Feed

ヨウ素についての情報整理

Posted on 3月 24th, 2011 in 倉庫 by apj

 水道水の放射能汚染の報道のせいで、浄水器メーカーに問い合わせが殺到しているらしいです。しかし、慌てて浄水器を買いに走ってもあまり意味がないと思われます。

 放射性ヨウ素の環境中での存在形態ですが、空気中では、I2, HOI, CH3I, 粒子状のヨウ素として存在しています(ソース)。
 チェルノブイリの時の放射性ヨウ素計測では、フィルターで捕まえています(この文献、アブストラクトのみ)。これは、エアロゾルに付着したものをエアロゾルの粒子ごと捕まえるので、フィルターが使えたと考えられます。雨水からの抽出は、chloroform extraction であると書かれています。

 「原発事故ニュースの中に放射能を防ぐ「フィルタ」があるという表現が度々出て」くるそうですが、これは、発電所から直接空気中に漏れ出した放射性同位元素の微粒子や、放射性同位元素がエアロゾルに付着しているものを取り除いているのでしょう。

 ところが、ヨウ素が水に溶けた場合は、空気中とは異なり、I-(ヨウ化物イオン)や、IO3-(ヨウ素酸イオン)という形で存在することになります(水道水の放射性ヨウ素は煮沸で幾分減るのだろうか?)。

 この場合、ヨウ素の入った水からヨウ素を除去するということは、食塩水から真水を作るのとだいたい同じです。

 食塩水を煮沸すれば、水が蒸発して濃い食塩水が残ります。また、活性炭と中空糸膜を使った浄水器では、食饌水は真水にできません。ですから、煮沸して残った水を飲むのは却ってよくないし、普及型の浄水器を慌てて購入する意味もありません。
 ただし、煮沸による濃縮が問題になるのは、長時間沸騰させて煮詰めた残りを飲んだ場合の話です。薄い食塩水を作って、加熱殺菌できる程度煮込んでも、見た目で水がさほど減っていなければほどんど塩辛さはかわらない、というのが日常経験するところです。ヨウ素についても同じです。被災した地域では、水の入手が困難だったり、安全のために水を加熱殺菌することが必要になったりするでしょう。どうか、滅菌のための加熱をためらわないでください。放射線もリスク要因ですが、感染症も健康に被害を及ぼします。

 浄水場でも活性炭処理はしていますから、その活性炭で除去できなかったのであれば、家庭用浄水器の活性炭で除去はほとんど無理でしょう。また、活性炭などのフィルターで除去できるのは、細かい塵などの粒子に付着しているヨウ素だけで、イオンとなって溶けているものは通過してしまいます。
 これだけだと、家庭用浄水器の意味がなさそうに見えますから、念のため補足します。家庭用浄水器には、安全のために入っている次亜塩素酸を飲む直前に取り除いておいしくするとか、水道配管の劣化によって混入する錆や、配管保護のために行ったコーティングが原因のわずかな臭いを取り除いたりする効果があります。

 さて、食塩水を真水にする方法として、イオン交換する、蒸溜する、逆浸透膜(RO)フィルターを使う、といったものがあります。これらの方法であれば、水中のヨウ素も除去可能です。

 一方、その他の水処理装置、たとえば、電解水(アルカリイオン水を含む)製造装置や磁気活水器を使っても意味がありません。この騒動に便乗した売り込みが行われる可能性がありますので、慌てて買わないように注意してください。

 これによると、環境中に放出される放射性同位元素のうち、要注意なのは、セシウムやストロンチウムではなく、ヨウ素だということです。ヨウ素は半減期が8日と短い上、発生源の状況も変動しています。今、、コストをかけて純水製造設備を一般家庭に入れる必要があるか、というとそれも疑問です。物理・化学的に手段が存在するということと、それを現実の社会において実行するかどうかの判断は別です。

 現状でのリスクについては、社団法人日本放射線学会の解説をごらんください。

 健康に被害を与えるリスク要因は他にもたくさんありますので、どれにどこまでコストをかけるかは、リスク管理の問題になります。私にはすぐには答えられません。中西準子先生あたりがご専門かしら、と思いつつ……。

【補足】
 安価で手間のかからない方法として、水を汲み置いて放射性ヨウ素が減るのを待つ、ということをすぐ思いつくわけですが……。水道水は次亜塩素酸で殺菌されていますが、時間が経って濃度が減ると、再汚染への抵抗力が失われます。長期に汲み置くのであれば、時々、殺菌用の次亜塩素酸を追加するなどして、感染症に注意してください。

