いやいや意味通るでしょそれ

算数のカッコってなんでついてるの?小学校で習う「先に計算する」の意味はうそ!を読んでたら途中でえらい違和感が。

問題::1本50円の鉛筆があります。
    5本で1束になったものが、3束あります。
    鉛筆は全部でいくらになるでしょう。

解答①::50(円)× 5(本)=250(円)
     250(円)× 3(束)=750(円)
      答え 750円
    

解答②::5(本)×3(束)=15(本)
     50(円)× 15(本)= 750(円)
      答え 750円

この二つの解答はどちらも正解です。

*ただし、この解答②で15(本)×50(円)=750(円)
 という式にすると「15本が50円分ある」という考え方になって
 意味が通らないので、間違えになります。*

まずもって、()の中に単位をこう書かれてしまうと、どうも引っかかります。「1本50円の鉛筆があります。」を単位(?)付きで書くなら「50(円/本)」と書くしかないですし、「5本で1束」だと「5(本/束)」と書くしかないだろうと。

そうすると、①と②でそれぞれ単位のところを(円/本)や(本/束)に書き直せばつじつまは合います。あからさまに書くと

解答① 50(円/本)×5(本/束)=250(円/束)
    250(円/束)×3(束)=750(円)

解答② 5(本/束)×3(束)=15(本)
    50(円/本)× 15(本)= 750(円)

でもって、間違えです、って言われちゃったやつは、

解答③ 5(本/束)×3(束)=15(本)
    15(本)×50(円/本)=750(円)

だから意味も通るし間違ってもいないのではないかと。

何かこれ、最初の単位を(円)(本)(束)って書いたから、その後の日本語に引きずられて、順番変えると意味が通らないって話になっちゃってるような。

【追記】
 ツイッターで呟いたら、足し算の時に右辺と左辺で単位合わないじゃないの、という指摘が。
 じゃあ簡単な例で、「1本50円の鉛筆があります。もう1本持って来ました。合計はいくら?」を足し算で書くことを考えます。1本50円の鉛筆は「50(円/本)」と書くことにします。最初に1本あったので、50(円/本)×1(本)、次にもう1本持って来た分が50(円/本)×1(本)となります。足すと、

50(円/本)×1(本)+50(円/本)×1(本)=50(円)+50(円)=100(円)

 つまり、足すために本数を特定しないといけないわけですが、本数を特定した時点で暗黙の単位換算(次元付きの量で1倍する)をやっちゃってるんじゃないかってことです。しかし1倍は普通は書かないし、勉強する順番は足し算が先でかけ算が後で割り算はもっと後だから(円/本)などとは、かけ算までしか知らない人に書かせるわけにはいかない。そこで、このへんの単位の表記と換算を含めて曖昧な日本語で処理しようとすると、日本語文法に引っ張られて、順番変えたら意味が通らないなどという話が出てくるんじゃないかなと。

記事のタイトルに違和感

朝日新聞デジタルの記事より。

福岡教育大教授が論文盗用 学生の卒論も「自分に権利」
2015年11月6日10時53分

 福岡教育大学(福岡県宗像市)は5日、教育学部の50代男性教授が執筆したスポーツに関する五つの論文に盗用があった、と発表した。処分は検討中という。

 大学側によると、告発を受けた日本学術振興会から昨年5月に連絡を受けて調査し、指摘された3論文で盗用を認定。さらに2論文で盗用を認定した。教授は参考にした論文や文献を挙げていたが、引用と自分の論考を区別せず、記述が似ていることなどから盗用と認定。このうち三つの盗用は悪質性が高いとした。

 指導した学生2人の卒業論文からの盗用も認定されたが、教授は、資料やアイデアを示したので権利は自分にある、などと説明。五つの論文について「盗用したつもりはない」と話しているという。記者会見で桜井孝俊副学長は「倫理観の欠如に尽きる。慚愧(ざんき)に堪えない」と語った。
 大学側は、教授による大学院生らへの研究指導を停止しており、担当授業についても近く判断する。

 これ、発表済みの他の研究グループの論文盗用は疑いなくアカンけど、学生の卒論から盗用、と言われたらちょっと理解しがたい面がある。
 というか、指導する側からすると、学生の卒論について「自分に権利」と言いたくなるのはもの凄くよく分かる。つか、私も4年生の卒論についてホンネを訊かれればそう答えるかも。

