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クレームの実際

Posted on 2月 6th, 2008 in 倉庫 by apj

 J-CASTニュースで取り上げられたので、以下に引用しておく。言及したい部分を赤字にさせていただいた。
(【追記】J-CASTの方でもリンクを追加していただいたようです。ご指摘ありがとうございました>検査員様。)

月100万PVの人気個人ブログ 教授同士の名誉棄損論争が勃発
2008/2/ 5
上武大大学院教授の池田信夫さんがブログで、コメント投稿者の実名を割り出し「間抜け」「(ネット)イナゴ」と罵倒したことを巡って、名誉棄損論争が勃発している。論争には、関係者がほとんど実名で登場しており、ネットでは、実名であっても認識の差を克服することの難しさを浮き彫りにした。

「イナゴ」「間抜け」などと罵倒

名誉毀損論争が勃発した池田信夫さんのブログ
名誉棄損論争の発端は、池田信夫さんが自らのブログの2007年11月13日付日記のコメント欄で、投稿者を罵ったことだった。池田さんは日記で、文部科学省の次世代スーパーコンピューターを批判的に取り上げたが、「はてな」ID名でコメントを寄せた西日本の大学の助教授の実名を割り出して「(ネット)イナゴ」と書いた。そして、「自分のコメントを否定するサイトにリンクを張った」と指摘して、このことについて「間抜け」とも発言した。

この助教授は、池田さんにコメントや自らのブログで反論したが、さらに助教授のブログを閲覧していた山形大准教授の天羽優子さんが、この問題を同大サイトにあるブログ「事象の地平線」で取り上げた。その11月18日付日記で、池田さんのコメントを「証拠保全」のためにと取り上げ、「『間抜け』『イナゴ』は、人に対するものなので、名誉毀損は成立しうるんじゃないかな」と言及したのだ。

この日記は、その後、池田さんの目に留まり、08年1月29日、「根拠もなく、このような記事を掲載すること自体が名誉毀損」とし、記事を削除しなければ山形大に通報すると書いたメールを天羽さんに送った。ところが、天羽さんは、池田さんのメールに回答せず、「事象の地平線」の同日付日記上にこのメールをそのまま公開。その理由として、池田さんが大学通報までほのめかしたことなどから私信性がないことを日記の中で挙げた。山形大との関係については、「当事者は大学ではなく私」と主張した。

池田さんは、同じ日、日記の中でメール公開行為を批判した。そして、山形大の結城章夫学長あてに、山形大のサイトで根拠なく「名誉毀損」の中傷をし、私信を無断で公開したことにどう考えるか、という公開質問状をアップ。学長あてに同じ内容のメールも送った。

池田さんと天羽さんの論争は、大学も巻き込む騒動になって、池田さんのブログなどにはコメントが殺到する事態になっている。

話し合いの必要については否定的
一連の論争では、ほぼ実名に近い形でネットのやり取りが公開されている。しかし、互いに相手が名誉毀損に当たる誹謗・中傷をしたと主張して収まらないのだ。

山形大の天羽優子さんは、J-CASTニュースの取材に対し、

「実名が出て、感情的になっていますね。ほとんど論争らしい論争がなく、ブログでの個人攻撃に終わっています。誹謗・中傷はなくならないですね」
と答えた。一方、上武大の池田信夫さんも、こう漏らした。

「コメント欄にgooIDのログインを導入したら、すごい効果があって、ノイズがなくなりました。でも、実名でも、誹謗・中傷はなくなりません。確信犯は、自分が正しいと思ってやっていますから」
ブログやメールでのやり取りは、実名だと、冷静に一歩引いてコミュニケーションしにくいのかもしれない。2人の論争も、収束の気配がなく、平行線をたどったままになっている。

そもそも、今回の論争でお互いに面識がないことが、憶測や疑念を生んでいる可能性がある。「最初は、(池田さんが)アクセスの多いブロガーか、評論家だと思い、大学の先生とは知りませんでした」と天羽さん。とすると、ネット上で解決が難しい以上、お互いに話し合いなどはできないのか。

