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静電三法復刊決定

Posted on 8月 31st, 2006 in 倉庫 by apj

 復刊.comから届いたメールマガジンより(引用にあたって改行位置と横線部分を若干変更した)。

楢崎皐月著『静電三法』が9月に復刊いたいします。

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■『静電三法』(最終得票数 15 票)
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=12149
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【発行】シーエムシー技術開発株式会社
【頁数】335ページ
【備考】モノクロ
【定価】6,090円(税込)
【発送時期】9月上旬

 「静電三法」は楢崎皐月氏が永年研究・実践してきた日本オリジナルで新しい科学技術の視点から、自然界の成り立ちの本質を捉えた”宇宙対向の静電気”、”相似象”を農業生産、工業生産、人体の健康に活用する実用的な技法を紹介した技術書です。この静電三法は、「植物波農法」「物質変性法」「人体波健康法」の三つの技法で構成されています。

 「電子水」の元になった理論のはず。オリジナル文献。勿論、我々の知ってる物理学とはまるで別世界だが、マニアなら買うべし。しかし高い……(汗)。

 しかし、ランダウ・リフシッツ理論物理学教程なんか、498票と128票を集めているのに復刊のめどがたっていない。トンデモ本の静電三法がたったの15票で復刊決定なのに、この差は一体何なんだ。

そろそろモデル賃金の話をした方がよくないか

Posted on 8月 30th, 2006 in 倉庫 by apj

 共同の記事より。いろんな新聞社に配信されてるが、たとえばここで読める。

博士課程51年ぶり定員減 国立大、受け皿不足背景
 文部科学省は30日、国立大の来年度入学定員を公表した。1956年度から増加を続けていた大学院・博士課程の定員が本年度より118人少ない1万4282人となり、51年ぶりに減少に転じた。
 文科省は「博士クラスの人材は企業など社会の受け皿が不足しており、大学側が需要に合った定員見直しを進めていることの表れ」とみており、減少傾向は今後も続く見通しだ。
 文科省によると、国立大の博士課程入学定員は56年度の2304人から年々増え続け、96年度には1万人を突破。2003年度以降は年100人前後の「微増」が続いていた。

 正直、やっと大学が現実を見始めたかという感想を持った。
 一方で、ポスドク問題については、化学と工業に出たこんな論説もある。この論説ですっぽりと抜けているのは「コスト意識」ではないか。PDを増やしたことで国研の評判は上々だと書いてあるが、増やすために投じた総コストを上回るだけの成果があったかどうかについては何も書いてない。人材供給のミスマッチが明らかであることは言うまでもないが、PDの居場所について「人生至る処青山あり」などという考え方で政策決定されては、PDと納税者の両方が困る。PDの立場としては政策によって生じたミスマッチを改善してほしいと考えるのは当然だろうし、納税者の立場では活用の当てもないのに税金を投入して人材を養成するのは、使われない高速道路を造るのと同じ種類の金の無駄遣いということになる。
 この論説がさらに現実を見ていないのは、

「研究費が少ないので、PD に十分な給与が払えなくて…」としている例は論外である。雇用する側はまず自分の給与の中からPD の不足分を補った上でそう言って欲しい。

と書いている部分である。大学についていえば、教員定員が過員(つまり人件費枠以上に人数が居る)で、定年退職した人の補充も十分できない状態で、さらに毎年予算カットが行われる。PDの給与を補う余裕がどこにあると考えているのか、ぜひ筆者の意見をうかがいたいところである。

 ところで、博士課程進学希望者に提供すべき情報は、実は生涯賃金についてではないかと考えている。就職ではなく進学を選んだ場合、その期間の収入はない。一方、就職した人は、会社が順調ならキャリアを積んでその分の給料も上がっていく。博士修了後、不安定で、キャリアを積んだことが次の給料アップにつながらないポスドクという立場を続けている間も、就職した同級生達はそれなりに給料をもらっていてベースアップなんかも(会社が成長していれば)あるだろう。遅れてもポストを得られれば幸運な方だが、給料をもらう期間は短い。フレッシュマンで就職したとしてもやっぱり遅れて会社に入ったハンデがある。結局、進学などせずに就職した人と、生涯賃金の上では大差がつくのではないか(が、まだ詳しく調べてないのでデータが出せない……)。
 まあ、大企業を基準にするか、中小企業を基準にするかで違うだろうが、進学した人達のうち、どれだけの生涯賃金をもらえる人が何割いて、それは学部あるいは修士卒である規模の企業に就職した場合と比べてどうか、ということの一応の目安なら出せるのではないか。何か参考になりそうなデータをご存じの方がいらっしゃったら、ぜひ教えて欲しい。