 普通は学生の卒論の第一稿なんて論文の体をなしてないしまったく使い物にならない。それを、赤入れまくりコメントしまくりで何回も直させて完成させる。学生の元の文章の原型なんかとどめてないのもわりと普通。こんなことをしていると章立てから文章の構成から議論の運びまで、ほぼ教員が普段やってるのと似てきちゃったりして、こうなるとこれ一体誰の文章?って思うことも普通にある。自分がこれまで知らなくて新たにわかったことを他人にきちんと伝える、という訓練を、論文というフォーマットにそってできるようにするにはさしあたりこうするしかない。自力でコメントに対応して最後まで仕上げるのも訓練のうちだし、卒業するのは学生本人だから学生の単著として出す。学生には、「4年で卒業しても、企業のどこかで仕事をしてまた移動で別のところに行く場合、記録を残せていなかったら、引き継ぎができなくてロスが生じるよね。そうしたら次から、そういう人は記録を残すのが必要な仕事にはつかせられないということになるよね。だから今きちんと訓練受けてよね」って言っている。
 研究テーマにしても、学生に自分で決めさせたら大多数の学生は卒業できない。何がテーマになるかというのは、その分野の論文をいろいろ調べて穴があるのを見つける&その穴の解決(一部だけでもいい)が1年で終わる、という判断をしないとできない。しかし大抵の学生はそこまで論文を読んで下調べはしていないし、その機会もない。分野を絞って掘り下げる経験をするのは4年生になってからで、3年生まではその分野共通の体系だったカリキュラムを学習することになっているからだ。だから、教員が1年でまとめられそうなテーマをあらかじめ計画し、実際の実験操作は学生がやるけど、やり方とか途中のトラブルシュートとか逐一教員がチェックして指示を出す。学生が自分で解決できそうならヒントをあたえて自力解決してもらう。これはある程度仕方が無い。研究室によって、使える装置に限りがあるし、これまでの研究の流れや得意技もあるので、何でもできるというわけではない。そういう限界も踏まえて研究テーマを見つけるところから勝手にやって、何をどうするかを軽く相談しただけでそれなりの形にこぎつけられる学生は、まれに見る超優秀な人だけだろう。
 つまり文章製作と中身の両方において、実態としては共著どころか9対1以上で教員の作品になってる場合すらあるのが卒業論文ということになる。この割合は、学生のアイデアとか優秀さによって変動する。学生に向かっては「あなたの仕事だよ」と言うし、外に向かってもそう言うのだけど、実際に学生が自力解決した部分もいろいろ含まれているから嘘をついてるわけではない。
 「資料やアイデアを示したので権利は自分にある」ってのを、徒弟制度だとか古いとか言ってる人も居るようだけど、実態としてこれだけの手間をかけてずっと一緒にやっているわけで、これを徒弟制度だといって否定するなら、制度としての卒研を止めてそれに伴って卒業論文を書くという訓練もやめろという話にしかならない。まあ、研究は大学院から、という考え方もあるにはあるんだけど、卒研を経験してない大学院生が入ってくるとなると、今度は大学院が大変なことになりそうではある。
 だから、この記事を見て、

数年に一人居ればいい方の希に優秀な学生だったのか(だったら発表論文の方を共著にしろよ)

あるいは、

あまりにも指導しなくて、もしかして学生が卒論代行業者とかに金払って頼んだのをぱくってクレームつけられて発覚とか?

あるいは、

学生のできが悪くてあまりにも手取り足取りしすぎて実態は教員の論文だったのを学生が勘違い?(実は卒業の方がお情けだった?)

