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水商売(還元水?)な方とのやりとり(2005/02/22)

 えーと、水商売してる方とのやりとりです。会社代表者かどうかがわからないし、個人名は伏せてくれということなので、一応伏せ字にします。私の署名は出していません。全文引用で完全に重複する部分は、そのことを記して省略しました。

Delivered-To: apj@atom.phys.ocha.ac.jp
From: "********" <****@****.****.ne.jp>
To: <apj@atom.phys.ocha.ac.jp>
Subject: 私の疑問に答えてください。
Date: Mon, 21 Feb 2005 23:35:11 +0900

水商売ウォッチング Y.Amo様

突然のメールで失礼いたします。
当方、還元水関係の仕事をしており、
お客様に不信感を抱いていただかないように、
できる限り正確な情報を提供しようと心がけている者です。

以前から、
お茶を還元水で薄めると、
お茶の色が薄くならずに、逆に色濃くなっていく現象が、
どうしてなのか不思議でしかたがなかったのです。

で、水商売ウォッチングのサイト内に、
「お茶の色を変える(濃くなる)」という演示実験が宣伝にしばしば使われますが、
pHが変わるとお茶の色素の色が変わるのは当たり前で、
それが人間の目に濃くなったとか鮮やかになったように見えても全く不思議はなく、
水のミラクルな作用とは何の関係もありません。
抽出状態の違いはpHによる影響を除いた状態で比較したのでないと無意味です。

との記述に眼が留まりましたので、この理屈が知りたくメールしている次第です。

で、この「pHが変わるとお茶の色素の色が変わるのは当たり前」というのは、
理論的、科学的には、どのように説明できるものなのでしょうか?
『当たり前』と言っておられるので、多分その理屈をよくご存知だと推察いたします。

どうか教えてください。

色というものは、光の波長とかエネルギーによって見え方が違ってくると思うのですが、

『お茶の色素の色が変わる』というのは、
どういうことを意味しておられるのでしょうか?
濃さが変わるのも色素の色が変わるということなのでしょうか?
なぜ、アルカリ性だと色素の色が変わるのでしょうか?

例えば、pH試薬などが、pHによって発色する色が違ってくるのと
同じようなものということを言っておられるのでしょうか?
もし、そうであるとするなら、お茶のどの成分が
どのように変化して、そのような働きをしているのでしょうか?
なぜ、アルカリ性だと色濃くなるのでしょうか?
私は、この理屈が知りたくてたまりません。
どうか、分かり易く具体的に説明していただけないでしょうか?

一応、阪大の基礎工電気工学を卒業してますので、
ある程度の科学的な説明にはついていけると思います。

当方で実験した写真を添付しておきます。
尚、水道水は中性、還元水はpHは9.5の弱アルカリ性です。
当方は、水商売をしていますが、
水商売ウォッチングのサイトを非難するつもりで、
このようなメールを送っているのではなく、
本当の科学的な真実が知りたいという至って真面目な質問ですので、
誤解なきよう、どうぞ、よろしくお願いします。

もし、このメールをサイト上で公開されるのでしたら、
できれば匿名でお願いします。

■■市在住
■■ ■■

 これに対する返事は以下の通り。

■■様

天羽@山形大学です。

At 11:35 PM +0900 05.2.21, ******** wrote:
>突然のメールで失礼いたします。
>当方、還元水関係の仕事をしており、
>お客様に不信感を抱いていただかないように、
>できる限り正確な情報を提供しようと心がけている者です。

 是非よろしくお願いいたします。
 私が水商売批判のサイトを作っているのは、怪しい科学と抱き合わせ
で販売が行われることが困るからという、その一点につきます。
決して、水商売がイケナイと思っているわけではないのです。

>以前から、
>お茶を還元水で薄めると、
>お茶の色が薄くならずに、逆に色濃くなっていく現象が、
>どうしてなのか不思議でしかたがなかったのです。
>
>で、水商売ウォッチングのサイト内に、
>「お茶の色を変える(濃くなる)」という演示実験が宣伝にしばしば使われますが、
>pHが変わるとお茶の色素の色が変わるのは当たり前で、
>それが人間の目に濃くなったとか鮮やかになったように見えても全く不思議はなく、
>水のミラクルな作用とは何の関係もありません。
>抽出状態の違いはpHによる影響を除いた状態で比較したのでないと無意味です。
>
>との記述に眼が留まりましたので、この理屈が知りたくメールしている次第です。
>
>で、この「pHが変わるとお茶の色素の色が変わるのは当たり前」というのは、
>理論的、科学的には、どのように説明できるものなのでしょうか?
>『当たり前』と言っておられるので、多分その理屈をよくご存知だと推察いたします。
>どうか教えてください。

 色素そのものについてのまとまった解説は、
http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a.html
にあります。
 簡単に言うと、植物由来の色素の代表的なもの(フラボノイドやアント
シアニン類)は、pHの変化によって分子構造が変わるものがあって、この
ため、光を当てたときの吸収や蛍光が変わるのです。
その結果、色が変わって見えます。

 こういうことがあるので、天然物由来の色素がpHで変わるのは
何も珍しいことではないという実感を持っています。

>色というものは、光の波長とかエネルギーによって見え方が違ってくると思うのですが、
>
>『お茶の色素の色が変わる』というのは、
>どういうことを意味しておられるのでしょうか?
>濃さが変わるのも色素の色が変わるということなのでしょうか?

「濃さが変わる」には2種類のプロセスが関与していると思います。
1つは、pHの変化によって、吸収や蛍光の強さが変わる過程、
もう1つは、色合いが変わった結果人の目にどう見えるかという過程
です。
 薄めた場合、色素分子の密度は確実に減りますから、可視領域での
吸収や蛍光スペクトルを測定して、強度が増えているようなら、
1分子あたりの光の吸収や蛍光の強度が変わったという結論が出せると
思います。
 スペクトルの強度が増えてないかむしろ減ってるのに、濃くなった
ように見えるというのであれば、人間の目の感じ方の問題という
ことになると思います。

>なぜ、アルカリ性だと色素の色が変わるのでしょうか?

 この「なぜ」については、各色素ごとにどう変わるのか調べないと
答えることができません。アルカリ性でなくても、酸性でも変わる
ものもありそうです。

>例えば、pH試薬などが、pHによって発色する色が違ってくるのと
>同じようなものということを言っておられるのでしょうか?

 同じようなものと考えても差し支えないと思います。
細かいメカニズムは分子ごとに違うので、どこまで区別して議論する
かによりますけれど。

>もし、そうであるとするなら、お茶のどの成分が
>どのように変化して、そのような働きをしているのでしょうか?
>なぜ、アルカリ性だと色濃くなるのでしょうか?
>私は、この理屈が知りたくてたまりません。
>どうか、分かり易く具体的に説明していただけないでしょうか?

