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肩書きの悪用に厳罰?

Posted on 12月 30th, 2008 in 倉庫 by apj

 時事ドットコムの記事より。

北大准教授を諭旨解雇=「神世界」霊感商法に関与か-自宅マンションにサロン
 北海道大は30日、霊感商法事件でトラブルが多発している有限会社「神世界」(山梨県甲斐市)の運営に関与したとして、同大電子科学研究所の竹市幸子准教授(44)=認知神経科学=を諭旨解雇処分にしたと発表した。退職届の提出を勧告しており、応じない場合は懲戒解雇とする。
 北大によると、竹市准教授は助教授として赴任した2004年3月ごろから、札幌市中央区の自宅マンションを神世界のヒーリングサロンに提供。肩書を利用し、自ら勧誘も行っていたという。サロンは今年7月に閉鎖された。
 准教授は北大に対し「勧誘はしていないし、運営にはかかわっていない」と説明したが、大学側は寄せられた苦情を基に調査し、准教授の関与を確認したという。(2008/12/30-13:49)

 霊感商法に荷担すればリスクがあるし、肩書きを悪用して勧誘したことが本当なら、最低でも民事的責任を負うのが当然だと思うが、疑問がいくつか。
 報道によれば大学の調査結果と本人の主張が真っ向から対立している。大学には、解雇の根拠を見つけるほどの調査能力があるのか?「関与を確認」といっても、「部屋は貸したが霊感商法とは知らず善意でサロンを運営していただけ、無料のボランティアのつもりだった」なのか「部屋を貸していたが有料で貸していて無届けの兼業にあたって問題」とか「霊感商法と知った上で部屋を貸して利益を得ていた」とか、関与の程度は様々だろうと思うのだが、今回のケースの事実関係はどうなっているのだろう。このままいけば解雇をめぐって紛争発生が予想されるが、そうなった場合の攻防戦がどうなるのだろう。

 北大の就業規則を見てみる。

(解雇)
第22条 大学は,職員が次の各号の一に該当した場合には,解雇することができる。
(1) 勤務成績が著しく不良の場合
(2) 心身の故障のため職務の遂行に支障があり,又はこれに堪えない場合
(3) 前各号に定めるもののほか,その職務に必要な適格性を欠く場合
(4) 国務大臣及び国会議員並びに地方公共団体の長及び議会の議員その他の公職に就任することにより,大学の業務を遂行することが困難な場合
(5) 業務量の減少その他経営上やむを得ない事由により解雇が必要と認めた場合
2 大学は,職員が次の各号の一に該当した場合には,解雇する。
(1) 成年被後見人又は被保佐人となった場合
(2) 禁錮以上の刑に処せられた場合

(誠実義務)
第27条 職員は,別に定める場合を除いては,国大法に定める国立大学の使命と業務の公共性を自覚し,誠実かつ公正に職務を遂行するとともに,その職務の遂行に専念しなければならない。
(法令等の遵守)
第28条 職員は,その職務を遂行するに当たっては,関係法令及び大学の規則等を遵守し,上司の指示命令に従ってその職務を遂行しなければならない。
(信用失墜行為の禁止)
第29条 職員は,職務の内外を問わず,大学の信用を傷つけ,又は職員全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

第33条 職員は,国立大学法人北海道大学役職員倫理規程(平成16年海大達第103号)を遵守し,職務に関して直接たると間接たるとを問わず,不正又は不当に金銭その他の利益を授受し,提供し,要求し,若しくは授受を約束し,その他これに類する行為をし,又はこれらの行為に関与してはならない。

(兼業)
第34条 職員は,職務以外の他の職を兼ね,職務以外の他の事業若しくは事務に従事し,又は自ら営利企業を営んではならない。ただし,国立大学法人北海道大学職員兼業規程(平成16年海大達第104号)の定めるところにより許可を受けた場合はこの限りでない