と、穿った見方をしたくなる。

 まあ、とことん修正しても、全面書き直しでない以上、自分の文章とはいろいろ違う部分があるので、修正で到達するところまでだと使うにはちょっと……という現実もあったりだから、普通はそのまま使ったりはしないだろうけど。

検出器をできるだけ持ち歩こうとした結果w

 郡山の、放射線計測勉強会part3に参加。
 3週間ほど前に、@namururuさんのところのpolimaster祭り(セール)があって、放射線測定器が格安で手に入ったので、参加する気になった。前日の郡山ツアーも行くつもりで、多分あちこち回って測ったりするんだろうと思い、買った測定器をどうやってフィールドで測りやすいように持ち運ぶかを考えた。
 すぐ取り出せるということなら、ウエストポーチや、フィッシングベストをつかうなど、ポケットを増設するのがよさそうだ。ところが、PM1401GNBは細長いが分厚く、普通のベストのポケットに入れたのではふたが出来ず落とす可能性がある。また、ずっしり重いので、薄くて軽い布のベストだと重量で振られて検出器をぶつける可能性がある。
 サバゲー用のタクティカルベスト(たとえばこんなやつ)も考えたのだが、マガジンはそんなに長くない上薄く、ポーチもそれに合わせて作ってあるから、PM1401GNBは入らない。じゃあポケットの大きいこれはどうだろう、と思ったのだが、ライフジャケットだったorz。で、いろいろ探した結果、PM1401GNBの入りそうなポケットを備えたベストを発見し、念のためショップにポケットのサイズを問い合わせたところ、あつらえたようにぴったり。即購入決定。
 残念なことに、オプションツアーの日は都内の別イベントとぶつかったので参加できなかったのだけど……。

 そんなわけで、ガイガー持ち歩きスタイルがこんなことになった。(会場で撮られた写真を使ってます)

Pic

 このベスト、かなりしっかりした作りなのでゴツいかわりに、PM1401GNBを入れても全く不安はない。取り出しも便利だし言う事はないが、見かけはかなりアレかも(汗)。

 USAサイズなので、ベルト類を一番短くした状態でもまだ余裕がある。まだ空いているポケットがあるので、道具の追加は可能。肩のベルトに厚みがあるので、デイパックを背負うと、ベストのベルトの外側にリュックのベルトが来る感じ。これで長時間歩くと荷重のかかりかたがまずくて疲れやすいんじゃないかとちょっと不安。

 かつて、地形学を受講して巡検にも行ったことがあるのだが、このベスト、フィールドワークにぴったりかも。クリノメーター、地形図、野帳、筆記用具は問題無く収納できて、歩きながらいつでも取り出せる。ハンマーを吊せば巡検の準備完了となりそう。実習やってた時に欲しかったなあ。

一応解決:HP prime

 HP prime graphing calculatorの続き。
 買った後、アップデートはしたのだが、それでも、HPのウェブサイトでダウンロードしたUser Guide Phase 2のCASの例が動かないという現象に見舞われて、サポートに電話をしたのだった。
 昨日、http://www.hpmuseum.org/forum/thread-1463.html という議論を見つけ、もしやと思って、再度ファームウェアアップデートをかけてみた。アップデート後、確認すると、
Application version 20140331 v6030
Operating system version V0.032.6030
となっていた。最初に行った5月のアップデートでも、既に20140331版は出ていたわけだから、これになったと思っていたのだけど、私がHP Connectivity Kitに不慣れでどこを見ればいいかわからなかったので確認できていなかった。
 とりあえずこれで、ユーザーガイドにあるCASの例は正常動作するようになった。他にもいろいろ改善されているらしい(すぐには確認できないが)。

 ということで、買ってアップデートはしたけどイマイチ、という人は、もう一度アップデートのやり直しをしてみるのも一つの手ではないかと。

HP prime graphing calculator のCAS機能

 とりあえずMacのparallels desktopにWindows7を入れ、HP Connectivity Kitをインストールして、HP prime graphing calculator のファームウェアアップデートを行った。
 この結果、Apps→Functionsと選んで、関数を入力するところでは、最初からシングルクォーテーションで囲った中に入力するようになって、関数電卓の方はRPNのままでも、textbook方式で入力すれば式が入るようになった。しかし、CAS機能で方程式の解が出なかったり、定積分ができなかったりする状態は改善しない。
 これも、ひょっとして、と思って
proot(‘2*x2+3*x-2′)
のように式をシングルクォートで囲ったところ、解が[-2 .5]のように正常に表示された。
 定積分は、
int(‘5*x2-6′,’x’,1,3)
のように、積分すべき式とパラメータの名前の両方をシングルクォートで囲ったところ、94/3、と解が正しく表示された。