 これは、私も実験してみないとわかりません。
 お茶の色素成分はある程度わかっているでしょうから、色素を
購入できるようなら、それぞれについて、吸収や蛍光のpH依存性の
データを取ることは可能かと思います。
#単離と同定からやれ、と言われたら、私の手には余ります。
 ただ、まだそこまで手が回っていないので、測定してデータを得る
ところには至っていません。

 既に誰かが実験してそうな気もしますので、色素関係の本や資料を
あたってみるといいかもしれません。

>当方で実験した写真を添付しておきます。
>尚、水道水は中性、還元水はpHは9.5の弱アルカリ性です。

 見事に色が変わっていますね。
一つ、簡単な実験を提案します。調理用の重曹を買ってきて、
水に溶かしてpH9.5程度にして、お茶を薄めてみてはどうでしょうか。
還元の効果ではなく、pHだということがわかるのではないでしょうか。

 お茶の色の変化は、「還元水のミラクルな効果を宣伝する」ため
に使うとちょっとまずいですが「還元水の製造装置がきちんと
動いている」ことのチェック方法としてなら、充分使えるのではないか
と思います。

>当方は、水商売をしていますが、
>水商売ウォッチングのサイトを非難するつもりで、
>このようなメールを送っているのではなく、
>本当の科学的な真実が知りたいという至って真面目な質問ですので、
>誤解なきよう、どうぞ、よろしくお願いします。

 了解しております。

Delivered-To: apj@atom.phys.ocha.ac.jp
From: "********" <********@****.****.ne.jp>
To: "apj" <apj@atom.phys.ocha.ac.jp>
Subject: 早速のご回答ありがとうございました。
Date: Tue, 22 Feb 2005 12:30:19 +0900

天羽 優子 様

昨日、質問を送らせていただいた■■です。
素早いご回答に感謝いたします。
夜遅くに送ったので、しばらく待たないとダメだろうな〜とか
私のような者の質問に回答をいただけるだろうか?とか
思っていたら、昨日のうちにご回答を送っていただいていたようで、
本当にビックリです。
そして、私のような一庶民の質問に、夜遅くに時間を割いていただき、
誠意を持ってご回答いただいたことに大変感激しております。

で、もうひとつ感激しましたのは、
メールの最後に書かれていた
Life is complex, half is real and half is imaginary.
の一文です。
私なりに解釈すると、
生命は複雑である(未解明である)。
半分は実体(Body=身体)であり、半分は虚体(Soul=魂、精神)である。
と解釈したのですが、間違っているでしょうか?

で、ご回答いただいた内容についてですが、
>  簡単に言うと、植物由来の色素の代表的なもの(フラボノイドやアント
> シアニン類)は、pHの変化によって分子構造が変わるものがあって、この
> ため、光を当てたときの吸収や蛍光が変わるのです。
> その結果、色が変わって見えます。

これは、感覚的にわかりますが、
なぜ、pHが変化すると分子構造の変化が起こるのか?
という疑問が沸いてしまいました。
分子構造を変化させるということは、何らかの化学反応が起こっていると
いうことになると思うのですが、化学反応が起こるということは、
突き詰めて考えると、電子の保持力に不平衡が起こり、
水と色素の間で、電子のやり取り(酸化還元反応)が起こる。
つまり、分子構造を変化させると考えますが、
間違っているでしょうか?

これは、仮定の話ですが、
もし、生体内において、この分子構造を変化させるという現象が
起こっており、その変化が生体にとって良いものであったとすると、、、
食品添加物や着色料、残留農薬などを無害化するといったことが起こる
とは考えられないでしょうか?

それから、もうひとつ
> 「濃さが変わる」には2種類のプロセスが関与していると思います。
> 1つは、pHの変化によって、吸収や蛍光の強さが変わる過程、
> もう1つは、色合いが変わった結果人の目にどう見えるかという過程
> です。
>  薄めた場合、色素分子の密度は確実に減りますから、可視領域での
> 吸収や蛍光スペクトルを測定して、強度が増えているようなら、
> 1分子あたりの光の吸収や蛍光の強度が変わったという結論が出せると
> 思います。
>  スペクトルの強度が増えてないかむしろ減ってるのに、濃くなった
> ように見えるというのであれば、人間の目の感じ方の問題という
> ことになると思います。

の中での『1分子あたりの光の吸収や蛍光の強度が変わったという結論』
というのが、大変気になります。
つまり、「なぜ、光の吸収や蛍光の強度が変わるのか?」
という疑問がさらに沸いてしまうのです。
多分、これを理解するには、光の吸収や蛍光がどういうメカニズムで
成されているのか理解しておかないと説明できないと思うのですが、
光の吸収や蛍光の強度が変化するっていうのは、
別に大した意味のあることではなく、至極単純なことなのでしょうか?
分子の持つエネルギーに依存したりしないのでしょうか?

尚、このお茶を薄めたときに色濃くでるというのは、
私がお送りした実験写真にもある通り、
人の眼の感じ方の問題などではありません。
明らかな差が出ます。

> 一つ、簡単な実験を提案します。調理用の重曹を買ってきて、
> 水に溶かしてpH9.5程度にして、お茶を薄めてみてはどうでしょうか。
> 還元の効果ではなく、pHだということがわかるのではないでしょうか。
は、大変貴重なアドバイスです。早速試してみます。

-----------------------------------------
ここからは、余談です。
私は、約3年前まで、米国HP社とその会社分割によってできた
アジレントテクノロジーという会社で、電子計測器の営業やマーケティングを
18年間やってきました。
その後、ひょんなことから、電気分解せずにアルカリ還元水をつくるという
商品に出会い、自分でその水を飲んでみたら、すごく体調がよくなり、
便秘が解消し、便の色が変わり、痔までも軽減され、汗臭さもなくなり、
疲れにくくなっていきました。
それまで、まったく水についての知識や関心のなかった私には、
「これは凄い!」という感激でした。

そして、インターネットや様々な本で還元水のことを調べたり、
還元水治療をしておられる協和病院の河村院長に会って話しを
聞いたりするうちに、
「生体のしくみと水との間には科学や医学で解明されていない凄い秘密がある。」
と思うようになり、水というものを見つめ直すうちに、
人々が当たり前だと思って見過ごしていることが本当はすごく大切な
ことなんじゃないかと気付きました。

さらに、生命とか健康とかと地球環境とは密接なつながりがあり、
地球環境そのものを良くしていかないと、今の子供たちが大きくなるころには、
とんでもない地球環境になっているという危機感さえ覚えるようになりました。

ところが、声高に「早く環境を良くしないと、子供たちに美しい地球を
残せなくなりますよ。地球が滅びてしまいますよ」と言ったところで、
今の資本主義の経済システムでは、
会社組織は、目先の利益が優先され、人々は今日、明日の生活に追い回され、
遠い将来のことなど二の次の状態です。

ならば、万人に不可欠な”水”を見つめなおし、
実際に水を良くすることによって、健康状態がよくなるという体験を通して、
環境問題にも関心を持っていただけるようになっていただきたい。
今は、そう願いながら水商売を営んでいます。
つまり「自ら」は、「水から」なのです。

ところが、ネット上で様々な水についてのコラムなどを
見たときに、水について何ら知識のない人々が、
「水商売ウォッチング」のURLを参照サイトとして、
「水なんか変えても、何も変わらないよ。詳しくはこちらを参照」という主旨の
投稿を多数しています。
これって、天羽さんの意図するところでしょうか?

「科学で解明できていないから間違っている。これは嘘だ。」
と読者が誤解してしまうような記述で問題はないとお思いですか?

私たちは、「水」について全く教育を受けていないと言っても過言ではありません。
だから、生命が存在していく上で、水がどれほど大切か、ほとんど意識していません。

しかし、こんなことは、よくご存知だと思いますが、
生命の起源は水の中であり、水は生命活動に不可欠であることは事実です。
人の体のおよそ3分の2は水です。
体内の細胞ひとつひとつは、水に満たされ、水の循環によって生かされています。
体内の水は、地球規模の水の循環によって浄化された水によってまかなわれています。

もし、水がどんな水であっても効果がないというのであれば、
どんな悪い水であっても、害はない筈です。
しかし、悪い水は人体を害します。ならば、人体により良い水もある筈です。

また、水には現代科学では説明できない秘力があることも事実です。
ルルドの泉をはじめとする「奇跡の水」は、その典型だと思います。
また、生命そのものが水の中に誕生したという事実は、
現代科学では解明されていない『生命エネルギー』を、
水は吸収すると言えるのではないでしょうか?
つまり、より良い水には、生命を育むエネルギーがあると言えないでしょうか?

