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ホメオパシーに対する宣伝規制案

Posted on 7月 10th, 2010 in 倉庫 by apj

 医薬品でないものは効果効能を謳ってはいけない、という縛りがあるのに、まともな医療としての効果効能が期待できないもの(ホメオパシー)が、治療法として誤認されほうだいのまま宣伝が野放しというのはどう考えてもおかしい。本来なら、謳って構わない効果効能(つまりプラセボ分しか期待できない)を明記し、それ以外の効果効能を謳うことを禁止する、といった形で縛っておかないといけなかったはず。これは、ホメオパシー以外の代替医療でも同様。

 そもそも、「代替医療」という呼び方そのものが優良誤認だろう。現状の医療をまともに「代替」できないものが混じっていて、その部分の品質管理が抜けているのだから。

 ということで、こんなのはどうか。たたき台として作ってみた。

【ホメオパシーについての宣伝規制(案)】
(1)現在使用されている医薬品・治療法と誤認させるような宣伝は一切禁止する。
(2)効果がプラセボ効果のみであるということを明示しなければならず、かつこの宣伝のみが認められる。
(3)プラセボ効果とはどんなものであるかを一般人に分かりやすく説明しておかなければならない。

【許される宣伝の例(案)(ブラッシュアップ必要)】
 ホメオパシーの効果はいわゆるプラセボ効果のみで、現在使われている医薬品に期待されているような効果は一切ありません。
 プラセボ効果とは、実際には薬としての効果がないものを服用しても症状の改善が見られるという効果です。主に暗示の効果です。単なる「気のせい」も含みます。プラセボ効果は、レメディではない、ただのあめ玉や小麦粉を服用するだけでも生じます。
○こんな方にお薦めします
 副作用が怖いが、薬をのんだ気分に浸りたい方。
 病院で治療を受けているが、他に何かを飲むことで心の安定を得たい方。
 既に十分な検査と治療を病院で受けた結果、自覚症状があるのは「気のせい」だと言われてしまっている方。
 今日のように医学・医療が発展する前の時代に立ち戻って、自らの持つ免疫力を試したいという挑戦心溢れる方。
○注意事項
 ホメオパシーは各自のご判断でご利用ください。
 ただし、レメディには医薬品としての効果は全くありませんので、本当に医薬品を用いることが必要な病気にレメディを使用して医薬品を使った気分になっていると、手遅れになって重症化したり、最悪の場合は死に至ることがあります。病気が伝染性のものである場合は、ご家族や友人知人ひいては社会にまで感染を拡げてしまう結果になることがあります。他人への感染の危険のある疾病へのご利用は決してなさらないでください。

【許されない宣伝の例(案)(ブラッシュアップ必要)】
○医薬品あるいは治療法としての効果効能があると誤認させるもの
・△△に対する治療効果があります。
・△△に対する予防効果があります。
・△△の症状を軽減します。

 っつーか、厚生労働省はさっさと仕事しろ。

追記:ホメオパシー団体の自衛宣伝と混同されないための但し書き
 発想としては、特商法によるマルチ商法の規制と同じです。規制をきちんと守ったら儲けるのはほぼ不可能、という着地点を目指せばよいのではないかと。
 特商法があったってマルチは無くならないしネズミ講も出てくるんだけど、現状の野放しよりは、マルチ商法程度にホメオパシー(を含む代替医療)規制ができれば良いのではないかと。


ここからは旧ブログのコメントです。


by tty at 2010-07-32 10:18:32
すでに薬事法があるのですが。

レメディはいわゆる健康食品の扱いになるので、

○医薬品あるいは治療法としての効果効能があると誤認させるもの

は禁止されていると思います。他にも現行の法律で禁止されている一覧が
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/supply/jirei.html

