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大学への削除要求と,日本システム企画株式会社が仮処分を宣伝に使うかもしれない件(2019/07/22)

  ちょっと前に書いた「@Material300の凍結の件(2019/06/24)」に関する追加情報を得たので注意喚起しておく。追加情報とは,このページの最後に添付した画像のもので,仮処分についての書面のコピーである。

 

入手の経緯

 最近,日本システム企画株式会社が2回ほど,私の職場に,批判記事を削除しろというクレームを送ってきている。いろいろ資料が添付されているので,私としては,放って置いても向こうから勝手にどんどん情報が提供されることになっていて,探し回る手間が省けて逆にありがたい。その資料の中に,ツイッターアカウント@Material300氏に対して仮処分をやって認められた,というものがあった。


何が問題なのか

 @Material300氏がどんな内容を呟いていたかは上記リンクに保存してあるので,そちらを見ていただきたい。この方のツイートには,科学的根拠のあるNMRパイプテクター批判と,日本システム企画株式会社が反社と関わりがありそうだという根も葉もない噂の両方が含まれている。後者に問題があることは言うまでもないし,私も上記リンク内で批判している。根も葉もない噂を流したことについて,ツイッターアカウントの凍結があったり,何らかの法的措置があってもそれはまあ仕方がないだろう。

 問題は,日本システム企画株式会社が,科学的根拠があって必要な批判についてまで,下に示した書類を他所でも使って,「アカウント削除の仮処分が認められた内容だ」「(科学的)批判をすることは違法な行為だ」などと主張して止めさせようとしかねない,というところにある。

  以下,本件仮処分は,日本システム企画株式会社が,殴り返してこない相手を利用して批判=違法であるという印象操作をできる状態になってしまっている,ということについて指摘する。

 

 アカウントを仮に削除せよ,の意味

 日本システム企画株式会社が要求している相手は,@Material300氏本人ではなく,ツイッター社で,アカウントの削除と発信者情報の開示を求めている。ただし,訴訟ではなく,「仮処分」である。

 「仮処分」の制度については,例えばベリーベスト法律事務所が簡単に解説を書いて公開している。わかりやすい解説なので,以下に引用する。

仮処分とは、正式裁判の前に、裁判に勝訴したときと同様の状態を確保することができる手続きです。仮処分といっても、裁判所が削除命令を発すれば、ほとんどの場合において命令を受けた相手方は削除に応じるため、その後の手続きは不要になります。

 という手続きなので,あくまでも,後からじっくり裁判で争うことを前提にした制度である。

削除の仮処分が認められるためには、①被保全権利と②保全の必要性の要件を満たさなければなりません(民事保全法13条1項)。
そこで以下、特に問題となる①被保全権利について説明します。

被保全権利とは、仮処分命令の発令などを通して、保全すべき権利のことをいいます。
削除請求の根拠となる権利としては、名誉棄損やプライバシー侵害、その他、著作権法や、商標法に基づく差止請求権なども考えられます。
特に事例が多いのは、名誉棄損を理由とする仮処分です。
名誉棄損を理由とする削除の仮処分の可否については、書き込みの削除が表現の自由に対する制約であることから、書き込み行為が他人の名誉を毀損する事実を適示するものであるだけでは足りず、その適示が違法でなければなりません。そして、他人の名誉を毀損する書き込み行為が適法とされるのは、その行為が①公共の利害に関する事実に係り、②もっぱら公益を図る目的に出た場合で、③適示された事実が真実であるときであるとされています。

……名誉毀損の書かれ方にちょっと違和感があるけどまあそれはそれとして。

 @Material300氏本人と内容の是非について争ったのではなく,あくまでもツイッター社を相手にして,アカウントの削除と発信者情報開示を求めただけ,しかも裁判しておらず仮処分で止まっている,というところに注意してほしい。