しかし、2人とも、話し合いに否定的だ。天羽さんは、「会わなくてはならない理由があるのですか。その予定は今のところありません。ネットの文章で尽きている気がします。こういうパターンで文章を書く人は、何を言ってもダメだと思います」と答えた。池田さんも、「山形大のドメインで他人の悪口を言ったり、メールをブログで公開したり、常識ではありえませんよね。常識がない人と話しても意味がないと思います。だから、今のところ会う気はありません」と素っ気ない。

この論争について、ITジャーナリストの佐々木俊尚さんは、

「背景には、『実名』をどのようなものとして捉えるのか、という部分に認識の差があることがあります。2人の場合は、池田さんが天羽さんを山形大とひと括りにしているのに対し、天羽さんは個人の立場を強調しています。大学という属性が責任を追うかどうかの認識が論争を極端にしたのではないかと思います
と分析する。実名でも、肩書きなどの属性が入ってくると、議論をこじらすということのようだ。また、佐々木さんによると、「失う属性なんかない」と考えている人たちは、実名でも誹謗・中傷をためらわないという。

話し合いによる解決については、佐々木さんは否定的だ。「面談する必要は、まったくないと思っています。そもそも池田さんと天羽さんが議論を決着させる必要があるのでしょうか?大切なのは、2人が論争していることが多くの人の目に触れて、そこから議論が多くの人の間で展開していくことだと思っています」

ちなみに、池田さんのブログは、率直な議論が関心を呼んでか、ブログとしては異例の月間100万ページビューも閲覧されるほどになっている。

 佐々木さんのコメントについて、私の方から状況を説明しておきたい。
 これまでに私が受け取ったクレームの種類は、大体次の通りである。

[a]脅迫タイプ:威圧的あるいは脅迫的なメールを送って、しょっぱなから訴えるぞと言ったり、大学あるいは周囲を巻き込んだり、これから巻き込むぞという姿勢を見せる。クレームが受け入れられないと「暴れる」のがこのタイプ。
[b]ビリーバータイプ:客観的には間違っている内容を主張。認められるまで延々主張し続けることがある。
[c]愉快犯タイプ:荒らすこと自体が目的。
[d]通常タイプ:事実確認がとれる形で、私の所に直接送られてくる。普通に対応し、私の方から簡単にお礼を述べて終わる。

 実のところ、タイプ[a]に分類されるクレームは少ない。ウェブに書いたものについての、質問やクレームを合わせると、これまでに延べ1800通程度のメールを受け取っている。複数回のやりとりを考えると、この半分としても900通程度。そのうち、タイプ[a]のクレームを思い出せる限り列挙すると、池田氏によるものも含め、全部で11件ある。

【クレームのリスト】
[a]日本システム企画株式会社:クレーム第一号。NMRを利用したと称する活水器を製造販売。クレームの内容は、訴えてやるという代表者じきじきのお手紙。今でも「当社の電磁波は金属を通過します」と言い張っている。
[a]スター管理サービス:2001年頃だったか。直接電話でクレーム。弁護士に相談してるとか何とか。遠赤外線の不思議な効果を信じてるっぽかった。
[a]株式会社プロホームアドバンス:お茶大の方のコンテンツが阪大に移転する原因になったクレーム。返品があったと主張。冨永教授ともども覚悟を決めて、本当に因果関係のある損害なら賠償するつもりで損害の立証を求めたところ、何も証拠が出てこなかった。取締役に内容証明を送るまで、担当者としかやりとりできなかったのが不思議。
[a][b](個人):氷のIce Ihの結晶構造が違うと延々メールで書き送ってきた。たまりかねて「勉強しろ」と言ったら「勉強は嫌いです」orz。お茶の水大にもメールが来たので、「授業料ももらってないのに教えなきゃいけないっておかしいでしょ」と冨永教授が事務に行って説明、事務官爆笑。
[a]飛騨の中の人(個人):マイナスイオン関連。ブラウザで普通に見れないサイトを連絡してきて、見れないことを指摘したら逆ギレ。変態助教授とか書きまくった上に嫌がらせのメールが20通以上に掲示板荒らしの3連コンボ。私に書面で現金20万円を要求したので、本名と住所が判明した。さすがに呆れて告訴と提訴を両方やった。名誉毀損で罰金刑確定。ウェブだけではなく大学にクレームを送った分についても名誉毀損が認められ、敗訴したのに損害賠償を払おうとしない。どうやら、払わなくて良いと素で信じてるっぽい。
[a]元祖・闇サイト管理人「奥平明男」:クレーム当時は前科10犯、多分今は11犯。自称探偵。公開された殺人予告に言及したらしつこいクレームをつけてきた。現在、beyondさんに提訴されている。
[a]セルミ医療器の関係者?:マイナスイオン装置に対する行政処分を紹介した記事にクレーム。不法行為であると主張したがその後は応答無し。
[a][c]ふま(通称):説明の要らない粘着荒らし。一見理由があるようなことを書くが、一貫性は全くなく、混乱させることのみが目的のかまって君。当blogでは原則削除で対応(他所でも似たような対応がなされている)。apj_yamagataというメールアドレスを作ってクレームを送り、そこでは「山形」と名乗った。
[a][b]吉岡英介氏:最初がメール、2年ほどおいて「水は変わる」という自費出版本を出し、丸々一冊を費やして私に対する中傷をしまくり、その後2年近くにわたってウェブでも同様のことをやった。関係していたビジネスが公取の排除命令を喰らったことの逆恨みらしい。お茶の水大だけ訴えたので、現在訴訟参加して係争中。私も名誉毀損で吉岡氏を別途提訴。【←進行中】
[a][b]マグローブ株式会社(上森三郎、吉岡英介):掲示板投稿の内容を業務妨害であるとして削除要求。技術的議論であると判断し、かつ、大学だけを訴えてきた前歴を考慮し、私の方から先に債務不存在確認の訴えを提起。【←進行中】
[a]池田信夫氏:あらきけいすけ氏に対する名誉毀損ぽい表現に言及したら脅しめいたクレーム。公開したら、今度は私に対する人格攻撃を展開中。【←最新】