 しかし、これらのシングルクォートは、毎回Shift Varsとキーを押して画面上で選ばなければならず、大変に面倒である。

 情報交換している海外フォーラムを見た方が良さそう。

関数電卓の試練

 HP primeと使い比べてみようとして、Texas Instruments Nspire CX CAS をamazonで頼んだ。この商品はHP primeのような使い勝手の問題は報告されていないかわりに、「正しい商品がなかなか送られてこない」という問題がある(amazonのレビュー)。
 本日届いたので引き取って開封したら、案の定、CAS機能のないTexas Instruments Nspire CXが届いていた。早速サポートに連絡して返品&返金の手続きをとると同時に、別のショップで同じ品を注文した。

 次回は正しい商品を受け取ることができるのだろうか。

HP prime graphing calculatorを買って不具合にみまわれる

 久し振りに関数電卓を買った。TI Nspire CX CASを買おうかと思っていたのだが、HP電卓を調べていたら良さそうなグラフ電卓が出ていたので購入。カラー画面がタッチスクリーンになっていて、RPNにするかどうかの切り替えができる。もちろんRPNにして使い始めた。
 付録のCD-Rには、Windowsで動く実機のエミュレータと、PCで作ったプログラムを実機に入れたりするための接続キットと簡易マニュアルが入っていた。本格的なユーザーズガイドはpdfファイルをHPのサイトから勝手にダウンロードせよ、ということで、付録CD-Rには入っていなかった。このへん、ユーザーの自助努力を期待する放任な方針が全開で、どうせマニアしか買わないだろうと思われている節があるような……。
 ところが、CAS(ビルトインの数式処理機能)で、2次方程式の解を求めたり、簡単な定積分をしようとするとエラーになって実行できない。ユーザーズガイドの例を順番に実行していて発覚した。マニュアルによると、関数電卓についてはRPNとtextbookとalgebraicを選べるが、CASとビルトインのアプリでの式入力はtextbookとalgebraicのどちらかだと書いてある。入力方式がまずいのかと思って、関数電卓機能の入力をtextbookやalgebraicに変えてみてもやっぱり計算されなかったりエラーが出たりする。リセットスイッチを押してみても状況は変わらない。
 私が何か間違えているのかと思って、エミュレーターで同じことをしてみたら、期待した通りに動いた。
 これはサポート対象だろう、ということでコールセンターに電話をしようとしたら、サポート業務は中国の会社に委託されていて、電話番号が国際フリーダイヤルだった。そのままでは電話できないので、まずは0057でKDDIにつないでオペレータを呼び出して、携帯電話から国際通話可能になるように設定してもらった。その後サポートに電話をして状況を伝えた。米国本社に連絡をするそうで、少し時間がかかるとのことだった。

 なお、この電卓、RPN入力を選んだままだと、ビルトインアプリのPlotなどで数式を入力するとエラーが出る。じゃあ数式をRPNで入力できるかというとそれもできない。全体の入力方式をtextbookかalgebraicにしてからでないと、ビルトインアプリが使えないということらしい。この切り替えは面倒である。CASや数式そのものの入力までRPNに対応しろというつもりはないので、関数電卓で選んだ入力方式の影響を受けないような仕様にしておいてほしかった。なお、こちらも、エミュレーターでは関数電卓をRPNモードにしておいたままでも、アプリを選んでRPNでない方式で数式を入力してもエラーにならない。しかも、入力時に’’(シングルクォート)が出てそこに入力する表示になる。どうもエミュレータの方が期待通りに動いてかつスマートな気がする。実機のアップデートあるいは早急な改善をしてほしい。

 Appleの最初の製品は人柱覚悟で、と言う話はあるけど、HPの関数電卓を使うのに人柱になる覚悟がいるとは思わなかったし。

 RPN入力モードのままでビルトインアプリで数式を入力する件。エミュレータで入力しようとすると、最初から、’’(シングルクォート)が出てそこに入力する表示になっているため、もしやと思って、実機の方で、
入力方式をRPNにする。
Appsキーを押してFunctionを選ぶ。
Editをタッチ。
Shift+Varsを押してCharsを出す。
一番上の行のシングルクォートをタッチしてOKをタッチ。
Enter Functionのところにシングルクォートが出るので、その間に通常の順序で数式を入力。
をしてみたところ、正常動作した。グラフも狙い通りに描ける。ただ、一手間以上面倒。