だから、地球に生きる人ひとりひとりに、
水の大切さ、環境の大切さを思い出していただきたいのです。
つまり、自然によってより良い水をつくれる地球環境を取り戻さなければならないのです。

環境汚染が進行すると、すべては酸性雨をはじめとする水の汚染や
温暖化による干ばつ、洪水となって人々の生活や生命を脅かします。
子供たちが、大人になるころには、にっちもさっちもいかなくなっているかもしれません。
今、地球環境を改善しなければならないのは、今の大人の責任であり義務です。

水関連の仕事をしておられる方々の中には、
目先の利益だけが目的でなく、環境問題に真っ向から取り組んでいる人々がおられることも、
できれば、「水商売ウォッチング」のサイトに掲載して欲しいものです。

各家庭に活水器ひとつつけるだけでも、
洗剤の使用量が減り、塩素の害がなくなり、
家庭の排水がより良い水になり、河川に微生物が住み、
自然浄化されていきます。
これだけでも大きな環境浄化につながります。
そういった体験を通して、地球に住む人々みんなが真の意味で
環境問題を身近な問題として捕らえ、真剣に考えるようになっていただきたいと
私は願っています。

そのためにも、まず、自らの体内環境、つまり、水を変えることによって
どれほど変わるのかを、自ら体感していただかなければ、
いつまでたっても、環境問題に対する強い関心は沸かない。
いつまでたっても、環境問題への市民レベルの具体的な取り組みは行われない。
と思っています。

ちなみに医学博士もお持ちのようなのでご存知だったら教えて欲しいのですが、
生体と水との関係の研究って、現代医学でどれほど研究されているものなのでしょうか?
遺伝子治療だとか、新薬の研究はさかんに行われていますが、
これ自体にも、資本主義的な考え方が蔓延しているんじゃないかと思ったりもします。

だって、もし水を変えることで病気になる確率が減ったりしたら、
多くの病院や製薬会社が潰れ、
多くのお医者さんや製薬会社の社員が失業してしまいます。
現代医療のシステム自体、薬を使わずに病気を癒したことによって報酬が
受け取れるのではなく、入院患者を増やし、たくさんの薬を使うことによって
加算される点数で治療代が決まります。
これが、本当の医療システムと呼べると思われますか?

政治家や官僚にしたって、お金を儲けるためのノウハウを教えるような
教育を受けた人々です。好むと好まざるとに拘わらず、
思考そのものが儲かるか儲からないかが目的となってしまう人々が多い訳で、
国民のためと言いながら、結局、国益だとか、企業利益が
優先される法律や制度がつくられているんじゃないかと思ったりします。

30兆円以上の医療費を削減するためには、環境問題から真剣に改善しなければ
ならず、そのためには、国民ひとりひとりが環境問題を真剣に考えられる場を
提供できなければならないと思っています。

さらに今、産科のお医者さんが、ノイローゼになるほど奇形児の出生率が増えています。

不幸な子供を見るのが嫌で産科を止めたお医者さんが多くおられるとも聞きます。
これも、母胎内での羊水が異常になっているからだと言われています。
こんなことを、科学や医学が解明できるまで何もしないでほっておく方がいいと思われますか?

『水商売ウォッチング』のサイトは、ヒット数も格段に多く、
社会への影響も大きいので、できれば、さらに大きな視点から水商売を見ていただきたく、
このようなコメントを送らせていただきました。

私の考えは、間違っていますか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。

■■ ■■

■■様

At 0:30 PM +0900 05.2.22, ******** wrote:
>Life is complex, half is real and half is imaginary.
>の一文です。
>私なりに解釈すると、
>生命は複雑である(未解明である)。
>半分は実体(Body=身体)であり、半分は虚体(Soul=魂、精神)である。
>と解釈したのですが、間違っているでしょうか?

 人生は複雑で虚実両方がある、というのと、複素数complexの
実部と虚部をかけあわせた表現です。

>これは、感覚的にわかりますが、
>なぜ、pHが変化すると分子構造の変化が起こるのか?
>という疑問が沸いてしまいました。
>分子構造を変化させるということは、何らかの化学反応が起こっていると
>いうことになると思うのですが、

 この部分が違います。
 分子の構造が変わるけど、化合物としては同じだというものはたくさん
あります。
 化学反応は分子構造の変化を伴いますが、分子構造の変化を伴うから
といって、化学反応が起きているとは限らないのです。

 たとえば、2-ブテンは、シスとトランスの2種類の立体構造をとります
が、化学反応が起きて別の物質になっているわけではありません。
 グルコースだと、水に溶かすとピラノース環の酸素のところがはずれて
環が開いた形になることが知られていますが、これも、化学反応を起こした
わけではありません。

>化学反応が起こるということは、
>突き詰めて考えると、電子の保持力に不平衡が起こり、
>水と色素の間で、電子のやり取り(酸化還元反応)が起こる。
>つまり、分子構造を変化させると考えますが、
>間違っているでしょうか?

 原因と結果をどちらにするかが難しい問題ですが、色素分子の外部
の環境が変わった結果として、構造の変化と電子状態の変化の両方
が起きた状態に落ち着く、と理解するしかないと思います。

>これは、仮定の話ですが、
>もし、生体内において、この分子構造を変化させるという現象が
>起こっており、その変化が生体にとって良いものであったとすると、、、
>食品添加物や着色料、残留農薬などを無害化するといったことが起こる
>とは考えられないでしょうか?

 飛躍がありすぎます。

 生体内のpHは、胃の中など一部を除いて、大体一定に保たれて
います。これを、恒常性の維持といいます。どういうpHのものを
飲んでも、細胞内に取り込まれるときは、内部のpHを維持する
ように働くのです。
 逆に、pHの違う水を飲んで体内のpHが変わるようなことが
あったら、それは生体にとって非常に危険な状態ということに
なります。むしろ有害ではないかと。
 実際、病気が重くなって死に至る直前になると、pHの調節も
うまくいかなくなるようで、そういうときは体液のpHが通常の値
からずれることが起きるようです。

 添加物を無害化したいのであれば、口に入れる前に行うべきこと
でしょう。

>の中での『1分子あたりの光の吸収や蛍光の強度が変わったという結論』
>というのが、大変気になります。
>つまり、「なぜ、光の吸収や蛍光の強度が変わるのか?」
>という疑問がさらに沸いてしまうのです。

>多分、これを理解するには、光の吸収や蛍光がどういうメカニズムで
>成されているのか理解しておかないと説明できないと思うのですが、
>光の吸収や蛍光の強度が変化するっていうのは、
>別に大した意味のあることではなく、至極単純なことなのでしょうか?
>分子の持つエネルギーに依存したりしないのでしょうか?