 少ないサンプル数を以て何かを語るのは危険であることは承知の上で議論を続ける。

 まず、池田氏以前に、タイプ[a]で私の所にクレームを付けた人の主張がまともだったためしがないというのが、私がこれまでに経験したことである。まともでない、の意味は、内容自体が客観的に誤りであることを立証できるとか、そもそも違法なことをしたのを指摘したら逆ギレしたというものである。事実関係をきちんと調べたら、まず間違いなくクレームの方が間違い、とされるだろうというものである。
 なお、池田氏以前に、タイプ[a]クレーム10件のうち3件が法的処理に移行している。これも、割合としては高いのではないか。

 どうやら、「内容を検討されたら決して受け入れられることが無いから、内容の検討を面倒がるであろう組織の方に出すことで、うやむやのうちに受け入れさせよう」とか、「組織にクレームを出せば、組織が事なかれ主義な対応をしてくれて、内容を検討しないままに受け入れられるに違いない」などという期待が、タイプ[a]のクレームを出す側にあるとしか思えないのである。

 次に、肩書について考える。
 大学教授だからまともか、というと必ずしもそうは言えない。怪しい商品にお墨付きを与えている「教授」だっているわけで、私は学生に向かって「教授が推薦していても信用するな。むしろまともな産学連携では、守秘義務が絡むので宣伝に研究者は出てこないもの」などと教えている。いやまあ「それを言うオマエだって准教授だろ」というツッコミは覚悟の上だし、大学生くらいになるとこの程度の矛盾は適切に消化してくれるだろうと期待している(私の言うことは信用せずに裏をとる、という学生さんが居るならば大変歓迎すべきことだが、これは今回の話題とは別の話である)。

 知っている範囲で実例を挙げると、次のようなものになる。
 赤外線で水の水素結合が変わると主張しているが、データを見ると測定が間違ったんだろ、な論文を出していたり、去年まで「溶液に声をかけると核反応が起きる」などと主張していたのは、両方とも旧帝大の先生である。健康食品のインチキ宣伝に名前を貸してクビになった京都大の教授も居た。環境ホルモン濫訴事件の原告も京都大教授で、シンポジウム当日の発言を曲解した批判を公表したと言って名誉毀損で提訴したのに、当日の録音テープが出てきて、「言ったつもりだったが言ってない(だから違う受け取られ方をしてもむしろ当たり前)」などということになり、結局原告が敗訴した。私はこの裁判の被告側応援団をやっていたから、状況はよく分かっている。業者に宣伝で使われている、トルマリンについての間違った報文を出すことに尽力したのは、中村輝太郎元東大教授だった(師匠の冨永教授の元上司)。量子力学無しで物理学は構築できると頑固に「新体系物理学」を唱えているのは飯田元東大教授である(師匠の冨永教授の元指導教官)。人工心臓の権威で、私にとっては雲の上で光り輝いている先生だった渥美和彦元東大教授は、定年後は名誉教授のまま代替医療の方に行き、再び御名前を拝見したのは、「気」の研究が出ている雑誌の中であった。