 いずれにしても、投入した費用をPD本人が回収できるのかということと、納税者が間接的に回収できているのかということの評価と情報開示をしないのは、やっぱり政策決定のどこかにごまかしがあるということではないかと思う。

ギョウザの店

Posted on 8月 30th, 2006 in 倉庫 by apj

 マイミクさんの日記で知った情報だが、後日役立つ(って一体何の?^^;)かもしれないからこちらにメモしておく。ソースはゲテモノ料理ページ「寄食の館」。店は「餃子小舎」で、柏駅から徒歩5分。ここに「餃子パフェ」がある。
 愛媛の学会のときに、とんかつパフェを食べてこいと温泉カワセミさんに勧められたのを思い出してしまった。パフェのトンカツは普通のトンカツだったが、こちらは、ギョウザの中身がチョコクリームだという報告がある。

冥王星騒動

Posted on 8月 28th, 2006 in 倉庫 by apj

 冥王星が惑星の定義から外れた件。いろんなことを言っている人がいるが、一番ツボにはまって爆笑したのが2ちゃんねるに出ていた

発見年:1930年
公転周期:248年 197日 5.5時間
発見されてからまだ軌道を 1/3 も回っていないんだな
一周くらいさせてやれよ

という書き込みだった。

【追記】元スレからではなく、まとめサイトからの引用(328)です。

それ何て危機管理(笑)

Posted on 8月 25th, 2006 in 倉庫 by apj

 午前中は横浜地裁で環境ホルモン濫訴事件の傍聴。午後からお茶の水大で卒研の4年生と合流してアルコールの超臨界の測定の準備。で、一騒動あった。
 ラマン散乱のレーザーには冷却水を流している。水を流しっぱなしはもったいないので、循環させて冷却器を繋いで冷やす方式にしている。普段通り、冷却装置の電源を入れてレーザーの電源を入れて、4年生に測定の説明をしていたら、いきなり循環装置が止まってレーザーが落ちた。見るとoverheatの赤ランプがついている。
 動かしているレーザーの電源と冷却水の循環を同時に止めると、内部の温度が上がってレーザーの寿命が短くなったり、最悪の場合は壊れてしまう。同時に止まるのは、たとえば停電がおきたときである。少しの間だけでも、電源が止まった後水を流すことができればそれでかなりましな状態になる。このため、通常の上水と循環装置を切り替えられるようにし、電気が止まったときはバルブを切り替えて、上水を少しの間流すようにしていた。このときの排水は、床に設置した排水口から行う。冷却装置を付ける前は、上水→加圧ポンプ→レーザー→排水口、という接続で使っていたのだが、冷却装置設置後も、緊急用としてポンプ無しで水を流すルートを残したということである。
 今回、この危機管理装置はちゃんと役に立った。冷却装置が落ちてレーザーが止まったわけだから、上水でとりあえず冷やすしかなかったので。まあ、ここまでは予想通りだったのだが……数年使わない間に排水口が詰まったらしく、水の流れが非常に悪くなっていて、水道水を使って冷却を始めた途端水があふれて床が水浸しになった……orz。

 うまくいったと思っても最後にオチが待ってるもんだとか、結局そういうネタだったのかとか、いろいろ頭の中を駆けめぐったわけだが。完全に詰まっていなかったので、わずかずつ水を流してしのいだのだけど、もう何だかなあ……。

コッチも日曜日は止まる

Posted on 8月 24th, 2006 in 倉庫 by apj

 学内停電のため、このサーバも日曜日は止まります。
ちょうど、4年生を連れて出かけているときなので、事務の人にお願いして、研究室に置いているサーバの電源スイッチをぽちっとな、してもらうようにお願いしました。研究室ページは数日止まったっていいんだが、ウチが事務局になってるシンポジウムの情報提供を同時にやってるもんで、そうそう止められない。