 「分子の持つエネルギー」という考え方は不要だし、あいまいなもの
だと思います。

 吸収の強度を表すには、荷電粒子(つまり電子)と電磁場の相互作用
ハミルトニアンを書いて、電子状態|a>と|b>の間での遷移電気双極子
モーメントの大きさを計算することになります。
つまり、強度=定数×(入射光の波数)×|<a|μ|b>|^2
のような形になります。
 |a>や|b>やμを実際に求めるときには、それぞれの分子ごとに、
第一原理計算をやって決めることになります(が、必ずしもこれが可能
とは限らない、計算が難しいことも多いので)。
 で、現実には、これに、分子内の他の自由度(分子振動の影響など)が
からんだりするので、実際に解くのは相当面倒だと思います。
私もやったことはありません。計算化学の専門家に訊いてください。

 このあたりのことは、
「大学院 物理化学(上)」妹尾他著 講談社
「反応量子化学」佐藤他著 東京化学同人
といった、少し進んだ物理化学の本に出ています。

 電気電子工学出身の方なら、量子力学の初歩程度は学部でやって
おられるでしょうから、そんなに敷居の高い話ではないかと思います。

>尚、このお茶を薄めたときに色濃くでるというのは、
>私がお送りした実験写真にもある通り、
>人の眼の感じ方の問題などではありません。
>明らかな差が出ます。

 了解しました。

>-----------------------------------------
>ここからは、余談です。

 余談にとやかく言うのも何ですが……。

>その後、ひょんなことから、電気分解せずにアルカリ還元水をつくるという
>商品に出会い、自分でその水を飲んでみたら、すごく体調がよくなり、
>便秘が解消し、便の色が変わり、痔までも軽減され、汗臭さもなくなり、
>疲れにくくなっていきました。
>それまで、まったく水についての知識や関心のなかった私には、
>「これは凄い!」という感激でした。

 個人的な体験ではまる人、多いんですよ……。

>そして、インターネットや様々な本で還元水のことを調べたり、
>還元水治療をしておられる協和病院の河村院長に会って話しを
>聞いたりするうちに、
>「生体のしくみと水との間には科学や医学で解明されていない凄い秘密がある。」
>と思うようになり、水というものを見つめ直すうちに、
>人々が当たり前だと思って見過ごしていることが本当はすごく大切な
>ことなんじゃないかと気付きました。

 こう思う前に、普通の化学や生物学や生理学の教科書を読むべき
だったんじゃないかと思いますよ。
 生体に水は不可欠ですが、これまでに得られた分子レベルでの実験的
証拠は全て、水は水分子H2Oとして生体に作用していることを示しています。
H+イオンやOH-イオンとして働くことはあっても、それは元の水の
性質から決まっているものです。
 水分子があって、そこに塩などが溶けることで、水溶液としての性質を
持って、全体として生体を構成する分子と相互作用する、ということです。

 少なくとも、研究者は、「当たり前だと思って見過ごした」りはして
いません。
 生体を構成する分子が水分子無しでは立体構造を保てないし機能を発揮
できないことは常識です。タンパク質のどの部分に何個の水分子がくっつく
かといったことまで、測定で求めることが可能になっています。
 人体の水の代謝だって、確かPETなどを使って調べられています。

 ところでお伺いしたいのですが、おっしゃってる「生体のしくみ」とは
具体的に何を意味しておられますか?今のところ、「生体のしくみ」の
うち、分子生物学や生化学で分かってきているものもかなりあります。
 少し表現が漠然としすぎていて、何をどう考えたらいいのか、
よくわかりません。

>さらに、生命とか健康とかと地球環境とは密接なつながりがあり、
>地球環境そのものを良くしていかないと、今の子供たちが大きくなるころには、
>とんでもない地球環境になっているという危機感さえ覚えるようになりました。

>ところが、声高に「早く環境を良くしないと、子供たちに美しい地球を
>残せなくなりますよ。地球が滅びてしまいますよ」と言ったところで、
>今の資本主義の経済システムでは、
>会社組織は、目先の利益が優先され、人々は今日、明日の生活に追い回され、
>遠い将来のことなど二の次の状態です。

 気持ちは分かるのですが、水でどうこうする種類の問題ではないと
思います。

 ご指摘の問題は、制御できる科学技術に比して、社会制度が追いついて
いないという問題ですから。地球全域に影響が及ぶような科学技術を手に
する時は地球全域の未来まで考慮して行動できるような社会制度(地球統一
政府など)がふさわしいわけですが、ヒトの認識能力というか欲望達成意欲
のもとでは、そうならなかったということですよね。

>ならば、万人に不可欠な”水”を見つめなおし、
>実際に水を良くすることによって、健康状態がよくなるという体験を通して、
>環境問題にも関心を持っていただけるようになっていただきたい。
>今は、そう願いながら水商売を営んでいます。
>つまり「自ら」は、「水から」なのです。

 論理に飛躍がありすぎるし、むしろ間違った方向に進んでいるように
思います。
 水を処理するという行動そのものだって、環境に負荷を与えることに
なります。

>ところが、ネット上で様々な水についてのコラムなどを
>見たときに、水について何ら知識のない人々が、
>「水商売ウォッチング」のURLを参照サイトとして、
>「水なんか変えても、何も変わらないよ。詳しくはこちらを参照」という主旨の
>投稿を多数しています。
>これって、天羽さんの意図するところでしょうか?

 水は薬ではない、というのが、常に主張していることです。
また、単に、一日に飲む水の量を増やすと体調が良くなる人が何割か
いることも確かなのです。
 「体に悪い水」は簡単に定義できます。毒物が入っていたり感染症を
起こしたりするのが体に悪い水です。でも、「体にいい水」を決めるのは
難しいだろうというのが、私の立場です。

>「科学で解明できていないから間違っている。これは嘘だ。」
>と読者が誤解してしまうような記述で問題はないとお思いですか?

 そうならないように書いているつもりです。
「科学で解明できていないこと」を「科学的手法でなく(体験談のみだったり)
」で、「いかにも科学的裏付けがあるか、真実である」かのように言うこと
のウソを見破れ、というのが私の立場ですので。

>私たちは、「水」について全く教育を受けていないと言っても過言ではありません。
>だから、生命が存在していく上で、水がどれほど大切か、ほとんど意識していません。

 そんなことはないでしょう。
 高校の理科の教科書はごらんになりましたか?高校進学率は9割以上です
から、高校の教科書を一応の標準と考えてもよろしいですよね。
 生物では、代謝回路の話を学びますが、水が関わってることはしっかり
出てきます。浸透圧調整でも出てきます。
 生物でも地学でも、地球上の水の大循環の話も出てきます。

>しかし、こんなことは、よくご存知だと思いますが、
>生命の起源は水の中であり、水は生命活動に不可欠であることは事実です。
>人の体のおよそ3分の2は水です。
>体内の細胞ひとつひとつは、水に満たされ、水の循環によって生かされています。
>体内の水は、地球規模の水の循環によって浄化された水によってまかなわれています。

 細胞の化学組成なんて、高校生向けの生物資料集の最初の方に出ています。
 ウソだと思うなら、「視覚でとらえるフォトサイエンス生物図録」(数研出版)
でも見てください。高校の学習参考書のコーナーで売ってます。
最初の方にしっかり載っています。

>もし、水がどんな水であっても効果がないというのであれば、
>どんな悪い水であっても、害はない筈です。
>しかし、悪い水は人体を害します。ならば、人体により良い水もある筈です。

 この論理展開がおかしいんです。
人体を害する悪い水、を決めるのは割と簡単ですが、人体により良い水
を定義するのは、ほとんど無理でしょう。
 水が水分子として、人体内部で働いている限りは。

>また、水には現代科学では説明できない秘力があることも事実です。
>ルルドの泉をはじめとする「奇跡の水」は、その典型だと思います。

 奇跡は科学の対象にはなりません。信仰の対象にはなるでしょうけど。
繰り返し起きる、制御して起こせるものなら、それは奇跡ではなく
科学的研究の対象です。
 制御もできず技術的に利用もできない事象だから、奇跡っていうんですよ。

>また、生命そのものが水の中に誕生したという事実は、
>現代科学では解明されていない『生命エネルギー』を、
>水は吸収すると言えるのではないでしょうか?
>つまり、より良い水には、生命を育むエネルギーがあると言えないでしょうか?

 このあたりになると、議論が哲学的になりそうですが、一応私の考えを
述べます。『生命エネルギー』って何ですか?それは本当に、エネルギーの
仲間ですか?保存則を満たしますか?他の形(熱、光などなど)に変化しますか?