 これでは、肩書きよりも当人の行動や主張の内容の方を見ないと何とも言えない。ある時期まで、きわめてまっとうな科学の成果を上げていた人が、途中で違う世界に旅立っていくことは、そんなに珍しくなかったりする。

 以前、あらきけいすけの雑記帳を見に行った理由は、あらきさんが以前にお茶大裁判のことを取り上げていたからである。少しコメントさせていたき、その後もたまに見に行っていた。とある日見たら、わけのわからない理由で他所で中傷されていて、あらきさんは中傷した相手と争うつもりらしいということがわかった。じゃあ証拠保全しておくか、と「間抜け」発言に言及した。つまり手製の魚拓というわけである。その時に初めて池田氏の名前を知った。だから、私にとって池田氏とは「他人を平気で”間抜け”呼ばわりする人物」以上でも以下でもなかった。この認識でいたところにタイプ[a]のメールが来たから、まずは、理由のないクレームつまり「威迫」として扱うことになった。一般論として大学の名前や教授の肩書きがあっても、ちっとも信頼できないことがあるというのは経験済みであった。

 勿論、n件のまともでないタイプ[a]のクレームがあったからといって、n+1件目がまともでないとは言えない。そこで、上に書いたことをふまえて、池田氏のクレームがどうであったかを検討する。
 まず、
1. 大学を巻き込むという予告が最初にあった事実(このエントリ参照)。
2. 当事者が私である旨明記したにも関わらず、学長を巻き込もうとした事実(J-CASTの取材、池田氏のblogより)
3. 削除要求のメールの内容に虚偽が含まれていた事実。(1.で示したエントリー中に具体的記載)
4. 池田氏はもっぱら私に対する個人攻撃を行っている事実(個人的に魚拓を作り、どの部分か指摘した人→clausemitzさんbeyondさん石田剛さん(この前後にも関連エントリが前後にある。))

 1. と2. から、大学を巻き込もうとする池田氏の故意は明白である。さらに、そもそも削除理由に虚偽が含まれている以上、要求に従う必要が無いことは3. から明らかである。削除が受け入れられなければ、4. のような形で個人攻撃を行ったことは、これもまた証拠より明らかである。

 以上の事実より、池田氏による今回のクレームは、歴代のタイプ[a]型クレームに分類しても差し支えないと考える。


ここからは旧ブログのコメントです。


by ひろのぶ at 2008-02-18 20:54:18
Re:クレームの実際

百戦錬磨の天羽さんに戦いを挑むなんて無謀すぎるよね。そもそも論として。


by やまき at 2008-02-15 21:19:15
Re:クレームの実際

池田さんだって百戦錬磨ですよ。場外乱闘ばっかりですけど。


by heisan at 2008-02-39 21:34:39
Re:クレームの実際

なんというか。

「店長出せ!」というセリフの例を出すまでもなく,私たちは,「組織人は,上司のお達しが下れば 簡 単 に 頭を垂れる」ということを幼いときから学習している。
「コイツじゃ話にならん」場合に,そいつの上司と話をするというのは妥当である。
しかし,この手法は,悪用(=本来の目的にそぐわない利用)が可能である。
「コイツとは話したくない」場合に,「コイツよりも判断力に欠ける上司」と話をする,という作戦に出ることが可能なのだ。

組織というのは通常,「上司のほうが部下よりも判断力に長ける」という前提で構築されている。
しかし,組織がでかくなると,この前提が崩れてくる。
上司と部下との間に何段階もの階層が差し挟まると,その間にあるべき人間的関係(=「お互いが相手の人間性を把握した上で」各自が固有の役割を演じようとする関係)の度合いは薄れ,あるのは書類上の関係のみになってくる。