にあります。
東京の業者なんで下記にある連絡先には通報しているのですが特商法と同じくある程度の被害がでないと動かないですね。

http://www.tokyo-eiken.go.jp/pharma/index-j.html


by apj at 2010-07-37 21:09:37
了解です

 ってことは、一部の健康グッズ並の、具体的な規制の文言を書いた通達でも出してもらって、そいつを流通させるといった方向でいくしかないですよね。


by mimon at 2010-07-01 05:41:01
確かに、

apjさん、
> 具体的な規制の文言を書いた通達でも出してもらって、
まだ出ていませんでしたっけ、と思い、厚生労働省のサイトを「ホメオパシー」で検索してみますと(こんな直リンは無理かな)、
http://kensaku.mhlw.go.jp/search?q=%83z%83%81%83I%83p%83V%81%5B&btnG=%8C%9F%8D%F5&site=mhlw_collection&client=mhlw_frontend_J&proxystylesheet=mhlw_frontend_J&output=xml_no_dtd&ie=sjis&oe=sjis
散発的な情報がチラホラあるだけです。
経済産業省は、特許の分類くらいしかないし、国センは、「たしかな目」の「海外TOPICS」に一件だけです。
消費者庁も公正取引委員会も、ヒットしませんでした。
“「 健康食品 」の安全性・有効性情報”にも、まともな情報が見当たりません。
私も、「さっさと仕事しろ。」というご意見に同意します。


by 技術開発者 at 2010-07-10 21:42:10
Re:ホメオパシーに対する宣伝規制案

こんにちは、皆さん。

>っつーか、厚生労働省はさっさと仕事しろ。
>私も、「さっさと仕事しろ。」というご意見に同意します。

あれっ、日本国民は「小さな政府こそが、我々が選ぶ道だ」と認識して、できる限り政府の許認可機能は廃止して、国民が自分の目で見極める事にしたんじゃないんですか?日本国民は世界に冠たる学識を有している国民だから、その国民が市場競争であらゆることを選択したら、全てがハッピーになると信じていたはずなんですけどね(笑)。


by うさぎ林檎 at 2010-07-58 22:59:58
Re:ホメオパシーに対する宣伝規制案

日本ホメオパシー振興会には
「法的環境とホメオパシー」
http://nihon-homeopathy.net/archives/seminar/legal.htm
があります。
弁護士さんとの対談形式で、こんくらいの知恵は働かせています(腹立たしいですが)。


by 技術開発者 at 2010-07-03 01:06:03
Re:ホメオパシーに対する宣伝規制案

こんにちは、うさぎ林檎さん。

>日本ホメオパシー振興会には
>「法的環境とホメオパシー」
>があります。

なんとも駄目駄目な対談ですね。基本姿勢が間違って居るんですね。弁護士の一般論も間違っては居ないんだけど、「あなたのような姿勢で聞く人に応える法律解釈は無い」くらいの回答が一番無難かな。実際、悪徳商法関連の掲示板で私に「問題にならない広告の仕方」を聞いた人が居たときに、私は「あなたに回答すべき法律解釈はない」と返したことがあります。

なんていうかな、「ギリギリを狙うものは必ず踏み越える」面があるんですね。だから、ギリギリを狙って質問する人には一般論すら本来回答すべきでは無いんです。なんていうか、「違法の線」を踏み越えたくないなら、ギリギリじゃあない安全マージンのある表現を探すしかないのね。

例えば一般論として「健康増進」は薬効の説明に成らないんだけど、特定の状況で病気の不安を抱える人に「健康増進」というと薬事法違反になる場合も想定はできるのね。なにせ、この種の違反が実際に民事裁判とか成る場合は、裁判官は「実態を勘案して判断する」ことになる訳で、どんな言葉で言おうと、裁判官が「この実態においては薬効を謳ったのし同じだ」と判断したら不法行為なんですね。

なんていうか、この対談の場合、一般論で話ながら、「こうやれば大丈夫なのか」にどんどん話が落ち着いている。まじめな弁護士なら、そういうギリギリを狙って聞きたがる人に応えるべき一般論というのは無いというべきなんですね。


by うさぎ林檎 at 2010-07-39 02:38:39
Re:ホメオパシーに対する宣伝規制案

こんにちは、技術開発者さん。

因みにこの小林郁夫弁護士は薬剤師出身で”医薬行政の現場にも深く精通”だそうですね。

一方ホメジャの”法律遵守”は
http://www.homoeopathy.co.jp/company/attention_1.html

ココから→
ホメオパシー製品をお取り扱い頂く方は、日本の法律を遵守してお取扱いくださ い。日本の法律では、ホメオパシーレメディーは食品、スパジリッククリームなどは化粧品、マザーチンクチャー、フラワーエッセンスは酒類に分類されます。それぞれ関連の法律を守ってお取り扱いください。 また、フラワーエッセンス、マザーチンクチャーは日本の法律では酒類とされており、販売には酒類小売免許が必要で法律に従った取扱いが必要です。
←ココまで

とあります。そして、チンクチャー(薬草酒というか雑草酒)の宣伝ですが
http://www.homoeopathy.gr.jp/cart/hj/index.php?m=search_category&out_html=search_hj&syo_categoryid=51

