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次亜塩素酸水商法(仮)の問題点(2020/07/04) 編集中

用語の定義

 

「次亜塩素酸水商法(仮)」とは,次亜塩素酸を含む水溶液やその製造装置を製造販売する活動(販売も無料頒布も含む)であって,これまでに確立された消毒のマニュアルや,新型コロナウイルスへの対応方法として新たに示された使用方法を逸脱した宣伝や使用法を推奨するものをいう。薬機法や景表法に抵触する,あるいはその抜け道を探したり,非推奨の使い方をあえて積極的に進めるような宣伝,販売方法も含まれる。

 なお,定期的に購入する形での販売で,最初のうちだけ無料か極端に安価で,解約させずに後から高額を請求するような販売手法は,商材にかかわらず悪徳・悪質商法なので,こちらには入れない。

  クラスII医療機器である強酸性電解水製造装置で作った次亜塩素酸水を掛け流しで使うという本来の使用法や,食品殺菌科の次亜塩素酸水製造装置で作った水を掛け流しで使う,といった,定められた用途で使うことを推奨しているものは次亜塩素酸水商法ではない。次亜塩素酸水は薬品でも医薬部外品でもないので,人体には使えない。このことを理解した上で,物(動植物を含む)に対して使う方法を提案している事業者の活動は,次亜塩素酸水商法ではない。事業者団体としては,たとえば(一社)機能水研究振興財団に,まっとうな商売している業者さんが集まっている状態なので,批判の際に巻き込まないように注意すること。

 

「次亜塩素酸水商法(仮)」という呼び方について

 この「次亜塩素酸水商法(仮)」 について。まず,「次亜塩素酸水業界」で括って批判することに対して,きちんとやってる事業者が巻き添えだというクレームがあった。真っ当な業者さんを巻き添えにするのは本意ではなことから,逸脱しているものを指して「次亜塩素酸水商法」と呼ぶことを提案したら,それでも不評であった。じゃあ何か変わる名前はないかと訊いたら,具体的な呼び方が提案されず注文しか来なかったので,具体的な呼び方が提案されるまでの間,「(仮)」を付けることにした。以上がツイッターのやりとりの結果である(2020年7月4日頃)。

 そんなわけで,よりよい呼び名は募集中だけど,これが広まる前に早めに提案してもらえると助かる。なお,呼び名については,できるだけ価値中立な表現にすることとし,詐欺など,直ちに犯罪を連想させるような単語は避ける。また,まっとうな業者と差別化できるものがよい。

 なお私としては当初の「次亜塩素酸水商法」でもほとんど問題は無いと考えている。たとえば,過去に「和牛商法」と呼ばれる詐欺的商法があったが,この呼び方が認知されたことによって,和牛生産業界全部が巻き込まれたり,悪い印象を持たれたりすることは全く無かったからである。

 

基準となる使い方や宣伝の規制

 

まだ整理できてないので箇条書きで。議論の根拠は

  1. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
  2. https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-4.pdf
  3. https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/pdf/100121premiums_34.pdf(景表法,不実証広告規制)
  4. https://www.yakujihou.com/images/kaden.PDF(旧薬事法の表示規制。条文は新旧対応してる)

など。

 

 現状で問題のない使用方法

  • クラスII医療機器の強酸性電解水製造装置で作った水を掛け流し手指消毒につかう
  • 食品殺菌科の次亜塩素酸水製造装置で作った水を掛け流しで使う
  •  拭き掃除は有効塩素濃度80ppm以上(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは有効塩素濃度100ppm以上)目に見える汚れを取った後,十分な量で濡らして拭き取る。
  • 掛け流しは有効塩素濃度35ppm以上,20秒以上掛け流す,目に見える汚れはあらかじめ落としておく。

 

宣伝や使用法ごとの検討

 