思うのは,或る程度以上にでかい組織におけるトップの上司は,論件に関する判断力について,自分と現場の者と,どちらのほうが長けているのかを瞬時に判別できる能力を持つべきではないかということである。


by apj at 2008-02-06 22:02:06
Re:クレームの実際

heisanさん、

>しかし,この手法は,悪用(=本来の目的にそぐわない利用)が可能である。

 この辺りが考えどころなんですよ。

 実際、応対に出た担当者がそもそも組織から権限を渡されていない場合もあるわけで。この場合は取り次ぎ以上のことができない。
 担当者と話し合うだけで済む場合もりますが、話がややこしくなり出すと、担当者が上司を呼びに行って、出てきた上司と話し合う、という展開もあります。

 でもって、ネットによる情報発信の場合は、最初に「社長を出せ!」というパターンでやってきたものが、ことごとく悪用狙いばっかりだというどうしようもない事実が……。こんなの、私のところだけかもしれませんが……。


by apj at 2008-02-14 22:48:14
Re:クレームの実際

ひろのぶさん、
>百戦錬磨の天羽さんに戦いを挑むなんて無謀すぎるよね。

 そんなことはないです。
 訴状かいたら直されまくりだし、法的構成と条文出せとか言われてじたばたしながら準備書面書いてるし。
 ホント、百戦錬磨ならいいんですけどねぇ……(汗)。

やまきさん、
>池田さんだって百戦錬磨ですよ。場外乱闘ばっかりですけど。

 すいませんこの場合の「場外乱闘」ってどんなんでしょう?
 私の近辺では、裁判所で争ってる当事者が同時にその裁判をネタにしてネットでも争うのを、場外乱闘と呼ぶんですが。


by やまき at 2008-02-07 00:21:07
Re:クレームの実際

いや、ただの冗談です。すみません。

・裁判所で争うべき内容でもネットでしかやらない。
・学会で議論すればいい内容をマスコミだけで語る。
というように、基本的に場外でしか戦わない彼の姿勢を揶揄したつもりです。


by やまき at 2008-02-00 00:25:00
Re:クレームの実際

つまり、喧嘩好きのわりにはしかるべき所でまともに議論している姿はみたことがない、というぐらいの話です。


by やまき at 2008-02-06 00:27:06
Re:クレームの実際

あ、この書き方はまずいですね。
べつにapjさんが喧嘩好きだと言ってるわけではありません。
単なる言葉のあやです。

連投申し訳ございません。これ以上ボロをださないうちに黙ることにします。


by apj at 2008-02-46 00:49:46
Re:クレームの実際

やまきさん、
 どうかお気になさらないで下さい。
 私も、喧嘩好きと揶揄されても仕方がない程度には、ネット上と裁判所の両方でいろいろあれこれやりあっていますので。

 ただ、blogでバトルとか掲示板でバトルとか双方のウェブサイトで批判し合うというのは、実は一番安上がりです。ある意味望ましい争いの方法かもしれません。裁判所に話を持っていくと、時間もお金もかかるし、それなりに抜き差しならないところまで突っ込んだ争いになります。


by イカフライ at 2008-02-21 05:50:21
Re:クレームの実際

池田氏は大学組織それぞれの部署の権限と責任の所在についてどの程度わかっているのかしらないが、今回のメールによる恫喝はあまりにも短絡すぎる。

いくら天羽さんが大学のサーバーを使っているからといって、サーバーにはサーバーの責任者がいるわけで、まずはその人に話を通すのが手順だろう。
天羽さんが使っているのは独自ドメインだから責任者名は世界中に公開されている。
天羽さんの利用しているサーバーの独自ドメインを以下のサイトに貼り付ければだれでもその情報は手にいれることができる。
http://whois.ansi.co.jp/
そのように責任の所在があきらかなサーバー公開者
学術情報基盤センターの助教授梅林豊治さんにまずはメールsb189@kdw.kj.yamagata-u.ac.jpで話を通し、このような者がいる、ついては言い分を聞いてほしいと段階を追うのがふつうの善良な市民の感性である。
(ちなみにこれらの情報は世界中のだれでもコンタクトして知ることのできる情報である)