(懲戒)
第43条 大学は,職員が次の各号の一に該当する場合には,懲戒することができる。
(1) この規則又は法令に違反した場合
(2) 職務上の義務に違反し,又は職務を怠った場合
(3) 職員としてふさわしくない非行のあった場合
2 前項に定めるもののほか,必要な手続きに関しては,国立大学法人北海道大学職員の懲戒の手続きに関する規程(平成16年海大達第99号)の定めるところによる。
(懲戒の種類)
第44条 懲戒の種類は,次の各号によるものとする。
(1) 戒告 始末書を提出させ事由を示して戒める。
(2) 減給 減給1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えず,総額において一給与支払期間における給与の10分の1以内において給与を減ずる。
(3) 出勤停止 1日以上10日以内を限度として出勤を停止し,その間の給与を支給しない。
(4) 停職 1箇月以上1年以内を限度として出勤を停止し,その間の給与を支給しない。
(5) 諭旨解雇 退職届の提出を勧告し,これに応じない場合は,懲戒解雇する。
(6) 懲戒解雇 予告期間を設けないで即時解雇する。この場合において所轄労働基準監督署長の認定を受けたときは,予告手当(平均賃金の30日分)を支給しない。

 27条は訓示規定に読めるので、処分の根拠にするには曖昧過ぎる。28条は、「職務の遂行」が条件だから、職務と関係なく個人的な活動をしていたものについては適用できない。29条も直接適用すると手続きが安定しないのではないか。信用を傷つけたか、不名誉かどうか、については、必ずグレーゾーンがある上に、その程度と処分の内容のバランスも問題になる。33条は、職務と関係のない個人的な活動には適用できない。適用できるとしたら34条で、兼業の届け出をせずに利益を得た、といったことを立証することになるのだろうか。
 カルトに荷担することを容認すべきではないと思うが、大学の規則適用のやり方によっては、逆にまずいことにならないかが心配である。
 私が何にひっかかっているかというと、極めてよろしくない結果を発生させたケースだという理由で、結論さえ合っていれば良いという考えのもとに無理な形で規則を適用して懲戒に持って行くと、後々副作用があるだろうということである。形式的な委員会を作って手続きを踏めば、気に入らない奴を解雇できる道を造ってしまう可能性があるということが気に掛かっている。誰でも証拠を確認できて、ブレのない条文の適用ができていれば問題無いのだけど。

 現に、私は2008年の夏前から、所属する学科ぐるみでハラスメントの加害者にでっち上げられる(でっち上げに使われた証拠書類一式は手元に押さえてある)という経験をすることになった。北大の准教授のケースで、内輪もめによる冤罪の可能性を一応は疑っておくのは、私の今置かれている立場からみればは当然である。
 私の立ち位置は反カルトで、例えばリンク総合法律事務所のカルト対策の活動にも全面的に賛同している。だから、追記のURLの反カルトの人達の主張に大体は同意するのだが、安易に大学による処分の道をつけると、私がやっている対悪徳商法系のニセ科学に対する批判の活動にも差し障ることがあるわけで、手放しで同意もできないところが微妙なんだよなぁ。

 霊感商法だけではなく、広く悪徳商法(インチキ健康食品の販売等も含む)の宣伝に肩書きを貸して荷担した「なんちゃって学者」には、消費者被害が発生した場合にどんどん賠償責任を負わせる方が、抑止力になると思う。もともと事実認定能力のない大学が頑張って調査するよりも、裁判所で決める方が話はすっきりするし、反論する側だって存分に攻撃防御ができるだろう。

 この件について考えていて、ふと思い出したのが公認会計士法とマルチ商法の関係だったり。公認会計士の場合は公認会計士法24条に業務制限があるので、公認会計士の立場のままでクライアントをマルチ商法に誘ったりしたら引っ掛かることになる。大学教員にはこれに該当するものが無いが、顧客=学生、と読み替えるなら、ハラスメント等とは無関係に、勧誘一般に関する業務制限が明文であっても良さそうに思う。ただ、顧客以外、つまり学外の一般の人を勧誘したというケースにまでは網をかけられない。

 関連文書の情報開示をかけて、何条をどう適用したか、調べておいた方がいいかもしれないなぁ……。

【追記】
 この件について調べている詳しいサイトがあった。五号館のつぶやきさんのところ経由で知った。
准教授に対する北海道大学の対応


ここからは旧ブログのコメントです。


by 酔うぞ at 2008-12-36 02:35:36
まだ、詳細が不明ですね。

東京新聞のニュースにはこのように出ています。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008123001000246.html

神世界勧誘で准教授を諭旨解雇 北大、自宅にサロン

2008年12月30日 16時20分

 「神世界」グループの霊感商法事件で、北海道大は30日、自宅をヒーリングサロンとして提供していたとして、電子科学研究所の竹市幸子准教授(44)を諭旨解雇の懲戒処分にすることを決めた。竹市准教授が31日から2週間以内に弁明しなければ、解雇処分が決定する。

