです。もし、事実摘示がなく、「専門家も気をつけなければいけないということか。(URL)」のような内容で書いていたら、確実に争う方を選んでいました。見に行った先のURLの中身が既に削除されていて、ツイート単独では何の話かわからない場合に削除する理由がないからです。【追記2】のために、削除前のスクショを画像で示しました。ツイートの中には、株式会社NOMALもサービスの名称もありません。真実相当性が微妙な内容だが特定の誰かとの結びつきが切れて(ネットから結びつける情報も削除されて)10ヶ月が経過していて、削除要求を出している会社が自ら公開を続けている合意書によってのみ推察が可能(名誉毀損を主張する側が名誉毀損の成立に手を貸す形になっている)という場合に、どういう争いになるかは、知りたいところでもあります。ついでに、内容が削除済みのURLを入れた、元のタイトルは含まない観測用のツイートも行いましたから、どうやって削除要求の対象を見つけているのか手がかりが得られるかもしれません。

 この削除要求が要注意だというのは、出し方に問題があると考えているからです。

 上記の3の立証ができなさそうなので、監修後リライトしたという指摘がが誤解に基づくものだと言われればその通りかもしれません。しかし、私のツイートの後半部分は、「専門家も気をつけなければ」というものです。株式会社NOMALを名指ししたわけでもなく、ことさら株式会社NOMALを中傷するものではないし、中傷の意図が読み取れるものですらなく、監修を引き受ける場合に専門家は気をつけようという趣旨のものです。私のツイートに事実でないことが含まれていることが問題なら、合意書の該当箇所を示し、リライトを行っていないので事実に反するから、ということだけ述べれば十分じゃないかと思うんですよ。

 ところが、株式会社NOMALの近藤氏が送ってきた削除要求は上記の通りです。他人に向かって交渉の最初に、他所も消させたという「戦果」を誇った挙げ句に、名誉毀損だ損害賠償だと、それっぽい用語を並べ立てる内容で、場合によっては脅迫になりかねないシロモノです。

 「本件に関しましては、以下のお知らせにもございますとおり、メンヘラjp側とは弁護士を介して合意書を締結しており、当社に対して事実に反する情報が掲載されたとして、メンヘラ.jp側にてすでに謝罪広告が掲載され、記事や当該投稿は全て削除されております。」などと書かれても、そんな他人の間の合意なんか私は知らんがな、と言うしかありません。民事で合意した内容というのは、第三者には効果を及ぼさないのが原則でしょう。弁護士を介したとありますが、弁護士はそういった説明は全くしなかったのでしょうか。また、この常識を知っていれば、メンヘラ.jpとの合意文書を会社として晒しておく、ということの意味がわからなくなります。

 この削除要求は、随分と杜撰な削除要求です。おそらく、メンヘラ.jpの元の記事に関連した言説には、記事本文を引用したもの、私のようにコメントをつけてツイートしたもの、特にコメントせずにツイートしたもの(記事タイトルぐらいしか入っていない)があるはずです。これらは内容も性質も異なるのに、テンプレで削除要求を送りつけるというのは、いかがなものかと思います。なお、テンプレと判断したのは、記事そのものを転載していない私のツイートに対して、転載したものが削除済み、などと、あてはまらないことが書いてあるからです。削除を求めたい内容をきちんと確認していれば、削除要求がこんな内容にはならないはずです。ですから、コピペして、削除させたい内容を確認せず機械的に送りつけていると判断しても、そう間違いではなかろうと考えます。

 ついでに言うなら、機械的に、他人に対して法的措置を言い出すのはどういう人物か、という問題も含んでいると考えます。内容が事実と違うということだけ普通に説明すれば良い場面で、弁護士がどうの、賠償がどうの、と言い出すというのは、やはり違和感があります。普段からそういう行動パターンなんじゃなかろうかと疑いたくもなるわけです。

 名誉毀損で争うつもりなら、どの文言が名誉毀損なのか(まさかリンク先が削除済みのURLが、というつもりはないでしょう)特定し、事実摘示で争うつもりなのか意見論評で争うつもりなのかぐらい書いて貰わないと、こちらとしても検討のしようが無いわけです。つまり、私に上記のような検討をさせている時点で、他人に向かって名誉毀損で法的措置をちらつかせるのは杜撰だといえると思うんですよ。真面目に訴訟することを考えずに書いたのではないか、と思うしかなくなるんですね。本来なら、どの部分が名誉毀損か特定せよ、と木で鼻をくくった返事をするところなんですが、今回は「サービス」でコメントを書いてみました。

 なお、「専門家による監修前の記事を誤って一時的に公開してしまっていた」ことを近藤氏側も合意書の中で認めており、そうであるならば、リライトと誤認される状況を自ら作り出したことも確かなわけで、誤認の原因を作ったくせに、専ら専門家への注意目的で書いた私に謝罪まで要求するというのは、一体どういうつもりなのか疑問です。近藤氏のやり方はバランスを欠いていると思います。ですから、削除はしても謝罪はしません。

 もう1つ気になることは、合意書の中身です。私のツイートで元記事の内容を示すものは、リライトがあったということか、という一言だけです。記事タイトルも入っていましたが、タイトル中に株式会社 NOMALの名前も近藤氏の名前も登場せず、リンク先URLの内容は既に削除済みです。つまりツイート単独では、もはや株式会社NOMALに結びつく内容ではなかったのです。ところが、株式会社NOMALが公開している合意書とむすびつけると、私のツイートは株式会社 NOMALと結びつけることが(丁寧に探せば)できるかもしれません。黙って内容だけ消して、当事者の間でだけ今後○○に言及しないことを決めるだけで良かったのに、わざとに合意書にリライト云々を残すことで、削除の範囲を拡大したように見えます。せっかく削除させたのに自分から広め続けて一体どうするんでしょうか。

 また、近藤氏は弁護士がどうの、損害賠償がどうの、と言っているけれど、実はメンヘラ.jpとの間ですら法的紛争は全くしていないのではないかという印象を持ちました。この状況でもし法的に争ったとすると、記事のアップをミスしただけなのに監修後にリライトを繰り返したという事実無根を書いたのはけしからん、と主張する側が原告つまり甲(近藤氏の会社)、訴えられる側のメンヘラ.jpが乙、ということになります。仮に、裁判所でいろいろやった後、和解案として、合意書や謝罪文が作られたとした場合、その甲乙が逆になることってあるんでしょうか。絶対無いとは言わないけど、普通は争った時の甲乙のままで作るものじゃないのでしょうか。このへん、実務がどうなっているか知りたいところです。弁護士が間に入っていたら、こんな甲乙逆の書類は出来上がらないんじゃないかとも思うので、「弁護士を介して」とあることがにわかに信じられません。私は普段の甲乙のつもりでで合意書を読み始めたら、甲が「相手方」のメンヘラ.jpで、乙が「当社(近藤氏の会社)」となっていたので、ちょっとびっくりしました。削除要求の方は、いかにもすぐに訴えてやるっぽい雰囲気を醸し出しているのに、先に争ったはずの相手との間で甲乙が逆ってどういうことよ、と。裁判所の事実認定の結果合意書に至ったのではなく、私に対してしたように、法的措置をちらつかせた結果、メンヘラ.jpが折れただけじゃないのかと疑いたくもなります。訴訟をちらつかせて言う事をきかせることは、脅迫あるいは強要とされる場合があります。ということで、もし法的措置をとっていたのなら、裁判所と事件番号を知りたいところです。訴訟資料閲覧しに行きますので。そうすれば事実関係がある程度ははっきりすると思います。

 もし、同様の削除要求を受け取った方がいらっしゃいましたら、情報をいただけるとありがたいです。削除要求されたものがどういうものであったか、たとえば、本文転載あり・記事タイトルとURLのみ・URLのみ・一部引用したオリジナルの記事、といった区別を知りたいところです。

 もし、この記事にまで削除要求を出されるのであれば、一度、きちんと弁護士に相談してからにすることをお勧めします。他人に向かって訴えるぞと圧力をかける内容をコピペで送りつけるような人には、まともな法的交渉は無理でしょうから。なお、削除要求を出したこと自体やその内容を批判や議論の対象にするな、とは主張できないと思いますよ。引用した削除要求も、弁護士のチェックを受けてから出していたら、おそらくこんな内容にはならなかったでしょう。

 業務内容がウェブ系の情報関連企業やコンサルを掲げているのに、ウチのウェブフォームからの連絡で発信者情報の開示請求、って言い出した時点で申し訳無いけど吹きましたが。

【追記】

 他にも同様の削除要求を受け取った方(@monyotanoさん)がいらっしゃいました。最初、Facebookで見たような気がしたのですが、twitterの方でした。これで、コピペで削除要求をばらまいているという裏付けが一つ増えました。

 さらに削除要求をされた人がいました。 https://twitter.com/samepacola/status/1172206392607821824

 あともう一人確認できました。

 それで改めて気づいたのですが、この削除要求の不審な点は他にもあります。@monyotanoさんのところに連絡があったのが、12日の午後9時頃のツイッターDMだそうです。私のところに削除要求のメールが来たのは、2019年9月13日の0:12です。メールのタイムスタンプがこうなっていました。要求自体は、ploneで作ったサイトのトップのお問い合わせから送られていて、このお問い合わせフォームはウェブフォームで入力するとメールが飛ぶようになっています。入力からメールが来るまでの時間遅れは殆ど無いと思います。フォーム入力を受けて同じサーバー内でメールを送るだけですので。つまり、私と、@monyotanoさんのところには、あまり時間をおかずに削除要求が出されたことになります。