ココから→
■ HJチンクチャー アルファルファJ (小20ml)
アルファルファは成長の源となる葉酸をふんだんに含むハーブです。あなたの、そしてお子様の成長に必要な栄養成分がたっぷりと含まれています。お腹の中から、あなたのパワーをみなぎらせてくるマザーチンクチャーです。
【原材料】 アルファルファエキス
■アルコール分47% スピリッツ
※この商品はお酒です。未成年者の飲酒は法律で禁じられております。
←ココまで

と謂うものがあります。
「お子様の成長に必要な栄養成分」と謳いながら最後に「この商品はお酒です。未成年者の飲酒は法律で禁じられております」とあって、何がしたいのかさっぱり理解できません。


by tty at 2010-07-56 05:26:56
Re:ホメオパシーに対する宣伝規制案

うさぎ林檎さんこんにちは

>アルファルファは成長の源となる葉酸をふんだんに含むハーブです。あなたの、そしてお子様の成長に必要な栄養成分がたっぷりと含まれています。お腹の中から、あなたのパワーをみなぎらせてくるマザーチンクチャーです。

これって葉酸、子供、お腹というキーワードが入っているので妊婦向けなんでないでしょうか。飲むのは大人(妊婦)だから未成年は飲むなでもあっていると思います。ただ、法律的には違法じゃないでだろうけど、妊婦にアルコールを勧めるのもどうかと思う。


by modoki(Poisonous_Radio) at 2010-07-42 06:15:42
Re:ホメオパシーに対する宣伝規制案

薬事法違反で警察が動けると思うんですけどね。
起訴に持ち込めるか、裁判で勝てるかを重視しないでいいなら。
保健所はせいぜい注意するくらいが関の山でしょうし、保健所が動いているケースでは警察が(保健所指導の様子見or指導のせいで立件が困難になるからか?)動かないケースもあるので、ほんとうにどうにかした場合の通報先は警察がよろしいかと。
ただ、法改正で罰則強化などされない限りは、実際に健康被害が生じないかぎりは現状のように時々見せしめ的立件にとどまるんでしょう。
法改正で罰則が強化されると、警察としても立件時のポイント高くてウマーになると思うんですけどね。


by うさぎ林檎 at 2010-07-15 08:02:15
Re:ホメオパシーに対する宣伝規制案

ttyさん、こんばんは。

なるほど、そー謂うことでしたか。やっと謎が解けました、有り難うございます。

チンクチャーにはペット用とか大地浄化用もあります。
チンクチャーのほとんどがアルコール分40~60%のスピリッツ(多分焼酎)です。
それを妊婦や犬猫に?………やっぱり、どうだろう?
大地浄化用は地鎮祭向けのようです、抜け目なく商売しています。


by mimon at 2010-07-03 12:38:03
アルファルファ

うさぎ林檎さん、
ツッコミどこが違うのでしょうが、アルファルファは、ハーブではなく、牧草ですよ。和名(正式ではありませんが)をセイヨウウマゴヤシといいまして、マメ科の植物ですから、栄養豊富で、その名の通りウマを肥らせるのに適しています。なぜか、ウシは嫌いだそうです。ウサギは、どうなのか、知りません。
茎や葉は、たぶん、ヒトにも無毒でしょうけれども、野生のマメ科植物の種子は、多かれ少なかれ有毒なことがほとんどですから、混入を避ける注意が必要です。
50前後の度数のスピリッツですと、私は、つい軽くステムして、味見した上で、新たなカクテルのベースにならないか、考えたくなる性分なのですが、値段がねぇ、・・・、もう二桁安ければ、考えてみなくもありません。
ヨモギやオーツムギがうまいわけは無いし、キク科も青臭そうだし、Valeriana tripteris (スイカズラ科)あたり、案外いけるかも。いくらなんでも、カノコソウ属の根を入れるような、無茶は、していないと思いたいです。


by tty at 2010-07-51 18:26:51
いちおうハーブとして認められてるかも

mimonさんこんにちは

健康食品の安全性・有効性情報によれば
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail486.html
全米ハーブ製品協会によって安全に摂取できるハーブとして認定されているようなので、ハーブとしてもよいのかも。

ただ、安全性には・「植物性エストロゲンを含有するため、妊娠中・授乳中は過剰摂取を避けるべきである。」と書いてあるのがすごく気になります。