 地球上の生命が水を使って誕生し進化してきたというのは、結果論です。
今のところ、他の可能性が見あたらないというだけの話です。
そのことをもって、水に何か神秘的な力があると考えるのはおかしいと
思います。
 生物のような、自発的に秩序を作るものができるには、熱的に非平衡
状態であることが不可欠です。この非平衡を作り出している原因は、太陽で
あり、熱の捨て場である宇宙が膨張を続けているということです。
 その条件下で、どういうパターン形成(=生命の誕生)をするかは、状況
次第でしょう。水を使ったのは、たまたま地球が水に溢れていたからでしょう。

 今のところ、水環境下でも、人工的に生命を作り出すことに人類は
成功していません。まして、他の解があるかということなど、知る方法
もありません。

 ただ、普通に水を使っても、人工生命が未だに作れないところを
みると、「現代科学では解明されていない『生命エネルギー』」の
存在を仮定すること自体が無意味に思えてきます。そんな便利なものがあったら
とっくに人工生命が作れているはずです。
 取り出すことも利用することもできない未知のエネルギーを想定したって
科学の進歩にも水製品の開発にも結びつかないと思います。

>だから、地球に生きる人ひとりひとりに、
>水の大切さ、環境の大切さを思い出していただきたいのです。
>つまり、自然によってより良い水をつくれる地球環境を取り戻さなければならないのです。
(中略)
>今、地球環境を改善しなければならないのは、今の大人の責任であり義務です。

 自然が過酷だということをすっかり忘れていませんか?
生命誕生の頃を本気で懐かしむのなら、一番いいのは、上下水道の水処理など
全部やめて、インドみたいにすることでしょうね。感染症で一気に人口が
減って、環境問題は解決に向かうでしょう。
 環境問題とは、とどのつまりは人口問題に過ぎませんので。
現実には、だからといって、淘汰するわけにも間引くわけにもいきませんから、
いかに技術的に軟着陸させるかという問題になるのではないでしょうか。

>水関連の仕事をしておられる方々の中には、
>目先の利益だけが目的でなく、環境問題に真っ向から取り組んでいる人々がおられることも、
>できれば、「水商売ウォッチング」のサイトに掲載して欲しいものです。

 それは、ウチじゃなくて「市民のための環境学ガイド」の安井先生の
ところの方が適切かと。
 私のところは、環境問題をテーマにはしていませんので。

>各家庭に活水器ひとつつけるだけでも、
>洗剤の使用量が減り、塩素の害がなくなり、
>家庭の排水がより良い水になり、河川に微生物が住み、
>自然浄化されていきます。

 日本は大部分の地域で軟水ですし、塩素を減らすことによって洗剤が
減らせるという話はきいたことがないのですが、何割削減できますか?

 浄水器を作るのに要するエネルギーとエントロピーにみあった効果が
ありますか?

>ちなみに医学博士もお持ちのようなのでご存知だったら教えて欲しいのですが、
>生体と水との関係の研究って、現代医学でどれほど研究されているものなのでしょうか?

 臨床方面では、輸液や水代謝の研究がまさにそれではないかと。

>だって、もし水を変えることで病気になる確率が減ったりしたら、
>多くの病院や製薬会社が潰れ、
>多くのお医者さんや製薬会社の社員が失業してしまいます。

 放っておいても人はいつかは死ぬもんです。
もし、病気が減ったとしても、医者の失業をする心配は全くないと
思いますよ。死ぬときの苦痛や不安を和らげるといった、ホスピスの需要は
入れ替わりに増えそうですし。

>現代医療のシステム自体、薬を使わずに病気を癒したことによって報酬が
>受け取れるのではなく、入院患者を増やし、たくさんの薬を使うことによって
>加算される点数で治療代が決まります。
>これが、本当の医療システムと呼べると思われますか?

 そりゃ、「薬もくれないのに金をとった」って文句言う患者が居るから
じゃないですか。
 無形のソフトウェアやノウハウに金を払う文化が根付いていないという
ことも原因の一つではないかと。

>30兆円以上の医療費を削減するためには、環境問題から真剣に改善しなければ
>ならず、そのためには、国民ひとりひとりが環境問題を真剣に考えられる場を
>提供できなければならないと思っています。

 この医療費削減が、弱者にしわよせする形で行われないようにするため
にも、「科学を使え、医学を使え」と言い続けるしかないのです。
 アメリカでは、代替医療を容認する方向に向かっています。金持ちは
先端の医療が受けられるのですが、貧乏人は安く済む代替医療で我慢せよ
ということを、あからさまにではなく進めているんです。はっきりこんな
ことを言うと反発が起きますけど、自分で選ぶ場合は問題無しですよね。
もちろん、医療費削減の目的があります。

 テレビや雑誌に出てくる、健康食品・健康器具会社の宣伝する怪しげ
療法を信じてしまう情報弱者は、「自分の選んだこの方法は効果がある」
と信じ、自ら進んで裏付けのない療法を選ぶ(そして、実は選ばされて
いることに最後まで気づかない)ことが起こりえます。

 前に、

>「科学で解明できていないから間違っている。これは嘘だ。」
>と読者が誤解してしまうような記述で問題はないとお思いですか?

と書いておられます。この誤解は無くしたいとは思っています。
が、ゼロにはできないでしょう。その場合でも、「情報弱者」が
変な宣伝を信じることで、見かけ上医療費削減に貢献することへの
歯止めにはなると思っています。

>不幸な子供を見るのが嫌で産科を止めたお医者さんが多くおられるとも聞きます。
>これも、母胎内での羊水が異常になっているからだと言われています。
>こんなことを、科学や医学が解明できるまで何もしないでほっておく方がいいと思われますか?

 科学や医学で解決しない問題を、あてずっぽうで解決できると思うのは
もっと無理があるのでは。迷信で医療をやっていた中世以前に逆戻りする
のはイヤですけど。

 それに、さきほどおっしゃった環境問題の話と矛盾している気がします。
 食物連鎖を考えると、人類は、生物種としてアンバランスに増えすぎた
ことは間違いがないので、生まれる数が減るというのは、ある意味、地球
環境の維持にかなった現象であると理解することもできます。

 なお、医学が進んで、昔なら助からなかった人が生き延びて子孫を作る
ようになると、自然に任せておけば淘汰される遺伝的が要素が残り続ける
ことになり、その結果、人類全体が種として脆弱なものになっていく
可能性もありますよ。どう定量評価するかが問題ですが……、
 生き延びられる人を増やすというのは、ヒューマニズムという点では
すばらしいことなのですが、種の存続に対して本当にいいのか、という
と、必ずしもそうではないかもしれない。かといって、見捨てることも
今更できませんから、このままいくしかないのでしょうね。

>『水商売ウォッチング』のサイトは、ヒット数も格段に多く、
>社会への影響も大きいので、できれば、さらに大きな視点から水商売を見ていただきたく、
>このようなコメントを送らせていただきました。

 私としては、水を題材にした「科学リテラシー」を考えるサイトを
作っているつもりです。

>私の考えは、間違っていますか?