 ここで、設定された期限を見ましょう。「9月15日までにご返信・ご対応いただけない場合、法的措置を含めて検討させていただきます。」とあります。ところが、13日は金曜日なので営業日だとしても14日は土曜日、15日は日曜日です。ついでに16日は敬老の日で祝日です。業種によっては土日営業のところも増えていますが、社会通念として、会社間の連絡などは営業日つまり月〜金に行うものでしょう。プロ責法でも対応には七日の猶予があります。その半分以下の3日という日数を指定し、しかもうち2日は世間的には休日です。これでは、削除させたいのか、わざとに休日を当てて対応できないようにしておくことで、対応が無かったことを口実にどうしても訴訟したいのか、さっぱりわかりません。

 まあ、たとえば、現在進行形でものすごい誹謗中傷がどんどん行われていて気になって夜も眠れませんおかしくなりそうです、といった状況なら、短い期間で対応を、となっても理解できます。ところが、株式会社NOMALとメンヘラ.jpとの合意が成立したのが、合意書の日付によると2018年11月5日なんですね。一応削除を求められる状態になり、かつ、私のツイートが株式会社NOMALと結びつかなくなってから、10ヶ月も放置しておいて、今頃になって1営業日2休日以内に対応せよ、と訴訟をちらつかせてまで急がせるのは一体どうしてなのでしょう。これ、裁判所で、そもそも提訴自体が目的でわざとにやっていたのでは、と指摘したら、裁判官はどう判断するでしょうかね。

 IT系企業の勤務時間が不規則になるのはよくあることだとしても、日が変わる頃に連絡してきて、休日を含めて相手に対応を求める、って、普段一体どんな営業をしている会社なのでしょうか。私、これまでにいろんな中小企業ともお付き合いさせていただいておりますが、こういう日程で相手に対応を要求してくる会社とは、これまでに出会ったことがありません。

 ちょっと気になったので、会社を検索してたら、ここが引っかかりました(https://nomal.jp/company/)。以下の引用は見やすくするため、改行位置などを変えてあります。

社名 株式会社NOMAL NOMAL. Inc
本社 〒164-0002
東京都中野区上高田1-2-39 Nハウス2F
設立日 2015年7月10日
資本金 5,000,000円
代表取締役 松本 祥太郎
取締役 近藤 雄太郎 平山 美聡
従業員 12名(正社員・アルバイト含む)
電話番号 03-6455-3107
FAX 03-6701-7106
E-mail info@nomal.jp
許認可 プライバシーマーク(登録番号 第10862682(01)号)
有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可番号 13-ユ-309553)
関連会社 株式会社つくろう堺市民球団

 本店所在地の記載もあります。ところで、会社って、代表者の名前で訴え、訴えられることができるんですけど、会社概要によると、近藤氏はただの取締役です。代表者でもない取締役が、他人に対して、提訴を予告するような連絡を寄越すって一体どういうことなのでしょうか。近藤氏の名前では、株式会社NOMALは私を訴えることが制度上できません。

 また、メンヘラ.jpとの合意書にも、代表者の名前が出ていませんし、会社の本店所在地すら書いてありません。普通は、こういう合意書を交すなら、確定日付以外に、会社の本店所在地、代表者名といった登記情報を書いて、代表者印でも押したものを作って双方当事者で署名して1部ずつ保管、といった形で取り交わすものだと思ってました。弁護士を介して文書を交わしたのに、こんな出来になるものなのですか。こういう文書を見てしまうと、コンプライアンス的にこんなので良いのかとか、まあいろいろと引っかかります。そしてこの会社は、脅迫になりかねない「訴訟の予告」を、平気で他人に送りつけてくる会社であることがはっきりしました。そうなると、メンヘラ.jpと合意書に至るまでにも多分同じことをしたのだろう、と考えるのはうがち過ぎでしょうかね。

 同じページに事業内容も書いてありました。

事業内容
■企業向け
社員のメンタルケアサービス「Reme」の運営
採用コンサルティング
有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可番号13-ユ-309553)
オフィスレイアウトコンサルティング
採用アウトソーシング
人事コンサルティング
SEOコンサルティング
Webサイトの企画・制作・運営・コンサルティング
Webマーケティングソリューションの開発・提供
会社案内・採用パンフレットなどの紙媒体の企画・制作
■個人向け
オンラインメンタルヘルスサービス「Reme」の運営
アート通販事業「Wasabi」の運営
就活支援メディア「PJS」の運営
■大学・教育機関向け
キャリアデザイン講義講師

 私が受け取ったメールを見た限りでは、コンサルティング事業をしている会社の交渉手段が、訴訟するぞという圧力をコピペで手軽にばらまく、いうことのようです。既に同様の訴訟をちらつかせたメールを他に3名の方が受け取っています。もっと他にも居るかもしれません。この会社に仕事を頼まれる方は、私が引用したメールでの取締役の書きっぷりを確認の上、何かトラブルがあった場合にどういう種類の交渉をする会社か、よく理解してから発注された方が、無用の面倒事を避けられるのではないでしょうか。

【追記2(2019/09/15)】

 削除を求められる状況になってから10ヶ月も放置しておいて、なぜ今頃、と引っかかっていたのですが、まさか、橋下vs.岩上のこの件にヒントを得たんじゃないですよね。

「リツイートは賛同行為」橋下氏への名誉毀損、ジャーナリストに賠償命令 大阪地裁判決
毎日新聞2019年9月12日 15時20分(最終更新 9月12日 20時30分)
ツイッターで他人の投稿を引用する「リツイート」で名誉を傷つけられたとして、橋下徹・元大阪府知事がジャーナリストの岩上安身氏に慰謝料など110万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は12日、33万円の支払いを命じた。末永雅之裁判長はリツイートについて「投稿に賛同する表現行為」として、名誉毀損(きそん)に当たると判断した。

 これを元に他人に訴訟をちらつかせる行動がどれほど軽率かつ不勉強を意味するものであるか、説明しておきます。

 まず、大阪地裁なので一審判決で、報道により判決が9月の12日です。私や他の人達が近藤氏から削除要求を受け取ったのと同じ日です。日本の裁判は三審制ですので、控訴審があり、一審判決が覆る場合があります。控訴期間は、第一審判決正本が送達された日の翌日から起算して2週間です。敗訴した岩上氏が控訴しなければ2週間後に判決が確定します。岩上氏が、控訴すれば、控訴審が終わって判決書を受け取った日の翌日から起算して2週間が上告の期間となります。期間内に何もしなければ控訴審の判決が確定します。さらに上告すれば、最高裁まで上がり、最高裁の結論が出て、初めて裁判所の判断が確定することになります。

 RTだけでも名誉毀損になるという報道がされたのは、まあそういう判決が出たことは事実なのでかまわないのですが、重要なことは、この判決が9月の12日や13日ではまだ確定していないということなのです。したがって、この判決を根拠に、9月の12日や13日に何かのアクションを起こす、というのは、控訴のことを忘れているので拙速の極み、ということになります。ですから、もし、株式会社NOMALの取締役の近藤氏が、この件に関する報道を見て、「削除要求訴訟予告付きコピペ文書」を送ってきたのだとすると、コンサル会社の取締役ともあろう人が、常識的な裁判制度の理解すら全く欠いていることを意味するわけです。これは、会社の社会的信用にとってかなりまずいでしょうね。

 判決というのは裁判所が何を事実と認定したかによって変わってきます。当事者に渡される、判決を書いた文書の中に、双方の主張と裁判所の認定した事実が書かれていますので、読めばわかります。橋下vs.岩上事件は、ざっと検索した限りでは、判決の文書全文を見つけられませんでした。したがって、この判決のもとになった認定事実は今のところ不明です。不明なのではっきりしたことは言えないのですが、常識的に考えるならば、RTを目にした人の数のみで決まるとも思えず、前後のツイートとの関連や、当該ツイートが専ら誰かの評価を貶めたり侮辱したりする目的でなされていたかとか、普段から執拗に攻撃していたか、といったことも考慮されるはずなのですね。そのへんの事情をきちんと読んでからでないと、確定した後であってもその判決を根拠に何かをする、というのは無理があるわけです。ですから、もし、橋下vs.岩上の報道しか見ないで「削除要求訴訟予告付きコピペ文書」を送ってきたのだとすると、コンサル会社の取締役が、判決をどう扱うかを知らない、あるいは内容を説明してくれる人に相談もできない、ということになって、やはり会社の社会的信用に関わりそうです。

 以上の理由から、コンサルを主な業務とする株式会社NOMALの取締役の近藤氏が、橋下vs.岩上事件の未確定の判決の報道を根拠に、上で引用したようなメールを出されたのではないことを私としても願っているところです。

 このあたりのことは、このブログ記事について裁判所で争うことになったら、尋問等で直接ご本人にお訊きする機会もあるかと思います。会社の名前も取締役の名前も入っておらず、リンク先が消された後では「専門家の監修後に書き直されることが過去にどこかであったので専門家は注意しましょう」ということしか意味しなくなって10ヶ月経ったツイートについて、株式会社NOMALの取締役が訴訟まで予告して削除要求してきたわけです。そのツイート(【追記2】参考画像参照)に比べると、このブログ記事は、削除要求の文面が原因で、株式会社NOMALの社会的信用について直接疑念を表明する結果になってしまっていますので、確実に提訴していただけるものと期待いたします。裁判所での尋問であれば、宣誓もしますので、なぜ10ヶ月後にいきなりこんな削除要求を送ってきたかについても、きっと正直にお答えいただけることでしょう。