 当該内容を書いた本人であれば,自らの言論と表現の自由を守るために,書いた内容についてきちんと争う理由があるかもしれないが,ツイッター社がわざわざいちユーザーのためにコストをかけてアカウント削除や発信者情報開示について争うかというと,まず争わないだろう。そんなことをしていたらコスト的に割に合わない。もちろん,後からリソースを投じて訴訟で争う可能性も極めて低い,というかほぼ無いだろう。また,仮処分の段階で削除が行われれば,日本システム企画株式会社から改めて提訴はしないだろう(提訴が無ければ一定期間後にアカウントを復活させるとそれはそれで面白いのだが,ツイッター社は手間をかけてまでやらないだろう)。仮処分というのは,後からじっくり裁判しましょうということを前提にした制度であるのだが,こういう場合の実際の運用としては,裁判なしで終わる可能性が高いことになる。

 つまり日本システム企画株式会社は,コスト的に割に合わないので絶対に殴り返してこない相手であることを見越して,ツイッター社に対して仮処分を求めたといえる。


隠された情報は何か

 大学へのクレームに添付されていたのは,仮処分決定の書面のみである。投稿のどの部分を指摘して仮処分を求めたのかという情報は出されていなかった

 ここから先は,資料が無いので,ある程度の推測と考察を行うしかない。

 まず,名誉毀損なり業務妨害なりで仮処分が求められるとしたら,ある程度はっきり結論が出そうなものが対象になるのではないか(このへん実務でどうなってるか私はよく知らないのだけど)。@Material300氏が書いた内容のうち,明確に違法であると主張できそうなものは,反社でない企業に対して反社だと主張した④と⑫(名誉毀損だけではなく虚偽の風説の流布もあてはまりそう),国交省の登録技術になっているというのが虚偽だと主張した⑥(実際には外郭団体らしきところに登録情報の管理が移管されている)の3つだけだと私は見ている。というか,一点突破できそうなのがこのあたりじゃないかと思って見ている。残りは,科学の議論であったり,意見論評であるので,免責されるかどうかをゆっくり訴訟で確定させるべきものではないか。

 従って,⑫を仮に削除せよ,とだけ求めるならわかるのだけど,相手が争ってこないことを見越して,ダメ元でアカウント自体の削除を求めることで,残りの科学の議論もわざとに巻き添えにしているように見えなくもない。あるいは,⑫は確実に通るのでそこを主な理由とし,追加で残りも列挙して通した可能性もある。もう1つ別の可能性としては,投稿のほとんどが自動投稿(いわゆるbot)だったようなので,過去のツイートの一部を消すようにツイッター社に求めて,削除が実現したとしても,また定期的に同じ内容が投稿されるので,さしあたりアカウントごと消すしか手がなかったのかもしれない。いずれにしても,違法とはいえない科学としての批判を巻き込む形で仮処分が通ってしまっていることは確かである。

 裁判所の決定だけを出しておくことで,実際にどうだったのかは不明のまま,あたかも,科学としての批判の部分まで裁判所が違法と判断した,という印象を与える結果になってしまっている。だから,仮処分が出ているということと,例えば上記法律事務所の解説を読んで,科学に関する議論や批判まで違法という判断が出た,などと早とちりしてはいけないのである。


仮処分の結果が今後利用される可能性

 仮処分の決定の書面は,私が書いた@Material300の凍結の件(2019/06/24)」と,コンテンツをお茶の水大で公開していた時に送られてきたクレーム文書についての記事を削除するように大学に求める,という根拠として使われた。

 しかし,どの部分について通った仮処分かが添付の文書だけでははっきりしない上に,違法になりそうな部分については,私は明確に否定し批判している。もし,仮処分を求めた根拠が⑫のみであった場合,私が書いた内容についての削除を求める根拠として仮処分決定の書面は全く使えない。が,どういう内容で仮処分を求めたかを隠す,あるいは曖昧にすれば,(運良く大学や私が勘違いした場合に限っては)有効かもしれない。とはいえ,科学に関する意見論評が巻き添えになっている内容なら,どのみちそちらについては機会があれば争うことになるので,削除する理由にはならないのだが。

 しかし,一度はこの仮処分決定の書面が削除要求の根拠として使われたこともまた事実である。今後,NMRパイプテクターの批判をしている人に批判をやめさせるように圧力をかけたり,批判に注目した顧客候補(売り込み先マンションの住人のうち説明に疑問を抱いた人)に対して批判は違法だと主張するために,仮処分の結果が利用される可能性がある。ということで,批判に対する反論の文脈で仮処分決定の書面の話が持ち出された場合には,裁判所が認めた云々を安易に鵜呑みにしないように十分注意してほしい


社長は江戸時代に生きているのか?