大学で学ぶのに必要な能力の具体例

 ○○力、といった曖昧な表現だと、入試ごときで全人格的評価するような印象になってしまうのだけど、実際のところ必要なのはこの程度だという話。

○「コミュニケーション能力」
 わからないところをきちんと言葉で説明して質問できる能力。
 グループで学生実験する時にメンバーと意思疎通できる能力。
 社交的とか友達を沢山作るといったことは個人の趣味の問題なのでどうでもいい。
○「道徳観および誠実さ」
 試験でカンニングしない。
 レポートなどで、他人の書いたものを丸写ししない(ネットのものも友達のものも)。
 データ捏造や改竄をしない。
 実験器具を壊したら迅速に正直に報告。
 その辺に置いてある自転車を借りパクするとか、犯罪にあたることをするのは論外。
○「知識および創造力」
 大学の講義についていける学力。入試で相当なところまで測れる。
 創造力は必ずしも全員に求められるものではないし測るのも無理だろう。自分からいろいろ考えたり調べたりする態度は欲しいところ。
○「計画性および運営力」
 試験前の一夜漬に頼らないよう、毎日予習復習する。
 実験について事前の段取りが必要な場合は適切にこなせること。
○「回復力」
 何かトラブルがあったからといって引きこもらない。
 大学にはきちんと出てくること。
○「チームワーク」
 班組んで実験したり共同で1つの作業ができる。話し合って仕事の分担を行える。

牛乳☆たん@milktan2525による曖昧な削除要求

 本日、苦情電話があったので内容を伝えたい、という連絡があったので、学部長と理学部総務係のところに行った。
 それによると、
1.私のウェブサイトについて名前も名乗らず削除しろと電話してきた人が居る。
2.電話を受けた大学の人は名前を聞いたがその人物は名乗ることを拒否した。
3.削除を求めるページは、EM菌について書いたもの。
4.削除理由ははっきりしない。名誉毀損とは言っていたらしい。
直接、理学部の総務係の人から聞き出せたのはこれだけだった。
 その後、理学部の総務係の人が本部に連絡して、追加で判明したことは、
5.5月7日の記事で私が批判を書いた 牛乳☆たん@milktan2525 という人で氏名は不明。
6.削除してほしい記事は5月7日付けのもの
7.大学の研究者情報の記事からリンクをたどるとその記事にたどり着けることも問題にしているらしい。

 となっていて、削除理由ははっきりしないままであった。
 これまでにやってきた削除要求のなかで、今回のものが一番わけがわからない。

 問題の記事というのがhttp://www.cml-office.org:8080/official/wwatch/radioactive/comment-rad-06.htmlのことだとして、牛乳☆たん@milktan2525から反論してみろとツイッターで言われたからわざわざ反論を書いて公開したのに、反論を求めてきた張本人から削除を求められるというのは全く意味がわからない。
 クレームを受け付ける前提として、牛乳☆たん@milktan2525 ってどこの誰、ってことが問題になる。確かに他人の権利を侵害する内容を書いて公開した場合、削除を求められるのは当然あり得ることだが、その削除を求める権利を有するのは書かれた本人だけである。電話をかけてきた人物がツィッターの牛乳☆たん@milktan2525であることを、私はどうやって知ればいいのだろうか。しかも、電話に出たのが本部の広報担当の誰かで、それを理学部の総務係の人が聞いて、私に伝えるという伝言ゲーム状態で。
 次に削除理由。一応、名誉毀損というキーワードは登場した様子なのだけど、私が書いた文章が名誉毀損にあたるかどうか以前の問題として、一体誰の名誉の話なのか?という疑問がある。名誉毀損というのは人の社会的評価の変動が生じれば成立する。牛乳☆たん@milktan2525の中の人が誰であるかということが不明なままでは、牛乳☆たん@milktan2525のネット上での評価がどう変動しようが、中の人の社会的評価の変動には全く結びつかないので、名誉毀損自体が成立しないことになる。

 電話をかけてきた人が、そもそも削除を求めうる立場にある人物かどうか、理由として出て来た名誉毀損が成立するかどうかを確認しておく必要があるので、牛乳☆たん@milktan2525の中の人につながる情報を募集しています。どなたかご存知の方はぜひお教え下さい。