 なお、発信者情報開示請求は不要です。とりあえず代理人弁護士が決まったら、削除要求を送ったのと同じウェブフォームから、事務所の名前、所在地、電話番号、担当弁護士をお知らせ下さい。こちらから連絡させていただきます。訴訟をちらつかせる削除要求をコピペで安易にバラ撒くような方とは、法的交渉は不可能ですので直接の交渉はしません。ブログ記事をどうするかについては、訴訟の前に、弁護士と話し合いを持ちたいと考えています。

【追記3】

 9月16日に、次のようなメールを受け取りました。

本件、早速の削除対応をいただきまして、誠にありがとうございます。

相手方との双方の弁護士を介して作成された合意書にございますとおり、相手方には当該記事・ツイートは削除いただいており、貴殿におかれましても速やかな削除対応をいただいたこと、感謝申し上げます。

当方といたしましては、一時的に未完成の記事が誤って公開されてしまっていた事実を重く受け止めており、深い反省の上に再発防止を徹底し、引続きサイト運営を行ってまいります。

今後とも何かお気付きの点などございましたら、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。


CML admin

http://www.cml-office.org であなたが管理するサイトについてフィードバックが送られています

送信者名   : 近藤雄太郎

メールアドレス: yutaro.kondo@nomal.jp

 「未完成の記事が誤って公開されていた事実を重く受け止め」たまではわかるのですが、そのことによって起きた、監修後にリライトしたという疑念を消すために、既に会社とも記事とも結びつかなくなっていたツイートを消させるための手段が訴訟をちらつかせての脅しだった、という話のようです。文面から察するに、送った削除要求が脅迫と受け取られる可能性を全く考えていない様子ですね。未完成の記事を誤って公開したことは重く受け止めるけど、会社と結びつかないツイートを削除させるに当たって訴訟をちらつかせて脅すことはちっとも重く見ていない会社、ということのようです。「お気づきの点」など、最初のメールを受け取った時から山ほどありましたので、このブログにしっかり書いておくことにします。もちろん、お返事には、この記事のURLを記載しました。ウェブで商売する企業なのに、この2日間、私がこの記事を書き、記事を書いたというツイートをいくつもしたことにも全く気づいていなかったご様子でした。脅したという自覚が無かったのでしょうねえ。

私が送った返事は次のような内容です。1カ所変換ミスしてますが……。

近藤様

あなたが私に出したメールは、訴訟をちらつかせるものであり、
正当な権利の主張であっても、脅迫にあたル可能性があります。

未完成の記事を公開したことが監修後のリライトと誤認された
ことは問題かもしれませんが、今回のあなたの行動は新たな
脅迫を発生させたようなものと受け止めております。

また、法的なことを他人に要求するのに、1件1件内容を確認せず
コピペで済ませるという杜撰なやり方は、会社の取締役が行う
ようなものではないと考えます。

そのような会社を野放しにしておくことも問題と思いましたので
そのことを私のブログに書いて、しっかり批判してあります。

http://www.cml-office.org/archive/2019/09/13/case/3908

まずはこちらをお読みになり、ご自身のなさったことが
どのように問題か把握された上で、弁護士に相談されることを
お勧めします。

同様の脅しがどれだけの範囲に及んでいるか、既に情報も募集
し、既に何人かの方から連絡をいただいております。

なお、コピペで訴訟をちらつかせるような方とは直接の交渉は
できかねます。

なお、この批判については、当面削除の予定はございません。
軽率な削除要求と脅しを行った結果は、ご本人で引き受けて
戴きたく存じます。

ちょっと他のことをして戻って来たら、以下のような、お詫びのお返事が届いていました。

Twitter @apj アカウント運営者さま

この度はご返信をいただきまして誠にありがとうございます。
株式会社NOMALの近藤雄太郎でございます。

掲題の件、ご返信および貴殿のブログサイトにてご指摘いただいておりました、
削除請求の内容につきまして、不適切な点がありましたことを本件担当の弁護士とも確認させていただきました。
まずは心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。

ツイートに含まれておりました引用記事に関しましては、お伝えしておりましたとおり、
事実と異なる内容が含まれており、相手方との弁護士との協議の上で、削除・謝罪広告の掲載をいただいておりました。

その上で、当方への誹謗中傷にかかる他のツイートについても削除請求をおこなっておりましたが、
今回、上記とは直接関連のないと思われる貴殿の投稿に対しましても、同様の削除請求をお送りいたしておりました。

ひとえに当方の不注意、不徳の致すところでございます。
多大なご迷惑とご心労をおかけいたしましたことを重ねてお詫び申し上げます。

この度は誠に申し訳ございませんでした。


株式会社NOMAL
取締役 近藤雄太

 不適切さについては理解していただけたようで何よりです。ただ、そもそも始まりが、記事を誤って公開してしまったという不注意によるもので、そのために誤解が生じたことで書かれた事実と異なる内容を削除させるのに、削除対象の内容を確認せずに送るという不注意を重ねたのは、いかがなものかとは思います。

科学っぽいデタラメが理解できなくても、嘘つきから物買わない方がいいよね、ということになりかねない

 サイト全体が見えなくされてたRikaTanだが、現在、無事に復活している。もちろん、『「謎水装置」NMRパイプテクターに翻弄される人々』へのリンクもトップページに復活。本文pdfもRikaTanサイトにある。まあ、プロバイダからのメールを左巻さんが見落としてた(ゴミ箱に入っていたということなので、スパムフィルターが悪さをしたのだろう、多分)というチョンボがあったので、一時的に公開停止になったのは仕方がない面もあったが、きちんと編集部見解を説明することで、完全復活を遂げた。喜ばしい限りである。技術士会にも是非見習っていただきたいところ。

 日本システム企画株式会社は、RikaTanの記事を仮処分で消させたことを宣伝していたが、数日でさくっと完全復活してしまったことを、今後どう説明していくつもりなのか、ぜひ伺いたいところである。

 まあ、最大限善意に解釈するとして、RikaTanのサイトが一時的に消えたことを、仮処分の効果だと思いこんでいたのは本当かもしれないので、削除させたことを宣伝したこと自体を嘘だというつもりはない。

 問題は今後である。完全復活しているということは、仮処分を突っ込んでみたが「RikaTanの記事は意見論評」等の理由で仮処分が通らなかったということなのだろう(最初、仮処分まで至っていなかったのではないかと疑っていたが、RikaTanサイトの方に「プロバイダ宛に投稿記事削除仮処分命令申立があった」とあるので、申し立てたことは本当のようだ)。ということは、今後、NMRパイプテクターを販売する時の宣伝で、RikaTanの記事を法的措置で消させました、などと述べるとそれは明白な嘘ということになる……そう、この後実際に左巻さんを訴えて削除まで持ち込まない限りは。

 でもって、もし、このまま訴状が来なかった場合、本気で訴訟する気も無いのに仮処分をプロバイダに突っ込んだりして、ハッタリの削除要求ばかり出している企業、という評価が、徐々に確定していくことになると思うのだが、どうだろう。

 NMRパイプテクターの原理が科学としていかにおかしいかは、説明してもなかなか分かってもらえない場合がある。エネルギー保存則を破っているし、高校の教科書レベルの物理をねじ曲げているのは明らかなのだけど、画期的な装置だと堂々と開き直られたり、NMRや水和電子といった、正確に理解している人が少ない、科学でも使っている用語を使っているからだ。劇的な効果があったというパンフレットや、導入実績を示されると、よく分からないが有りそうに思えてきたりもするのだろう。また、説明があまりにも科学としてはおかしいため、多少科学の知識のある人の方が、説明を理解しようとしたがさっぱりわからない、ということになったりする。

 しかし、日本システム企画株式会社の社長や幹部クラスの人が、法的措置をとる、訴える、告訴する、と営業をかけた先で吹聴し、そのまま何もしなかったとしたらどうか。人前で軽々しく法的措置をとると言い、しかもそれが口先だけのでまかせだという人を、普通は、信用するわけにはいかないだろう。堂々と客先で嘘を言って平気でいるということを意味するからだ。

 現状でターゲットになっているのは、私、小波さん、謎水氏、左巻さん、あたりかな。やまもといちろう氏も入りそうではある。半年経ってもこのうちの誰一人、訴状も受け取っていなければ、警察や検察から事情も訊かれていないということになれば、今度は、科学以外の部分で、日本システム企画株式会社の社長や幹部が皆嘘つきだということが確定することになる。既に、小波さんを告訴したと言いふらしているのだが、小波さんの方には今になっても何の事情聴取も無い、という実績がある。

 この記事の日付に注意してほしい。日本システム企画株式会社が批判記事を出した相手に仮処分を積極的に行い始めたのは、2019年の6月〜8月にかけてである。もし、売り込みを受けて、ネットに批判があるという話になって、対処を法的にやるという発言が出たら、事件番号とどこの裁判所でやっているかを訊いてみてほしい。今から向こう2ヶ月ぐらいなら、まだ訴状を準備しているという言い訳も成り立つだろうが、半年経っても明確な答が返ってこなかったら、会社の人達は嘘をついていると判断しても良いし、批判に対処するというのもハッタリだと考えて良いだろう。

