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サイエンスセミナーの課題

Posted on 5月 29th, 2009 in 倉庫 by apj

 持ち回りでやっていて、外部にも公開している「サイエンスセミナー」という科目があって本日担当。学生は、卒業までに所定の回数出席して点数を溜めると単位がもらえるしくみ。ということは、4年以上経てば一応一巡するから同じネタをやってもよいが、4年以内に担当する場合は別のネタをやらないといけないことになる。
 最初に当たった時は、ニセ科学ネタだったので、今日は真面目に水の基礎的な話。高校生の方や一般の方も30人くらいは聴講に来るので、解説の間に初歩的な理科の知識を補ったスライドを作って、普段よりゆっくり説明することにした。

 試験問題も、講義時間の90分のうちに配って解答してもらうことになっているので、講義に関連していてかつ簡単な問題でなければならない。
 今回は、講義の最後の方で、水の赤外吸収スペクトルを見せて、ν2と、ν1、ν3(この2つは多少異なるが、計算を簡単にするため同じ振動数で見積もることにした)を与えておいて、倍音との結合音の適切な組みあわせの波長を求めて、結果が赤色可視光になることを配付資料の可視光の色刷りスペクトルの図で確認する、というのをやった。つまり、水が青い理由を、ごく簡単な計算で見積もって議論する、というものである。20分弱でささっとできて、講義の感想も書いて貰って、ということなので、このネタを使ってみた。

 ほとんどの人が正解で、議論の説明が怪しいのが少しあったけど、水が青い理由をスペクトルと簡単な計算で確認というのを珍しがってくれた人もいたので、まずまずかなぁ。
 日常目にするものを簡単な計算で確認できるようなネタは、もっといろいろストックしておいた方がいいかもしれない。

【追記】
 そういえば、ストライヤーの生化学だったかで、植物が一日に伸びる長さを示しておいて、その長さ分のセルロースを作るのに、糖のユニットをいくつ繋がなければならないか、といった問題があったような。言われてみればそうなんだけど、最初に見た時は目から鱗だった。版がだいぶ変わっているはずだが、今でも出てるかな。