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手かざしもキタ

Posted on 7月 15th, 2010 in 倉庫 by apj

 RKB LOCAL NEWSの記事より。

「2人交代で一日中“手かざし”」 07/12 19:56

信仰する宗教の教えから病気で衰弱した7か月の息子に手かざし療法を続け、死亡させたとされる夫婦の初公判が開かれました。

検察側は「危険な状態だと知りながら、2人が交替で、1日中、手かざしをしていた」と主張しました。

きょう初公判を迎えた福岡市の宗教法人・「新健康協会」の職員、高月秀雄被告と妻の邦子被告。

去年10月、生後7か月の長男がアトピー性皮膚炎などの悪化で衰弱していたにも関わらず、必要な治療を受けさせずに死亡させたとされています。

警察は2人を殺人容疑で逮捕しましたが、福岡地検は、殺人罪の成立は立証できないとして保護責任者遺棄致死の罪で起訴しました。

きょうの初公判で夫婦2人は、いずれも間違いありませんと述べて、起訴内容を認めました。

その後、妻の邦子被告は、ハンカチで涙をぬぐいながら、検察側の冒頭陳述を静かに聞いてていました。

検察側は犯行当時の状況について、「生後7か月の長男の体重は、平均の半分ほどの4,300グラムだった。(中略)医療行為を受けさせなければならない危険な状態だと分かっていたが、2人は交替で1日中手かざしを続けていた」

2人が勤務していた「新健康協会」には、「病気になっても『浄霊』と呼ばれる手かざしをすれば治る」という教えがあります。

検察側はこの浄霊について「教義では、医師の医療を可能な限り回避し…とあり、医療行為を受けるかどうかはあくまで信者の判断である。適切な治療を受けさせていれば救命は十分に可能だった」と主張しました。

一方、弁護側は、起訴内容は争いはないとしながらも、「浄霊という手かざしで病気が治癒したと信じことができる経験があったことなどから、教えを信仰していた。今では、手かざしで病気が治るというのが誤っていることを認識している」と述べて、情状酌量を求めました。

 これも講義の材料のためにメモしておく。ニセ科学というよりはむしろカルトなんだが。


ここからは旧ブログのコメントです。


by 我楽者 at 2010-07-29 07:09:29
やっと公判ですか

どうもご無沙汰しております。
事件9ヵ月後に初公判と言うのは遅い様な気もしますが、刑事裁判としては普通なのですかねぇ。
カルトにせよニセ科学にせよ、盲信してしまうと救われませんね。
この事件の被告には同情しなくも無いですが。本当に「信じていた」のでしょうから。

所でホメオパシーに関して、新たな問題が提起されています。

【緊急】再びホメオパシーで幼い命が失われようとしています
http://ameblo.jp/aestheticsurgeon/entry-10591301825.html

関係者が当人を割り出して直ちに医療継続(服薬)しないと危険であると、ブログ主の医師が危惧しています。
間に合えばいいのですが・・・。


by mimon at 2010-07-38 12:41:38
教唆か幇助だと思います。

緊急事態のようですから、先に、我楽者さん、
そのテーマは、kikulogにも、upされています。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1279202131

本題では、ご両親は「善意」なのですから、刑法上の責任は過失致死しか問えないはずですけれども、
そこをあえて、保護責任者遺棄致死で起訴したのは、
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html#1002000000030000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
遺棄等致死傷なら、教唆やほう助の責任が問えるからだと思います。
考えようによっては、被害者ともいえるご両親よりも、「新健康協会」のほうが罪深いと、検察が判断したのではないでしょうか。


by 我楽者 at 2010-07-04 14:48:04
愛知の件解決済み

先のコメントに記したホメオパシーの件、解決済みですね。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1279202131

>minonさん
ありがとうございます。

>遺棄等致死傷なら、教唆やほう助の責任が問えるからだと思います。
新健康協会には、心情としては責任を取ってもらいたいものですが、法的判断としてはどうなのでしょうね。


by mimon at 2010-07-38 05:50:38
執行猶予がついたそうです

読売新聞に一審の判決が載っていました。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20100717-OYS1T00247.htm
> 事件の背景には「医療を受けないよう奨励する協会での、閉鎖的な生活があった」と説明。
さすがに、教唆は、考えすぎだったようです。