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「天下り」以前の問題だった件

Posted on 7月 25th, 2007 in 倉庫 by apj

 ウチの学長候補の学内意向調査が今日で、朝日新聞にまで記事が出ているわけだが、先日の学内討論会で、文科省出身の結城氏の発言があまりにもアレだったことが判明。
 まず、他の候補はみんな山形大は教育も研究もやる、と言ってるのに、結城氏は、山形大は教育をすべきだ、と発言。外部資金獲得の殆どが「研究」に対するもので、教育に対するものは圧倒的に少ないのに、「教育をすべきだ」じゃあ、どうにもならんがな。企業からの研究費受け入れだって、ほとんどが研究に対するものであって、教育に対するものじゃない。これじゃあ、資金面から山形大学を潰す気としか思えない。
 次の発言が、「大学法人化は大成功」。これには学内の人間もみんな開いた口がふさがらなかったらしい。勿論私もだ。一体どういう種類の脳天気なのかと。法人化のあおりがどれだけ研究と教育の足を引っ張っているか何も知らずによくこんなことが言えたものだ(別にウチの大学に限った話じゃないが)。まあ、事務次官という立場であれば、立場上こう言い張らなければならないのはわかるが、辞めてこっち側の人間になろうって人が言うことじゃないわな。「法人化で出た問題を山形大では解決します」なら支持を集めるに違いないんだが。官僚としてのノウハウって、「現場の実態を無視する」ってことかね?どっちにしても、官僚の感覚のまま来てもらっても困る。まあ、現場のことは知りません、とご自身でも発言していたようではあるが。

 ってことで、朝日新聞が天下り批判などと書いてるが、本当の問題はそれじゃない。この場合はむしろ、「空気嫁」ではないのかと。
 世間一般の「天下り」から期待される利益と、他の候補と大差ない政策は別に矛盾しないわけで、わざわざ、こりゃダメだと思われるような発言をするあたりが何ともイタいなぁ、と。

 もう一点。法人化の問題の大部分は、つまりはお金の問題でもあるので、学長と経営陣には「寄付金を集める才のある人」をあてるべきではないかなぁ。

【追記】
 大学教員さんから、重要な指摘をいただいた。結城氏の業績は、著書や論文が全く無いために、大学設置審議会の基準に照らした場合にマル合として認められないのではないかというものである。つまり、経営側ではなく、教員側の人間として大学に迎え入れること自体に問題がある、しかもこれは天下り云々の批判とは全く別種の問題である。
#ひょっとして、「山形大は教育をやるべき」という結城氏の主張は「研究をやる」ことになったとたん、自身の業績がマル合と認められるかどうか怪しいことが表面化するということに基づいているのでは……?