 今回のクレームについては、
1.牛乳☆たん@milktan2525 がどこのだれであるかが特定できること。及び、私が反論を公開した2014/5/7の時点で容易に特定可能であったことが示されること。
2.削除理由。名誉毀損を主張するならば該当する文言の特定がなされること。
3.1.および2.がわかる内容が文書で届くこと(形式は自由)。
が無い限り、このまま放置して対応はしません。

 なお、名誉毀損ということなら、こちらに書いたように私が言ってもいないことを言ったという内容をツィートした牛乳☆たん@milktan2525の方が既に一線を越えています。科学非科学論争の時に、私が、線引きできないと言った後、グレーゾーンがあるということや、明らかに黒と明らかに白は区別できる等と書いたものを牛乳☆たん@milktan2525は既に読んでいます。その上で「科学と疑似科学の区別もつかないと自分で言ってた人」と事実摘示を公然と行いました。私の方は業務として科学リテラシーというテーマで講義も行っており、この事実摘示は直接仕事の信用に関わるものです。ですから、私の側には、牛乳☆たん@milktan2525の発信者情報開示をかける理由が既に存在しています。

 まあ、前期前半は特に多忙なのでどうするかはまだ決めていません。牛乳☆たん@milktan2525から訴状の1通でも来れば、中の人が誰かははっきりするでしょうから、それを待って対応しても遅くは無いでしょう。
 ということで、どうしても削除させたければさっさと私を訴えるように>牛乳☆たん@milktan2525。最初の送達先は職場にしてください。週明け早々に事務にもそのように伝えておきます。なお、裁判所の書記官は自宅住所でないとなかなか訴状を受け付けてくれない場合がありますが、被告(予定)が、職場を居所にしてかまわないと事前に主張している場合はすんなり受け付けてくれるようです。必要ならこの記事を印刷したものを提出時に窓口で提示してください。

【追記2014/05/13】
 今日に至っても、牛乳☆たん@milktan2525(現在のツィッターアカウントは@milktan2828)がどこの誰であるか特定できるだけの情報が出てこない。私の書いたものは、仮にどこの誰か特定できる人物について言及したものであったとしても名誉毀損にあてはまるとは考えていないが、特定できない人物への言及であるならそもそも最初から人の社会的評価を変動させることが不可能なので名誉毀損にならない。つまり牛乳☆たん@milktan2525を名乗った人物は、絶対に名誉毀損にならないことを知っていたにも関わらず、名誉毀損を理由に私の職場に電凸するという「ただの迷惑行為」を働いたことになる。
 牛乳☆たん@milktan2525(現在のツィッターアカウントは@milktan2828)の主張する「名誉毀損」が言いがかりに過ぎないことは、本人の態度から明らかである。まず、牛乳☆たん@milktan2525の名誉とは一体どこの誰の名誉のことか明らかにしていない。次に、私が書いたもののうちどの部分が名誉毀損なのか特定していない。削除要求を出す場合は、この2つを明かにして電話ではなく書面で要求するのが普通であるが、本人にその気は全く無いと判断せざるを得ない。今のところ、牛乳☆たん@milktan2525が今回主張した「名誉毀損」とは、明らかに口先だけのものだと私は考えている。

【追記2014/05/14】
 さて、牛乳☆たん@milktan2525は鍵がかかり、@milktan2828の方でいろいろ言っているようだが、念のため警告を書いておく。
 http://www.cml-office.org/v2log/2014/05/06/fringescience/560で指摘したような姑息な中傷を鍵アカで行った場合、フォロワーの人数がさほど多くなくても公然性が認められて名誉毀損成立の可能性があるということだ(過去に、大学の教授会というメンバー限定の場所での発言に名誉毀損が認められた例があある)。しかも、鍵アカで私がその事実を知るのが遅れた場合、相手の行為を知ってから一定期間の間に責任を問えば良いことになっているので、時間が経っても時効とならない。鍵アカにしたから安心して都合のよいことが何でも書けるなどとは思わない方がいい。

週刊誌チェック

 例のSTAP細胞について、週刊誌の記事をチェックしてみた。小保方さんのプライベートについての下世話な話はどうでもいいので、それ以外で気になったところをいくつかメモしておく。
 まず、週刊文春平成26年3月26日号26ページ。

