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ディプロマ・ミルを笑えない事態

Posted on 10月 13th, 2008 in 倉庫 by apj

 ダイヤモンド・オンラインの記事より。

学力不問の青田買い競争 私大推薦入学の呆れた実態
2008年10月10日(金)09:15

「一部の大学が推薦・AO(アドミッションズ・オフィス)入試に名を借り、学力不問で多数の学生を受け入れている現状は妥当か」

 9月22日に開催された政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎・慶應義塾塾長)で、こんな問題が俎上に載せられた。

 現状では、各大学は定員の半数までは推薦入学者の受け入れが認められている。実際に昨年度の私立大学入学者数48万人のうち、推薦入学が20万人、志望者の個性や適性を総合的に評価するAO入試が4万人。私立大学生の半数は、驚いたことに入学試験を受けていないのだ。

 しかもこの数字は、私大全体の数字である。問題になった「一部の大学」ではどうなっているのか。「定員割れが深刻な底辺校ともなると、入学意思だけ示せば即合格。やりたい放題だ」と呆れた内実を解説するのは、ある大学関係者。

 人気のない大学は、一般入試では受験者すら集められないので、早くから青田買いに走る。一般入試は2月からしか実施できないが、推薦入試は11月から、AO入試に至っては11年中選考可能だ。いまや夏から秋にかけてが入試のピークなのだという。

 受験勉強の通過儀礼を経験しない「青田買い学生」は、とかく学力が低い。それゆえ、「英文科の授業で和訳されたシェークスピアを教材に使う」「物理や数学を学んでいないのに入学できる工学部で、大量の中退者が生まれている」などという事態があちこちで生じている。

 ある底辺校の学長は正直にこう言う。「うちの法学部は、司法試験に合格させるのではなく、新聞を理解できるようになるのが目標」。

 冗談のような現実である。「教育再生」の道のりは果てしなく遠い。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 千野信浩)

 新聞を理解できるレベルで法学部卒と認定するというのは、どう考えても無理が有りすぎる。文部科学省は、大学設置の方ではきちんと基準を作ってディプロマ・ミルの排除に成功したけれど、そのかわり、できた大学の単位認定のレベルの方がディプロマ・ミルと大差ない状態になったというオチか。

【ノーベル賞】小林の本は増刷予定です

Posted on 10月 13th, 2008 in 倉庫 by apj

 MLに流れてきた情報。
 amazon.co.jpのマーケットプレイスで、初版本を理由に高値がついている

小林誠著『消えた反物質―素粒子物理が解く宇宙進化の謎 』ブルーバックス

は絶版ではないが、品切れであり、あと10日くらいで増刷されて書店に並ぶはず。
初版を集めたいというマニア以外は、待っていれば定価で買って読むことができる。

※物理では、本当に偉い先生を弟子筋以外の人が呼ぶときは敬称無しになったりします^^;)。専門用語化・学術用語化するというか(例:湯川、朝永)。なので、タイトルでは敬意をこめて敬称無しにしました。