 同大によると、竹市准教授は認知神経科学など脳科学が専門。同大助教授となった2004年3月以降、札幌市の自宅マンションをグループに提供したほか、利用者に勧誘行為をしていた。

 竹市准教授は大学側の聞き取りに「サロンの顧客だったが、勧誘はしていない」と説明したという。昨年7月、同大に匿名の情報提供があり、大学が調査を進めるとともに相談窓口を設置。学生の被害は確認できなかったという。

 逸見勝亮副学長は会見で「誠に遺憾で恥ずかしいことと思っている。学生や関係者におわびしたい」と謝罪した。
(共同)

つまり、学生の被害はう確認出来なかった。
となっていて、苦情が知ったとも報道されていません。

つまり、まだ分からない、ですね。


by apj at 2008-12-41 09:53:41
追加情報

 「5号館のつぶやき」さんのところにエントリーが出ました。
http://shinka3.exblog.jp/10468181/

 そこからリンクされている、問題の准教授の研究成果。

2007. 4 – 2008. 3

[論 文]

A. Otsuka, S. Kuriki, N. Murata, T. Hasegawa: Neuromagnetic responses to chords are modified by preceding musical scale. Neuroscience Research, 60(1): 50-55 (2008)..
M. Matsuda, T. Kataishi, and S. Kuriki: SQUID operation at a constant voltage. IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 17(2): 695-698 (2007).
S. Hirano, Y. Inada, H. Kuroyanagi, K. Shibata, E. Matsumoto, A. Saito, K. Aizawa, S. Ohshima, M. Matsuda, and S. Kuriki: SQUID nondestructive testing system with vibrating normal pick-up coil. IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 17(2): 788-791 (2007).
A. Toyomura, S. Koyama, T. Miyamoto, A. Terao, T. Omori, H. Murohashi, S. Kuriki: Neural correlates of auditory feedback control in human. Neuroscience, 146:499-503 (2007).
H. Takeichi, S. Koyama, A. Matani and A. Cichocki: Speech comprehension assessed by electroencephalo- graphy: a new method using m-sequence modulation. Neurosci. Res., 57(2): 314-318 (2007).
S. Kuriki, K. Ohta and S. Koyama: Persistent responsiveness of long-latency auditory cortical activities in response to repeated stimuli of musical timbre and vowel sounds. Cerebral Cortex, 2(8): 2725-2732 (2007).
K. Kamada, Y. Sawamura, F. Takeuchi, S. Kuriki, K. Kawai, A. Morita and T. Todo: Expressive and receptive language areas determined by a non-invasive reliable method co-utilizing fMRI and MEG. J. Neurosurgery, 60(2) : 296-306 (2007).
玉城 祐二,大塚 明香,栗城 眞也: 和音列の聴取に関わる内因性の要因による聴覚性脳磁界反応の変化. 生体医工学45(4): 307-312 (2008).
[研究会資料]

大上和哉,向舘健,栗城眞也,松田瑞史,平野悟,SY Yang,HE Horng,HC Yang: 交流帯磁率測定を用いた磁気ナノ粒子の検出. 電子情報通信学会技術研究報告, SCE 107(259): 1-6 (2007).
井上康之、小川昭利、荒井宏太、松本秀彦、豊巻敦人、竹市博臣、大森隆司、小山幸子、諸冨 隆、北崎充晃: 統計的識別による聴覚誘発電位の特徴分析. 電子情報通信学会技術研究報告, NC107(94): 43-48 (2007).
豊村 暁、小山幸子、宮本 環、寺尾 敦、大森隆司、室橋春光、栗城眞也: モーフィング加工音声を用いた自己、知人、他者音声に関する脳活動. 電子情報通信学会技術研究報告, NC107(98): 67-72 (2007).
玉城 祐二,大塚 明香,栗城 眞也: 和音列の聴取に関わる脳磁界反応. 電子情報通信学会技術研究報告, MBE2007-15: 1-4 (2007).
[国際会議・シンポジウム発表]