大学の学長なんて最後の最後であり、そのような手順をとばして最高責任者を恫喝したり巻き込むのは暴力団のやる手口である。


by apj at 2008-02-03 08:54:03
Re:クレームの実際

イカフライさん、

 ちょっと、ネットワークに誤解があるようです。
 kj.yamagata-u.ac.jp配下のドメインは、大学のDNSサーバに登録されますが、私が使っているwww.cm(以下略)なドメイン管理者名が直接登録されていてJPNIC等の検索で見えるというわけではありません。
 多分本体のドメインは検索すれば見えるけど、そこから内側にぶら下がっているものは、個別登録は無かったかと。だから、元締めになってるドメイン管理者に連絡し、そのDNS登録されているマシンの管理は誰がしているか、たどっていくということになります。
 一方、私がプロバイダで使っているi-foe.orgは私個人が取得して登録したものですので、ドメイン管理者を調べれば私であることがわかるはずです。

 まあ、最初に「社長を出せ!」とやるのは、暴力団とまではいかなくても、いわゆる「クレーマー」によく見られるパターンではありますが。


by 株式会社歯列矯正ベスマ社長添田貴宏 at 2008-02-00 10:11:00
Re:クレームの実際

はじめまして。J-CASTのコメント欄のリンクをたどってきました。ネット上で争っていただくと、とても勉強になる情報が無料で見れてしまいありがたいです。
また、チェックしにきます。


by 青木裕一 at 2008-02-52 10:35:52
Re:クレームの実際

池田氏のblogも多少見てきた上で思うのは、池田さんが最初のメイルでいきなり「さもなければ~」とやらなければ、もっと違った展開になっていたのではないかと。

それと、いきなり「名誉毀損である」と断定しちゃうのも困り者だと思います。「事実誤認です、ご理解いただければ訂正よろしく」とか「ご理解いただけないのでしたら再度説明させてください」とか、幾らでもアプローチの仕方はあると思います。

クレーマーになってしまうか否かは、対人折衝能力の問題でもあるなあと思いました。


by apj at 2008-02-29 11:03:29
Re:クレームの実際

株式会社歯列矯正ベスマ社長添田貴宏さん、
 争いがあると、一時的にアクセス数が増えていろいろ賑やかなことになりますが、別に争いなどなくても、地道に有用な議論を続けているところはたくさんあります。ウチも、今回のがちょっと異常事態なだけです。

青木裕一さん、
 名誉毀損かどうかについては、名誉毀損訴訟の最中でもあるため、個人的には感度が上がっていたりします。
 それはともかく、最初の対応でかなり違うだろうというのは、その通りだと思います。

 批判されたことに生活が脅かさると思っている業者の方ならともかく、池田氏ほどのアクセス数の多いblogをやってる人が、何でまたウチのような弱小なblogをちまちまやっているところに、高圧的な内容のメールを送ってきたのかが謎です。池田氏は、どうやら喧嘩上等なキャラで売っているらしいですし、私のコメントがキャラ作りに役立つことはあったとしても、他に何の問題も無いと思うんですけど。
 第一、ケンカでPVを増やしたいのなら、もっとメジャーなところを相手にしないと効率が悪いでしょうに……。


by 青木裕一 at 2008-02-58 12:05:58
Re:クレームの実際

>「名誉毀損である」と断定しちゃう

私の書いたコメント、主語が不明瞭でした。(^^;
池田信夫氏がメールの中で「このような記事を掲載すること自体が名誉毀損です」と断定してることを私は摘示したつもりです。

ネットワークの世界での言論表現に関する議論をより一層喚起したいという気持ちが皆さんお持ちなんじゃないでしょうか。そうした実験的な意図があって、たまたまapjさんにチョッカイ出してみたら話題作りに成功しちゃった、そんな感じ・・・かな、でも
でも、池田さんの公開質問状の内容は、私からみても相当混乱してるとしか見えない。やはり謎ですね。(^^;


by ながぴい at 2008-02-19 02:28:19
Re:クレームの実際

へえ、「飛騨の中の人」は損害賠償まだ払ってないんすか?
2ちゃんのひろゆき氏と同じような戦法なんですかね?
 
「Ice Ihの人」は一時期mixi内でも大暴れしてましたね。
科学者とおぼしき人には片っ端からアタックかけてたようです。
わしのとこにも来た。
 
最近しばらくは、なぜか大人しくしているようですが。


by mishi at 2008-02-05 05:51:05
Re:クレームの実際

なんだか、大仁田vs長州のプロレスをみているようだ:-P


by apj at 2008-02-46 07:34:46
Re:クレームの実際

ながぴいさん、

>2ちゃんのひろゆき氏と同じような戦法なんですかね?