笹井氏・小保方氏とともに実験の一部を担当し、共著者にも名を連ねる丹羽仁史CDBプロジェクトリーダーは自宅前でこう答えた。「彼女はまともな初期教育を受けず、土台が出来ないうちに、ハーバード、若山さん、笹井さんと転々と渡り歩いた。こういうころとやっちゃダメということを誰も彼女に教えてこなかったのです」

 だったら何でそんな人を採用したのか説明してくれ、という話にしかならないのは当然として、この部分はこれから院進学を考える人にとっての注意事項として読んでほしい。
 一言で言えば、研究でやっていくつもりがあるなら博士号を取得するまでは研究分野を変えるな、ということである。世間では、大学(の学部)で勉強することは役立たないなどと言う人もいるが、大きな間違いで、学部4年間のカリキュラムで積み上げられるものは学生が想像している以上に大きい。その分野で当然知っていなければならない「常識」をたたき込まれる。
 卒業研究だけ指導教員と協力関係にある別の研究室でやることはあり得る。修士以降は別分野に進む、といったことは可能である(試験に受かれば)。それで修了できるのかというと、それなりにできてしまう。なぜなら、一旦修士課程に合格してしまえば、指導教員の指導の通りにやればそれなりに結果が出て修士論文もまとめられるからである。講義はあるが、文献講読が主で、行われている研究に近い内容を狭い範囲でマニアックな内容を知る機会はあっても、学部のカリキュラムのような幅広い知識を身に付ける機会はあまり無い。博士課程も同様で、主に論文を読んで参考にしながら進めていくことになる。そんなふうに過ごして、修士、博士、と実験もやって論文も書けたから自分に知識がある、と思うのは勘違いである。学位をとれたのは指導教員の力でありその力は借り物である。大学院以降で別の分野に進んだ場合は、よほどしっかり別分野の学部の内容を勉強しないと、知っているはずの常識を欠いたまま研究を進めることになり、思わぬところで大間違いをしでかすことになる。
 小保方さんの例だと、早稲田大学理工学部の応用化学科のカリキュラムはhttp://www.waseda-applchem.jp/jp/img/prospective/department/curriculum.jpgで、化学の知識は身につくが、生命化学についてはわずかに生化学があるだけである。これで、分子生物の知識が必要な研究に進むのであれば、生物系の学部のカリキュラムを独習してやっていくしかない。それを怠っていると、新しい実験をするときに、しなくていい失敗や間違ったデータの解釈をしてしまうことになる。
 別分野に飛びつきたくなる誘惑が高まるのは、境界領域の研究テーマが流行している時である。しかしそれは要注意信号でもある。学部からの積み上げを使ってどう切り込めるかという部分をおろそかにして飛びつくと、結局中途半端のままで終わってしまう。
 専門家の「常識」に反することをやって成功する物語は好まれる。しかし、現実はそんなに甘くない。「常識」を無視して進んだ挙げ句、とっくに知られていることを知らなかったために、やるべきチェックを怠ったり、データの解釈を間違えたりして、失敗に終わることの方が圧倒的に多い。

 週刊文春平成26年3月26日号27ページ。
科学部記者の話として、

理研側から『iPS以外の万能細胞の作り方を樹立したから会見をする』という話があり、

「会見後、記者団がグループごとに分かれて実験室で取材、撮影をする『割烹着セッション』が一時間以上あったのです」

 理研の広報か、あるいは広報を動かせる立場の人が仕組まなければ割烹着報道は無かったということになる。

 週刊新潮平成26年3月26日号30ページ。
 理研の関係者の証言として、

実は彼女、実験ノートもきちんと取っていないので、記録の多くがちゃんとした形で残っていないのです。実験ノートを開いても必要なものをすべては記述せず、さらには実験で使った細胞切片もすぐに捨ててしまうと言います。

小保方さんは、実験ノートをとったりとらなかったりで、きちんと整理していないから、生データと実験ノートを迅速に照合できず、調査に異様に時間がかかっているのでしょう

とある。装置や試薬の使用記録からある程度は何が行われていたか追跡できるだろうけど、検証にえらく手間がかかりそうではある。