A. Toyomura, S. Koyama, T. Miyamoto, S. Kuriki: Neural correlates of audio-vocal feedback. 2007 Cognitive Neuroscience Society Meeting (New York, 2007-05).
H. Takeichi, S. Koyama, A. Cichocki: Frequency analysis of EGG responses to speech modulated by m-sequence. 2007 Cognitive Neuroscience Society Meeting (New York, 2007-05).
H. Takeichi, S. Koyama, A. Cichocki: Measuring Sentence Processing by Electroencephalography (EEG): New Technique Using M-Sequence Modulation. IEEE/ICME International Conference on Complex Medical Engineering-CME2007 (Beijing, 2007-05) (Invited).
A. Toyomura, S. Koyama, T. Miyamoto, A. Terao, T. Omori, S. Kuriki: Neural substrates for auditory feedback control of vocal pitch. International Brain Research Organization 2007 (Melbourne, 2007-07).
H. Takeichi, F. Takeuchi, A. Terao, Y. Toyosawa, S. Koyama: Brain Areas responsible for the intelligibility-dependent signal with 400 ms latency in the m-sequence EEG technique as identified with fMRI. International Brain Research Organization 2007 (Melbourne, 2007-07).
A. Otsuka, Y. Tamaki, S. Kuriki: Modulation of auditory evoked responses to chords unfolded in musical sequence. First Conference of International Society for the Advancement of Clinical Magnetoencephalography (ISACM 2007) (Matsushima, 2007-08)
S. Kuriki: Detection of magnetic nanoparticles by ac succeptometry, 2007 China-Japan Joint Meeting on Superconducting Electronics (CJMSE 2007) (Nanjing, 2007-10).
S. Kuriki, K. Ogami, T. Mukaidate, M. Matuda, S. Hirano, S. Y. Yang, H. E. Horng, H. C. Yang: Detection of magnetic nanoparticles with a normal coil coupled to a SQUID current-meter, East Asia Symposium on Superconductor Electronics (EASSE 2007) (New Delhi, 2007-11).
S. Koyama, A. Toyomura, T. Miyamoto, A. Terao, H. Murohashi, T. Omori, S. Kuriki: Cortical and sub-cortical activations associated with auditory feedback and feed-forward controls of vocal pitch modulation in human. The 37th annual meeting of the Society for Neuroscience (San Diego, 2007-11).
A. Gunji, S. Koyama, J.F. Houde, A. Toyomura, A. Senju, Y. Tojo, M. Kaga: The auditory feedback of vocalization in children with autistic disorders. The 37th annual meeting of the Society for Neuroscience (San Diego, 2007-11).
H. Takeichi, S. Koyama: A coherence analysis of EEG responses to spoken sentences with and without m-sequence modulation. The 37th annual meeting of the Society for Neuroscience (San Diego, 2007-11).
H. Takeichi, S. Koyama: Assessment of speech comprehension by a random probing technique. The 2nd International Symposium of Design of Artificial Environments. (Fukuoka, 2007-12) (Invited).
S. Koyama , H. Matumoto, K, Arai, A. Toyomaki, T. Morotomi, H. Takeichi: Auditory Event-related Potentials to Short Temporal Gaps: A developmental study. The 2nd International Symposium of Design of Artificial Environments. (Fukuoka, 2007-12) (Invited).
[国内学会・研究会発表]

