HP prime graphing calculatorを買って不具合にみまわれる

 久し振りに関数電卓を買った。TI Nspire CX CASを買おうかと思っていたのだが、HP電卓を調べていたら良さそうなグラフ電卓が出ていたので購入。カラー画面がタッチスクリーンになっていて、RPNにするかどうかの切り替えができる。もちろんRPNにして使い始めた。
 付録のCD-Rには、Windowsで動く実機のエミュレータと、PCで作ったプログラムを実機に入れたりするための接続キットと簡易マニュアルが入っていた。本格的なユーザーズガイドはpdfファイルをHPのサイトから勝手にダウンロードせよ、ということで、付録CD-Rには入っていなかった。このへん、ユーザーの自助努力を期待する放任な方針が全開で、どうせマニアしか買わないだろうと思われている節があるような……。
 ところが、CAS(ビルトインの数式処理機能)で、2次方程式の解を求めたり、簡単な定積分をしようとするとエラーになって実行できない。ユーザーズガイドの例を順番に実行していて発覚した。マニュアルによると、関数電卓についてはRPNとtextbookとalgebraicを選べるが、CASとビルトインのアプリでの式入力はtextbookとalgebraicのどちらかだと書いてある。入力方式がまずいのかと思って、関数電卓機能の入力をtextbookやalgebraicに変えてみてもやっぱり計算されなかったりエラーが出たりする。リセットスイッチを押してみても状況は変わらない。
 私が何か間違えているのかと思って、エミュレーターで同じことをしてみたら、期待した通りに動いた。
 これはサポート対象だろう、ということでコールセンターに電話をしようとしたら、サポート業務は中国の会社に委託されていて、電話番号が国際フリーダイヤルだった。そのままでは電話できないので、まずは0057でKDDIにつないでオペレータを呼び出して、携帯電話から国際通話可能になるように設定してもらった。その後サポートに電話をして状況を伝えた。米国本社に連絡をするそうで、少し時間がかかるとのことだった。

 なお、この電卓、RPN入力を選んだままだと、ビルトインアプリのPlotなどで数式を入力するとエラーが出る。じゃあ数式をRPNで入力できるかというとそれもできない。全体の入力方式をtextbookかalgebraicにしてからでないと、ビルトインアプリが使えないということらしい。この切り替えは面倒である。CASや数式そのものの入力までRPNに対応しろというつもりはないので、関数電卓で選んだ入力方式の影響を受けないような仕様にしておいてほしかった。なお、こちらも、エミュレーターでは関数電卓をRPNモードにしておいたままでも、アプリを選んでRPNでない方式で数式を入力してもエラーにならない。しかも、入力時に’’(シングルクォート)が出てそこに入力する表示になる。どうもエミュレータの方が期待通りに動いてかつスマートな気がする。実機のアップデートあるいは早急な改善をしてほしい。

 Appleの最初の製品は人柱覚悟で、と言う話はあるけど、HPの関数電卓を使うのに人柱になる覚悟がいるとは思わなかったし。

 RPN入力モードのままでビルトインアプリで数式を入力する件。エミュレータで入力しようとすると、最初から、’’(シングルクォート)が出てそこに入力する表示になっているため、もしやと思って、実機の方で、
入力方式をRPNにする。
Appsキーを押してFunctionを選ぶ。
Editをタッチ。
Shift+Varsを押してCharsを出す。
一番上の行のシングルクォートをタッチしてOKをタッチ。
Enter Functionのところにシングルクォートが出るので、その間に通常の順序で数式を入力。
をしてみたところ、正常動作した。グラフも狙い通りに描ける。ただ、一手間以上面倒。