 水源がきれいな場所にある水道局では、活性炭処理をせず、殺菌のみ行っている場所もあるようです。その場合も、仮にヨウ素が混入したとして、家庭用の活性炭を使った浄水器に効果がほとんど無いだろうという結論はかわりません。team-nakagawaが実験を依頼して調べたところ、煮沸で飛ばないことが確認済みです。おそらく、左巻さんの指摘のように、イオンとして存在していると考えられ、この場合は活性炭では吸着できません。ほとんど、というのは、ヨウ素が水の中の塵などと結合している分があれば、塵ごと取り除けばその分だけは減るだろう、という意味です。


ここからは旧ブログのコメントです。


by 多分役立たず(HNです) at 2011-03-09 22:54:09
早速、便乗商法が始まっているようです。

例えば楽天内を「放射線」等で検索すると、マスクやサプリ、線量計等、様々な商品がヒットします。

単純にタグに追加しているものから、予防効果を暗示するものまで、様々な広告が見られます。


by 多分役立たず(HNです) at 2011-03-13 22:56:13
忘れ物

社団法人日本医学放射線学会-会員の皆様へお知らせ
放射線被ばくなどに関するQ&A Ver.3 (2011/03/22更新)
http://www.radiology.jp/modules/news/article.php?storyid=911

こうした、専門家が出している冷静な情報は広めないと。


by apj at 2011-03-29 23:33:29
追記しました

多分役立たず(HNです)さん、

 ご指摘ありがとうございます。早速、追記いたしました。

 線量計とかは欲しいですね。この騒動が収まったらゆっくり探したい。原発を気にしているのではなく、インチキなとか浴グッズの類を片っ端から測りたいだけですけど。


by 緋漫 at 2011-03-38 02:05:38
下記の話は本当でしょうか?

友人から下記の情報がきました
貼り付けられているサイトが浄水器のサイトのように思えますのであやまった情報を広めるのではと心配です
本当に逆浸透膜浄水器なら除去できるのでしょか?

逆浸透膜の浄水器のものなら、ヨウ素もセシウムも除去できるはず、と。 仕事の関係で放射線のことにも詳しい義父の意見なので間違いない。 やっと安心することができました。
詳しいページがあったので貼っときます。

http://as76.net/life/rev_sinto.php


by penkrto at 2011-03-50 14:01:50
汲み置き

私も汲み置きを考えました。
で、腐ると嫌なので凍らせれば良いんじゃないかと。
でもそうすると冷凍庫内が放射化されちゃうのかな。


by U12 at 2011-03-11 08:22:11
煮沸

こういう考え方も有るようですが・・・

http://www.fnf.jp/bb10/mbbs.cgi?mode=view&no=23040&page=1


by apj at 2011-03-59 20:57:59
考え方ではなく、実験で決着済みです

U12さん、

 今回のヨウ素については、team_namagawaが実験を依頼し、煮沸で飛ばないことを確認済みですので、水中での存在形態は、左巻さんの指摘の通り、イオンとして存在していると考えられます。


by 七瀬 タロウ(安原 荘一) at 2011-03-55 06:15:55
緊急事態につき、無断転送等お許しください

私は精神障碍者運動をきっかけに、障害者団体の方等とお付き合いがあります。
現地の方が、水分補給の問題で悩んでいるかと思い、障害関係のメーリングリストに転送・転載させていただきました。友人の牧野淳一郎のブログからたどり着いたのですが、おっしゃる通り「長期化による病死」等も深刻になろうかと思います。
なお、放射性セシウムは大変水に溶けやすく、体内に吸収されてもすぐ尿として排出されるという説は本当なのでしょうか?
また私は「海の生態系放射性汚染問題」や「農業用水」また「ロシアと比べた場合、日本の人口密度の高さ」等考えますと、現時点でさえ、事態は非常に深刻だと思っております。
大変ご無礼な行為に及ぶ事態になってしまい大変恐縮ですがどうぞお許しください。


by Fe at 2011-03-51 06:47:51
Re:ヨウ素についての情報整理

実験方法の説明が大雑把で、決着済みとかとても言えないと思いますが
どうせしてもしなくてもたいして違わないでしょ


by k_o_ at 2011-03-08 10:04:08
凝固による不純物除去

ができるんじゃないかと思いました。シリコンの生成にゾーンメルティングが用いられてるように。
具体的には半分くらい凍らせて残余を捨てる、でしょうか。ただ、考えられる問題点が2つ、皆がこれやると電力消費が殖えるということ、家庭用冷蔵庫の凍結速度では凍結が速すぎたりして不純物が混じった氷が出来るんじゃないかということですが。