大上和哉,向舘健,片石智之,松田瑞史,栗城眞也: 生体・バイオ計測用モバイルSQUIDの作製. 第54回応用物理学関係連合講演会, (相模原, 2007-03).
鷲尾大輔、栗城眞也: 聴覚誘発MEG応答の刺激依存性 ―刺激音の周期的構造による影響―. 第46回日本生体医工学会大会, (仙台, 2007-4/26).
大塚明香, 栗城眞也, 村田昇, 長谷川寿一: 先行音階にプライミングされた和音に対する脳磁界反応. 第21回日本生体磁気学会, (岡崎, 2007-6/21-23).
玉城 祐二,大塚 明香,栗城 眞也: 和音列の聴取に関わる脳磁界反応, MEとバイオサイバネティックス研究会, (札幌, 2007-06).
豊村 暁、小山幸子、大森隆司: 発声におけるフィードバック制御と自己音声知覚. ブレインネットワークコミュニケーション研究会, (東京, 2007-6).
豊村 暁、小山幸子、宮本 環、寺尾敦、栗城眞也: 自己音声に対する脳活動:fMRIによる検討. 第12回認知神経科学会学術集会 (福岡, 2007-7).
竹市博臣、竹内文也、寺尾 敦、豊澤悠子、小山幸子: M系列変調法を用いた談話理解評価に関係する脳領野のfMRIによる同定. 第12回認知神経科学会学術集会 (福岡, 2007-7).
荒井宏太、松本秀彦、豊巻敦人、小山幸子、竹市博臣、諸冨 隆: 純音連続呈示に挿入される短時間無音部の検出についての検討-小,中,高生におけるERPの発達変化-. 第25回 日本生理心理学会大会 (札幌, 2007.-7).
H. Takeichi, S. Koyama, C. Cichocki, BL. Foster, D. Liley: An EEG-coherence analysisof fMRI data on speech comprehension. 脳と心のメカニズム第7回夏のワークショップ「運動と行動」(札幌, 2007-8).
玉城 祐二,大塚 明香,栗城 眞也: 和音列の聴取に関わる内因性の要因による聴覚性脳磁界反応の変化. 生体医工学シンポジウム2007 (札幌, 2007-09/21).
鷲尾大輔、栗城眞也: 複合音の時間特性による聴覚誘発MEG応答の変化. 生体医工学シンポジウム2007 (札幌, 2007-9/21).
竹市博臣、寺尾敦、竹内文也、小山幸子、豊澤悠子、室橋春光: ランダムプローブ法による談話理解の客観的評価:fMRI研究. 第46回日本生体医工学会北海道支部大会 (札幌 2007-09).
H. Takeichi, S. Koyama, A. Cichocki: Correlation analysis of scalp EEG responses to spoken sentences modulated by M -sequence. 第30回日本神経科学大会 (東京 2007-09).
A. Toyomura, S. Koyama, T. Miyamoto, A. Terao, T. Omori, H. Murohashi, S. Kuriki: Neural Substrates involved in auditory feedback and feed-forword controls of pitch modulation. 第30回日本神経科学大会 (東京 2007-09).
A. Toyomaki, S. Koyama, Y. Toyosawa, F. Takeuchi, H. Takeichi, S. Kuriki S: Neural responses to gap embedded in continuous sound: simultaneous recording of MEG and EEG. 第30回日本神経科学大会 (東京 2007-09).
松本秀彦、諸冨 隆、豊巻敦人、小山幸子、竹市博臣: 連続音中の短い無音部に対する中枢聴覚処理の特徴:小・中・高生における発達変化. 日本心理学会第71回大会 (東京, 2007-09).
竹市博臣、小山(竹市)幸子、松本秀彦、諸冨 隆: Andrzej Chochocki 聴覚野におけるリアルタイム音声言語(談話)の処理の脳波を用いた検討:発達研究への適用. 日本心理学会第71回大会 (東京, 2007-09).
大上和哉,向舘健,栗城眞也,松田瑞史,平野悟,SY Yang,HE Horng,HC Yang: SQUIDを用いた磁気ナノ粒子の交流帯磁率測定. 第68回応用物理学会秋季学術講演会 (札幌, 2007-09).
松本秀彦、豊巻敦人、小山幸子、竹市博臣、諸冨隆: 音の持続呈示中の無音部に対する中枢聴覚処理の発達的特徴(2). 第37回日本臨床神経生理学会学術大会・第44回日本臨床神経生理学会技術講習会 (宇都宮, 2007-11).
向舘健,大上和哉,李シン,栗城眞也,松田瑞史,平野悟,SY Yang,HE Horng,HC Yang: バイオ計測のための交流帯磁率測定における検出コイルの検討. 第43回応用物理学会北海道支部学術講演会 (札幌, 2008-01).
竹市博臣、竹内文也、寺尾敦、小山幸子、室橋春光: m系列変調(劣化)音声に対するfMRI応答(2). 脳機能解析学分野第2回シンポジウム (札幌, 2008-1).
竹市博臣、小山幸子: リアルタイム音声言語(談話)処理の脳波を用いた検討:非線形解析. 脳と心のメカニズム第8回冬のワークショップ「Social Brain」(留寿, 2008-1).
向舘健,大上和哉,李シン,栗城眞也,松田瑞史,平野悟,SY Yang,HE Horng,HC Yang: 磁気ナノ粒子のブラウン緩和. 第55回応用物理学関係連合講演 (船橋, 2008-03).
竹市博臣、小山幸子、竹内文也、松本秀彦、諸冨隆: 言語理解に関する脳信号処理技術IIP2008. 日本機械学会情報・知能・精密機器部門講演会 (東京, 2008-3).


by apj at 2008-12-32 09:54:32
研究成果の続き

研究成果の続き

2008. 4 –

[論 文]