 今から半年ほど経てば、批判に対して内容でも反論せず、訴訟や告訴でどうにかするというのさえも口先だけの出まかせだという相手と、安心して物買う契約を進めていいんですか?ということが問題になるかもしれない(訴状が来なかった場合は)。そして、この問題であれば、科学っぽい説明が理解できなかったとしても、大抵の人は理解できるのではないだろうか。

 

ロリポップの責任が絶賛発生中です

左巻さんのRikaTan読者サポートサイトが非表示にされて見る事ができなくなっている。後日のために、ぜひ見に行って、サイト全体が見えないことを確認しておいてほしい。

経緯は、NMRパイプテクターの会社が、RikaTanに出た批判的な記事を削除せよという仮処分を突っ込んできて、プロバイダであるロリポップは左巻さんに連絡を入れたのだけど、不運にもメールがゴミ箱に分類されていた(スパムフィルターに引っかかったものと思われる)ため、気づくのが遅れ、期限内に返答できなかったということらしい。

問題のRikaTanの記事は小波さんによるもので、こちらから全文公開中

この件については、左巻さん本人がfacebookに記事を書き、そのことをツイッターでも呟いている。ちょっと長くなるが、左巻さんのfacebookに引用された、ロリポップからの照会内容を引用しておくので必要に応じて参照してほしい。

日本システム企画株式会社が削除を求める仮処分を突っ込んでくるのは、まあ向こうにもそうする権利もあるわけだから改めて議論なり批判なりをするとして、問題はプロバイダであるロリポップの対応の方である。削除要求は、当然のことながら、RikaTanサポートサイトのうち、NMRパイプテクターに批判的なことが書いてある部分のみである。プロバイダからの問い合わせに対する回答が遅れたのは左巻さん側のチョンボでもあるので、削除要求があったページのみが一時的に見えなくされたとしても、それは仕方がないだろう。JICAですら引っかかるような商売の批判なのだから、プロバイダに正確な判断を求めるというのもまあ酷な話ではある。ところが、ロリポップは、独断で、削除要求とは関係のない部分まで巻き添えにして公開停止にしている。つまり、ロリポップが、削除要求に関係のないところを「人質」にして、記事を削除しないと再公開させないという圧力をかけていることになる。日本システム企画株式会社から袖の下でも貰ったか、弱みでも握られてるのかと勘ぐりたくなるような対応である。権利侵害が起きたから削除せよと言われていない部分まで独断で公開停止にしているので、現在進行形で左巻さんのRikaTan関連の業務妨害をしているわけで、目下損害発生中である。この分の賠償責任についてはプロバイダに対する免責は無いだろう。

プロ責法が運用されて随分経つのに、こんな杜撰な削除をやらかすプロバイダが営業しているとは思わなかった。日本システム企画株式会社以上に、ロリポップの方がヘンな問題企業という話になりそうだ。最初は、日本システム企画株式会社が狡猾だったのかと思ったけど、そうではなくて、ロリポップが予想以上に馬鹿だったというオチに見えて来た。

【追記】

JASRACのせいでロリポップのアカウントの停止された件」てのがあるので、昔からロリポップは、権利侵害だと言われていないページまで巻き添えにするプロバイダということらしい。みんなで責任追及しまくらないと改善されなさそう。あるいはとっとと使うのを止めて他に移るか。

町村先生のブログでも取り上げられました。「#パイプテクター からみで #ロリポップ が契約違反?」プロ責法の詳しい議論があります。

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【ロリポップ!】侵害情報の通知兼送信防止措置に関する照会

さて、この度、お客様が管理されていたウェブサイトから発信された情報の流通により権利を侵害されたとする方より、弊社に対する投稿記事削除仮処分命令申立事件(事件番号:令和元年(ヨ)第2513号)が東京地方裁判所にございました。

【掲載されている場所】
債権者は、以下の通り主張しています。
「http://www.rikatan.com/wiki.cgi」
「http://www.rikatan.com/NMR.pdf」

【掲載されている情報】
債権者は、以下の通り主張しています。
「*社会的ニーズが高いと要望がありましたコンテンツを無料で提供しています。
「謎水装置」NMRパイプテクターに翻弄される人々←クリックでpdfファイルがダウンロードできます」
「「謎水装置」NMRパイプテクターに翻弄される人々 小波秀雄」
「Rika Tan【理科の探検】2019年4月号の

【侵害されたとする権利】
債権者は、以下の通り主張しています。
「人格権」

【権利が侵害されたとする理由】
債権者は、以下の通り主張しています。
「(1)本件投稿2の本件記事において、債権者の取扱製品であるパイプテクターには防錆効果がない、科学的根拠がない等とするものである。
(2)また、本件投稿1自体、前述のとおり、「特集 ニセ科学を斬る!ファイナル」と題する本件雑誌(RikaTan【理科の探検】)2019年4月号とその目次を紹介する内容であり、本件投稿2の本件記事のタイトルである「「謎水装置」NMRパイプテクターに翻弄される人々」を記載して本件記事を紹介し(疎甲6の1)、またリンク先から本件記事のPDFファイルをダウンロードできるようにしている(疎甲6の2、7の1、7の2)。
本件投稿1自体も、債券者の取扱製品であるパイプテクターは防錆効果がない、科学的根拠がない等とする記載である(疎甲6の1)」
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 見ていなかったので回答もせずにいたら、次に
【ロリポップ!】お客様のサイトを非表示にいたしました
というメールが来て、非表示にされていました。
 それでゴミ箱から上のメールを見つけ出したのです。

 回答しないでいたのは、ぼくのせいなのかもしれませんが、昨日次の回答をしました。
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ご利用状況 ロリポップ!ユーザーです
ご利用のURL http://rikatan.com
ご用件 その他
お問合せ内容
【ロリポップ!】お客様のサイトを非表示にいたしました 8/28 17:58が来たので、【ロリポップ!】侵害情報の通知兼送信防止措置に関する照会 8/23 18:51 を「ゴミ箱」に分類されて読めなかったので2019/08/29回答します。

2019/08/29やっと【ロリポップ!】侵害情報の通知兼送信防止措置に関する照会 8/23 18:51を見られたので回答します。
裁判所の判断が決定されたらその時点で裁判所の決定に従います。
それまで非表示にしないでください。
****************<回答フォーム>***********************************
[回答内容](いずれかに○)※
( ○ )送信防止措置を講じることに同意しません。
( )送信防止措置を講じることに同意します。
( )送信防止措置を講じることに同意し、問題の情報については、削除しました。
[回答の理由および本件に関する詳細な事情]
・小波秀雄氏は『RikaTan(理科の探検)』誌編集委員であり、物理化学を専門とする科学者です。
 編集委員会でも内容を検討していますが問題があるとの指摘はありません
でした。
 内容に小波氏は自信をもっており、ダウンロードして広く判断の材料にして
貰いたいと希望しました。
 内容はあくまでも科学的な検討です。
 その該当の製品企業は科学的な根拠を元に議論すればよいと思います。
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これへの返事は未だ来ていません(8/30 12時現在)。

送りつけ商法に有罪判決

毎日新聞の記事より。

送り付け詐欺:健康食品で「高齢者狙い卑劣」有罪判決
毎日新聞 2014年03月10日 12時01分

 注文を受けていないのに商品を送り付け、代金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた健康食品会社「ライフリカバリー」の実質的経営者三村拓也被告(33)に名古屋地裁は10日、懲役2年6月、執行猶予5年(求刑懲役2年6月)、元社員辻本淳史被告(32)に懲役2年6月、執行猶予4年(同)の判決を言い渡した。

 判決理由で田中良武裁判官は「金欲しさで詐欺を繰り返した。高齢者を狙った計画的で卑劣な犯行」と指摘。一方で「反省し、被害者への弁償も進めている」と執行猶予の理由を述べた。(共同)

 送りつけ商法は、このあいだの消費生活センターのボランティア講習会でも説明がありました。どんどん実刑判決が出ることを望みます。しかし、実質的営業者、ってのは一体何なんでしょうかね。登記された取締役は関与してなかったってことでしょうか。