by apj at 2011-03-21 23:01:21
除去方法はいろいろありそうですが……。

七瀬 タロウ(安原 荘一)さん、

私は専門ではないので、資料を提示するだけにとどめます。
http://homepage2.nifty.com/wadanori/data/readme.pdf

k_o_さん、

 私も、凍らせればいいというのは思いつきました。水分子以外で氷の結晶構造に入れるものは限られていて、ヨウ素イオンは入れないはずです。が、凍結速度によるので、家庭用冷蔵庫で実現できるかが疑問です。塩水凍らせても真水の氷と濃縮された塩水ができるので、いけそうな気もするんですが、測ってみないことにはなんともいえないですね。


by 技術開発者 at 2011-03-05 23:20:05
気にしないのが一番なんだけどね

こんにちは、皆さん。

kikulogの方では、「1960年代の世界中の人は、今報告されているくらいの放射性物質は皆摂取していたよ」なんて話をして、「でも、皆、今は長生きしすぎる事を憂いています」なんて書いたんだけどね。米ソの大気中核実験で世界中に降り注いだ放射性物質というのは、けっこう半端じゃなかったですからね。

まあ私の知っている範囲でも、純水製造装置や蒸留水製造装置で「取り除けるか」なんて質問は飛んでいて、「気にするな」なんて回答は、どうも旗色が悪いです(笑)。

そんな話をしていて、ふと気が付いたんですね。今、観測されている放射性物質が、単発放出ものなのか連続放出ものなのかというイメージの違いです。私は、福島の原発は少しずつ放射性物質を出してはいるけど、今、大気中に出している量はそれほど多くないと思っています。今、観測されているのは、水素爆発したときに放出された単発的な部分だろうと思っている訳です。だとしたら、大気中の測定値も地面に落ちるに連れて下がり、地面の測定値も雨に洗われながら減り、水道水も新しい水を浄水場が取り込む事で減っていく訳ですね。濃度が基準値を超える期間なんて2週間も無いのではと思っている訳です。そうだとすると、家で汲みおいて減少するのも、浄水場で減っていくのも同じというか、新しい水を汲み足す浄水場の方がむしろ早い(笑)。

ところが、多くの人が、今観測されるレベルの放射性物質をあの原発が出し続けているようなイメージで捉えている事に気が付いたわけです。まあ、原子炉が冷えるまではそれなりの量は漏れ続ける訳ですが、私は、放水とかも行われていて、漏れているものは大半は原発の建屋に落ちていて、今はあまり大気中には出ていないのではないかと思ったりしています。


by akeott at 2011-03-57 04:35:57
Re:ヨウ素についての情報整理

幼児がいるので非常に気にしています。それで考えたのですが、
<汲み置いた上で、再汚染を防ぐために煮沸して引用>
これなら問題ないはずですよね。問題は汲み置き開始から煮沸までの期間です。通常殺菌された水道水はどれくらいで再汚染の危険が出てくるのでしょうか。
お答えいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。


by 温泉カワセミ at 2011-03-15 07:42:15
Re:ヨウ素についての情報整理

煮沸で飛ばずに濃縮されると言うことは、蒸留すれば良いと言うことですかね。
とは言うても、ウチの職場の蒸留水製造器は地震でひっくり返ったので、使用不可の状態ですが。


by mimon at 2011-03-29 09:05:29
3日が限度

akeottさん、「再汚染」というのは、細菌による汚染のことをおっしゃっているのですよね。
それでしたら、「塩素が残留している間」が細菌の繁殖を防止できる期間とみなせます。
塩素を長く持たせるには、東京都水道局のサイトにもありますように、
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/water/pp/banzen/b02.html
ペットボトルなどの密閉できる容器に、できるだけ空気が残らないようにして封をして、冷蔵庫などの冷暗所に保存すれば、3日くらいは持ちます。これは、放射能の対策ではなく、断水への備えなのですが。
保存していた水を使い始めますと、空気に触れて塩素が急速に抜けていきますので、その日のうちに使い切るようにしてください。

