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(株)オサリティとの話し合いで確認したこと(2007/04/05)

【注意】このページの内容は商品の説明ではありません。商品説明中に出てくる水の科学の話について、水・液体の研究者の立場から議論しているものです。製品説明は、議論の最後にある、販売会社のページを見てください。

 以前、ここには株式会社ケイエイアイの大城社長と話をしたときのことが書いてあった。文書を公開してから時間が経ち、会社の宣伝の態様も変わったこと、書いてあった内容と異なる事実も判明したことから、全面的に内容を改める。本日、パンフレットをもらって宣伝内容を確認した。

  • 大城社長が取得した資格の名前について
     以前、話し合いの時と、そのちょっと前に出た新聞記事では、大城社長の取得資格は「健康管理士」とされていた。これは間違いで、正しくは「健康生活管理士」(NPO法人東西予防医学研究所 2-0087号、2004/2/10)であることがわかった。なお、予防医学・代替医学振興協会の講習も受けて資格認定されたということで、認定証を見せてもらった。
     報道と話し合いの両方で資格の名前が正しく伝わらなかったのは、似たような名前の資格があったところ、口頭での情報伝達のため一部省略されて伝わったことが原因と思われる。
     きちんと勉強し、情報収集に努めていることがわかった。
  • オサリティが販売している新しい製品について
     外見(正確にはシャーシ?の形)は、使っている金型が同じなのか、以前とほとんど同じに見える。大城社長の話では「内部は、ケイエイアイの時とは別メーカーに製造を依頼しており、性能が全く異なっている」とのことだった。
  • 宣伝内容の大幅な変更
    • 「血液サラサラ」を謳った宣伝は全く行っていない。
    • 菅原明子流の、マイナスイオン=還元・善、プラスイオン=酸化・老化・悪といった、二分法による非科学説明は相当に押さえられている。以前とは比較にならないほど減っている。
    • 微量のオゾンが出ていることを測定で確認し、そのことをパンフレットに明記している。
    • オゾンの発生量は基準値以下であることを測定して確認している(使って危険なものではない)。
    • オゾンの効果で、部屋の脱臭や防カビ効果などがあることを書いている。
    • 食品への効果、主に脱臭や鮮度保持効果を宣伝している。
    • 「体に良い」という宣伝はしていない。
    • 空気清浄機として販売している。
  • パンフレットに残って(?)いた、マイナスイオンを引きずった表現について
    現在使っている宣伝パンフレットを見せてもらい、社長の前でパンフレットに書き込んだ内容は以下の通り。
    • 「電化製品によって増加した、身体に悪影響を与えるプラスイオンを中和し」
      →イオンの効果で静電気を防ぎ、のような表現に改めてはどうか。
    • 「精米後にイオンをあてることにより、米の細胞が若返り」
      →鮮度保持効果として書いた方が良いのでは。
    • 「すべての酸化状態のものを還元状態に変える能力が無限大にあります」
      →明らかに言い過ぎ、削除した方がよい。酸化が悪でも還元が善でもないし、無限大はオーバーでしょう。
      (今みたら、パンフレットの別の部分にある、有害物質を酸化させ除去、という表現と思いっきり矛盾していることに気付いた。やっぱり、削除するなら無限大云々の方でしょう。オゾンの効果の方は説明がつくし。)
    • 「室内電気器具によるプラスイオン・電磁波を除去する能力が大」
      →静電気によるホコリの付着を押さえる、といったあたりに絞ってはどうか。
      電磁波は除去できないでしょう……。
    • 「レナード効果とマイナスイオンの働きに注目」
      →放電方式とレナード(水破砕)は原理が違うから、同じ物ができているとも思えないが……、と言ったら、イオン発生には湿度があることが必要だとわかったらしい。
  • 他の表現について
    • マイナスイオンの定義について、このまま使うのならどこかに書いた方がよい。化学的実態ははっきりしていないので、販売している装置に即した表現にするなら「オゾンを伴って出る、測定するとマイナスの電荷を示すものの総称」とでも言うしかない。
    • 話をきいて判明したこと:ある程度以上湿度がないと、放電方式の装置でマイナスイオンが発生しない(測ってもカウントされない)ので、装置を使うときはコップに水をいれて置くことを薦めている。
      →パンフレットに小さく書いておいてはどうか。そのへんの使用条件をきちんと書いている製品は少ないので、空気清浄機として売るにしても説明があった方がよさそう。(ただし、水の蒸発だけが起きるときのイオンの量について、対照実験が必要。対照実験はしてるだろうと思って社長には言わなかったが、書いていてやっぱり確認すべきだと思ったのでここに書いておく。本学崎山助教授の測定によれば、雨上がりなどの水がどんどん蒸発するときにイオンカウンタで空気を測定すると大きな負の値になるとのこと。放電装置が水蒸気(あるいは水分子を含んだクラスター)にどういう影響を及ぼすかについては、調査をした方がよさそう。室内の水も一緒にコントロールするという話になるのなら、それはそれで装置利用のノウハウということになる)
    • 話をきいて判明したことその2:湿度の元になる水が同じ部屋にある状態で装置を使っていると湿度が上がる
      →単に水源があるため、水が蒸発して湿度上がったのか、装置の効果がそれを後押ししてもっと上がったのかについては測定で確認する必要がある。つまりこれも対照実験が必要。(測定しました、と言われると、つい対照実験済みだと思ってしまって、パンフレットに書いたらどうか、と言っちゃったのですが、もう一歩慎重な対応でお願いしたい。)

 いずれにしても、今となっては、マイナスイオンを前面に出した宣伝は却って製品イメージを引き下げるであろうことを社長には説明した。
 社長も、あれからいろいろ調べたり勉強したりして、怪しい宣伝にならないように気を配っている様子だった。