日本人が「アンネの日記」を破りたくなる理由

 東京の図書館で「アンネの日記」が多数破られたことがニュースになって、シオニストの興味まで引いている。ただ、どうにも、ホロコーストやらナチスやらと関連した思想的な背景とは結びつかないというか、そう考えるには違和感がありすぎる。
 歴史的に見て、キリスト教は日本に布教されて一時期弾圧され、今では社会に受け入れられた。しかし、結局多数派にはなれなかった。ユダヤ教はキリスト教に比べれば布教が無いに等しい。それでもキリスト教が日本で布教に成功していれば、宗教的対立の枠組みで反ユダヤという思想が出てきたかもしれないが、キリスト教自体はマイナーなままだし、仏教や神道ではどうがんばっても反ユダヤとは結びつかない。
 第二次大戦では日本はナチスドイツと同盟を結んでいたし、ナチスドイツがユダヤ人の殲滅をもくろんだことは確かだけど、日本の方にはユダヤ人を殲滅する動機がまるでない。その頃の日本は「八紘一宇」を掲げていた。意味するところは「人類皆兄弟」(ただし日本に都合のいい、他国にとってはかなり押しつけがましい大東亜共栄圏の意味)だから、特定の民族を殲滅する思想が出てくるはずがない。さらにナチスドイツは純粋アーリア人最高非アーリア人イラネ、という価値観を持っていたわけで、東洋人である日本人はアーリア人ではないので、利害に基づく軍事同盟だけなら可能であっても、感情移入できる要素はまるで無い。
 日本でも「すべてはユダヤの陰謀だった」系の本も出ているけど、「キリストの墓が青森県にあった」「チンギスハンは源義経である」ってな与太話と同程度の扱いでしかない。まだ「相対性理論は間違っている」ネタの方が普及度は高いんじゃないの。
 今の日本の排外主義は、主に韓国中国北朝鮮、あとは米国に向かっていて、ユダヤは民族としても宗教としてもちっとも登場していない。今の日本社会には、ユダヤとの軋轢は現実には存在していないのではないか。右の団体がデモでハーケンクロイツを掲げてたって、それは多分(ナチスがユダヤに対してやったのと同じような感じで)日本から韓国中国北朝鮮の人は出て行け、って主張のつもりであって、ユダヤ出て行けって話は出てきていない。というかやってる本人達はユダヤの存在すら意識してないんじゃないか。まあヨーロッパの人が見ればぎょっとするだろうけど、文化的歴史的背景がまるで違うので、ナチスドイツの現状での扱いを意識して学んでなければあの旗の意味を大勘違いしそうではある。
 ついでに言うと、世代によるとしても、日本じゃ「ハーケンクロイツのヨーロッパでの扱い」よりも「アンネの日記」そのものの知識の方が(学校経由で)普及してるんじゃないかなあ。また、アンネの日記の話は国語で出て来た記憶があるんだけど、日本の学校の教科指導って他の教科の知識とは結びつけずに教えられるので、歴史の授業でナチスが何やってたかという話と「アンネの日記」が強く結びついているかというと、案外そうでもなさそうな気がする。ホロコーストがひどいことだと頭で理解できたとしても、地理的に離れている上宗教的背景も違うので、その深刻さを肌で感じるのは難しいのではないか。
 一方で、図書館の「アンネの日記」を延々破るというのは、かなり情念というか偏執狂的なものを感じる。大多数の日本人は、そういう情念や偏執をもたらすようなユダヤとの関わり方をしてきていない。だから、いわゆる右翼の思想的背景に基づく行動というよりも、もっと個人的な動機に基づく行動ではないかと思える。もし、今排外デモをやっている右翼が思想信条に基づいて図書館の本を破るとしたら、「アンネの日記」じゃなくて、南京大虐殺とか従軍慰安婦関連の本になるんじゃないか。
 それじゃあ、どんな場合に「アンネの日記」を破りたくなるだろうか。いろいろ考えてみた。

(1)妄想系
 アンネに感情移入して、あの日記を破ればアンネを救えるといった思いつきで破っている。あるいはもっと別の、その人個人にとってのみ意味のある一種の「儀式」。
(2)嫉妬系
 アンネは15歳までに年上の彼氏が3人も居たので、そのリア充ぶりというか女子力の高さっぷりというかへの嫉妬。
(3)嫌悪系
 あの年齢の女子にありがちな、母親を初めとする大人への不満を書いた部分があって、それが単に気に障った。10代女子が日常の不満をがんがんブログに書いたら炎上した、ってのと似てる。ユダヤへの反感じゃなく、アンネの性格が気に入らないとか、ガキが何生意気言ってんだという、どちらかといえば儒教的価値観に反した結果。
(4)報復系
 アンネの日記で読書感想文をかかされるなどして、読むことを強制されたが、内容が面白くなかった上苦痛だったので八つ当たり。(3)が気に障ったのに教師の圧力が原因で正直にそれを書けなかったとか。

 私にとって「反ユダヤ」「ホロコースト肯定」よりはしっくりくる理由をひろいろひねり出してみたらこんな感じになった。さて、どう決着するんですかねえこの事件は。

 アンネの日記偽書説もまだ出回ってるけど、日本でのこの説の扱いは、知名度においても思想信条との結びつきにおいても「アポロは月に行かなかった」以下だと思う。サイモンウィーゼンタールが今回の事件を政治利用のチャンスと見るのは自由だけど、空振りだった場合、個人の妄想を大まじめに取り上げる滑稽な団体と評価されることは覚悟しておいた方がいいんじゃないかなあ。ただ、その立場は海外に向かって説明しなきゃいけないから面倒だけど、それも仕方ないよねえ。

井本剛司氏は大学に何をやらせたのか

 井本剛司氏によるクレーム続報。
 井本氏が、プライバシー侵害を口実にしながら、私とのメールの全やりとりを誰でもダウンロードできるサイトに置いた上、そのURLを記載したメールを私の職場の関係ない学部の関係ない先生多数にばらまき、その後も同様の方法でクレームを出した結果、研究室の全サイトが現在学外に移転しています。井本氏の行動は、とてもプライバシーを守りたいものであるとは思えませんが、その話はまた別途するとして。

 さて、移転前かつエントリーを1つ削除する前のこのブログには、井本氏から削除要求があったこととその理由を説明した記事を載せていました。それを削除しろと井本氏が自分からプライバシーを丸見えにして多数にクレームを出しまくったわけですが、その時、このブログの印刷物も資料の中に入っていました。その資料の最初の記事は、
クレームにより記事訂正
でした。タイトルだけ見ると井本氏と関係ありそうに見えますが、内容は全く関係がありません。浄水器・活水器などの水処理装置の非科学宣伝を取り上げた「水商売ウォッチング」の記事に対し、事実と異なることが書かれているという指摘があり、その指摘に対応して過去の記事を修正したという記録です。

 ところが、学部長経由で本部の判断として私に口頭で伝えられたのは、「クレームにより記事訂正のページを学内に置くな。学内の他のページからもリンクをするな」というものでした。
 井本氏からのクレームへの対応のはずなので、井本氏がファイルを公開した件や、ファイル公開の件の続きをどうにかしろと言われるのなら予想の範囲です。しかし、リンクするなと言われたのは水商売ウォッチングへの訂正記事でした。さすがに信じられず、「これ井本氏とは関係ないですよね」と念押ししたのですが、関係なくてもダメだ、ということでした。
 その根拠になっているのが、山形大学通信・情報ネットワーク管理運用に関する規定の第9条

YUnetは、教育、研究及びそれらを支援する業務並びに事務用以外の目的で利用してはならない。

だそうです。
 さて、「クレームにより記事訂正」の内容は、これまで作って来た「水商売ウォッチング」に対する訂正情報ですから、「水商売ウォッチング」の一部です。V2logに書いたのと同じ内容は「水商売ウォッチング」の方にも載せておくべきものです。
 つまり、規則第9条に基づいて公開どころかリンクもするなと言われた内容は、「水商売ウォッチング」の内容の一部そのものということになります。情報というものは中身が大事なのであって、レイアウトは関係ないでしょうから、大学本部の判断は「水商売ウォッチング」の内容そのものの一部を公開もリンクもするなと決めたことになります。
 さすがにこの判断では、危なくて学内にコンテンツを置いておけません。いつアクセスを切られるかわからないからです。情報は読んで使ってもらえてナンボであって、どこに置くかというのは二次的な問題に過ぎません。ですから、早々に、以前から準備していた避難所に全部移動させたわけです。

 「水商売ウォッチング」がこれまでどのように教育・研究に関わってきたかを以下に述べます。まず、学術雑誌への掲載。

  • 水商売ウォッチングLIVE! 天羽優子 物性研究 76 5(2001) 644-683.
  • 水に関する誤解 天羽優子 化学と教育 49 11(2001) 692-695.
  • 「水のクラスター」の誤解と真実 天羽優子 うちゅう 18 9(2001) 4-9.(大阪市立科学館友の会の会誌)
  • 「水商売ウォッチング」から見えたもの 天羽優子 物理教育 54, No.3, (2006)225-229
  • 水を取り巻く事象を考える 天羽優子 化学 62, No.4, (2007)27-29
  • 水の製品の説明にはニセ科学がいっぱい 天羽優子 RikaTan 理科の探検, 2007年8月号 47-50
  • 「怪しい水・怪しい水製造器の見破り方」、「”水商売”にだまされない!」(対談)、RikaTan 理科の探検2013年夏号

 高校の化学資料集への記載。

  • ニセ科学に惑わされない! 天羽優子 改訂版スクエア最新図説化学, 第一学習社、2008年44-45

 第一学習社さんからは、この次の版の改訂でも原稿依頼を戴きまして、最新版は水から離れて身近なニセ科学の話題に変えました。
 さらに、

    日本物理学会 第61回年次大会 物理と社会シンポジウム 「ニセ科学」とどう向きあっていくか?
    水商売ウォッチング」から見えたもの

で発表しています。
 本務校の基盤教育「科学リテラシー(化学A)」の講義資料の一部にも、「水商売ウォッチング」と、掲示板の過去ログを使用しています。放送大学の面接授業でも一部を使っています。学生がレポートを書く参考にするため見に来たりもしています。
 社会貢献活動の一つとしては、怪しい浄水器を売りつけられた被害者の方の救済のため、弁護士からの依頼で、宣伝のどこが非科学かを指摘する意見書を書いて裁判所に提出したりしています。
 このように「水商売ウォッチング」を元にした記事は、理科教育関係の雑誌に何回も掲載され、物理学会でも発表し、現に学内でも教材としても使っていて、学外では社会貢献もしているのです。この内容を、規則第9条を根拠として、教育にも研究にも関係無いから大学に置くな学内からのリンクもするな、というのが、今回、井本氏のクレームによって出てきた本部の判断ということになります。本部には是非とも、山形大学で教員が行う教育と研究の定義についてきちんと説明してもらいたいところです。