あっちのサーバがそろそろヤバイ……

Posted on 8月 21st, 2006 in 倉庫 by apj

 お茶大の方で立ててるサーバ(http://atom11.phys.ocha.ac.jp)がここ数日止まりまくってる。topでプロセス数やswapも含むメモリ使用状態を見てたけど特に異常はないし、止まる直前のログを見ても、問題になりそうなDOS攻撃ぽいものが残ってない。何か、HDDがそろそろへたってきたんじゃないかという止まり方をしている。だいぶ使ったし、そろそろ更新しようかと考えているが、それまで保つのか?(汗)。
 ということで、向こう1,2週間は止まりまくる可能性が大きいし、もっと壊れてきた場合、向こうのサイトに更新で止めますという告知を出す余裕が無いかもしれない。ここを見てる人とあっちを見てる人がどれだけ重なってるかわからないのだけど、とにかく今回はあっちが止まっても慌てないでください。ほぼ単なる故障ですので。掲示板ログは可能な限り回収するつもりだし、一日一回バックアップをとってるけど、そのタイミングで止まるとうまくとれていない可能性がある。最悪は数日分のログ消失となるかもしれない……鬱だ……。
 ただ、更新作業は私が東京に出かけてる間しかできないので、できるだけさっさとやるつもりですが、インストールやら設定やら全部やるとなるとやっぱり1日は欲しい。とりあえず今日は、マシンの見積もりと納期の目安を知らせてくれるよう業者にお願いした。タイミング良く作業できる納期だといいんだが。

他は見直さないのか?

Posted on 8月 19th, 2006 in 倉庫 by apj

 産経新聞の記事より。

先生はエンジニア 理科離れ防止、企業から派遣

≪来年度、全国1万校≫
 子供の理科離れを防ぐために企業のエンジニア(技術者)らの知見を生かしてもらおうと、文部科学省と経済産業省は来年度から、技術者や教員OBらを小学校の“理科講師”に起用する新事業を連携して進める。文科省は来年度の2学期から、技術者や研究者、教員OBらを理科支援員として全国約1万校に派遣。経産省は企業の保有技術や、どんな指導が可能かといった情報をデータベース化し、学校と企業の橋渡しに努める。

 政府の平成19年度予算の概算要求で、文科省は派遣する技術者らへの報酬などとして60億円を盛り込む。経産省もデータベース構築などに数億円を要求する。

 小学校の教諭は1人で全科目を担当するが、理科の実験や観察の指導を苦手とする声は多い。また、最近は専用の教材で失敗のない実験ばかり繰り返すため、失敗の理由を考えて新たな対応を見つける応用力が養われないとの批判も出ている。

 そこで、文科省は来年度から「サイエンス・コラボ・ティーチャー」事業を展開し、全国約2万3000の小学校の4割以上に対し、5、6年生の理科の授業に支援員を派遣する。支援員は年間95時間の授業のうち最大30時間程度を教師とともに担当。今秋には千葉、石川、兵庫の3県・十数校で先行的に試行し、将来は全国に広げる考えだ。

 支援員への学校側の要望を吸い上げるため、理科に強い学校長OBらをコーディネーターとして都道府県・政令市の教育委員会に配置する。

 一方、経産省は地域ごとに講師にふさわしい技術者らをデータベース登録する「博士実験教室」を展開。企業が学校に提供できる知識や教材、学校側が企業の支援を受けたい授業内容などを一括検索できるシステムを、来夏までに構築する。

 技術者らに求めるのは「実社会に関連づけた実験や観察」。音響機器会社なら「身の回りの音の世界」、化学系企業には「化学変化とエネルギー」などの具体例を挙げており、専門家の視点で興味深い授業が期待される。教師の指導力向上に役立てる狙いもある。

 経産省は「企業の技術や人材を教育現場に生かせば、人材育成につながり、長い目で見て企業のPRにも結びつく」(産業人材参事官室)と話している。

(08/18 02:26)

 一時しのぎでこういうことをやるのは仕方がないとは思うけど、文部科学省なら、もっと根本的な部分を変えるべきではないのか?教員養成課程の見直しや、ゆとり課程の指導要領で縛りまくって内容を分断してしまった理科の教科書をもうちょっと体系だったものに変えるとか。教科書では学習が困難になるほど内容を抜いておいて、理科離れが起きたから社会人を連れてきて対応させるというのは、いくら何でも対策を間違ってないか?

ビラ

Posted on 8月 18th, 2006 in 倉庫 by apj

 大学に居るといろんなビラが勝手にドアの下なんかから突っ込まれてくる。まあ、政治的思想は様々だし、それをとやかく言うつもりは無いのだが、時々、一体何がしたいのか?というツッコミどころのあるものがやってくる。
 最近来たものに「教育基本法の改悪を許さない県民の会 結成総会」というタイトルのものがあった。まあ、主張は推して知るべしだから細かくは書かないが、イベントというか集会が8月5に開催されるという案内で、何をやるかというと、

■教基法の真髄を学ぼう
講演 渡辺 誠一先生
(山大地域教育文化学部教授
8月9月のたたかいをどうするか

 ふむなるほど、学内の先生が出るからこのビラが学内に配られたんだ、と納得したのだが、次の行を読んだ瞬間思わず吹いて脱力した。「どうするか」って、あんたら実はこの先どういう運動するか何も決めてないのかよ!っていうか決めとけよ!ビラ配る前に……orz。

