水素結合は変わりません

 長崎新聞の記事より。

ペットの歯周病を予防

 日本理工医学研究所(佐世保市、阿比留宏社長)は、犬や猫など動物の口臭と歯石予防に効果がある飲用水を家庭で生成できる機器「アニマルウォーター」(税込み1万9800円)を商品化し、4月8日から販売する。

 アニマルウォーターは、電気の力で水分子の水素結合を弱め、口臭や歯石の原因となる菌や汚れの吸着を促す仕組み。使い方は、水道水を入れたペットボトルをアクリル製の機器(高さ28センチ)に入れ、電源を入れるだけ。生成時間は約5時間、電気代は月1・5円(月4回生成の場合)。

 市内の中小企業29社でつくる同市異業種交流協会、佐世保高専、県外の動物病院などが開発支援。昨年9月に動物病院用の生成器を開発し、その後家庭向けを商品化。動物が生成水を継続して飲むと、1~2週間で口臭を軽減したり、約90日間で歯石を希薄化するなどの効果が実証されたという。

 同社は「飲用水を使った歯周病の治療・予防で、歯石除去時の動物の身体的リスクや飼い主の経済的負担を軽減できる」としている。販売目標は年間千台。問い合わせは同研究所(電0956・30・8121)。

 電気の力だろうが何だろうが、水分子の水素結合を弱めることも強めることもできません。水素結合の状態は、温度と圧力によって少し変わるだけです。温度と圧力を元に戻せば、水素結合も元に戻ります。同じ温度・圧力の水の水素結合はどれも同じです。
 もし、水の水素結合が弱くなったとしたら、不純物の効果を越えて、水の沸点も融点も下がります。この水が、他の水と同じように沸騰したり凍ったりしているなら、水素結合は元のままです。

 それにしても、こんな話をチェックできないどころか開発に荷担するって、佐世保高専大丈夫か。
 触れ込み通りの事が起きてるなら、密度最大の温度や、水の静的誘電率、3500cm-1付近の水素結合に由来する赤外吸収やラマン散乱のスペクトルなど、マクロな物性から分光学的データまで軒並み変わるはずですけどね。一体どんな測定法を投入したんだか。