 一応本部の名誉のために書いておくと、これは初見での判断だということです。こんな判断で本当に良いのか疑問なので、現在、ウェブの内容を検討してもらうため学部長に提出する資料を準備しています。読めるフォントの大きさで印刷を始めたところ、A4で2500枚ほど印刷してもまだ終わらず、規則第9条を運用するのも大変だなあと、A4コピー用紙1箱を埋め尽くした印刷物を前に溜息をついていますが。

 問題の所在は、規則第9条のような、主観でどうとでもとれる条文をそのままにしていることにあります。
 かつて、お茶の水大がウェブ規則を決める事になったとき、この手の曖昧な規則は排除すべきだと、師匠に伝えたことがあります。理由は簡単で、人が変われば判断基準がぶれるような規則はトラブルの元だからです。国立大学法人ですから、例えばエロサイトを作ったり、金儲けの為のショッピングサイトを作ったりするのは論外でしょう。そういったものを例示列挙し、かつ、条例と法で禁止されている行為も禁止、と学外の規律に接続し、人が変わっても判断がぶれないようにすることが絶対に必要だ、というのが、当時の私の主張です。そうでなければ規則の安定した運用は不可能だろう、と予想しました。これが2003年頃のことでした。
 今回、見事に十年前の予想が的中したことになります。
 現に、上に列挙したような教育活動の中心となっているコンテンツを、規則9条を理由に教育とも研究とも関係がない、と本部が判断してしまったわけですから、運用の失敗は明らかだと私は考えます。勿論、山形大学が、上記に書いたような雑誌に書くことや学会発表することや講義資料の一部に入れる資料をウェブコンテンツから作ることを教育でも研究でもないと言い張るならば話は別ですが。

 こうなるのは、立場を少し変えてみれば想像がつくことです。私は政治や歴史についてはずぶの素人です。一方、学内には、政治や歴史を専門とする人文の先生がいます。仮に、人文の先生のどなたかが今のセンシティブな話題、たとえば尖閣や竹島の問題について意見表明をして、学外からクレームが来て、私が規則第9条の判断をしなければならなくなったとしましょう。どこまでがその先生の個人的な趣味の範囲の意見表明でどこからが研究・教育かを正しく線引きできるか、というと、甚だ疑問です。正直な話、できる自信は全くありません。
 規則第9条のようなものは、どこの大学にでもありそうな規則です。管理する側が何でもできるように入れたくなる規則であることは確かですが、実際に運用しようとしたら、管理する側にとってはむしろ地雷です。容易に判断を間違えうる上に、間違った判断をしたら大学における教育研究とは何ぞやという価値判断が問題視され、学内コンテンツが気に入らないクレーマーに対しては条文の曖昧さに乗じて際限なくクレームをつけることの根拠を与えるからです。何も考えずにこの条文を作ることを決めたのだとしたら無自覚に過ぎますし、正しく判断できると思っているなら思い上がりでしょうし、現場が運用できると思っているのなら買いかぶりすぎです。まずは、そのことを自覚すべきと考えます。

 さて、現実の解決策ですが、いくつかありそうです。
 規則第9条を変えて判断がぶれないようにした上で、これまで通りyamagata-u.ac.jpに教員個人のサイトも抱えるやり方がありそうです。逆に、yamagata-u.ac.jpは本部や各種委員会が完全管理することにして研究室のサイトは置かない、というのも1つのやり方です。この場合、ドメインを2系統にして、 yamagata-u.netのようなものを1つ作って本部と委員会以外は全部こちら、という棲み分けをしたり、研究室毎に外部サーバにコンテンツを置くが管理費用を校費で支払うかわりに純然たる私的なコンテンツは置かない、という緩い管理方法もとれそうです。でも、ドメイン2系統案は人が集まらないと難しいでしょうね。どうするのが良いかは私にもわかりません。

業務連絡:削除要求のあった内容は残っています

 研究室の公式サイトもろとも全コンテンツを大学内のcm.kj.yamagata-u.ac.jpから、cml-office.orgに移動させました。
 以前のcml-officeの内容を新しいサーバに移転させ、そこにcm.kj.yamagata-u.ac.jpのコンテンツを収容するという作業を行いました。
 この結果、pplogというプログラムで運用し(後にpplogpに乗せ替えた)数年前のブログ「事象の地平線過」が見えなくなっています。pplogpで作っていた2番目のブログArchivesも同様です。多分、設定ファイルを置いていた旧サーバとディレクトリ構成が若干変わったためと思われます。制作者に尋ねようかと思いましたが、制作者のサイトを見たところ、ここ2年ほどソフトウェアのバージョンアップも滞っていて開発停止してるのかな?という状態です。これ以上は、私がphpスクリプトを解読してどこでエラーが出ているかを調べないとできません。一応、ブログシステムのスクリプトとデータは全部新サーバに移転させてあります。
 で、まあ、こんなこともあろうかと、pplogp版「事象の地平線」とpplogp版「Archives」の全データは、このWordPress版「Archives」に統合済みです。トラックバックやratingの情報は失われましたが、コンテンツ本文と戴いたコメントは全部入っています。

 さて、井本剛司氏からはpplogp版の「事象の地平線」過去ログのコメントに対して削除要求が来ています。ところが、サーバー側の事情でpplogp版の「事象の地平線」が見えなくなってしまいました。これは、意図的に削除したものではありません。おそらく、削除要求があったのと同じ内容が、この「Archives」には入っています。
 ということで、削除したと思い込まれてしまい、実はあったとなると、後のトラブルの元ですので、しっかり残っているということをここに書いておきます。つまり、状況は何ら変わっていないということです。

ファイル公開の件の続き

 本日つまり2013/08/16の夜には当該ファイルは削除されていた。アクセスすると

(0003)firestorafe宛に送られた法的要請、もしくは不適切なファイルの為、このファイルは削除されました。

と出る。これが削除理由なのだろうか。アップロードした本人なら、法的要請やら不適切やらの理由を持ち出さなくても削除できると思うが、一体どうなっているのだろうか。
 ということで、ちょっと試してみた。

 まず、http://firestorage.jp/を表示し、無料会員登録する、をクリック。メールアドレスを入力。すぐに、入力したメールアドレスにパスワードが送られてくるのでログインする。手元のパソコンに「アップロードのテスト」というファイル名でテキストファイルを作り、その中に「アップロードと削除のテスト。」の1行を書き込む。このファイルをログインした状態でアップロード。
 ファイルの説明や送り先を入力する画面を見ると、
http://firestorage.jp/download/165fe3cd0a9698a61e243b4d1443a99805304776
http://firestorage.com/download/165fe3cd0a9698a61e243b4d1443a99805304776
の2つがダウンロードのためのURLとして生成されていた。
 アクセスして「アップロードのテスト」ファイルがダウンロードされることを確認。さらにログアウトして同様の操作でもダウンロードできることを確認。つまり誰でも見ることができる場所にファイルを置いた状態であることは、アップロードした直後から容易にわかるし簡単に確認できる。ファイルの中身に保護スベきプライバシーが含まれているのであれば、この時点でファイルを削除するべきだろう。よって、このサービスを使った場合、公開の意図が無かったという言い訳はまず通らないのではないか。
 次に、再度ログインする。
 左側のメニューからファイル一覧をクリック、ファイル名の右端のチェックボックスにチェックを入れ、リストの下の「機能選択」をクリックして「削除する」を選ぶ。確認画面を表示後「実行」をクリック。その後、もう一度文書のダウンロードURLを見に行く。メッセージは

(0004)該当のファイルは削除されました。

となった。

 このことから、firestorageでは、アップロードした人が自分でファイルを削除すれば、削除後のメッセージは「(0004)該当のファイルは削除されました。」となることがわかった。

 つまり井本氏は、自分でアップロードしたファイルについて、メニューから自分で削除するのではなく、何らかの法的クレームによって運営側に削除させたということになる。自分でできる削除をせずに大学に対して私のツィートを消すように求めた行動と併せて考えると、井本氏は、自分でできることをせずに他人に対して法的クレームをつけて削除させることを好む人物である、と受け取らざるを得ない。
(私はfirestorageに削除を求めていないし、第三者がプライバシー云々を理由にして削除を求めたとしても本人確認のところで却下されるだろうから、削除を求めたのは井本氏以外にほぼあり得ない。)

井本氏が関連ファイルを公開した件

 少し前から、井本剛司氏より、古いブログの記事についたコメントを削除するように求められています。しかし、削除理由があるかどうかの判断に迷っていて、どんな削除要求が誰からあったのかということをここに書いたところ、井本氏は大学にクレームを出し始めました。
 そういうことはたまにあるのですが、クレームを出すにあたって、井本氏は、私とのメールのやりとり全文や、私とのメールのやりとりをまとめて誰でも読めるファイルストレージにパスワードもかけずにアップロードしました。
 そのことについて、私は2013/08/11 21:44:52に、

http://firestorage.jp/download/ae5a37e7e5f085ab262e74076fe5d45af6f607ce 上げたのは私じゃありません。私とのやりとりが誰でもダウンロードできる状態で公開されています。