 部分的にはよくわかるし、正しいんですが、全体として矛盾している
ように思いました。
 環境問題と健康問題が関連することは確かなんですが、関連の程度を
どう評価するかというところが抜けているように思います。

Delivered-To: apj@atom.phys.ocha.ac.jp
From: "*******" <********@****.****.ne.jp>
To: "apj" <apj@atom.phys.ocha.ac.jp>
Subject: 勉強になります。
Date: Tue, 22 Feb 2005 18:32:42 +0900

天羽 優子 様

たくさんのコメントありがとうございます。
お茶の色が変わる実験やってみました。
重曹を買って水道水に入れたのですが、
pHが8.0ぐらいにしかならなかったので、
再度、キリンのアルカリイオンの水(pH9.3 ORP125)を購入し
それと還元水とで比較しました。
結果は、ほぼ同じように色が変化しましたので、
ご指摘のとおり、アルカリ性であることがお茶を濃くする
ことが分かりました。ありがとうございます。

では、なぜアルカリ性だと濃くなるのか?
という疑問が残るのですが、
>  「分子の持つエネルギー」という考え方は不要だし、あいまいなもの
> だと思います。
>
>  吸収の強度を表すには、荷電粒子(つまり電子)と電磁場の相互作用
> ハミルトニアンを書いて、電子状態|a>と|b>の間での遷移電気双極子
> モーメントの大きさを計算することになります。
> つまり、強度=定数×(入射光の波数)×|<a|μ|b>|^2
> のような形になります。
>  |a>や|b>やμを実際に求めるときには、それぞれの分子ごとに、
> 第一原理計算をやって決めることになります(が、必ずしもこれが可能
> とは限らない、計算が難しいことも多いので)。
>  で、現実には、これに、分子内の他の自由度(分子振動の影響など)が
> からんだりするので、実際に解くのは相当面倒だと思います。
> 私もやったことはありません。計算化学の専門家に訊いてください。
>
>  このあたりのことは、
> 「大学院 物理化学(上)」妹尾他著 講談社
> 「反応量子化学」佐藤他著 東京化学同人
> といった、少し進んだ物理化学の本に出ています。
>
>  電気電子工学出身の方なら、量子力学の初歩程度は学部でやって
> おられるでしょうから、そんなに敷居の高い話ではないかと思います。

という訳ですよね。で、こんな複雑なことは
「pHが変わるとお茶の色素の色が変わるのは当たり前」と思って、
そういうものなんだ。と理解しておくしかない。という訳ですね。

余談に書きました水と環境問題につきましては、
人それぞれ考え方もあるでしょうし、議論したところで、
根本的な考え方の相違があるようなので、
ずっと平行線をたどると思います。

>  こう思う前に、普通の化学や生物学や生理学の教科書を読むべき
> だったんじゃないかと思いますよ。
>  生体に水は不可欠ですが、これまでに得られた分子レベルでの実験的
> 証拠は全て、水は水分子H2Oとして生体に作用していることを示しています。
> H+イオンやOH-イオンとして働くことはあっても、それは元の水の
> 性質から決まっているものです。
>  水分子があって、そこに塩などが溶けることで、水溶液としての性質を
> 持って、全体として生体を構成する分子と相互作用する、ということです。
とおっしゃいますが、細胞内にある水とか、血液中の水とか、
そういったものが、単なる水H2Oとしてしか機能していないのかどうか、
私には疑問が残ります。
最近、血液サラサラとかドロドロとかよく耳にしますが、
血液中の電子濃度(マイナスイオン濃度)が、
重要な働きをしていることが分かり始めています。
ですから、還元水を飲むと血液がサラサラになります。
これさえも、飛躍した考えなのでしょうか?

>  ところでお伺いしたいのですが、おっしゃってる「生体のしくみ」とは
> 具体的に何を意味しておられますか?今のところ、「生体のしくみ」の
> うち、分子生物学や生化学で分かってきているものもかなりあります。
>  少し表現が漠然としすぎていて、何をどう考えたらいいのか、
> よくわかりません。
「生体のしくみ」とは、至極単純です。
生体のおよそ3分の2は「水」であるということです。
で、血液の循環と浄化がすべての細胞の生命を支えているということです。
多分、天羽さんに言わせれば、「そんなことは誰でも知ってる
当たり前のことだ!」ですまされるのでしょうが、、、、

環境問題にしても、
私は、自分の子供が大人になったとき、
少しでも地球環境がよくなっていればいいと願っています。
誰かがやってくれるだろうと思っていたのでは、あまりにも不安なので、
力はなくとも少しでも貢献できればと思っています。
そんなことを考えてくれる人が、ひとりでも多くなればいいと思っているだけです。

天羽さんから見れば、飛躍したバカな考えと思われるでしょうが、
身近なところから少しづつでも変わっていけばいいと願っています。
ゴミの問題にしても、廃棄場から出る汚水は水資源を汚染し、環境を破壊します。
ですから、リサイクルやリユースは大切なんだと理解できる人が増えて欲しい
と願っています。

水処理の技術にしても、
>  論理に飛躍がありすぎるし、むしろ間違った方向に進んでいるように
> 思います。
>  水を処理するという行動そのものだって、環境に負荷を与えることに
> なります。
とおっしゃいますが、
電解整水器は、電気エネルギーを使い、酸性水を作って、
水資源を無駄にしますから、私は嫌いですが、
ある特殊セラミックを使った活水器などは、
全くエネルギーを必要としません。

この活水器に使われている特殊セラミックの上に氷を置くと
どんどんと解けていきます。
天羽さんから見れば、「だから、どうなんだ?」
ということになるのでしょうが、
これって、現代科学で説明できるものなのでしょうか?
この氷を溶かすエネルギーってどこから来るのでしょうか?

水を油に変える技術というのもあります。
その技術を使うと、従来技術のように高温高圧にすることなく
プラスチックから灯油を作ることができます。
これさえも、「それが水とどう関係あるの?」とか、
「そんなものは、何かのでっちあげだ。」
って思われるのでしょうね。

>  そんなことはないでしょう。
>  高校の理科の教科書はごらんになりましたか?高校進学率は9割以上です
> から、高校の教科書を一応の標準と考えてもよろしいですよね。
>  生物では、代謝回路の話を学びますが、水が関わってることはしっかり
> 出てきます。浸透圧調整でも出てきます。
>  生物でも地学でも、地球上の水の大循環の話も出てきます。
については、「水の大切さ、水資源を守ること、環境を守ることの大切さについての教育」
という意味です。

もし、これらをしっかりと教育されていれば、
環境について、各個人、自分自身の問題としてもっと真剣に考える人が多いと思います。

少なくとも、自分に関心のあることにのみ主張をして、
>  それは、ウチじゃなくて「市民のための環境学ガイド」の安井先生の
> ところの方が適切かと。
>  私のところは、環境問題をテーマにはしていませんので。
なんていう答えを返す人は少なくなるでしょう。

>  水は薬ではない、というのが、常に主張していることです。
は、合意します。
「薬以上に、生命の根幹に関わる大切なものです!」
なんていうと、「飛躍しすぎです!」とおっしゃるのでしょうね。

>  細胞の化学組成なんて、高校生向けの生物資料集の最初の方に出ています。
>  ウソだと思うなら、「視覚でとらえるフォトサイエンス生物図録」(数研出版)
> でも見てください。高校の学習参考書のコーナーで売ってます。
> 最初の方にしっかり載っています。
では、その細胞の化学組成って、水がなかったらどうなるんですか?
その細胞の生命活動において、水の果たす役割は完全に解明されているのですか?

>  奇跡は科学の対象にはなりません。信仰の対象にはなるでしょうけど。
> 繰り返し起きる、制御して起こせるものなら、それは奇跡ではなく
> 科学的研究の対象です。
>  制御もできず技術的に利用もできない事象だから、奇跡っていうんですよ。
天羽さんの考えておられる科学ってそんなものなんですか?
それじゃ、既存の理論に固執しているだけで、
何ら新しい発見なんてないんじゃないですか?
科学で解明できない現象だから、常識では考えられない現象だから、
「奇跡」と人は呼ぶのであって、その奇跡の原因が何であるかを探るのが
科学であり、医学の真の姿なんじゃないですか?
科学的に説明できれば、それは奇跡ではなくなる訳ですから、、、

奇跡は奇跡だからわたしゃ関係ないね。と思っていて、
それで科学って発展するんですかね〜。
奇跡の水の現象は、繰り返し起きている現象です。

ちなみに、「水商売ウォッチング」のホームページには
『当サーバ上のページに関する問い合わせや苦情の
メールは公開することがあります。』
とありますが、今回のメールのやりとりは、
私が、ネット上で公開してもいいものでしょうか?

