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レポート採点基準等に関するメモ

Posted on 2月 8th, 2006 in 倉庫 by apj

 登録受講者190人ほどの教養のレポートと格闘中。課題は「自分で身の回りの怪しい宣伝ネタを選んで、どこがどう怪しいか、自分ならどう考えるか、どんな情報があれば判断できるかといったことを議論せよ」というもの。枚数の指定はないが、選んだネタの出典は明記することとしている。ところが、講義の感想を書いただけのレポートの体をなしていないものが入っていて、さすがにそれは求めた課題に対する答えになってないので不合格にしたい。
 っつーことで、採点基準をメモしておく。どういう採点基準なら一番うまくいくか、ここ数回やってみて見えてきたので、今回これでやってみてうまくいくなら、blogではなく講義案内の方に掲載するつもり。

(1)選んだネタが具体的に提示されているか
 たとえばマイナスイオンを選んだ場合、マイナスイオン一般についての評論を書いたのではだめだが、具体的に製品を特定するとか、個別の情報を自分でまとめたという作業が入っていればOKとする。
 本のネタでもいいが、原典を読んで引用しているかをチェックする。伝聞で判断しないのが基本だから。
(2)判断するために必要な科学的知識が提示されているか
 ここの部分は、専攻によって大きく差があるし、一般向けの教養講義なので、全員に対して一定の水準を満たせという要求は敢えてしない(知識の水準を満たすことが目的なら試験をすればいいので)。
(3)自分の意見が書かれているか
 単に、疑似科学批判サイトを読んでまとめました、というのはダメ。批判サイトを引用するのはかまわないが、批判サイトに対する自分なりの評価をしていないと意見が書かれているとはみなさない。
(4)全体として議論の流れに飛躍や矛盾はないか

 それぞれを25点満点として評価し、合計点を得点とする。
 結論は、真偽を決める形で出さなくてもよい。ある情報が判明するまで保留、というのでもよい。ウェブサイトのパクリレポートは、発覚したら大幅減点とする。

 次年度にマニュアルとして私から提示すべきことは、上記採点基準に加えて
(1)フォーマット
 表紙の付け方、表紙無しの場合のタイトル、氏名の入れ方。用紙の指定
(2)論理展開の訓練
 既にシラバスには期末のレポートで評価、と書いてしまったのだが……。
お手本として「議論のウソ」あたりを指定するか。一度、全員に対して全く同じテーマを何か与えて、議論をさせるという訓練をした方がいいのかもしれないが。レポートの書き方の練習を彼らはどこでやることになるのだろう?