A. Otsuka, Y. Tamaki, S. Kuriki: Neuromagnetic responses in silence after musical chord sequences. NeuroReport, in press (Epub 2008).
A. Otsuka, S. Kuriki, N. Murata, T. Hasegawa: Neuromagnetic responses to chords are modified by preceding musical scale. Neuroscience Research, 60(1): 50-55 (2008).
K. Takeda, H. Mori, A. Yamaguchi, H. Ishimoto, T. Nakamura, S. Kuriki, T. Hozumi, S. Ohkoshi: High temperature superconductor micro-superconducting-quantuminterference-device magnetometer for magnetization measurement of a microscale magnet. Review of Scientific Instrument, 79: 033909-1-7 (2008).
鷲尾大輔,栗城眞也: 複合音の時間特性による聴覚誘発MEG応答の変化. 生体医工学, 46(1): 103-108 (2008).
竹市博臣, 寺尾敦, 竹内文也, 豊澤悠子, 小山幸子: M系列変調法を用いた談話理解評価に関係する脳領野のfMRIによる同定. 認知神経科学, 10(1): 99-108.
竹市博臣, 小山幸子, 松本秀彦, 諸冨 隆: ランダムプローブ法と談話理解の脳内機構. 臨床脳波, 50(9):524-530.
[国際会議・シンポジウム発表]

S. Koyama, A. Toyomura, T. Miyamoto, A. Terao, T. Omori, H. Murohashi, S. Kuriki: Neural activation to one's own, friend' and stranger's voice: an fMRI study. The 15th Annual Cognitive Neuroscience Society Meeting (San Francisco, 2008-4).
H. Takeichi, S. Koyama, B. Foster, D. Liley: Coherence analysis of EEG response to speech modulated by m-sequence. The 15th Annual Cognitive Neuroscience Society Meeting (San Francisco, 2008-4)
A. Toyomaki, S. Koyama, Y. Toyosawa, F. Takeuchi, H. Takeichi, S. Kuriki: Hemispheric difference in MEG responses to short temporal gaps. The 15th Annual Cognitive Neuroscience Society Meeting (San Francisco, 2008-4).
Y.Inoue, A. Ogawa, K. Arai, H. Matsumoto, A. Toyomaki, H. Takeichi, T. Omori, S. Koyama, T. Morotomi, M. Kitazaki: Feature Analysis of Event-related Brain Potentials by Statistical Classification: Application of Naive Bayes Method and Principal Component Analysis to Predicting Auditory Stimuli, 14th Annual Meeting of the Organization for Human Brain Mapping (Melbourne, 2008-06)
S. Koyama: Sound of silence: neural responses to short temporal gaps. Fechner Day 2008 (Toronto, 2008-8) (Invited)
H. Tanaka, K. Yokosawa, A. Otsuka, S. Kuriki: Effects of auditory attention on oscillatory activities around 10 Hz. International Conference on Biomagnetism 2008 (Biomag 2008) (Sapporo, 2008-8).
A. Otsuka, Y. Tamaki, K. Yokosawa, S. Kuriki: Attentional modulation of auditory neuromagnetic responses to musical chord sequences: an MEG study. The 16th International Conference on Biomagnetism. (Biomag 2008) (Sapporo, 2008-8).
S. Koyama, Y. Inoue, A. Toyomaki, Y.Toyosawa, A.Ogawa, F.Takeuchi, H.Takeichi, T. Omori, M. Kitazaki, S. Kuriki: Evoked magnetic responses to short temporal gaps between sounds. The 16th International Conference on Biomagnetism (Biomag 2008). (Sapporo, 2008-8).
F. Takeuchi, H.Takeichi, S. Koyama, A.Cichocli: A new technique for accessing verbal comprehension using magnetoencephalography. The 16th International Conference on Biomagnetism (Biomag 2008) (Sapporo, 2008-8).
S. Koyama: A new method for assessing verbal comprehension using amplitude modulated spoken sentences. The 16th International Conference on Biomagnetism Satellite Symposium (Sapporo, 2008-8).
小山幸子:  音声言語知覚機構の解明と英語教育法への展開 「脳科学と社会」領域シンポジウム 脳科学と教育:  平成16年度採択課題研究終了報告(東京, 2008.08)
S. Koyama, T.Hiroshige, A.Gunji, M.Kaga, A.Cichocki, H.Okada, T Omori: EEG responses associated with verbal comprehension in school age children: A new technique using m-sequence modulation. The 38th annual meeting of the Society for Neuroscience (Washington DC, USA, 2008-11).
T. Tamura, A. Gunji, S. Koyama, M. Kitazaki, H. Shigemasu, N. Matsuzaki, H.Takeichi: Speech-related rhythmic activities in the motor cortex. The 38th annual meeting of the Society for Neuroscience (Washington DC, USA, 2008-11).
[国内学会・研究会発表]