と言うのは、別に喧嘩がしたい訳ではなく、
「水商売ウォッチング」を見られたお客様が、
大きな誤解を持たれてしまいこともあるので、
「水商売ウォッチング」のサイトというのは、
こういう考え方を持った方が運営しておられます。
というのを説明しておきたいものですから、、、

■■ ■■

----- Original Message -----

(ここから後は、私が送った直前のメールの全文引用であったので省略した。)

 誤字を発見したのでちょこっと修正。

■■様

At 6:32 PM +0900 05.2.22, **** **** wrote:
>という訳ですよね。で、こんな複雑なことは
>「pHが変わるとお茶の色素の色が変わるのは当たり前」と思って、
>そういうものなんだ。と理解しておくしかない。という訳ですね。

 そうなりますね。
「植物由来の色素で、pHによって色が変わるものがたくさんある」
はただの観測事実、しかも普通の科学の手続きなり方法論なりで確認
できることですから、「これはどうも普通のことらしい」と理解する
しかないです。

 メカニズムが簡単に説明できるかどうかは、また別の話です。

>とおっしゃいますが、細胞内にある水とか、血液中の水とか、
>そういったものが、単なる水H2Oとしてしか機能していないのかどうか、
>私には疑問が残ります。

>最近、血液サラサラとかドロドロとかよく耳にしますが、
>血液中の電子濃度(マイナスイオン濃度)が、
>重要な働きをしていることが分かり始めています。
>ですから、還元水を飲むと血液がサラサラになります。
>これさえも、飛躍した考えなのでしょうか?

 これ、情報源はどこから得ましたでしょうか?
 テレビの血液サラサラの話はほとんどあてになりません。
 健康な人であれば、コップ一杯水を飲めば、血液の粘度はそれなりに
変わります。
 この場合、水であれば何でもいいんです。出演者に対して、水分補給
をどこまでコントロールしているかがはっきりしないので、いわゆる
バラエティ番組の情報は信頼に値しないと判断しています。
(「出演前ですのでリラックスしてください、お茶でもどうぞ」なんて
やるだけで変わっちゃいますから)

 なお、高脂血症といって、本当に血液の粘性が上がる病気があって
こちらは治療が必要です。
 なお、テレビの血液サラサラ実験では、高脂血症の診断用の装置
であったりするようです。
 そうでない場合は、赤血球密度が一桁多いような乾きかけの
顕微鏡写真という、非現実的なものが使われたりしています。

 ついでに言うと、血液は、電子伝導体ではなくイオン伝導体、
つまり、Na+やK+などが動いているものですので、「電子濃度が変わる」
という表現をしている人がいたとしたら、それは明白な間違いです。

 今一度、まともな情報源から得た話かどうか、ご確認ください。

>「生体のしくみ」とは、至極単純です。
>生体のおよそ3分の2は「水」であるということです。
>で、血液の循環と浄化がすべての細胞の生命を支えているということです。
>多分、天羽さんに言わせれば、「そんなことは誰でも知ってる
>当たり前のことだ!」ですまされるのでしょうが、、、、

 そうではありません。私は、水が不思議な効果を発揮する、生化学
反応なり生理学の現象なりを具体的にきいたつもりです。
 この答えでは、何も言ってないのと同じ事です。ここから先、
科学の手続きに載せて調べようがありませんから。

>環境問題にしても、
>私は、自分の子供が大人になったとき、
>少しでも地球環境がよくなっていればいいと願っています。
>誰かがやってくれるだろうと思っていたのでは、あまりにも不安なので、
>力はなくとも少しでも貢献できればと思っています。
>そんなことを考えてくれる人が、ひとりでも多くなればいいと思っているだけです。

 普通の感情だと思います。

>とおっしゃいますが、
>電解整水器は、電気エネルギーを使い、酸性水を作って、
>水資源を無駄にしますから、私は嫌いですが、
>ある特殊セラミックを使った活水器などは、
>全くエネルギーを必要としません。

 セラミックを作るエネルギーが抜けています。

>この活水器に使われている特殊セラミックの上に氷を置くと
>どんどんと解けていきます。
>天羽さんから見れば、「だから、どうなんだ?」
>ということになるのでしょうが、
>これって、現代科学で説明できるものなのでしょうか?
>この氷を溶かすエネルギーってどこから来るのでしょうか?

 普通の室温(25℃位)の環境なら、放っておいても氷は溶けます。
より溶けるというなら、セラミックの熱伝導や熱容量がポイントでは。
まわりが室温で、セラミックの熱伝導性が良かったり、比熱が大きい
場合は、氷はどんどんとけるはずです。セラミックも一緒に溶けて
発熱反応だ、なんてオチがなければの話ですけど。

 真面目に確認するなら、セラミック(室温からスタートでもよい)と、
氷を、厚い発泡スチロールの中にでも入れて断熱し、中の温度が大体
一定になった後もやっぱりどんどん溶けるかどうかを確認するとよろ
しいかと。
 セラミックの材料としての比熱はあらかじめ出しておく必要がある
と思います。

 セラミックから無尽蔵にエネルギーが湧いて出ているのではないこと
が確認できると思います。つまり、セラミックの温度が0度近くまで
下がったら、それ以上どんどん氷が溶けることはないだろうという
ことです。

>水を油に変える技術というのもあります。
>その技術を使うと、従来技術のように高温高圧にすることなく
>プラスチックから灯油を作ることができます。
>これさえも、「それが水とどう関係あるの?」とか、
>「そんなものは、何かのでっちあげだ。」
>って思われるのでしょうね。

 この情報のソースはどこでしょうか?
 信頼できるソースがあって、実験方法がそこに示されていて、誰でも
追試ができて確認できるのであれば、でっち上げだなんて言いません。

 この手の情報が出てくるときは、大抵、企業秘密を理由に肝心の
実験手順や材料が隠されていて、主張する人しか確認できなかったり
するのでなかなか信頼できる情報にたどり着くことが少ないのです。

 でも、もしこの手の実験のデモを見るのであれば、手品師と一緒に
見学したいものですね。科学者は手品には簡単にひかかる傾向があり
ますもので。

>については、「水の大切さ、水資源を守ること、環境を守ることの大切さについての教育」
>という意味です。
>
>もし、これらをしっかりと教育されていれば、
>環境について、各個人、自分自身の問題としてもっと真剣に考える人が多いと思います。

 変ですねえ。
 もう何年も前から、小学生の夏休みの自由研究は「環境」がトレンドだし、
総合的な学習の時間などでも環境問題はあちこちでとりあげられているはず
なんですけど。

 当方の掲示板でも、仮想水(ヴァーチャルウォーター)の話題が過去に
何回か出ていますから、水資源をめぐる環境問題は、それなりに知られた
話題ではないかと思います。

>少なくとも、自分に関心のあることにのみ主張をして、
>>  それは、ウチじゃなくて「市民のための環境学ガイド」の安井先生の
>> ところの方が適切かと。
>>  私のところは、環境問題をテーマにはしていませんので。
>なんていう答えを返す人は少なくなるでしょう。

 はて?素人考えでおかしな環境ネタを振りまくと、社会に対して害を
与えることがあるので、プロに任すことにしたと言ってるつもりですけど。

 水でもそうなんですが、もともと水関係のまともな研究をやってない
人が業者に担ぎ出されて間違いを振りまくということをやってくれて
これまでにもいろいろ迷惑しています。
 同じ事を私が環境問題でやらかしたら、シャレにならんじゃないですか。

 私は、環境問題にだって興味がありますけど、自分が研究しているわけ
ではないので、この件については、リスク評価の専門家の意見をきく側に
回りたいですね。

>>  水は薬ではない、というのが、常に主張していることです。
>は、合意します。
>「薬以上に、生命の根幹に関わる大切なものです!」
>なんていうと、「飛躍しすぎです!」とおっしゃるのでしょうね。

 言いませんよ。「水で病気がなおる」はおかしいと思いますが、
「命の根幹に関わる」は本当ですから。

>では、その細胞の化学組成って、水がなかったらどうなるんですか?
>その細胞の生命活動において、水の果たす役割は完全に解明されているのですか?