 多分違うと思います。
 ひろゆき氏は、裁判制度を知った上で確信的にばっくれてるわけですが、飛騨の中の人は「そもそも裁判制度とか負けたら損害賠償という意味が全く理解できていない」ようです。最初は悪意があってやってるのかと思ったのですが、やりとりを何回かするうちに「冗談抜きに本気で本気で何もわかってない」んだと気付きました。


by apj at 2008-02-49 07:36:49
Re:クレームの実際

ながぴいさん、
追加です。

 Ice Ihの御方は、だいぶ前に、「とうとう本を出したぜ」ってメールをもらった記憶が。物好きな出版社があったのか、自費出版に踏み切ったのかわかりませんが、ともかく自説が活字になったので、一応は満足したのかもしれません。


by ながぴい at 2008-02-41 07:58:41
Re:クレームの実際

>「とうとう本を出したぜ」
 
ああ、
それなら「これを読んだら水が面白くなる」ですね。
東京図書出版会から出てるので自費出版でしょう。


by apj at 2008-02-19 08:53:19
Re:クレームの実際

mishiさん、

>なんだか、大仁田vs長州のプロレスをみているようだ:-P

 どっちかっつーと、繁華街の外れで屋台のラーメン屋を細々営業していたら、酔っ払った大仁田か長州みたいなのがやってきて暴れ回ったって感じですが(-_-#


by 検査員 at 2008-02-52 09:07:52
Re:クレームの実際

ちょっと気になったのですが、J-CASTの方ではapjさんの指摘を受け、2/7にこのブログへのリンクも追加されているようです。なので、このページの冒頭にある、『報道の姿勢として、不公平な取り扱いを・・・』というのは、すでに解消されているように思えるので、追記あるいは訂正してあげたら良いんじゃないかと思います。


by apj at 2008-02-49 09:52:49
Re:クレームの実際

検査員さん、
 ご指摘ありがとうございます。エントリーの該当部分を削除し、追記とお礼を書きました。
 7日は代休をいただいて(本来なら口頭弁論のはずだったので)上京し、同時に処理すべき用事もいくつか済ませていて、先ほど戻ったため、チェックが遅れました。


by B-51 at 2008-02-03 21:37:03
Re:クレームの実際

池田さんは基本的に「思い込みが強い」人なんだと思います。
先方のブログへのコメントについても、ちょっとしたことで「イナゴ」とか「荒らし」と決め付けてしまって、そうなるともう内容なんか読んでないって感じでしょうか。

なので、今回もapjさんの記事をチラッと読んで「こいつは常識のないやつだ」と決め付けてしまったのでしょう。
で、常識のないやつと直接話し合っても埒が明かない>なら所属組織の方と話せば何とかなるだろう
って理屈でいきなり件のメールとなったってところかと思います。

まあ、個人的に彼は性格に問題はある感じがしますが、主張としては賛同できるものもそこそこありますので、「こういった性格なんだな」と言うことで受け流すくらいがちょうど良いのではないかと。
apjさんは真摯に対応しようとしすぎたのかもしれませんね。
#けしてapjさんを否定しているわけではなく、話がこじれた原因を推察しているだけです

会社組織で有る程度以上の役職にある人なんかにはこういう人多いですから、企業人としては受け流しスキルも高めておかないと仕事にならない場合もしばしばなんですよね…


by apj at 2008-02-11 22:38:11
Re:クレームの実際

B-51さん、

>apjさんは真摯に対応しようとしすぎたのかもしれませんね。

 うーん、今回の池田氏のメールはタイミング的に最悪だったというか。

 ちょうど私の方は、大学に訴訟を仕掛けて圧力をかけようとするヘンテコな代表取締役を相手取って、防衛戦(神戸地裁)だ先制攻撃(山形地裁)だ、とやっている最中だったもんで……。情報発信において大学に圧力をかけてくる相手を直接撃つにはどうするか、がたまたまメインテーマになってしまっていたんですよ。

>企業人としては受け流しスキルも高めておかないと仕事にならない

 いわゆる「スルー力」のもうちょっと一般的なものでしょうか。

 大学も同じはずなんですが、受け流しスキルは低めではないかと。
#だから、本体の争いはマグローブ株式会社なんだけど、大学にも一応裁判所に出てきてもらって「動くな」とクギを刺してからでないと、おちおち外部と紛争もできないわけで。


by mishi at 2008-02-53 07:19:53
Re:クレームの実際

池田氏、今度は「年収20倍アップ」の勝間氏にケンカを売ったら、御本尊がやってきて、のらりくらりとかわしている様子に苦笑。


by apj at 2008-02-58 07:35:58
Re:クレームの実際

mishiさん、

 わかった!年収20倍アップで金持ちになるには、受け流しスキルが必須なんだ!