河本隆史, 桑野晃希, 栗城眞也: 色相の異なる視覚画像による自発性リズムの変調. 第23回日本生体磁気学会 (東京, 2008-6/12,13)
小山幸子, 豊巻敦人, 豊澤悠子, 竹内文也, 竹市博臣, 栗城眞也:  純音に挿入された無音部に対する誘発脳磁場. 第23回日本生体磁気学会 (東京, 2008-6/12,13)
軍司敦子, 小山幸子, 豊村 暁, 小川昭利, 千住 淳, 東條吉邦, 加我牧子:  小児の発話と聴覚フィードバック効果.  日本音響学会 音声研究会(札幌 2008-6/27)信学技報, vol. 108, SP2008-39, pp. 109-113.
荒井宏太, 松本秀彦, 諸冨 隆, 小山幸子, 竹市博臣, 豊巻敦人:  純音刺激のONSETとOFFSET刺激持続時間の種類数の減少がAEPへ及ぼす影響  第26回日本生理心理学会大会(沖縄, 2008-07/5,6)
S. Koyama, F. Takeuchi, H. Takeichi. A. Cichocki: MEG responses to speech sounds with m-sequence modulation. 第31回日本神経科学大会(東京, 2008-07/9-11)
H. Takeichi, S. Koyama: Volterra Series Analysis of Scalp EEG Responses to Spoken Sentences Modulated by M-Sequence. 第31回日本神経科学大会(東京, 2008-07/9-11)
T. Tamura, A. Gunji, M. Kitazaki, H. Shigemasu, N. Matsuzaki, K. Arai, H. Takeichi. S. Koyama: EEG rhythm changes associated with speech-related movements. 第31回日本神経科学大会(東京, 2008-07/9-11
河本隆史, 桑野晃希, 栗城眞也: 異なる色相の視覚画像による自発脳リズムの変調. 生体医工学シンポジウム2008 (大阪, 2008-9/19,20)
田中光, 横澤宏一, 大塚明香, 栗城眞也: 自発脳磁波における聴覚性注意効果の検討. 第23回日本生体磁気学会 (東京, 2008-6/12-13).
田中光, 横澤宏一, 大塚明香, 栗城眞也: 10Hz近傍の自発性脳磁波における聴覚性注意効果. 第46回日本生体医工学北海道支部大会 (札幌, 2008-10/4).
大塚明香, 関大輔, 横澤宏一, 栗城眞也: 刺激音の音圧と周波数成分の増加に対する聴覚性脳磁界反応: 第23回日本生体磁気学会 (東京, 2008-6/12-13).
大塚明香, 玉城祐二, 栗城眞也: 音楽的な和音進行列の聴取に伴う終止音の想起について: 脳磁界活動の計測. 第10回日本ヒト脳機能マッピング学会 (山形, 2008-6/6-7).
竹市博臣, 小山幸子, 寺尾 敦, 竹内文也, 豊澤悠子, 室橋春光: 変調劣化音声を用いた談話理解の神経機能のニューロイメージング. 日本音響学会2008年秋季研究発表会 (福岡, 2008-9/10-12)
荒井宏太, 松本秀彦, 諸冨 隆, 小山幸子, 竹市博臣: ONSET, OFFSET刺激によって惹起されるAEPsの発達的変化. 日本心理学会第72回大会(札幌, 2008-9/19-21)
竹市博臣, 寺尾 敦, 竹内文也, 小山幸子, 室橋春光: 劣化(m系列変調)音声に対するfMRI応答. 日本心理学会第72回大会(札幌, 2008-9/19-21


by 石田剛 at 2009-01-39 01:42:39
すごい横道ですが

こんな条項があるのですね。

> (信用失墜行為の禁止)
> 第29条 職員は,職務の内外を問わず,大学の信用を傷つけ,
> 又は職員全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