数百Bq/kg程度の放射能でしたら、細菌感染に比べて、はるかに小さいリスクですので、普段から実施するのではなく、雨の影響などで一時的に上昇しそうなときだけにしておくべきだと思います。
日本核医学会のサイトもご参照願います。
http://www.jsnm.org/japanese/11-03-25


by akeott at 2011-03-24 23:54:24
Re:ヨウ素についての情報整理

mimonさん、ありがとうございます。とても良く理解できました。
そうです、再汚染と書いたのは、塩素が切れたことによる細菌による汚染のことです。
重ねてお訊きして申し訳ないのですが、確認なのですが、3日して細菌汚染の危険がある水を煮沸すれば殺菌されると考えてはいけないのでしょうか。つまり煮沸しさえすれば、半永久的に殺菌された水を摂取できることにならないのでしょうか。


by 徹 at 2011-03-01 01:11:01
放射性ヨウ素が除去できるか?の問題についてのサイト紹介

apjさんの記事は正しいと思います。
この問題について詳しく書かれたサイトがあります。参考になりますよ。

http://blogs.yahoo.co.jp/msykssk/28389712.html


by mimon at 2011-03-42 06:10:42
煮沸すれば、殺菌できますが

akeottさんの疑問に対して、言葉通りの答えをすれば、煮沸により「殺菌」は、可能です。ただ、「半永久的に」という前提ですと、期待通りの結果にならないでしょう。
まず、「殺菌」というのは、実用的な範囲でなるべく菌を殺すという程度の意味です。ですから、煮沸はヤカンと熱源さえあれば可能な有用な殺菌方法と言えます。
ところが、100℃では死なない菌というのもいまして、例えば、セレウス菌の芽胞は、100℃30分の加熱にも耐えますし、時には感染型食中毒の原因にもなります。そのあたりまで殺すのを「滅菌」といって、加熱の場合には、121℃のオートクレープで15~20分の処理が一般的です。
それと、菌は死んでも、耐熱性毒素が残る場合もありまして、黄色ブドウ球菌の作るエンテロトキシンなどが時々、食中毒を起こします。
ですから、塩素が無効になっているかもしれない水を念のため煮沸するのは、殺菌のために有用ですので、お勧めしますけれども、何がどれほど繁殖したか分からないような水を煮沸して飲用するくらいでしたら、微量の放射能を含んだ水の方がまだ、低リスクといえるでしょう。
要するに、煮沸は万能ではないということです。


by Isshocking at 2011-03-01 20:21:01
Re:ヨウ素についての情報整理

ゼオライトで体内に取り込んだ放射性物質も除去できると主張する輩がいます。
http://zeolite-shop.meblog.biz/article/4348872.html

みなさんの所見は?(って聞くまでもないか)
昨日のニュース9でも東大の岡本教授が原発の汚染水をゼオライトで処理するとかいうアイデアを披瀝していた。
NHKはなんで実績のあるエンジニアに解説させないかな。


by akeott at 2011-04-12 00:28:12
Re:ヨウ素についての情報整理

mimonさん。丁寧な説明、深く感謝します。こういう目配りのきいた、安全危険どちらにも偏らない真摯な説明こそ、一番の安心材料です。こういう専門的で明晰な説明を受けて初めて、落ち着いた上で、何とか「自分で判断する」が可能になるのだと思います。
原則、塩素の切れた水を煮沸して飲用するということはしないことにします。ありがとうございました。


by はるひ at 2011-04-45 08:31:45
おひさしぶりです。

> ところが、ヨウ素が水に溶けた場合は、空気中とは異なり、I-(ヨウ化物イオン)や、IO3-(ヨウ素酸イオン)という形で存在することになります(水道水の放射性ヨウ素は煮沸で幾分減るのだろうか?)。

イオンになった途端解りません。
こういうのは化学物理やさんが詳しいですよね?
知っている人はいませんか?
蒸気圧じゃ、議論になりませんよね。また、限界濾過やイオン交換をすれば、確実にとれるかもしれませんよね?
その辺も周りの化学やさんに聞いてください。
その処理の影響については解りかねます。

ただし、ヨウ素を成人基準で乳児が摂取しても問題ありません。
原子力安全委員会での検討で、乳児・幼児・成人などに分けて、
調査を行っています。今回の基準値はこれがベースですが、
その中でも一番厳しい基準を用いています。ヨウ素は幼児の値。
つまり、1/3にする必要はなかった。
今回の騒動で経緯を知らない誰かが付け足した。