 水が無ければ細胞は死ぬか、活動を停止します。
乾燥に対してどれだけ耐えられるかは、生物の種類によって異なります。

 完全に解明されていないからといって、水が重要でないということに
ならないのは当たり前です。
 また、完全に解明されていないからといって、ミラクルな効果を最初
から仮定してかかっては、大抵の場合、間違った方向に行くだろうという
ことも言えると思います。

>天羽さんの考えておられる科学ってそんなものなんですか?

>それじゃ、既存の理論に固執しているだけで、
>何ら新しい発見なんてないんじゃないですか?
>科学で解明できない現象だから、常識では考えられない現象だから、
>「奇跡」と人は呼ぶのであって、その奇跡の原因が何であるかを探るのが
>科学であり、医学の真の姿なんじゃないですか?

 このためには、その「奇跡」の確認が、科学的手続きによってなされる
ことが前提条件となります。
 一回しか起きないことや、主観でしか確認できないことは、科学の
対象にはならないのです。

 メカニズムがわからなくても、ある条件で繰り返し起きることが
確認されれば、それは科学の手続きで扱うことができます。
 元の話の、ルルドの泉の場合、どういう条件で繰り返し「奇跡」が
起きるのかが示されたという話はきいていません。奇跡が起きたときの
共通点は一体何でしょうか?
 もし、その共通点すらくくり出せていないのであれば、ルルドの
泉の効果が確実に現れる実験は何か?というところろから絞り込む
ことになります。
 その手続きが済むまでは、その「奇跡」が、科学になりうるか
どうか未定ですので、その「奇跡」を持ち出して、既に確定したか
のようなことを言ってはいけないと思います。

 資料としては、
竹下節子「奇跡の泉ルルドへ」(NTT出版,1996年)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4871886115/249-3676644-2227519
があって、奇跡の認定プロセスがかなり詳しく書かれているそうです。

 ウチの掲示板に書かれたまとめによりますと [14304]:
 要するに安易に「奇跡」を喧伝してインチキ布教活動を行なうことに対して
バチカンは嫌悪感を示しており,奇跡認定は実に煩雑な手続きと有無を言わせ
ぬ実証データが必要となっているようです(それでも後から認定がひっくり
返されることもある). なんといっても,この水を浴びるまで医学的処置
を事実上まったく受けていなかったという条件が必要だそうです。
 一方、医学のほうでもさまざまな「難病」の自然治癒の例が世界中から
集まるようになり,(祈りがあろうがなかろうが)ある一定の確率で自然
治癒というものは起こるものだという認識となっているようで。

 こうなってくると、奇跡か自然治癒かの判定がかなり微妙なことに
なりそうですよね。
 泉にやってくる難病持ちの人の数が増えれば、奇跡の数と自然治癒の
数の両方が同時に増えそうですし。

>奇跡は奇跡だからわたしゃ関係ないね。と思っていて、
>それで科学って発展するんですかね〜。
>奇跡の水の現象は、繰り返し起きている現象です。

 では、信頼できるソースを示してください。
 奇跡の内容、起きた日時、誰に起きたのか、そのときどういう水の
飲み方をしたのか、その他共通する条件はあるか?という情報です。
当然、バチカンが認定したものに限ります(この場合、認定無しに奇跡を
自称したら、ただの嘘になりますので)。
 それを、科学的手続きにのせるとしたら、次は自然治癒とどうやって
区別するのかが問題になります。バチカンの認定も100%ではないし、奇跡
であることの必要条件でしかないようですので。

 繰り返し起きたと主張するのであれば、この程度の情報は持って
おられるわけですよね?

 なお、科学の世界では「新規なことが起きた」と主張する側が
立証責任を負うのが原則となります。(逆に、新規なことが起きた
と主張し、間違いだというなら否定してみろ、と立証を相手に任せる
のは、疑似科学信奉者がよく使う手法だったりします)

>ちなみに、「水商売ウォッチング」のホームページには
>『当サーバ上のページに関する問い合わせや苦情の
>メールは公開することがあります。』
>とありますが、今回のメールのやりとりは、
>私が、ネット上で公開してもいいものでしょうか?

 かまいません。私の方でもこのやりとりを公開しましょう。
 これから編集作業しますね。
そちらで公開したら、URLを改めてお教えください。
こちらはトップページの新着情報に、まずはリンクしますので。

 会社代表者やコンサルタント・文筆業など名前で仕事をしている人
以外は氏名伏せ字、というルールでやっていますので、とりあえず
そちらのお名前は伏せておきます。

>と言うのは、別に喧嘩がしたい訳ではなく、
>「水商売ウォッチング」を見られたお客様が、
>大きな誤解を持たれてしまいこともあるので、
>「水商売ウォッチング」のサイトというのは、
>こういう考え方を持った方が運営しておられます。
>というのを説明しておきたいものですから、、、

 それはいっこうにかまいません。

 

色素の反応について(追加情報:2005/02/23)

 このメールのやりとりについて、掲示板の方でrmiyaさんにコメントをいただきました([14133])。化学反応か否かをどこで線引きするかは、メールを書いていて、実はちょっと迷ったところではあります。ただ、メールの話の流れだと、農薬などの有害物質を分解するといったのと同じ種類の反応に結びつきそうだったので、敢えて、pHを振った時に可逆に変わるものと、そうではないもので線引きしたのでした。だから、ご指摘の通り、「化学反応」という言葉の定義の問題なのでした。なお、文字コードの設定ミスはなおしました。ご指摘ありがとうございました。

水溶液の pH が変わると色が変わることについて, 天羽さんは化学反応では
ないと言っていますが, pH 指示薬を代表とする色素分子は酸塩基反応によって
構造が変わるというのが一般的だと思います。まぁ「化学反応」という言葉の
定義の問題かもしれませんが。

すなわち酸性側での構造が, 塩基性溶液中では脱プロトンしている。あるいは
塩基性側での構造に対して, 酸性側ではプロトン付加して共役酸になっていると。
AH = A^- + H^+
あるいは
B + H^+ = BH^+
(AH が酸, B が塩基。電荷の + は上付き。化学平衡の往復矢印は = で代用。)
例のフォトサイエンス化学図鑑 p. 72 近辺を参照。

同書 p. 165 下には代表的な pH 指示薬であるメチルオレンジの分子構造式が
書いてあります。水溶液中では右端の Na^+ が解離しています (実際は解離平衡)。
メチルオレンジでは二つのベンゼン環が -N=N- と架橋されています (アゾ型)。
酸性水溶液中ではここの部分にプロトン付加して =N-NH- となり, これにあわせて
左のベンゼン環がパラジアミノ基までがキノイド構造に変化します (キノイド型)。
この様な構造の変化により分子の電子状態が変わり, 吸収する光の波長が:
塩基性(アルカリ性)水溶液中 ー アゾ型 ー λ_max = 480 nm, 溶液の色は黄
酸性水溶液中 ー キノイド型 ー λ_max = 500 nm, 溶液の色は赤
と変化します。

したがってこのメチルオレンジ水溶液では, 酸性側で色が濃い・深いように見える
ことになるかと思います。