 もう一通は、学寮の扱いを巡るトラブルのビラ。学長宛の抗議文が出ている。主張によれば、「元山形大学職員が、大学学生部の指示を受け、学生の個人情報物(学寮内の会議関連の文書らしい)を盗んだ」となっている。仙台高裁が山形大に損害賠償を命ずる判決を下したとも書いてある。仙台高裁ということは、山形地裁→仙台高裁、と手続きが進んだのだろう。問題は、この抗議ビラは自己主張ばっかりで他人に何かを説明しようという姿勢が全く感じられないということである。ビラをどう読んでも何があったのかということと、それがどう訴訟に結びついたのかが全く分からない。しかも、刑事告発されたのは元寮生の方だと主張している。普通に読んだのではわけがわからない。まあとにかく、判決を以て何かを主張したいのであれば、事件番号くらいはビラに書いておけ。話はそれからだ。でないと判決文やら裁判資料やらを閲覧しに行くのも難しい。

いつからなのか?

Posted on 8月 15th, 2006 in 倉庫 by apj

 二日連続他所のブログからネタを拾うことになったが、何だか符号するものを見つけてしまったのでメモしておく。酔うぞさんとこで出ていた記事「シンドラーエレベータ・自治体困惑と言うが」で、

そもそも入札制度は、一番安く納品できる業者を探すという意味でありましょう。
ということは買い手である自治体などが品定めできる能力を要求されているという事ですよ。
しかし、今や高度になったシステムなどを自治体などが独力で判定できる能力はないわけですよ。
原告規模で屎尿処理設備の談合事件で、11社が起訴されましたが屎尿処理施設の最新システムを自治体の職員には判断できる知識が無いことは容易に想像できますが、それでは自治体は判断できないから外部のコンサルタント会社にその自治体に適当なシステムの構想を作ってもらうわけです。
ところが、11社が起訴された事件ではその企画を作ったコンサルタント会社を取り込んでいたというのですから、自治体だけが蚊帳の外という事になります。

これでは入札自体が成立しないわけですよ。
値段だけを見れば悪くても安いものを買わざる得ない、内容はさっぱり判らない。
一体どうやって入札を成立させるのでしょうか?基本的に入札制度自体が無理に近いんじゃないでしょうかねぇ?

 とある。その一方で、フラスコさんところからたどって行き着いたのが「役人学三則」。岩波新書だそうだが、元ネタは法学者の末弘巌太郎(1888―1951)が書いたものだから、だいぶ昔の話である。で、この内容が、酔うぞさんの指摘を裏付けるような代物だった。

、第一条 およそ役人たらんとするものは、万事につきなるべく広くかつ浅き理解を得ることに努むべく、狭隘なる特殊な事柄に特別の興味をいだきてこれに注意を集中するがごときことなきを要す。

君ら若い方々はとかく理想にとらわれて一生をある種の事柄に力を集中してその道の専門的達人になりたい、というふうに考えがちであるが、君がもしも役人として出世を希望するのであるとすれば、かくのごとき態度は根本的に間違っている。現在の官制および官吏任用の実際は、ある種の行政事務に特別の興味を有し、したがって特種の知識技能を有する役人が一生をその事務にささげつつ適当に出世しうるようにできていない。
(中略)
だから特殊の事務に興味を感じてそのほうの専門家になると、自然ほかに融通がきかないため、なかなか出世できない。そうしてほかから人繰りの関係上どんどん専門の知識なき役人が上役として転任してくる。だから出世という妄念をたちきってお寺にでも入った気でなければ、特殊行政の専門家になることはできないのである。
(後略)

 などと指摘されていたりする。もちろん、末広教授は、このような風潮を望ましくないとして痛烈な皮肉をこめて書いている。ただ、50年も前から役人側が末広教授の指摘の通りだったのだとすると、酔うぞさんが書いている「入札が成立しない状況」は、表面化しなかっただけで、実はずっと前からあったのではないか。「特殊行政の専門家」であれば、守備範囲の入札の内容を判断できるかもしれないが、そうならないことが出世の道であれば、自然と判断出来る人は居なくなるわけで。
 そういえば、水関連でも似たようなのがあった。相談された事例なので固有名詞を出せないが、市営プールに怪しげ活水セラミック装置がぼったくり価格で入ったのを追求していたケースで、入れた役人の判断の主な根拠が、製品の説明を読んで理解したというのではなく「他所の自治体に導入実績がある」だったというのが。
 談合がいいとは思わないが、談合で上乗せされたコストと、入札で決めたときに品質を判断し保証するためのコストについて、どこかで評価は出ているのだろうか。