この条項の有無は大学によって違うのでしょうが、例えば森昭雄教授とか池田信夫教授とかの行為は、この禁止行為にあたらんものなのか、ちょっと興味があります。
まあ、条項があったとして適用するかどうかは、教授会とか理事会とかで決めるのでしょうが。


by apj at 2009-01-48 02:38:48
いっぺん試しておく必要がある条文

石田剛さん、

 この手の訓示規定はあちこちにあります。が、こんな曖昧な条文を根拠に誰かの処分を、などとやったら、非難合戦が始まって収拾がつかなくなるのが目に見えています。おそらく、大学に対する名誉毀損が裁判所で認められる、といったレベルになって、適用が検討されるのではないかと。

 多分、本人の主張がアレなだけでは適用はできないんじゃないでしょうか。大学や職員そのものを誹謗中傷すれば話は別でしょうけど。

 で、この手の規定ですが、うまくすると今年度中に試せるかもしれません。というのは、本文にもちらっと書きましたし、「提訴の方が教員にとって安全 」でも差し支えない範囲で触れましたが、現在、私は、職場の学科ぐるみでハラスメントの加害者としてでっち上げの告発をされ、まずは学内手続を使って闘っているところです(学内手続の方が証拠を集めやすいという面もありますし、情報開示もかけているところです)。いずれ、その時期が来たら、学外機関も使って、学科ぐるみの私に対する職場いじめとして告発することを考えています。もちろん、外部から見たら「何やってるの一体?」と思われることは承知の上です。
 さて、こうなった場合、本当に不名誉なことをしたのは、
1)告発に値するような実行行為を最初にやった教員達
2)後から、告発そのものを行った私
のどちらになるか、ということです。常識的に考えれば、1)でしょうけど、そこは、学科ぐるみのでっち上げを合議してまでやってくれる職場ですから、2)だと言い出しかねません。このあたりがどうなるかで、この手の訓示規定の適用を少しはテストできるのではないかと考えています。多分、大学当局の考えと学科の考えが食い違い、大学の方が世間の常識に沿った結論を出すだろう、と期待はしていますが。

 まあ、制度は使ってみてチェックする、というのが私のモットーなんですけどね。


by apj at 2009-01-37 02:48:37
まじレス

石田剛さん、

>森昭雄教授とか池田信夫教授とかの行為は、この禁止行為にあたらんものなのか

 もっぱら本人の名誉と信用だけが自動的に失墜するような場合は、禁止行為には該当しないかと:-P。


by 石田剛 at 2009-01-41 17:31:41
あいまいな条文を処分の根拠にはすべきでないですね

おっしゃるとおり、こんな曖昧な条文を処分の根拠にすると、えらく揉めそうだし、一度やってしまうと悪しき前例になってしまいそうですね。

> もっぱら本人の名誉と信用だけが自動的に失墜するような場合
まったくそうなんですけどねぇ。
けど、学問の自由とか、ふつう大学は教員の言動に干渉しないとか、実は大学と大学教員は民間企業とその従業員ほど密な関係でないとか、そういう事情に疎いと、つい大学の名誉と信用も失墜しているように見えてしまいます。


by apj at 2009-01-40 22:21:40
とはいえ、学内の勧誘は明白にまずいわけで

石田剛さん、

>けど、学問の自由とか、ふつう大学は教員の言動に干渉しないとか、実は大学と大学教員は民間企業とその従業員ほど密な関係でないとか、そういう事情に疎いと、つい大学の名誉と信用も失墜しているように見えてしまいます。

 多分、学内と学外を分けて考えないといけないんですよ。
 まず、学内で、カルトやらマルチやらの勧誘をするのは禁止すべきでしょう。「学問のメニュー」を期待して行ったら「有害で無関係な物」を売りつけられたというのと変わらないわけですから。
 学外の一般の方に対する勧誘については、大学がしゃしゃり出るのはおかしいですよね。大学教員の肩書きを利用、と言っても、権威を盲信する人に対しては所属を名乗っただけで効果が発生する場合もあります。「大企業の役員が」「会社社長が」やってる・言ってるから安心だろう、という判断だって世間にはあるわけで、教員だから、というのを特に区別する理由には乏しい。
 対学外については、エントリーでも書いたように、広告塔にも損害賠償責任を負わせるのが良いと思います。バイブル本は取り締まり可能だし、そういう本を出して悪徳商法に荷担したら出版社だって訴えられるわけで、広告塔に対しても同じことは可能なはずです。広告塔の実態をどう認定するかはケースバイケースでしょうけど、何回か裁判をやれば、どの程度で認定されるか判決の相場が決まってくると思います。