とつぶやきました。私に、プライバシーを理由に削除を求めた人物がこんなことをしたので、かなりびっくりしました。
 そうしたら、井本氏はまた大学にクレームを送り、このツィートを削除するようにと言ってきました。
 大学には、教員のツィッターを削除させる職務命令を出す権限はありません。学部長からは個人の権限において適切に対処せよ、という連絡が来ました。

 ファイルは未だに誰でも読める状態で公開されています。何のパスワードもありません。その状態にしたのは井本氏です。私がつぶやこうがつぶやくまいが、誰でも気付けば読める状態です。大学にクレームをつけるにしても、資料をメールに添付するとか、印刷して別便で送るとか、他にいろいろ方法があるにも関わらず、「パスワードもかけずに誰でもアクセスできる場所に出しておく」という方法を選んだのは井本氏です。自分で大公開状態にしておいて、URLをつぶやいたツィートを消せ、と大学にクレームをつけるというのはお門違いです。アップロードしたファイルを井本氏が自分で削除すれば済む話ですし、それが筋でしょう。しかし井本氏は大学にクレームをつけてきました。いくら何でもこれは何か違うんじゃないのかしら。

 誰でもダウンロードできるパスワードも無い場所にファイルを置く、というのは、誰かに読まれても問題ないファイルを取り扱う時に使う方法です。誰かに読まれては困るのであれば、そんなことをしてはいけません。学生にだってそう教えます。
 この意味で、井本氏とのやりとりは要注意です。ウィルス感染等による流出以外で第三者に見られないことを予期してメールで送ったりしても、井本氏が他の誰かに伝える時に誰でも見える状態にして伝えてしまう可能性がある、ということですから。

 この件に関しては、学部長には、井本氏のクレームが理不尽なのでツィートは消さずに争う、と回答しました。至急の照会としてメールが来たのでそのように返信しました。

 井本氏もここを読んでいるでしょうから、ついでに書いておきます。
 8月11日のエントリーにも書いたように、学内で開設されているウェブコンテンツの内容について、大学の部局等が直接管理していないものについては、大学が(紛争回避のために安全策をとって)部局等が管理するページからのリンクを削除することはできますが、それ以上のことはできません。普通に問い合わせた時の総務部広報ユニットの回答です。
 ウェブの内容にクレームがついて「削除する義務が無いことを確認する」という訴えを先に起こした時に「削除しろという命令を出すな」という理由で大学も被告にしたことがありました。このときは、相手が既に私の母校の大学だけを遠方で訴えていて大学の応訴の負担が大変でしたので、おなじ事を勤務先にされないように地元の裁判所にまずは係属させて勤務先の負担を減らすというのが狙いでした。このときの大学の顧問弁護士の裁判所での主張は「(私が書いて出している部分について)大学は関係ないし知らない」というものでした。これもまた、総務部広報ユニットの回答と矛盾しないものです。

 さて、私はこの10年以上にわたって、ウェブなどで書いた内容は個人が直接責任を負うべきで所属組織とは切り離すべき、と主張してきました。大学に限らず民間の企業でもそうあるべきだと考えています。すぐには無理でも、大学が先例となってその方向に進むことができればいいので、とりあえずは実績を積み重ねるしかありません。そうでなければ、いつまで経っても、実名で情報発信する、ということが根付きません。個人の情報発信につき所属組織が何らかの形で圧力をかけることがあれば、個人と組織の力関係からいって、萎縮効果が大変大きく、到底実名での自由な発言など行えないからです。この目的のために、私はそれなりにコストも払ってきました。

 今回、またもや井本氏が「組織に文句を言って対応させる」方法を選びました。私としては、これはおかしい、と言い続けなければなりません。

 大学にクレームをつけることで何かさせようという相手に対しては、何をされたかという情報を徹底的に公開して批判を加えます。これは、これまでに同様のことを私に対してしてきた人全てに対して行ってきたことです。組織にクレームを出すことは決してこっそり何か対応をしてもらえるということではないということを広めない限り、組織ではなく本人に責任を負わせるということのインセンティブが出てきません。

何かいろいろ出てきている体罰問題

 いろいろ考えたんだけど、違和感の正体は、近代社会の規範を守るという姿勢が生徒からまったく出てこないということかなあ、と。まあ、生徒はまだ未熟だから仕方ないとしても、それならば、大人が規範を教えて、学校ムラ社会の論理を表に出さないようにするということはできそうなものなのに、それもないということ。酷い体罰をする教師が居たということも橋下さんのやってることの是非も別にして、この学校が公教育としての体をなしてなさそうだということが実は一番の問題ではないか。

 体罰という名の事実上の暴力で押さえつけようとする大人は居ても、今規範をはずれた発言をネットでしたらどうなるかきちんと説教できる大人が居ないらしいことが不幸だよなあ。

FNNニュース

大阪・体罰自殺問題 体罰記録のバレー部OBが当時の状況語る

大阪市立桜宮高校の男子生徒が、部活動の顧問から体罰を受けた翌日に自殺した問題。高校のOBが、部活動での執拗(しつよう)な体罰の詳細を記録していたことがわかった。同じ高校で、かつて壮絶な体罰について訴えた元生徒が、当時の体験と学校側への不信感を語った。
桜宮高校で「体罰」を受けていた元生徒は「陰湿なやり方だったと思っています。人目のつかないところ、(顧問に)『倉庫に入っとけ』と言われて。倉庫でびくびくしながら待っていて、ドアが開いて、先生が入ってきて、(周囲から)見えないところで何発もビンタされる。多いときは、40発とかありました」と話した。
繰り返されたビンタの数は克明に記録され、時には、「けり8発」や「10発以上のゲンコツ」までもが、一度に浴びせられていたという。
その理由については、「審判をやっていて笛の音が小さいという理由」、「うっとうしそうな顔すんなと言われ、しているつもりはないのに」などと記録されていた。
そうした体罰について訴えたのは、バスケットボール部のキャプテンが体罰を受けた翌日に自殺をした桜宮高校で、かつて男子バレーボール部に所属していたOB。
桜宮高校全体に漂っていたという、体罰容認の空気。
その独占告白によって、体罰が繰り返された背景が見えてきた。
元生徒は「周りは体罰をやっているのを知っている人ばかりなので、体育科の先生方は…。その中では、当たり前のようにやる状態。(生徒が)唇から血を流していても、それは知らんぷりです」と話した。
大阪市の橋下市長は12日、自殺した男子バスケットボール部キャプテンの家を訪問した。
再発防止を誓う中で、「知事になってからも、市長になってからも、ずっと考えていたところではあるんですけど、手を上げることもあるんだろうなと。特に、体育会系のクラブの指導においては。僕自身も…、認識が甘かったのかなと」と述べた。
現場全体に求められる意識改革。
桜宮高校では、ほかの部活動でも体罰がなかったか確認するため、当面の間、全ての部活動を自粛することを決めた。
同じ桜宮高校のバレーボール部では2011年秋、6人の部員に対する、顧問による体罰が発覚した。
30代のその顧問が、停職3カ月の処分を受けた。
さらに、同じ顧問は、復帰後も再び、部員に体罰を加えていたことも判明した。
「スーパーニュース」では、かつてそのバレーボール部に所属し、市の教育委員会に体罰被害を訴えた元部員の1人に、話を聞くことができた。
元生徒は「僕は、桜宮高校に入る時は、指導の一環として、気持ちが伝わってくるのであれば、(体罰)1~2発は別にいいやという気持ちではあったし、部活の成績を残していくぞという意思もあるので、多少のことは耐えないといけないなとは思っていたんですけど、これは本当に意味のある体罰なのかと。これはもう、絶対指導じゃないと思っていたわけですから」と語った。
当時、彼ら部員は、ある数字をノートに書きとめていた。
「35発ビンタ」、「8発けり」、「2メートルほど飛ばされる」、「ビンタが強すぎて唇から出血」など。
部員らが記録していたのは、受けた体罰の詳細だった。
そこには、2010年1月から2011年3月分までが、びっしりと書き残されていた。
さらに、当時の体罰には、あるキーワードがあった。
元生徒は「『倉庫イン』という言葉が、僕たちの中ではあったんですけど、(顧問に)『倉庫に入っとけ』と言われて、倉庫でびくびくしながら待っていて、ドアが開いて、先生が入ってきて、(周囲から)見えないところで何発もビンタされる。(頬が)赤く腫れて、唇が切れて、血が出るときもありますし」と語った。
バレーボール部での体罰は、倉庫以外にも、体育館、更衣室、そして階段でも行われたという。
そうして繰り出された体罰の理由は、さまざまだった。
元生徒は「(チームメートが)試合で審判の役をやることになって、笛を吹くんですけど、笛の音が小さかった、それだけで、『倉庫入っとおけ』と言われて、ビンタされる。明らかに理不尽なことがありましたし」と語った。
「ミスするごとに、『倉庫ね』と言われた」、「その日の機嫌が悪いと、理由をこじつけてビンタする」。
次第に増えていった体罰の記録。
当初は、自分たちの気持ちが少しでも楽になればと書きとめていたということで、告発をしようとは思っていなかったという。
しかし、学校全体にはびこる体罰容認の空気に、部員たちの気持ちが変化していったという。
元生徒は「その陰湿さにも、僕たちは不信感を募らせていって。横には、体育科のほかの先生がいて、血を流していても、それは知らんぷりです。それが当たり前というのが、学校の中に染みついている」と語った。
そして、2011年3月、バレー部の部員たちが、当時の校長や教頭に改善を求め、翌4月には保護者も加わり、高校側に申し入れを行ったが、明確な回答が得られなかったという。
そこで部員側は、この体罰の記録を市の教育委員会に提出し、ようやく体罰が明るみに出た。
その後、問題のバレー部の顧問には、停職3カ月の処分が下された。
しかし、元生徒は「(停職3カ月を明けて、学校へ来てから謝罪は?)ないです。正直、また何か起きるだろうなという気持ちで卒業しました」と語った。
そして、当時の部員たちが部を引退したあと、顧問は再びバレー部に復帰し、2012年11月に、再び体罰が発覚した。
しかし、それについて学校側は、教育委員会に報告しなかったという。
その理由について、桜宮高校の校長は、10日の会見で「(バレー部顧問)本人も、非常に若い教員でございますので、将来的なことも少し頭をよぎりまして、市教委に(報告を)上げなかった」と説明した。
そうした学校側の対応に、元生徒は「教頭先生、前校長先生と話す機会があったんですけど、その時も、『これから絶対そういうことがないように、指導していきます』と、はっきり言われていますし、ようそんなことが簡単に言えたなと」と語った。
生徒の自殺という最悪の結果を迎える前に、断ち切ることができたはずの体罰の連鎖。
教育現場の答えが問われている。
(01/14 18:03)