  • 加湿器に入れて人が吸入する状態で噴霧する。
    消毒作用のあるものを人がいる状態で噴霧することは避けるべき。「また、手指など人体に用いる場合は、品質・有効性・人体への安全性が確認された「医薬品・医薬部外品」(「医薬品」「医薬部外品」との表示のあるもの)を使用してください。」とあるが,噴霧したものを吸入するのは,「人体に用いる」ことに当てはまる。
  • 空間噴霧は「推奨していない」だけで禁止されていないからやっても良い。
    「なお、人がいる環境に、消毒や除菌効果を謳う商品を空間噴霧して使用することは、眼、皮膚への付着や吸入による健康影響のおそれがあることから推奨されていません。」「消毒剤や、その他ウイルスの量を減少させる物質について、人の眼や皮膚に付着したり、吸い込むおそれのある場所での空間噴霧をおすすめしていません。薬機法上の「消毒剤」としての承認が無く、「除菌」のみをうたっているものであっても、実際にウイルスの無毒化などができる場合は、ここに含まれます。」「消毒剤の有効かつ安全な空間噴霧方法について、科学的に確認が行われた例はありません。」つまり,効果を謳っても安全生を謳っても嘘にしかならない状態で,空間噴霧を他人に勧めること自体がおかしい。
  • 手指消毒に使えることを,手指用スプレーボトルに表示。
    「また、手指など人体に用いる場合は、品質・有効性・人体への安全性が確認された「医薬品・医薬部外品」(「医薬品」「医薬部外品」との表示のあるもの)を使用してください。」に当てはまる。消毒用エタノールは医薬品だが,次亜塩素酸水は医薬品ではない。手指に使って良いのはクラスII医療機器認定されている装置で作って掛け流す場合のみ(この場合も,装置は医療機器だが作った水は雑貨)。
  • 手指の消毒に,アルコールのように少しだけ振りかけて使う。
    医薬品でも医薬部外品でもないので,そもそも手指には使えない。
  • 病原体名を具体的に挙げて,特定の感染症に効くと表示。
    医薬品でもないのに効果効能を謳うとそれだけで薬機法違反。
  • 加湿器に入れるなどして人が常時噴霧と,物に振りかけるスプレーボトルの利用や,マスク着用などをして噴霧器で物に振りかける時に,微量吸い込む可能性があることを一緒くたにする。
    よくある詭弁。たとえば消毒用アルコールの場合は,手指用のスプレーボトルで吹いても,吸入する量はごくわずか。一方,推奨されない使い方である「空間噴霧」は,加湿器などに入れて数時間の単位で人が吸入するような使い方を意味している。手指用スプレーボトルで(本来は使えない)次亜塩素酸水を手指に使った場合,ついでに吸入するかもしれない量を問題にはしていない。一方,消毒用エタノールでも,物に振りかけるために噴霧ボトルで部屋に吹いたり,加湿器に入れて吹いたりすれば当然止める(直ちに火災や爆発の危険がある)。
  • 人が吸入しないように注意する,ということを,動植物に噴霧しているという事実をもって否定する。
    動物と人では同じ効き方をするとは限らない。また,動植物への利用の場合は,食品加工の過程での利用となっている場合がある。吸入させる条件での噴霧は,動植物であれば所有者の好きにすれば良いが,人体に同じことをするのは問題。
  • 効果効能を謳わないことにし,化学的に消毒作用のあるものを黙って加湿器に入れて噴霧する。
    「厚生労働省では、消毒剤や、その他ウイルスの量を減少させる物質について、人の眼や皮膚に付着したり、吸い込むおそれのある場所での空間噴霧をおすすめしていません。薬機法上の「消毒剤」としての承認が無く、「除菌」のみをうたっているものであっても、実際にウイルスの無毒化などができる場合は、ここに含まれます。」とあるので,効果効能について黙っていたとしても,実際にその作用がある濃度や条件のものを噴霧して吸わせるのは非推奨。非推奨だというものをわざわざ宣伝して他人に売る商売をすれば,批判も非難もあって当たり前だし,問題視する人が居ても当然である。
  • 市販の消臭スプレーを引き合いに出して,除菌効果のあるものでも空間噴霧していいと主張する。
    市販の消臭スプレーの成分を加湿器に入れて人が吸う状態で何時間も噴霧し続けたりはしない。逆に,次亜塩素酸水を消臭用として,使用後のトイレにスプレー容器で数回吹く程度なら,人が吸うことはほとんど考えられないので問題にする必要はないだろう。濃度と接触時間と曝露量が全く違うものを一緒にして議論するとか,噴霧という言葉だけにこだわって,人間が長時間吸い続けても良いという主張に持って行こうとする方がおかしい。

 

 

 

 

その他のQandA

  • なぜ行政に通報するだけではなく同時に批判も公開するのか。
    大抵の消費者被害というものは,事故例や批判が高まって行政が動くまでの間に大勢の消費者が巻き込まれる。注意喚起で避けられるなら避けた方が社会全体の損失が少ない。気づいた人が注意喚起し,その情報を共有して,行政の注意から逸脱した使い方をしないように気をつければよいだけのことである。
  • 空間噴霧について政府発表が根拠にならなかったり,店にやめるように呼びかけると次亜塩素酸水業者から営業妨害で訴えられたりするのか。
    人が吸わされる状態での噴霧であれば,その場で厚労省の文書を見せて中止を頼んでも問題はない。他人に対して,次亜塩素酸水を吸入させる権利は,使用している店舗にも次亜塩素酸水を販売している業者にもない。政府発表は「「次亜塩素酸水」の空間噴霧で、付着ウイルスや空気中の浮遊ウイルスを除去できるかは、メーカー等が工夫を凝らして試験をしていますが、国際的に評価方法は確立されていません。」とあるので,景品表示法の7条2項の運用指針に照らすと,噴霧の効果についても安全生についても,「効果がある」「安全である」という合理的根拠は出せないことが確定している。繰り返し「非推奨」だと書かれている上に根拠も示せないものを販売するなら,非難も批判もされて当たり前である。また,政府の推奨する使い方から逸脱しているという指摘をされたことについて,営業妨害だと逆ギレして提訴して,裁判所はそれを認めないだろう。ただし,クレームをいれる際は,使用している店舗の営業は妨害しないように,穏やかにクレームを入れるように注意すること。店舗の方は,善意で客の安全を考えて噴霧をしていて,政府発表の意味を知らないだけの可能性がある。
  • 取り締まりは行政に任せておけばよい。
    その通り。ただし,消費者が個別に穏やかにクレームを入れる行為が「取り締まり」に当てはまらないことは明らかである。クレームを入れたって,取り締まりを行政に任せた状態になっていることに全く変わりはない。特に今回は,事業者側から,行政は噴霧を取り締まらないと主張して人に吸わせようとしているので,なおさら行政を頼らず消費者側で注意喚起して取り締まりに頼らず防ぐことの必要性が高まっている。
  • 今のお役所の基準は2020年6月末のもの。後になって,もし,もっと別の条件で使って良いことになったら,今批判したことが問題視されるのか。
    されない。現時点で使用法や注意事項から逸脱しているという事実は,後になって基準が変わっても治癒されない。