……とかそういう結論でOKでしょうか^^;)。


by 青木裕一 at 2008-02-35 00:06:35
Re:クレームの実際

受け流す(スルーする)ってのは、見なかったことにしてるだけだと思います。つまり、そんなことどうでもいいことだとして、互いの意見の違いをテマとして取り上げないで済ませてしまう。

勝間さんも池田さんも、それぞれが相手のレリバントな領域に踏み入らないで、平穏無事に意見を交換してるように私には感じられます。相手の人の感度が高くなってる領域に、平気で土足で踏み込むような真似はしていない。年収20倍アップに関する、池田さんの批判内容を完璧にスルーしたのは勝間さんのほうだと思います。

池田さんは、もしかしたら、考えることについて拘らないタイプの方なのかも知れません。トピックスを次から次へと、ただひたすら思いついてしまうタイプ。勿論、ご専門らしき情報通信分野での行政策に関する話題については、相当なこだわりをお持ちだと思いますけど。
でもコンピュータ科学の分野には、特に並列処理の分野には拘らないほうが良かったのになあとハタから見てて思いましたです。

従いまして、(^^; 受け流しスキルが乏しい場合、お金持ちにはなれませんが、誰にもなれない特大の消しゴムの所有者にはなれるのではないかと、そんな結論に私は到達しそうであります。 〆(。。;


by まさちゅう at 2008-02-05 08:33:05
Re:クレームの実際

でも、影響力の大きな先生が、大学のドメインで関係ないことやらなきゃいいんじゃないですか?君子危うきに近寄らずというか。


by apj at 2008-02-20 08:46:20
Re:クレームの実際

まさちゅうさん、

>でも、影響力の大きな先生が、大学のドメインで関係ないことやらなきゃいいんじゃないですか?君子危うきに近寄らずというか。

 それでは何の問題解決にもならないです。
 また、私のやっていることは、「関係ないこと」でもないんですよ。今回の出来事にしても、ネット利用上の注意点などといった文脈で講義で使うことだってあるわけで。他のエントリーで扱っているニセ科学の議論は、講義のメインテーマだったり教育コンテンツだったりするわけで。
 ネットそのものがまだ社会とも法制度とも十分すりあわせができていない状態ですので、そのこなれてなさが紛争という形で顕在化するということではないかと。

 もし、社会が「大学は社会などとは一切関わらず、情報も出さなくて結構ですし、大学の先生は象牙の塔に引きこもっててください」と言ってくれるならば、このblogなどは「関係ないこと」になるのでしょうけど。この20年ほど社会はその逆に動いてきたわけですし。


by B-51 at 2008-02-09 07:46:09
Re:クレームの実際

>青木裕一 さん
>受け流す(スルーする)ってのは、見なかったことにしてるだけだと思います

ちょっと表現が難しいのですが、私が言っている「受け流す」ってのは完全に無視するとかなかったことにするってのとはちょっと違います。
企業のサポート窓口にクレームつけたりするとよく遭遇すると思いますが、相手のクレームはまじめに聞き丁寧に応対する。
でも、見当違いの指摘は「聞くだけ」に留めておくって感じでしょうか。

>apjさん
>大学も同じはずなんですが、受け流しスキルは低めではないかと

一般的に教育関係の方とか、お役所づとめの方は、そんな感じがしますね。
企業でも「顧客」とほとんど接しない方はそんな感じですが。

ただ、ある意味では教育機関は小さな問題にも真剣に取り組むことが必要なケースもあると思うので、その辺のバランスは難しいかもしれませんね。
民間企業なら、利益が全てですので、要らぬ混乱は避ける方が賢明なケースがほとんどですが。