あと、心配されている長年にわたる影響ですが、
ガラパリ(世界一高線量のところ)と世界平均のところで、
一生涯(70年)にあたるのが700mSvと200mSvです。
その差の中で、がんのリスクに対しては有意な差が無いとのこと。
また、原爆被害者の疫学調査も元になって指針が作られています。
こういうことはあまり語られてないので・・・・

確実に言えるのは、日本人はがんになりやすい。
厚生労働省が発表していますね。
私の両親もがんになりましたが、早期発見でいまはぴんぴんしてます。
定量的に調査はしていませんが、検診に行かなければリスクが上がりますよね。

あと、リスクの考え方も、たぶんご存じですよね?
原発の設計は、10^-6/yのリスクで設計されています。


by mimon at 2011-04-45 02:51:45
薬事法違反で逮捕者が出ましたね

Isshockingさん、朝日新聞によりますと、
http://www.asahi.com/national/update/0405/TKY201104050279.html
> 福島第一原子力発電所の事故に便乗し、「体内被曝(ひばく)に効く」とうたって飲み薬を無許可で販売したとして、
(中略)
> 30ミリリットル入り液体飲み薬「プレミアムゼオライト」10本を計4万7500円で販売した疑いがある。

こんな時期に、はっきりと「放射性物質」を謳うと、当局の目に付きやすいのでしょう。


by 可愛 at 2011-04-59 02:52:59
膜について

昔、膜の研究をしてましたので、少しだけ解説。

膜の種類は、透過するものが小さいものから
RO(逆浸透) 水のみ通す
NF(ナノフィルトレーション) ミネラル(イオン)を通す 
UF(限外濾過) 糖質を通す(たんぱく質を通さない)たんぱく質の分画分子量で性能表示3kDaとか…
MF(精密濾過) 微生物を通さない(孔径μmで性能表示)
となってます。

基本的にMFとUFは膜表面に孔が開いてますが、NFとROには孔が開いてません。

膜で水にイオンとして溶解している放射性物質を除けるとしたら、ROということになります。
ただし、これも試してみないと分からないですが、すでに試した会社があります。
http://www.teraokaseiko.com/news/topics/11_3_30/index.html

膜の材質にも拠りますので、ご注意を!
例として、クエン酸みたいな巨大分子が透過するRO膜もあります。

NASAがなんて謳っている会社は怪しいと判断して構いません。


by Ca41 at 2011-04-54 06:02:54
水道水にとけているヨウ素

活発な議論参考になります。
私は仕事がら、ヨウ素を取り扱っていますが、取り扱い上ヨウ素は水に溶けにくい感覚があります。問題の131は核分裂生成物として大気に放出されるわけですが、生成条件は高温で原子状のヨウ素が何らかの結合をするわけですね(高いエネルギーをもった状態で)。本文の(ソース)にあるような化学種が、本当に独立して存在しているのかと言えば、他の塩類とくっついていると考える方が妥当のような気がします。そのような複合的な形で大気中から、水源に落ちるのではないかと。それともう一つ、ヨウ素って、いろいろな所にくっついてしまいます。129は長半減期ですが、(核実験とチェルノブイリ由来が)そこかしこにいるため、超微量分析する際はコンタミネーションにかなり気をつけなければなりません。
で、何が言いたいのかと言えば、実験的に作った条件のヨウ素含有の水を浄水器が131を分離できるかどうかを議論すると、やり方によりかなり差が出るのではないかと思います。東大のどこかで、沸騰させると水道水中の131を半減できたということが報告されているとか聞きました。溶けているヨウ素が、ヨウ化物イオン等のイオンであれば、原理的におかしそう。しかし、131は短半減期ですので、通常の試薬で調整する感覚からすればかなりの少量ですも放射線計測ができます。いかに溶解度の低いヨウ素分子(I2)でも、他の塩類に付着をして溶け込めば、結構水道水にいるのかもしれません。であれば、沸騰により除去できるという結果が出たとしても、それがおかしいとは私には言い切れません。本当の所は、実際の水道水でやってみないと分からないというのが、私の結論です。
【追記】 私の使っている浄水器のメーカーはいわきのユーザーから得た試料を、試験機関に分析してもらい除去できると謳っています。真偽は分かりませんが、一般的な浄水器でもある程度は131を除去できるのではないでしょうか。それはあくまでも、ある程度であり半減かそれとも2割引きか?ゼロにできなくても、ある程度除去してくれれば、今水道関係から報告されている値が嘘でなければ、それなりの効果があると考えてもいいのかも知れません。無理して買う必要なないけど、カートリッジを変えてみるくらいなら如何でしょうか?