 体罰はもちろんいけないのだが、その後の対応の報道を見ると、やっぱり何かおかしいと思う。で、実はその方がもっと問題ではないかと。

 時事ドットコム

「結論覆す」、決意の反論=高校生8人、入試中止で会見-大阪市

 大阪市教育委員会が橋下徹市長の要求通り、市立桜宮高校の体育系2科の入試中止を決定した21日夜、同校3年の男子生徒2人と女子生徒6人が記者会見に臨んだ。「私たちは納得いかない」「学校を守りたい」。8人は「まだ結論を覆せるかも」と、橋下市長と市教委に対し、決意の反論を展開した。
 市役所5階の記者クラブで午後7時半から1時間余にわたった会見。8人はいずれも運動部の元キャプテン。制服のブレザー姿で横一列に並んだ。
 「体育科に魅力を感じて受験したいと思う生徒がほとんど。普通科に回されるのは、私たちは納得がいかない」。女子生徒が口火を切った。橋下市長が同日朝、全校生徒を前に説明したが、「具体的な理由がなく、私たちの声も十分に聞いてくれなかった。思いは1時間で話せるわけがない。『生徒、受験生のことを考えて』と何度も繰り返したが、在校生と受験生のことを考えたらもっと違う結果があったんじゃないか」と訴えた。
 橋下市長が体罰の背景に「生徒たちも容認していた」「勝利至上主義」などと発言していたのに対し、女子生徒は「容認していないし、勝つことだけが目標ではなく、礼儀など人として一番大切なことを教えてもらっている」と反論。自殺問題について「心の傷は深く、重く受け止めている。傷を癒せるのは先生」として教諭の総入れ替えにも反対し、「多くの生徒が学校を守りたいと思っている」と強調した。
 男子生徒は「今回の結果が覆せるんじゃないかと、強い思いを持ってきた」と会見の動機を語った。別の女子生徒も「今まで続いている伝統は今でも正しいと思っている」と力説した。(2013/01/21-22:36)

 体罰という暴力を容認したことについての反省も、自分達は体罰を今後一切認めないし起きれば潰すという決意も無し。挙げ句に伝統が正しいと居直り。最初にすべきことはその伝統とやらの総括でしょうに。
 「傷を癒せるのは先生」って、仲間が死んでるのに癒やしは教師任せ?というかそれって癒やしの対象になることなの?
 「今まで続いている伝統は今でも正しいと思っている」って、このタイミングでこの文脈で言っちゃったら「暴力的指導やリンチをするのは正しいことだから今後も続けるし、もし自分が指導者になったら生徒に同じようにやります」宣言だよなあどう見ても。本当にこんなこと言ったのかしら。報道も最近不正確なことが多いから……。
 自殺した生徒への言及なしに「礼儀など人として一番大切なことを教えてもらっている」と言ったのだとしたら、この学校の教育は根本的に間違っているのでは?というか、暴力放置して何が礼儀なんだか。
 結局、生徒が、自分達の現状維持したいというエゴしか見えない内容になっている。学校ムラの論理全開、社会規範は無視します、という方向での発言になっている。
 また、こんなことを言いだす人が運動部のキャプテンをしていたのでは、体罰の被害者はさぞ被害を言いだしにくかっただろうとも思う。こういう主張をすること自体が体罰隠蔽の方向に働くという自覚が、事ここに至っても生徒の側に無いのはどういうことなのか。

 生徒がこれなのはまだ未熟なので仕方がない面もある。問題は、こういう規範の優先順位を間違えた発言を記者に向かってすることについて、大人が教育しなければいけないはずなのにそれが機能してないということ。これでは公教育としてダメだろう。

こちらはFNN

大阪・体罰自殺問題 安倍首相「明らかに一線を越えていた」

大阪市の橋下市長は21日午後、教育委員会に対し、あらためて大阪市立桜宮高校の体育科などの入試の中止を訴えた。
桜宮高校の入学試験を行うか、それとも中止とするか。その結論が21日に出される。
桜宮高校バスケットボール部のキャプテンが、体罰を受けた翌日に自殺した問題で、橋下市長は、体育科など2学科の入試を中止するよう、教育委員会に要請していた。
橋下市長は17日、「越えてはならない一線を越えてしまったという認識のもとに、これまでの流れを断ち切る。そのためには最低限、普通科入試をやるにしても、校長はじめ、教員は、全員入れ替えてもらわなきゃ困ると。今いる体育の教師が、もし2013年度いるということであれば、体育教師分の人件費は執行しないと」と述べた。
教育委員会側は、橋下市長の発言に対し、「在校生や受験生を混乱させかねない」として、これまで結論を保留にしていたが、21日、期限を迎えた。
21日午前、橋下市長は事件後初めて、桜宮高校を訪れ、体育科の入試中止を強く求めるような内容を、生徒らに説明したという。
非公開で行われた説明会で、橋下市長は在校生に対し、「クラブで勝つより重要なことがある。気持ちはわかるが、入試を継続すれば、大阪の恥」などと話したという。
訪問後、橋下市長は「(生徒からの意見は?)在校生や、その保護者の声をもっと聞いてほしい。在校生や、受験生の立場にもっと立ってほしい。在校生や受験生は傷ついていますという強い訴えを受けました。僕の発言で、一方的に傷つけたという点があるのであれば、そこは改めるべきところは、改めるけど、しかし、受験生や在校生の声だけで、物事を決めていくわけにはいきませんよと。大人として、政治家としての役割がある以上、先生が間違っている、学校が間違っているというところを、正していくのが、僕の役割でもあるということを伝えました」と述べた。
また、インドネシアを訪問していた安倍首相は、安藤優子キャスターが独占インタビューした際にも、体罰の問題に触れていた。
安倍首相は18日、「体罰によって、それを苦にして自殺したわけですから、明らかに一線を越えていたのは事実ですね。この事件については、ちゃんと真相究明をしていく必要がありますね。どこに責任があったのかというのを、はっきりしなければいけません。政府に本部を近々つくります。教育再生実行会議においてですね、議論をしてまいりたいと思います」と述べた。
一方、波紋が広がる橋下市長の方針に対しては、下村文科相が18日、「よく言えば発信力があるといいますかね。厳しく言えば、1人で全部会見で表明している。あのようなことはですね、関係者の方々に、いろんな騒動を起こすきっかけになっているのではないかというふうに思います」と述べた。
しかし、橋下市長は強硬姿勢を崩していない。
橋下市長は17日、「(高校受験も2度目はないが?)生きていたらチャンスはあります、いくらでも。そんなの命があれば。1度や2度で人生が全部つぶれるようなものではないんです。そういうことを教えるのも教育ですよ。これが駄目だというんだったら、選挙で落としてもらうしかないです」と述べた。
そんな中、21日午後、大阪市教育委員会と橋下市長との意見交換会が行われた。
ここでも橋下市長は、体育科など2学科の入試の中止、そして全教員の入れ替えを行うよう強く訴えた。
橋下市長は「教育委員会が禁止だ、禁止だって言っていることが、全く、桜宮高校のクラブ活動の現場においては、それは無視されている状況です。これはなぜなんでしょうか。今の中学校の現場では、とにかく入試をやれ。生徒が希望しているんだから、まず入れろ。これは僕は進路指導としては、絶対に間違っていると思います。今ここでやらなければいけないことは何なのか。やっぱり一度ここは、一呼吸おいて、この桜宮高校体育科のあり方を、根本的なところから考え直していく」と述べた。
橋下市長は、「教育委員会に結論を委ねる」と言い残し、退席した。
そして午後4時15分、市教育委員会の臨時会議が始まった。
同じころ、桜宮高校在校生の保護者らが大阪市役所前に集まっていた。
桜宮高校在校生の保護者は「今してほしいことは、子どもたちの人権(を守ること)です。今700人以上の子どもたちが、どんな思いで暮らしているか。それを考えたときに、橋下市長をどうしても許せません」と訴えた。
(01/21 18:32 関西テレビ)

 この親にしてこの生徒、ってことかしら。親の方も人権の意味をはき違えている。ここで学校ムラ社会の論理を振りかざして一体どうするんだと。