 実は今年になって2回ほど,日本システム企画株式会社は,私がこのサイトやSNSで書いたパイプテクター批判について,削除するように,私の職場である大学にクレームを送ってきている。つまり,日本システム企画株式会社は,というか熊野社長は,言論と表現の責任が私個人にではなく所属組織にある,と認識しているといえる。そもそもこのサイト自体,学外に置くようになって何年も経っており,大学にクレームを入れること自体が見当外れである。社長の行動は,個人の自立を前提とした近代市民社会の考え方ではなく,どちらかといえば封建社会の考え方であろう。昭和は既にレトロという枕詞がついたりしてるし,平成30年間も終了し,今や令和なのだから,いい加減に封建社会の考え方を止めてはどうか。時代錯誤も甚だしいと思うのだが。


@Material300氏へ

 私は,@Material300氏がどこの誰だか知らない。が,仮処分の書面からは,発信者情報開示請求が行われている。その結果,どこまでたどれるか(あるいは日本システム企画株式会社が真面目にたどろうとするか)はわからないが,もしかしたら特定されるかもしれない。でもって,反社でない会社を根拠なしに反社呼ばわりした部分は高確率でアウトだし,その部分を問題にする限り,科学の議論をしなくて済むから,日本システム企画株式会社は特定の後に提訴してくるかもしれない。そうなった場合,仮処分の書面を利用したのと同じように,裁判所の判断が反社云々の部分についてだけ出たとしても,科学の批判についても不法行為が認められた,という主張を後々まで行ってきかねない。

 なぜこんな懸念を抱いているかというと,日本システム企画株式会社は,曲解と推測を平気で広める会社だからである。例えば,私がポスドクの仕事で阪大VBLに行って給料も貰いつつお茶の水大の先生と普通に共同研究している状態であったことを指して,お茶の水大を追い出された,などと言いふらしている。実際には,お茶の水大近辺に居たのは2つ目の学位論文をまとめて審査を受けるためと,非常勤講師などの仕事が東京にあったからで,阪大に移動したのはより条件のいい仕事が阪大であり,研究テーマも合っていたという理由だった。会社のページで私をストーカー呼ばわりしているが,これも話は逆だった。事実はこうである。最初のクレーム文書をもらって少しした後,会社のサイトで私を名指しで非難する内容がずっと公開されていた。このため,パイプテクターの売り込みを受けたマンション住民のうち宣伝に疑念を抱いた人が,会社のサイトを調べる→私の名前を見つける→会社と対立してるなら批判のための情報を持っているだろうと考えて販売資料を添付して相談してくる,ということが何年もにわたって続いていたのだ。そうすると,マンションで説明会などをしている最中に私の批判資料やらツッコミやらが出てくるということになる。これをもって,私が顧客に連絡をとって商売の邪魔をしていたと言いたいらしいのだが,何のことはない,会社の方がウェブサイトで「批判してる人はこちらです」という情報を積極的に提供していたというだけだったのだ。自分で誘導しておいて他人をストーカー呼ばわりというのはちょっと酷くないか?なお,私の方は,何もしなくてもちょくちょく販売資料が届くので,ストーカーどころか,日本システム企画株式会社のウェブサイトすらろくに見ていなかった(相談してきた人が,会社の方に出ていた,と言っていたこともあったけど,どうせろくでもないことしか書いてないのはわかりきっていたから手間暇かけて確認に行くのも面倒で放置していた)。会社の主張がいつもこんな調子なので,本件仮処分が宣伝に利用されるだろうと私が考えるのは,別に不自然なことではないだろう。

 ということで,訴訟になったら是非個別にご連絡ください。訴訟資料のコピーを譲って下さいとお願いしたい。それが無理ならせめて事件番号を教えて下さいとお願いしたいので。とにかく,内容確認できる状態にしておかないと,あまり関係のない科学の議論についてまで裁判所で違法と認められた旨言い出しかねない相手なので……。あと,反社云々のところは仕方無いとしても,科学の議論の部分については可能な限り応援します。

 

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