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ドイツ語の参考書

Posted on 5月 17th, 2005 in 倉庫 by apj

 化学英語の担当が当たったため、ひさしぶりに構文を考えなければならなくなって、家の語学参考書類に箱を開けて資料あさりをしたのだが、一緒に入れてあったドイツ語の参考書類が目に入り、ついなつかしくなって読みふけってしまった。で、私のオススメの参考書をいくつか列挙しておく。
【辞書】
「独話広辞典」 R.シンチンゲル著 三修社
 中級程度のものを読むには使いやすい。ただ、今なら大修館の「マイスター独和辞典」がいいかもしれない。
【文法】
「必携 ドイツ文法総まとめ」 中島 他著 白水社
 教養のドイツ語の参考書として薦められたので買った。学生時代に使った教科書は、文法、読本ともに内容が少なすぎて役に立たないのでどっかにやってしまったが、このハンドブックだけは後になっても使えた。
「中級ドイツ語の研究」 信岡・藤井著 朝日出版社
 レベル的には高校英文法のドイツ語版といったところか。ドイツ語再入門のときの主力で活用したが、今は品切れのようだ。これにかわるものが他に出ているといいのだが。
【解釈】
「独文解釈の秘訣 大学入試問題の徹底的研究 I・II」 横山靖著 郁文堂
 英語でいうなら中級から中の上程度の難易度の大学入試英文解釈のドイツ語版。これも院試対策の主力で2冊ともやった。
【単語帳】
「ドイツ重要単語4000」 羽鳥・平塚著 白水社
「例文で覚える役に立つドイツ単語」 大岩信太郎著 郁文堂
「読んで覚えるドイツ単語3000」 岡田・畔上著 朝日出版社
「ドイツ語単語熟語臭」 安部賀隆著 第三書房
 「重要単語4000」は改訂新版が出ている。前半の2000語が普通の単語帳、後半はジャンルごとの単語。まず、こいつをノートに書いたりして前半をやる。同時に違うパターンで単語に触れる方が気分が変わって良いので「読んで覚える…」を並行して読む。こいつは、英語に似た単語、最重要動詞、旅行用、重要単語(これが普通の単語帳っぽい)にジャンル分けされている。この2冊が終わったあたりで、「単語熟語臭」にマーカーでチェックを入れながら再確認する。「例文で覚える…」は、高校時代に使っていた英単語集に雰囲気が似ていたので買ったが、あまり使わなかった(2000語レベル)。重要単語4000のかわりに使ってもよかったかもしれない。
 まあ、単語を覚えながら中級ドイツ語の研究を最初から(辞書ひきながら)やって、終わったところで「独文解釈の秘訣」で仕上げると、それなりに辞書無しで読めるようになる。教養の語学でドイツ語をやっていた場合、大体4ヶ月から5ヶ月かかる。
 なぜこんなことが必要だったかというと、博士課程の入試にドイツ語辞書無し2000語レベルの読解を課されて、しかも語学で足切りされるという状況だったからである。
 今回思わずドイツ語関連一式を引っ張り出したのは、ちょっと読みたい本があったから。ヘルマン・ワイル「空間・時間・物質」なのだが、昔は訳本があったはずなのに何となく買いそびれているうちに絶版となった。ところが、ドイツ語の原著”Raum Zeit Materie” Springer-Verlag が手元にある。で、今年は世界物理年だし読んでみるかと思ったのだけど、腹立たしいことに、院試以来ドイツ語を使うことが全くなかったので、昔さんざん苦労したのにきれいさっぱり忘れているんだな、これが。
 で、どうしたもんかと考えたのだが、とりあえず「中級ドイツ語…」と手持ちの単語帳のどれかはそのまま使ってもう一度やるとして、あと。トレーニングペーパーでも買って慣らしつつ、「独文解釈の研究」阿部 賀隆著(郁文堂)あたりを買ってやってみるとちょうどいいのかな、と思ったり。

 それにしても「ドイツ重要単語4000」は懐かしすぎ。1982年に第19刷発行のものだ。実はこれを買ったのは高校の時で、簡単な文法書も持っていた。いやなんとなく、英語以外の語学に興味を持った時期があって、参考書を買って読んでいた。それでも使わなければ忘れて終わりなのが情けない。そういえば、ペーパーバックの英語版ドイツ語参考書、捨ててはいないはずなんだが、ドコへ行ってしまったのだろう……。

博士が100にんいるむら

Posted on 5月 17th, 2005 in 倉庫 by apj

博士が100にんいるむらがネットのあちこちで話題になっている。最初に見かけたのは2ちゃんねるだったが。で、内訳は
16人 医者
14人 助手(最近は任期制)
20人 ポスドク(任期制)
8人 会社
11人 公務員
7人 他分野
16人 無職
8人 死亡あるいは不明
ということだ。元データは博士の生き方の「数字で見る博士課程修了後」の「第1回:博士課程修了者の選択肢」の表とのこと。平成12年度の調査がもとになっている。
この中で、まあそれなりに安定した将来を歩めることが確実なのは、医者+会社+公務員の35人だけだろう。任期制の職は、終われば無職突入だし、博士終わった直後で無職だとその後職にありつくのは非常に大変である。任期付き助手とポスドクの一部が職を得るとして、せいぜい4割ちょっとが何とか幸せになれるのかな、と思っていたら、平成14年度の統計では、社会人の大学院後期課程の院生が約2割だそうで。てことは、100人中40数人の職に困らない人のうち20人は最初から職があった人たちということになる。てことは、無職&数年後無職が50人以上、博士を得て新規に職を得られる人が20人ちょっと位、で、社会人以外で進学して何とかなるのは1/3ってことになる。
 これじゃ、アカデミックへの期待を煽って博士進学を勧めるのは犯罪的行為に思える。進学を勧めるとしたら、在学中に企業のインターンシップなどの利用を促し、フレッシュマンとして3年間終わった後で企業に入るという進路を提示しながらでないと、人生棒に振ることになりそうだ。
 文部科学省は修士の学生を企業で研修させることを考えているが、理工系の修士課程は実はそんなに就職に困っていない。困っているのは博士課程の院生で、修了時に会社に行ければ良いが、下手にポスドクをやってしまうと人生のやり直しが難しくなる。むしろ、博士課程の院生にこそ企業での研修をさせた方が良いように思う。